ChatGPTで要約するやり方とプロンプト例。社内文書を扱うときの学習設定と入力してよい範囲

ChatGPTの要約とは、長い文章や資料をChatGPTに渡し、目的に合わせて要点を短くまとめ直してもらう使い方のことです。やり方は貼り付けて頼むだけと簡単ですが、仕上がりは指示の出し方と原文との照合で大きく変わってきます。また、議事録や顧客情報を含む社内文書を要約するなら、入力が学習に使われない環境を会社として用意することが前提となります。

ChatGPT要約のやり方|貼り付け・ファイル・URL・動画

ChatGPTで要約する方法は、文章を貼り付ける、ファイルを添付する、ウェブ検索を使う、動画や録音を渡すの4通りになります。どれも最後に「要約してください」と頼む点は同じで、違うのは原文をChatGPTに渡す経路のほうです。社内の文書を扱うときは、経路ごとに気をつける点も変わってきます。

文章を貼り付けて要約する

手軽なのは、チャット欄に原文を貼り付け、その上に指示を書く方法です。指示と原文の境目が分かるように「【文章】」のような見出しを挟むと、ChatGPTが指示の一部を原文と取り違えにくくなります。メールの本文やWordの一部を要約したいときは、この方法で足りるでしょう。

ファイルをアップロードして要約する(公式の上限)

PDFやWord、PowerPointなどは、チャット欄のファイル追加からそのまま渡すことが出来ます。OpenAIのヘルプでは、ファイルのアップロードは無料プランと有料プランの両方で使えると案内されています。上限は次のとおりで、1回に渡せる量よりも、回数の上限に先に当たる方が多いかもしれません。

  • 1ファイルあたり最大512MB
  • テキストと文書のファイルは1ファイルあたり最大200万トークン(スプレッドシートは対象外)
  • CSVやスプレッドシートは約50MB以下、画像は1枚あたり最大20MB
  • アップロードは3時間ごとに最大80ファイル。無料プラン(Free)は1日あたり3ファイルまで
  • 保存できる容量はユーザー1人あたり25GB、組織1つあたり100GB

無料プランの1日3ファイルは、会議資料を何本か続けて要約しようとすると、すぐに届いてしまう数です。アップロードに失敗した場合でも回数に数えられることがあり、残りの回数を画面で確かめる方法も今のところ用意されていません。混雑時には上限が引き下げられる場合もあるため、締め切り前の資料をまとめて処理する日は、余裕をもって始めましょう。

※上限の数値は、2026年9月28日時点でOpenAI公式ヘルプ「ファイルのアップロードに関するFAQ」(日本語版)に表示されている内容です。上限は予告なく変わることがあります。

形式ごとの細かな扱いは、ChatGPTのファイルアップロード方法と上限でも整理しています。

WebサイトやURLを要約する

公開されているWebページなら、ウェブ検索の機能を使って内容を調べさせ、要約させることも出来ます。OpenAIのヘルプによると、ウェブ検索は無料版を含む各プランで使え、最新情報が役立つ場面では自動で検索が走り、手動では「すべてのツールを表示」から「検索」を選ぶ形になります。一方で同じヘルプには、検索結果や引用が不完全だったり古かったりする場合があるので、引用元を開いて確かめるよう書かれています。要約したいページが決まっているなら、本文をコピーして貼り付けるほうが、どこを読んだ要約なのかがはっきりします。社内システムの画面やログインが必要なページも、この貼り付けの方法で扱うことになるでしょう。

YouTube動画・会議の録音を要約する

動画もファイルとして添付でき、無料プランも対象ですが、使えるかどうかは端末や添付の方法、アカウントによって変わります。ただしOpenAIのヘルプ(英語版)は、動画の分析が不完全だったり、動画全体や音声を正しく読み取れなかったりする場合があると明記しています。字幕や文字起こしのテキストがあるなら、そちらを貼り付けるほうが要約の土台として確かでしょう。

なお、YouTubeの利用規約は、YouTubeが明示的に認めた場合などを除いて、コンテンツのダウンロードや複製を禁じています。他人の動画を保存して添付する使い方は避け、自社で撮った動画や会議の録音を対象にしましょう。会議の録音から議事録を作る流れは、Web会議の文字起こしや動画要約AIの記事で詳しく扱っています。

Chrome拡張機能を使う前に確認したいこと

閲覧中のページや動画をワンクリックで要約するChrome拡張機能も、ストアには数多く並びます。便利な反面、拡張機能には閲覧中のページの内容を読み取るものもあります。提供元とプライバシーの欄を確かめてから入れましょう。会社のパソコンなら、使ってよい拡張機能を会社で決めておくほうが安全となります。

そのまま使える要約プロンプト例

要約の指示には、目的・読み手・長さ・形式の4つを入れると、使える要約が返ってきやすくなります。「要約して」だけで頼むと、ChatGPTは誰に向けた要約かを決められず、無難で長めの文章を返しがちです。下の例は、そのままコピーして「(ここに貼り付け)」を差し替えれば使えるようにしてあります。

基本の型|要約の目的と読み手を指定する

次の文章を要約してください。
・目的:部長が5分で判断できるようにする
・読み手:この案件を初めて見る管理職
・長さ:300字以内
・形式:結論、理由、次にやることの順に箇条書き
・原文にないことは書かず、分からない点は「原文に記載なし」と書く
・数字、日付、社名、人名は原文のまま書く

【文章】
(ここに貼り付け)

目的と読み手を書くだけで、同じ原文でも残す情報が変わります。たとえば部長向けなら判断に要る数字が残り、新人向けなら用語の説明が残る、といった違いが出てくるでしょう。最後の2行にある、原文にないことを書かせない指示と原文のまま書かせる指示は、後で誤りを探す手間を減らすためのものです。

議事録を要約する

会議の文字起こしを議事録にするときは、決まったことと宿題を分けて出させるのが基本になります。

以下は会議の文字起こしです。議事録の形に要約してください。
1. 決まったこと
2. 決まらなかったこと(論点と、それぞれの意見)
3. 宿題(担当者と期限。原文に期限がなければ「期限未定」)
発言者が特定できない発言に、推測で名前を付けないでください。

【文字起こし】
(ここに貼り付け)

発言者を推測で埋めさせない一文は、議事録で起きやすい取り違えを防ぐためのものです。期限が原文にない宿題に、ChatGPTがそれらしい日付を付けてしまうこともあるため、「期限未定」と書く逃げ道を用意しておきましょう。

長いメールのやり取りを要約する

以下のメールのやり取りを、返信する立場から要約してください。
「相手が求めていること」「こちらが答えるべき質問」「期限」の3つに分けてください。

【メール】
(ここに貼り付け)

返信する立場を指定すると、要約がそのまま返信の下書きの材料になります。返信文まで作らせる使い方は、ChatGPTでメール作成・返信でまとめています。

報告書・論文を要約する

この報告書の要約を、次の順で作ってください。
・調査の目的と方法(誰を、いつ、何人)
・主な結果(数値は原文のまま、ページ番号を付ける)
・著者自身が挙げている限界
結果の数値を丸めたり、言い換えたりしないでください。

【報告書】
(ここに貼り付け、またはファイルを添付)

数値を丸めさせない指示と、ページ番号を付けさせる指示が、原文と照合するときの手がかりになります。著者が挙げている限界まで拾わせると、結論だけが独り歩きするのを防ぐことが出来ます。

1行・3行・詳細の3段階で出す

次の文章を、3段階で要約してください。
①1行(40字以内)
②3行
③詳細(原文の見出しごとに箇条書き)

【文章】
(ここに貼り付け)

読む人によって必要な粒度が違う資料は、3段階で一度に出させると、そのまま社内チャットと報告書に振り分けられます。指示の組み立て方の型はChatGPTのプロンプトの書き方にも載せています。

ChatGPT要約の精度を高めるコツ

精度を上げるには、1回で完璧な要約を求めるより、要約させた後に確かめる質問を重ねるほうが近道です。次の5つは、上のプロンプトに足すだけで効き目が出やすいものになります。

原文の言葉を残させる

数字・日付・人名・社名は「原文のまま書く」と指示しておくのが基本です。要約は言い換えが仕事なので、指示がないと「約3割」を「多く」のように丸めてしまうことがあります。

根拠の一文を並べさせる

要約の各項目に、根拠となる原文の一文を並べて書かせると、確かめる作業がぐっと楽になります。根拠の一文を原文の中で検索し、見つからなければその項目は疑ってかかりましょう。原文にない一文が紛れ込んでいても、この方法なら見つけやすくなるはずです。

形式で長さを縛る

「300字以内」だけでなく「箇条書き5つまで」のように形式で縛るほうが、狙った長さに近づきやすくなります。文字数の指定はぴったり守られるとは限らないため、仕上げで字数を確かめるのが無難でしょう。

抜けた論点を聞き返す

要約が出たら、続けて「この要約で抜けている論点はありますか」「原文の中で反対意見はどこにありますか」と聞いてみてください。1回目の要約から落ちた内容が、2回目の答えで見つかることは珍しくありません。

資料が変わったら新しいチャットで

同じチャットで別の資料の要約を続けると、前の資料の内容が混ざるおそれがあります。資料が変わったら、新しいチャットを開き直すのが確実です。

長文・PDFを要約するときの分割と注意点

長い文書は、章ごとに要約してから最後に全体をまとめる分割のやり方が確実です。OpenAIのヘルプ(英語版)も、入力が大きすぎる場合の対処として、入力を小さな部分に分けることや、送る前に要約や下処理をすることを挙げています。

長文を分割して要約する手順

  1. 見出しや章の単位で原文を分ける(文の途中で切らない)
  2. 章ごとに、同じ形式の指示で要約させる
  3. 章の要約をまとめて貼り、全体の要約を作らせる
  4. 全体の要約と各章の見出しを見比べ、抜けた章がないか確かめる

分けて送ると、ChatGPTが途中で要約を始めてしまうことがあるため、「以上です」と送るまで要約しないよう最初に伝えると進めやすくなります。章ごとの要約を同じ形式にそろえておけば、最後にまとめるときも項目の抜けに気づけるでしょう。

PDFの要約で図表が抜ける理由

PDFを要約させたのに、グラフや表の内容が要約に出てこないときは、ChatGPTがそもそもその部分を読めていない可能性があります。OpenAIのヘルプによると、PDFの画像まで読むビジュアル検索はChatGPT Enterpriseだけの機能で、そのほかのプランではファイルから文字データだけを取り出し、画像は捨てる扱いになっています。文字データを含まない(OCRをかけていない)スキャンPDFはページ全体が画像のため、文字として読める部分がほとんど残らないことになってしまいます。スキャンしたPDFや図が中心の資料は、そのまま渡しても中身が要約に入らないと考えましょう。

対処としては、OCR(画像の文字を読み取って文字データにする処理)をかけたPDFに作り直すか、必要なページを画像として添付する方法があります。ただし画像での読み取りについても、日本語のようなラテン文字以外の文字では性能が下がると、OpenAIのヘルプに書かれています。文字の大きな画像にすること、回転していない向きで添付することも、同じヘルプが挙げている工夫です。

添付したファイルを削除した後の扱い

要約のために添付したファイルは、そのチャットが残っている間はアカウントに保存されます。チャットを削除すると関連するファイルも30日以内に削除されると案内される一方、ライブラリに保存したコピーはチャットを消しても残ります。社外秘の資料を一度だけ要約した場合は、ライブラリにも残っていないかを見ておきましょう。PDFの読み込みそのものは、ChatGPTにPDFを読み込ませる方法も参考になります。

※PDFの扱い・画像の読み取り・ファイルの保存期間は、2026年9月27日〜28日時点でOpenAI公式ヘルプに表示されている内容です。分割の考え方はOpenAIのヘルプ(英語版)「Understanding and counting tokens」(2026年9月27日確認)によります。

無料版と有料版の違い|要約で差が出るところ

要約だけなら無料版でも十分に始められますが、ファイルを続けて扱う日が多いなら有料版の上限が効いてきます。要約で差が出るのは、主にファイルの回数、プロジェクトに置けるファイルの数、学習の扱いの3点になります。

  • ファイルのアップロード:3時間ごとに最大80ファイル(Freeはさらに1日3ファイルまで)
  • プロジェクト1件に置けるファイル:Freeは5、Go・Plusは25、Edu・Pro・Business・Enterpriseは40
  • 学習:Free・Go・Plus・Proの個人向けプランは、設定でオフにしない限り入力が学習に使われることがある。Business・Enterpriseは初期状態で学習に使われない

料金は、日本から表示した料金ページで、個人向けのPlusが月3,000円、法人向けのBusinessの標準シートが年額課金で月3,050円、月額課金で月3,850円(いずれも1人あたり)と表示されています。Businessを月額課金で10人に配ると、毎月38,500円の出費になる計算です。料金ページに税込か税別かの記載はないため、実際の請求額は申し込みの画面で確かめてください。

※料金は2026年9月16日時点で、日本から表示したChatGPTの料金ページの円表示です。表示通貨は閲覧環境で変わり、米ドルで表示される場合もあります。アップロードの上限とプロジェクトのファイル数は、2026年9月28日時点のOpenAI公式ヘルプの内容です。

法人向けプランの違いは、ChatGPTの法人プランの料金で詳しく比べています。

無料か有料かを個人で選ばせず、要約する環境を会社で1つに

無料版か有料版かを社員が個人で選ぶより、使う環境を会社で1つにまとめる方法もあります。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。

社内文書を要約する前に確認したい学習の扱い

個人向けのChatGPTでは、要約のために貼った文章や添付したファイルも、設定次第でモデルの学習に使われることがあります。OpenAIのヘルプは、Free・Plus・Proを個人用ワークスペースで使う場合、データの共有は初期状態で有効になっていると説明しています。学習に使わせたくない場合は、自分でオフに切り替える必要が出てきます。

学習をオフにする画面操作

  1. 画面のプロフィールアイコンをクリックする
  2. 「設定」を開き、「データコントロール」に進む
  3. 「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにする

ヘルプによっては「データ管理」「すべてのユーザー向けにモデルを改善する」と書かれている箇所もありますが、同じ設定を指しています。この設定は、スマートフォンから切り替えてもパソコンから切り替えても、アカウント全体に効きます。オフにした後は新しい会話が学習に使われなくなる、という書き方になっており、それ以前の会話の扱いまでは説明されていません。切り替えの詳しい手順は、ChatGPTに学習させない設定で画面の流れに沿って紹介しています。

学習オフでも学習に使われる例外

見落としやすいのが、回答の下にある「良い回答」「良くない回答」の評価ボタンになります。OpenAIのヘルプには、学習をオフにしていても、評価などのフィードバックを送ると、そのフィードバックに関連する会話全体が学習に使われることがあると書かれています。要約の出来が良かったからと評価ボタンを押すと、貼り付けた社内文書ごと学習の対象になりうるわけです。社内文書を扱う会話では評価ボタンを押さない、と社内のルールに書いておきましょう。

一時チャットは保存すると通常のチャットに戻る

一時チャットは、新しいチャットを開いて画面右上の「一時」ボタンを押すと始められる、履歴に残らないチャットです。一時チャットの会話はモデルの学習に使われず、メモリも作られない一方で、安全上の理由から最長30日間はコピーが保管される場合があります。さらに、一時チャットを保存すると通常のチャットになり、アカウントの学習の設定がそのまま適用されることになります。学習をオンのままにしている方が一時チャットの要約を保存すると、その会話は学習に使われうる扱いに戻ってしまいます。

法人向けプランの扱い

ChatGPT BusinessとEnterpriseは、入力も出力も初期状態で学習に使わないとOpenAIが説明しています。Businessでは、管理者がワークスペース内の会話履歴を閲覧・エクスポート・削除でき、データの保持期間も設定できる仕組みです。学習に使わない設定でも、データがOpenAIに一切残らないという意味ではない点は、個人向けと同じく押さえておきたいところでしょう。

※学習の扱い・設定の名前・一時チャットの説明は、2026年9月27日〜28日時点でOpenAI公式ヘルプ(日本語版)とエンタープライズプライバシーのページに表示されている内容です。画面の表記はヘルプの記載に基づきます。

議事録・社内資料・顧客情報、要約に入れてよい範囲の線引き

要約に入れてよいかは、文書の中に個人データや取引先との秘密が含まれるかで線を引くと判断しやすくなります。根拠として押さえておきたいのが、個人情報保護委員会が2023年6月2日に出した「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」です。注意喚起は、個人情報取扱事業者(会社など)が個人情報を含むプロンプトを入力する場合には利用目的の達成に必要な範囲内かを十分に確認すること、本人の同意なく個人データを入力し、それが応答の出力以外の目的で扱われる場合は個人情報保護法に違反する可能性があることを挙げています。そのうえで、提供事業者がその個人データを機械学習に使わないことなどを十分に確認するよう求める内容です。

文書の例個人アカウントのChatGPT会社で管理する環境(学習に使わない設定)
公開済みの情報(プレスリリース・公開記事・カタログ)要約してよい要約してよい
社内の一般資料(業務マニュアル・社内報・研修資料)学習オフを確かめたうえで要約してよい
社外秘の議事録・経営資料(検討中の案件・数字)入れない社内規程で認めた範囲で
取引先から受け取った資料(秘密保持契約の対象)入れない契約で外部サービスへの入力が認められるかを確かめてから
顧客・従業員の個人情報(氏名・連絡先・評価)入れない利用目的の範囲内かを確かめ、不要な項目を消してから
健康状態など特に配慮が必要な個人情報入れない原則入れない。必要なら社内で個別に判断

※線引きは、個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(令和5年6月2日。2026年9月25日に原文を確認)の考え方をもとにした目安です。個人情報保護法の当てはめや契約の解釈は、個別の事情によって変わります。

個人データを含む議事録は、要約の前に氏名を「Aさん」「顧客1」のように置き換えるだけでも、入力する情報を減らすことが出来ます。取引先の資料は、秘密保持契約に外部サービスの利用についての定めがないかを先に見ておくと安心です。表の右の列は、会社で管理する環境であっても入力の線引きは残る、という意味で読んでみてください。

社員ごとに学習の設定がばらつくと何が起きるか

個人のアカウントで要約を使う限り、学習の設定も評価ボタンの扱いも、社員一人ひとりの判断に委ねられたままになります。10人の社員が個人のChatGPTを使っていれば学習の設定は10通りあり得て、誰がオフにしているかを会社がまとめて確かめるのは簡単ではありません。ある社員は学習をオフにしていても、隣の社員はオンのまま顧客名入りの議事録を貼っている、という状態が起きても気づきにくいのが実情です。線引きの表を配っても、守れたかどうかを後から確かめる記録が会社に残りません。さらに、会社が一部の社員にしか環境を用意しないと、残りの社員が自分のアカウントで要約を始める、いわゆる野良AI(シャドーAI)の入り口にもなってしまいます。

要約は毎日のように使う機能だからこそ、個人の設定に任せず、会社として同じ条件の環境をそろえておきたいところです。

要約の誤り(ハルシネーション)を確かめる業務手順

生成AIがもっともらしい誤りを書くことをハルシネーションと呼び、要約でも数字の取り違えや原文にない一文の混入として起こります。社外に出す要約や、判断の材料にする要約は、次の手順で原文と突き合わせてから使いましょう。

  • 1. 数字・日付・固有名詞を原文と照合する金額・日付・社名・人名は、1つずつ原文を検索して一致を確かめます。丸めや単位の変換がないかも見ます。
  • 2. 肯定と否定が入れ替わっていないか見る「実施しない」が「実施する」に、「検討中」が「決定」に変わっていないかを確かめます。
  • 3. 根拠の一文を原文の中で探すプロンプトで根拠の一文を並べて書かせておき、原文に同じ文があるかを検索します。見つからない項目は削るか書き直します。
  • 4. 抜けた章や論点がないか見出しと見比べる原文の見出しの一覧と要約を並べ、触れていない章がないかを確かめます。分割して要約した場合は、章ごとの要約がそろっているかも見ます。
  • 5. 確認した人と日付を残す社外に出す要約は、作った人とは別の人が確かめ、確認者と日付を記録します。

照合の手間は、要約の用途によって変えてかまいません。自分が読むためのメモなら1と2だけ、取引先や経営会議に出す要約なら5つすべて、という程度に分けると続けやすくなります。すべての要約を同じ重さで確かめようとすると、かえって要約を使うこと自体が負担になってしまうでしょう。社外に出す要約だけは、作った人とは別の人が原文と照合する形を崩さないようにしましょう。ハルシネーションの扱いは、ChatGPTのデメリットの記事でも取り上げています。

要約を業務で使うときの注意点(入力上限・著作権・機密情報)

押さえておきたい注意点は、入力の上限、他人の著作物の扱い、機密情報の3つになります。

入力の上限と混雑時の制限

ファイルの上限は前の節のとおりで、混雑時には引き下げられる場合があるとOpenAIは案内しています。締め切りのある作業では、上限に当たったときの代わりとして、本文の貼り付けや分割の手順を決めておきましょう。無料プランで回数を使い切った場合も、本文を貼り付ける方法なら要約を続けられる場合もあるでしょう。

他人の著作物を要約するとき

新聞記事や書籍、他社の有料レポートを要約して社内で共有する使い方は、著作権や購読契約の条件に触れる場合があります。要約した文章を社外向けの資料や記事に載せるなら、元の文章をどこまで使ってよいかを、契約や引用のルールに照らして確かめてください。判断に迷う場面では、社内の法務担当や専門家に相談するのが確実でしょう。

機密情報と個人情報

機密情報と個人情報の線引きは、前の節の表をそのまま社内ルールに移すことから始められます。ルールの作り方は生成AIの社内ガイドラインの作り方で、点検の項目は生成AIのセキュリティ対策チェックリストで詳しくまとめています。

ChatGPT以外で要約に使える手段(会議ツール・他のAI)

要約する対象によっては、ChatGPTに渡すより、ふだん使っているツールの要約機能のほうが手間の少ない場合もあります。

Web会議ツールに付いている要約機能

会議の要約なら、Web会議ツールの側にも要約の機能が備わっています。

  • Zoom:AI Companionのミーティング要約(2026年6月に名称をZoom AIに統合すると同社が発表)
  • Google Meet:「Gemini でメモを取る」
  • Microsoft Teams:インテリジェント要約(Teams PremiumライセンスまたはMicrosoft Copilotライセンスが必要)

会議ツールの要約は録音から直接作られるため、文字起こしを書き出してChatGPTに貼る手間がかからないのが利点です。どこまで使えるかは契約しているプランによって変わるため、自社の契約で確かめてみてください。議事録向けのツールの比べ方は、AI議事録ツールの記事が参考になります。

ChatGPT以外の生成AI

ClaudeやGeminiでも、ファイルを添付して要約させることが出来ます。Claudeのヘルプでは、チャットに添付できるファイルは1つあたり500MBまでとされ、PDFやWord(DOCX)、Excel(XLSX)などの文書形式が対応に挙がっています(XLSXはコード実行とファイル作成の機能を有効にする必要があります)。GoogleのGemini Notebook(旧NotebookLM)は資料をソースとして読み込ませて質問する使い方に向いたツールで、1つのソースは最大50万語、ファイルは200MBまで、無料では1つのノートブックに最大50個のソースを置ける仕組みです。同じ資料を2つのAIに要約させて、食い違った箇所だけを原文で確かめる使い方も、誤りを見つける助けになります。複数のAIの使い分けは、マルチAIや主要4AIの違いと使い分けで整理しています。

※会議ツールの要約機能、Claude・Gemini Notebookの上限は、2026年9月16日〜17日時点で各社の公式ページ・ヘルプに表示されている内容です。個人向けのサービスでは、学習の扱いがChatGPTと同じく設定やプランで変わる点にご注意ください。

会社で要約を安全に使うには

会社で要約を使うなら、学習させない設定、ログの管理、社員への配布、複数AIの使い分けの4つを、個人任せにせず会社の側でそろえることが近道になります。

学習させない設定を会社の側で一律にする

社員が一人ずつ設定を切り替える形では、切り替え忘れや評価ボタンの例外を防ぎきれません。法人向けのプランや、入力を学習に使わない設定が標準で適用されるサービスを選べば、設定の確認を社員ごとに行う必要がなくなります。選ぶときは、学習に使わないことが契約や公式の説明にはっきり書かれているかを確かめてください。OpenAIのエンタープライズプライバシーのページも、法人向けのデータは初期状態で学習に使わない一方、会社がデータ共有に明示的に同意した場合は、共有されたデータを学習に使うことがあると説明しています。法人向けのプランを選んだ後も、データ共有に同意していないかを、導入時と担当者が替わったときに確かめておくと安心です。

誰が何を要約したかをログで残す

要約に入れてよい範囲を決めても、守られているかを確かめる手段がなければ、ルールは紙の上のものになってしまいます。会社が利用ログを見られる環境なら、問題が起きたときに、どの会話で何が入力されたかをさかのぼることが出来ます。ログが残ると分かっているだけでも、線引きを意識して使う方が増えるでしょう。

使う社員全員に配る

費用を理由に一部の社員にだけ環境を渡すと、渡されなかった社員が個人のアカウントで要約を始める余地が残ります。1人あたりの月額で課金されるプランでは、人数が増えるほど費用も比例して増えるため、全員に配る判断が重くなりがちです。配布の範囲と費用の釣り合いは、ChatGPTの法人プランの料金の人数別の比較も参考にしてみてください。

要約する文書に合わせて複数のAIを使い分ける

長い契約書の読み込み、Webの情報の要約、会議の議事録というように、要約の対象によって扱いやすいAIは変わってきます。1つの契約で複数のAIを切り替えられる環境なら、同じ資料を別のAIで要約し直し、食い違いを誤りの確認に使うことも出来ます。よく使う要約の指示を社内で共有しておけば、誰が要約しても同じ形式で結果がそろうようになります。

社内文書の要約を、学習させない環境で

UPGEAR AIは、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で切り替えて使える法人向けAI基盤です。要約に入れた文書も、全モデルで学習非利用が標準で適用されます。会話履歴・利用ログ・アカウントの管理は国内サーバー(AWSの日本リージョン)で行われます。自社資料を読み込ませて回答する社内文書RAG、よく使う指示と手順をBOTにして社内限定で共有できるカスタムプラス、利用ログ・権限・モデルON/OFFを扱う管理者ダッシュボードを備えています。料金は月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。初期費用100,000円(税抜)が別途かかります。

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よくある質問

ChatGPTの無料版でも要約はできますか?
できます。無料版でも、文章の貼り付けやファイルの添付で要約を頼めます。ただしOpenAIのヘルプでは、無料プランのファイルのアップロードは1日あたり3ファイルまでとされています。また個人向けプランでは、設定でオフにしない限り、入力した内容が学習に使われることがあります。
PDFを要約させたら、図や表の内容が抜けていました。なぜですか?
OpenAIのヘルプによると、PDFの画像まで読み取るビジュアル検索はChatGPT Enterpriseだけの機能で、ほかのプランではファイルから文字データだけを取り出し、画像は捨てる扱いです。図や表が画像になっている部分や、文字データを含まないスキャンPDFは、要約に反映されない場合があります。OCRで文字データにしてから渡すか、必要なページを画像として添付する方法があります。
どのくらい長い文章まで要約できますか?
OpenAIのヘルプでは、テキストや文書のファイルは1ファイルあたり最大200万トークン、ファイルのサイズは最大512MBとされています。ただし長い文書は、章ごとに分けて要約してから全体をまとめたほうが、抜けや誤りを確かめやすくなります。
学習をオフにすれば、社内文書を入れても問題ありませんか?
学習をオフにしても、回答に「良い回答」「良くない回答」の評価を送ると、その会話全体が学習に使われることがあるとOpenAIは説明しています。また学習オフは、データがOpenAIに残らないという意味ではありません。顧客情報や取引先の秘密を含む文書は、会社で管理する環境で、入れてよい範囲を決めたうえで扱うことをおすすめします。
一時チャットで要約すれば安全ですか?
一時チャットの会話は履歴に残らず、学習にも使われません。ただし安全上の理由から最長30日間コピーが保管される場合があり、一時チャットを保存すると通常のチャットになってアカウントの学習の設定が適用されます。社内文書を扱う場面では、一時チャットだけに頼らず、入力してよい範囲の線引きと合わせて使うのが無難です。
議事録の要約に顧客名が入っていても構いませんか?
個人情報保護委員会は、個人情報を含むプロンプトを入力する場合は利用目的の達成に必要な範囲内かを十分に確認すること、本人の同意なく個人データを入力し、それが応答の出力以外の目的で扱われる場合は法違反となる可能性があるため、提供事業者がその個人データを機械学習に使わないこと等を十分に確認することを求めています。個人アカウントには入れず、会社で管理する環境でも、不要な氏名は「顧客1」のように置き換えてから要約すると、入力する情報を減らせます。

まとめ

ChatGPTの要約は、原文を貼るかファイルを添付して頼むだけで使えますが、目的・読み手・長さ・形式を指示に入れるかどうかで仕上がりが大きく変わります。長文は章ごとに分けて要約し、PDFはEnterprise以外では画像が読まれない点を踏まえて、スキャンした資料は文字データにしてから渡しましょう。要約の結果は、数字と固有名詞、肯定と否定、根拠の一文を原文と突き合わせてから使うのが基本です。

社内文書を要約するなら、Free・Plus・Proでは学習が初期状態で有効な点、評価ボタンの例外、一時チャットを保存したときの扱いを知ったうえで、入れてよい範囲を会社として決めておく必要があります。そのうえで、学習させない設定とログの管理を社員一人ひとりに任せず、会社で用意した同じ環境で全員が要約を使える状態を目指してみてください。法人のAI活用に関するほかの記事は、AI活用コラム一覧にまとめています。