NotebookLMに学習させない設定は要るのか。入れた資料の扱いと会社で確かめる点

NotebookLM(2026年7月から Gemini Notebook に名称変更)に学習させない設定とは、入れた資料や質問をGoogleのAIの学習に使わせないための設定のことで、公式ヘルプにはそうした設定の案内はなく、既定で学習に使われない仕組みと説明されています。ただし、個人のGoogleアカウントで回答に高評価・低評価を付けて送ると、その内容は人のレビューの対象になる場合があり、レビュー済みのものは最長3年間保存されることになります。会社のGoogle Workspaceアカウントについては、評価ボタンを押しても人のレビューや学習には使われないと公式ヘルプでは説明されています(追加サービス扱いのエディションは後述)。会社で確かめるのは、社員がどのアカウントで使っているか、評価ボタンの扱い、共有と削除の扱いの3点に絞られます。

共有設定のミスなど、学習とは別の経路で起きる漏洩については、NotebookLMの情報漏洩が起きる7つの経路で、誤って公開したときの初動とあわせてまとめています。ここでは、入れた資料が学習に使われるのかという1つの問いと、会社で何を確かめればよいかに絞ってお伝えしていきます。

※NotebookLM(Gemini Notebook)の学習とデータの扱いは、2026年10月4日時点で Google の公式ヘルプとGoogle Workspaceの生成AIプライバシーハブに記載されている内容です。仕様は変わることがあるため、導入の判断の前に公式ページで最新の記載をご確認ください。

NotebookLMに入れた資料は学習に使われるのか

NotebookLMに入れた資料や質問、生成された回答は、評価ボタンを押さない限りGoogleの基盤モデルの学習には使われない、というのが公式ヘルプの説明になります。ヘルプには、ノートブックの中身は「ユーザーがフィードバックを送信しない限り、Google の基盤モデルのトレーニングに直接使用されることはありません」と書かれています。対象になるのは、追加したファイル、生成した出力、チャット履歴です。

公式サイトのよくある質問でも、個人ユーザーとして使う場合は「フィードバックを共有しない限り、データがトレーニングに使用されることはありません」という案内があります。Workspaceを利用している会社については、さらに一歩進んで、フィードバックを送ったときでもアップロード・質問・回答が学習に使われないと書かれています。有料プランで扱いが変わるとする記載は公式ヘルプに見当たらず、学習の有無を分けるのは、評価ボタンを押したかどうかと、どのアカウントで使っているかの2つになります。

学習をオフにする設定の案内はない

ChatGPTのように設定画面で学習への利用をオフにする操作について、NotebookLMの公式ヘルプには案内がありません。既定で学習に使われない仕組みと説明されているため、切り替える設定を探す必要はない形になります。社員から設定の場所を聞かれたときは、評価ボタンを押さない運用で守るものだと伝えてみてください。

よく似た話として、Geminiアプリには[アクティビティの保存]という設定があります。これはGeminiアプリでのチャットの扱いを決める設定で、NotebookLMのデータとは別に管理されています。公式ヘルプには「Gemini アプリで [アクティビティの保存] をオフにしたり、Gemini アプリ アクティビティを削除したりしても、Gemini Notebook のデータは削除されません」とあり、Geminiアプリ側の設定をいくら触っても、ノートブックの中身には届かないということになります。ChatGPT側の設定の考え方はChatGPTに学習させない設定と、オフでも残る例外で整理しています。

学習と、回答のために資料を読むことは別

学習に使われないと聞いても、資料を読んで答えているなら同じではないかと感じる方もいるでしょう。学習とは、入れた内容をAIのモデルそのものの改善に取り込むことで、取り込まれた内容は他の利用者への回答に影響する可能性が出てきます。一方、NotebookLMが回答を作るときに資料を読むのは、回答のためにそのノートブックの資料を参照する処理です。

ヘルプの言葉を借りると、NotebookLMは追加したファイルや生成した出力、チャット履歴を使って「ナレッジベースを構築」し、調査や作業を手伝う仕組みになっています。資料を読んで答えることと、モデルの学習に使うことは、別の話として考えてください。公式ヘルプのよくある質問にも「ユーザーのデータが Gemini Notebook によって共有されることはありません」という記載もあります。

NotebookLMはGemini Notebookに名称が変わった

公式サイトのよくある質問には「2026 年 7 月より、NotebookLM は Gemini Notebook になります」と書かれています。これまでのノートブックはそのまま使うことが出来て、別のサービスに移ったわけではありません。公式ヘルプや管理者向けヘルプの表記はGemini Notebookに変わっているので、社内マニュアルやルール文書には「NotebookLM(Gemini Notebook)」と両方を書いておくと、社員が画面の表記と照らし合わせやすくなります。

評価ボタン(フィードバック)を押すと人のレビューに回る

個人のGoogleアカウントで回答に高評価・低評価を付けて送ると、その回答に関わる資料や質問までがGoogleのレビュー担当者に見られる可能性が出てきます。高評価・低評価は手軽に付けられる操作なので、深く考えずに押してしまう方も出てくるでしょう。押した本人は回答の良し悪しを伝えたつもりでも、中身ごと送ることになってしまいます。

送られるものと保存される期間

公式ヘルプでは、高評価または低評価のフィードバックと一緒に、それに含まれるコンテンツが扱われると説明されています。挙げられているのは、質問、アップロードした資料、モデルの回答、Geminiとのチャット、動画解説・音声解説などの生成された出力です。これらは「特別なトレーニングを受けたチームがレビュー」すると書かれています。

レビューを終えたフィードバックは、Googleアカウントとの関連付けを外したうえで、最長3年間保存される仕組みです。アカウントと切り離されるとはいえ、資料の中に顧客名や金額が書かれていれば、その文字自体はレビューの対象に残ることになります。ヘルプにも、フィードバックには機密情報や個人情報を含めないよう注意書きが添えられています。

※出典:Gemini Notebook ヘルプ「Gemini Notebook のプライバシーと利用規約」(17004255)、「問題を報告」(16179536)。2026年10月4日時点の記載です。

会社のWorkspaceならフィードバックしてもレビューされない

同じヘルプには、Google WorkspaceまたはGoogle Workspace for Educationのユーザーについて、別の扱いを書いた項目があります。原文では、アップロード・質問・回答は「高評価または低評価のフィードバックを提供した場合でも、人間のレビュアーによる確認は行われず、AI モデルのトレーニングにも使用されません」とされています。コアサービスの会社のアカウントなら、評価ボタンを押しても人のレビューと学習のどちらにも回らないと読むことが出来ます(追加サービス扱いのエディションは次の節で扱います)。

ただし、会社のノートブックを社外の個人アカウントに共有している場合は注意が必要になります。管理者向けの共有設定のヘルプには、個人のGoogleアカウントを使っている人が、Workspaceの組織が持つノートブックについてフィードバックを送ると、その内容は問題の評価のために収集されると書かれています。会社のアカウントで作ったノートブックでも、共有先が個人アカウントであれば、その人の評価ボタンから中身が出ていく形になってしまいます。

社員一人ひとりに評価ボタンの意味を覚えてもらうのは、思っているより難しいものです。押す前に立ち止まれる人ばかりではないので、会社で使う入口そのものを、押しても中身が出ていかないアカウントにそろえておくほうが、運用の負担は軽くなるでしょう。

個人アカウントと会社のWorkspaceで扱いが分かれる

同じNotebookLMでも、どのアカウントでログインしているかによって、適用される利用規約とデータの扱いが変わります。公式ヘルプでは、仕事用のアカウントにはGoogle Cloud 利用規約、学校用にはGoogle Workspace for Education 利用規約、それ以外のユーザーにはGoogle 利用規約が適用されると区分されています。自分の会社がどこに当てはまるかは、次の表で引いてみてください。

自社の状態学習への利用評価ボタンを押したとき会社が把握・管理できるか
会社のWorkspace(コアサービスのエディション:Business Starter・Standard・Plus、Enterprise 等)使われない人のレビューも学習もなし管理コンソールで利用の可否と外部共有を決められる
会社のWorkspaceだが、追加サービス扱いのエディション(Business Base・Essentials Starter・Workspace Individual 等)Google 利用規約が適用され、エンタープライズ グレードの記載なし公式ヘルプの区分からは明確に読み取れない(管理者がGoogleに確認)管理コンソールでの設定の範囲を管理者に確かめる
社員が私用のGmail(無料)で業務の資料を入れている評価ボタンを押さなければ使われない人のレビューの対象になる場合があり、レビュー済みのものは最長3年保存できない
社員が個人の有料プラン(Google AI Plus・Pro・Ultra)で使っている評価ボタンを押さなければ使われない有料で扱いが変わるとの記載は確認できず、個人アカウントとして扱う前提で考えるできない
会社のノートブックを社外の個人アカウントに共有している共有先の個人アカウントからのフィードバックは収集される(学習への利用の有無は記載なし)共有先が評価ボタンを押すと内容が収集される共有の相手と範囲は会社側で絞れる

※エディションの区分は、Gemini Notebook の管理者向けヘルプとヘルプ16337734の記載(2026年10月3日〜4日時点)によります。個人の有料プランについて、公式が名指しで扱いを書いた文は確認できなかったため、仕事用・学校用以外のアカウントとしての区分どおりに記載しています。

コアサービスと追加サービスの違い

Google Workspaceのエディションのうち、Business Starter・Business Standard・Business Plus・Enterprise系などでは、NotebookLMはGmailやGoogleドキュメントと同じコアサービスとして扱われます。コアサービスには、エンタープライズ グレードのセキュリティとプライバシーとして「アップロードされたファイル、チャット、モデル出力は、人間のレビュアーが確認することも、生成 AI モデルの改善に使用されることもありません」という記載が付いています。Business Starter・Standard・Plusを契約しているなら、コアサービスに当たります。

一方、Business Base・Essentials Starter・Workspace Individualなどでは、NotebookLMは追加サービスとして提供され、利用規約はGoogle 利用規約になります。こちらにはエンタープライズ グレードの記載がなく、公式ヘルプからは扱いの違いを読み切ることが出来ません。追加サービス扱いのエディションで顧客情報を扱うなら、管理者からGoogleに確かめておくか、コアサービスのエディションで使うかを先に決めておきましょう。

Google Cloud経由のEnterprise版で加わる管理

Workspaceとは別に、Google Cloud経由で契約するEnterprise版もあります。公式の概要ページには、データは常にGoogle Cloud プロジェクトの中に保持され、外部と共有することは出来ず、同じプロジェクト内の他のユーザーとだけ共有できると書かれています。ノートブックの一般公開も出来ない仕組みです。

管理の面では、IAMの事前定義ロールによる権限の割り当て、VPC Service Controls(VPC-SC)、顧客が管理する暗号鍵(CMEK)、データの所在地の指定に対応すると案内されています。CMEKを使う場合、ノートブックの暗号化設定は作成後に変えられないとされているので、使い始める前に方針を決めておく必要があります。Google Cloudの運用に慣れた担当者がいる会社向けの選択肢で、料金や買い方はNotebookLM Enterpriseの料金と契約にまとめています。

管理コンソールで利用の可否と対象者を決める

Workspaceの管理者は、管理コンソールでNotebookLMを使える人を決めることが出来ます。管理者向けヘルプの手順は、[生成 AI]>[Gemini Notebook]に進み、[サービスのステータス]で[オン(すべてのユーザー)]か[オフ(すべてのユーザー)]を選んで[保存]する流れです。操作には、Geminiの「設定」管理者権限が必要とされています。

全社で一度に決めるだけでなく、組織部門ごと、またはアクセス グループごとにオンとオフを分けることも出来ます。たとえば、まず総務と営業企画だけでオンにして使い方を固め、ルールが整ってから全社に広げるといった進め方が取りやすくなります。どの部署から始めるかを決めてから、設定に手を付けてみてください。

アカウントの違いを社員任せにせず会社の環境1つにそろえるなら

アカウントの種別や評価ボタンの扱いを社員任せにせず、使う環境を会社で1つに決める方法もあります。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。

自社のアカウントが今どの種別かを確かめる手順

判定表を引くには、まず社員が実際にどのアカウントでNotebookLMを開いているかを知る必要があります。思い込みで会社のアカウントだと決めてしまうと、私用のGmailで使っている社員を見落としてしまいます。管理者と社員の双方で、次の順に確かめてみましょう。

  • 社員:ログイン中のメールアドレスを確かめるNotebookLMを開いたときのアカウントのアドレスが、会社のドメインか、gmail.comなどの私用アドレスかを本人に見てもらいます。複数のアカウントを切り替えて使っている人は、業務の資料をどちらで入れたかも聞いておきます。
  • 管理者:契約しているWorkspaceのエディション名を確かめる契約の担当者か管理者に、Business Starter・Standard・Plusなどのエディション名を確認します。名前が分かれば、判定表のコアサービスか追加サービスかに当てはめることが出来ます。
  • 管理者:管理コンソールでサービスのステータスを見る[生成 AI]>[Gemini Notebook]>[サービスのステータス]で、オンかオフか、どの組織部門が対象かを確認します。オフになっていると、使いたい社員が私用のアカウントに流れる原因になります。
  • 管理者:外部との共有の設定を見る管理者向けヘルプで[[組織名] の外部との共有]と表記されている設定が、オフ・許可リスト登録済みドメイン・オンのどれになっているかを確かめます。
  • 社員:画面のバッジでプランを確かめる公式ヘルプは、画面上部のプロフィール画像の横にPro・Plus・Expanded・Ultraのバッジが出ているかでプランを確かめる方法を案内しています。会社のアカウントかどうかはバッジではなく、アドレスで判断します。

確かめた結果は、社員ごとに会社のアカウント・私用のアカウント・両方の3つに分けて控えておくと、後の棚卸しに使うことが出来ます。管理コンソールの設定を変えた場合、外部共有の変更は反映までに最長で24時間ほどかかることがあると管理者向けヘルプに書かれているので、変更した日の翌日にもう一度画面を見ておくと安心でしょう。

学習されないことと、保存・共有・削除は別に確かめる

学習に使われないと分かっても、それで資料の扱いがすべて安全になるわけではありません。NotebookLMに入れた資料は、学習とは別に、保存され、共有でき、削除の仕方にも決まりがあります。経営者が社内の稟議や取引先への説明で使えるよう、論点を分けて並べると次のようになります。

確かめること公式ヘルプ等の記載会社で確かめる点
学習に使われるか評価ボタンを押さない限り使われない。Workspace(コアサービス)は押しても使われない社員が使うアカウントの種別
人が中身を見るか個人アカウントで評価ボタンを押すとレビューの対象になる場合がある。Workspace(コアサービス)は見ない評価ボタンの社内ルール
どれだけ保存されるかレビュー済みのフィードバックは最長3年保存押してしまった場合の報告の流れ
誰と共有できるか個人のGmailでは最大50人と共有でき、リンクを知っている全員への公開も出来る。Workspaceの外部共有は既定でオフ外部共有と一般公開の設定
削除するとどうなるかノートブックを削除するとソースも削除。Geminiとの会話はGeminiのチャット一覧に戻る。削除したメモは復元できない退職・異動時の扱い
保存場所ドライブから入れたファイルは新しいコピーとして保存され、組織のデータ リージョンの設定は適用されない保存場所の指定が必要な取引先の有無
持ち込みを防げるかWorkspace DLPとは現在統合されていない。IRM(ダウンロード・コピー・印刷の無効化)でドライブのファイルのアップロードを防げる入れさせたくないファイルの指定

※出典:Gemini Notebook ヘルプ(17004255・16269187・16206563・17003757)、Google Workspace 生成AIプライバシーハブ、管理者向けヘルプ「Gemini Notebook の共有設定を管理する」、Google Workspace Updates ブログ(2026年9月10日)。2026年10月4日時点の記載です。

共有の範囲は最小限にとどめる

学習の心配がない会社のアカウントでも、共有の設定を誤れば、資料は社外の人の目に触れてしまいます。管理者向けヘルプでは、外部との共有を、オフ・許可リスト登録済みドメイン・オンの3つから選ぶ形になっていて、Google Workspace Updatesのブログ(2026年9月10日)は、オフが既定の設定だと案内しています。取引先と共有する必要がある会社でも、まずはオフのまま始め、必要になった相手のドメインだけを許可リストに入れる順番が無理のない進め方でしょう。

共有する相手には、閲覧者と編集者のどちらかの権限を付けることになります。編集者はソースの追加・削除に加えて、他の人へのさらなる共有も出来てしまいます。社外の相手には閲覧者を基本にし、共有した相手の一覧を月に1回見直す習慣を付けてみてください。共有の経路ごとの注意点は、前述の情報漏洩の記事で詳しく扱っています。

2段階認証でアカウントそのものを守る

学習の扱いや共有の設定が正しくても、アカウントに他人がログインできてしまえば、ノートブックの中身はそのまま見られてしまいます。Googleのヘルプは、2段階認証プロセスを、パスワードが盗まれた場合に備えてアカウントのセキュリティを強める機能だと説明しています。Workspaceの管理者は、組織内の特定のユーザーやグループに2段階認証を強制的に適用することが出来ます。

私用のアカウントで業務に使っている社員の場合、2段階認証を設定しているかどうかは会社からは見えません。会社のアカウントにそろえることは、学習や共有の扱いだけでなく、ログインの守りを会社側で決められるという意味も持つことになります。

個人アカウントで業務に使っていた場合の棚卸し

すでに私用のアカウントで業務の資料を入れていた社員がいても、責めるより先に、何をどこまで入れたかを聞き取るところから始めるのがよいでしょう。個人アカウントで業務に使う負担は、学習よりも、会社が中身を把握できないことにあります。退職や異動のときも、私用のアカウントに入ったノートブックは本人の手元に残り、会社の管理者からは手が届きません。

聞き取りで確かめる質問

聞き取りは、責任を問う場ではなく、残っている資料を会社のアカウントに移すための確認だと最初に伝えておくと、正直に答えてもらいやすくなります。質問は次の5つに絞ると、1人あたりの聞き取りを短い時間で終えることが出来ます。

  • どのアカウントで使っていましたか私用のGmail・個人の有料プラン・会社のアカウントのどれか。複数ある場合はすべて挙げてもらいます。
  • どんな資料を入れましたか公開資料・社内マニュアル・議事録・顧客の資料・給与や人事の資料のどれに当たるかを、後述の区分で答えてもらいます。
  • 回答に高評価・低評価を付けたことはありますか覚えている範囲で、どのノートブックで押したか、そのノートブックに何の資料が入っていたかを聞きます。
  • 誰かと共有しましたか共有した相手と、リンクを知っている全員への公開にしたことがあるかを確かめます。
  • そのノートブックは今も残っていますか残っているノートブックの名前を一覧にしてもらいます。

会社のアカウントへの入れ直しと後片付け

2026年10月3日時点で確認した公式ヘルプには、個人アカウントのノートブックを会社のアカウントへ移す手順は案内されていません。そのため、元の資料を会社のアカウント側でもう一度ソースとして入れ直す形で進めることになります。入れ直しが終わったら、個人アカウント側の共有を[制限付き]に戻し、ノートブックを削除してもらいましょう。

ノートブックを削除すると、ノートブックとそのソースは削除されると公式ヘルプに書かれています。ただし、Geminiアプリのアクティビティを削除してもNotebookLMのデータは消えないので、削除はNotebookLMの画面で行ってもらう必要があります。削除したメモは復元できないため、入れ直しが済んでいることを先に確かめておくと安心です。

評価ボタンを押していた場合は、そのノートブックに入っていた資料の区分を記録として残しておきます。顧客の個人情報が含まれていた場合の判断や報告の流れは、前述の情報漏洩の記事で初動として整理しているので、そちらを使ってみてください。

社内ルールに入れること:資料の区分と評価ボタン

社内ルールは、入れてよい資料の区分と、評価ボタンの扱いの2本を中心にすると、社員が迷わずに済む形になります。長いルールを作っても読まれにくいので、NotebookLMに関わる部分は1ページ程度に収めるのがよいでしょう。生成AI全体のルールの作り方は生成AI社内ガイドラインの作り方にまとめています。

顧客情報を扱う会社の資料別の判断

顧客から預かった情報を扱う会計事務所や士業、人事データを持つ総務部門では、資料の種類ごとに判断を分けておく必要があります。同じ資料でも、私用のアカウントか会社のアカウントかで答えが変わるところが要点になります。

資料の種類私用・個人のアカウント会社のWorkspace(コアサービス)
公開済みの資料(会社案内・製品ページ・公開した説明資料)入れてよい入れてよい
社内マニュアル・業務手順書入れない入れてよい。共有は社内に限る
会議の議事録入れない入れてよい。取引先名や金額が入るものは共有の相手を絞る
顧客名簿・顧客から預かった資料入れない取引先との契約や守秘義務の範囲を確かめてから判断する
給与・人事評価・健康診断の結果入れない原則入れない。入れる場合は担当者限定のノートブックで扱う

個人情報保護委員会の「漏えい等の対応とお役立ち資料」では、従業員の健康診断等の結果を含む個人データの漏えいが、報告が義務となる例として挙げられています。税理士であれば、税理士業務に関して知り得た秘密を正当な理由なく漏らしてはならず、税理士でなくなった後も同様とする守秘義務を課しているのが、税理士法第38条です。学習に使われない会社のアカウントであっても、顧客から預かった資料は、契約や守秘義務の範囲で外部のサービスに入れてよいかを先に確かめてください。

評価ボタンの社内ルール文例

評価ボタンのルールは、押さないことと、押してしまったときの連絡先をセットで決めておきます。次の文例は、そのまま社内ルールに貼って使えるように書いたものです。

【NotebookLM(Gemini Notebook)の評価ボタンの扱い】

1. 業務の資料を入れたノートブックでは、回答の高評価・低評価ボタンを押さないでください。会社のアカウントでも、共有先の社外の方が個人アカウントの場合は、その方の評価で内容が送られることがあります。

2. 回答の誤りに気づいたときは、評価ボタンではなく、社内の◯◯(部署名)にノートブック名と気づいた点を伝えてください。

3. 私用のアカウントで業務の資料を入れたノートブックの評価ボタンを押してしまったときは、その日のうちに◯◯(担当者名・連絡先)へ、押した日時・ノートブック名・入っていた資料の種類を連絡してください。

4. 連絡を受けた担当者は、資料の区分を確認し、顧客の情報が含まれていた場合は情報漏洩時の手順に沿って対応します。

社員向け通知文のひな形

ルールを決めたら、社員に知らせる文面も用意しておくと伝わる速さが変わります。全社メール用と、チャットに流す短文用の2つを用意しました。◯◯の部分を自社の名称に置き換えて使ってみてください。

【全社メール用】

件名:NotebookLM(Gemini Notebook)を業務で使うときのお願い

社員各位

NotebookLM(2026年7月から Gemini Notebook に名称変更)を業務で使う場合は、会社のGoogleアカウントでログインしてください。私用のGmailで業務の資料を入れることは禁止とします。

個人のアカウントで回答に高評価・低評価を付けると、入れた資料や質問がGoogleの担当者に確認され、最長3年間保存される場合があります。会社のアカウントではこの扱いにはなりませんが、業務の資料を入れたノートブックでは評価ボタンを押さないでください。

すでに私用のアカウントで業務の資料を入れている方は、◯月◯日までに◯◯(担当部署)へお知らせください。会社のアカウントへの入れ直しをお手伝いします。

◯◯部 ◯◯

【チャット用の短文】

NotebookLM(Gemini Notebook)は会社のアカウントで使ってください。私用のGmailで業務の資料を入れるのは禁止です。業務の資料を入れたノートブックでは、回答の高評価・低評価ボタンは押さないでください。私用のアカウントで入れてしまった方は◯◯までご連絡ください。

通知を出したあと、私用のアカウントで使っていたと申し出た社員には、前の節の聞き取りの質問をそのまま使うことが出来ます。申し出がなかった場合も、3か月後に同じ文面で再度知らせておくと、新しく入った社員にも届くようになります。

会社で安全に使うには

会社でNotebookLMを安全に使う近道は、社員の注意に頼る部分を減らし、使う入口を会社のアカウントにそろえることです。評価ボタンも共有も、一人ひとりに気をつけてもらう運用には限りがあります。入口をそろえる方法は、使っているサービスの状況によっていくつかに分かれます。

すでにGoogle Workspaceのコアサービスのエディションを使っている会社なら、管理コンソールでNotebookLMをオンにし、外部共有をオフのままにしておくのが最初の一歩になります。Workspaceの料金ページでは、年間プランの通常価格が、Business Starterで1ユーザー月額800円(税別)と表示されています。たとえば30名の会社がBusiness Starterを全員分そろえると、毎月24,000円(税別)の出費となります。

※Google Workspaceの料金は、2026年10月3日時点で公式の料金ページに表示されている年間プランの通常価格(税別)です。期間限定の割引は含めていません。

より厳しい管理が必要な会社は、Google Cloud経由のEnterprise版で、データをプロジェクトの中に閉じる方法もあります。ただ、社員が使っているAIはNotebookLMだけとは限らず、ChatGPTやClaudeを私用のアカウントで使っている人がいれば、同じ問題が別のサービスで起きてしまいます。AIごとに学習の設定やログの取り方を確かめ続けるのは、担当者が少ない会社ほど負担が重くなります。

そこで、会社で使う生成AIを1つの環境にまとめ、学習させない設定・利用ログの管理・社員への配布を会社側でそろえて決める選択肢もあります。どの方法を選ぶ場合も、社員が会社のアカウント以外で業務の資料を入れない状態を作ることが出発点になります。社員がどのAIを私用のアカウントで使っているかを知る方法は野良AI(シャドーAI)の解説で、NotebookLMを会社のアカウントへ切り替える具体的な手順はNotebookLMを会社で使うには|個人アカウントから切り替える手順で確かめることが出来ます。

学習させない設定とログ管理を、1つの環境でそろえる

UPGEAR AIは、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で切り替えて使える法人向けサービスです。入力データを学習に使わない設定を全社一律で適用し、管理者ダッシュボードで利用ログ・権限・使えるモデルを管理できます。会話履歴・利用ログ・アカウントは国内サーバー(AWSの日本リージョン)で管理。月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名・スタンダード6〜20名・プレミアム21〜50名)。

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よくある質問

NotebookLMに学習させない設定はどこにありますか?
NotebookLMの公式ヘルプには、学習への利用をオフにする設定の案内はありません。公式ヘルプでは、入れた資料や質問、回答は、ユーザーがフィードバックを送信しない限りGoogleの基盤モデルのトレーニングに直接使用されないと説明されています。既定で学習に使われない仕組みのため、設定を探すより、個人アカウントで評価ボタンを押さない運用を決めておくことが大切になります。
有料のGoogle AI Proで使っていれば、評価ボタンを押しても大丈夫ですか?
有料の個人プランなら扱いが変わるという公式の記載は確認できませんでした(2026年10月4日時点)。公式ヘルプは、仕事用・学校用以外のアカウントにはGoogle 利用規約が適用されると区分しているため、個人アカウントとして扱う前提で考えるのが安全です。業務の資料を入れたノートブックでは、評価ボタンを押さないようにしてください。
会社のWorkspaceアカウントで評価ボタンを押してしまったら問題ですか?
公式ヘルプでは、Google Workspaceのユーザーは、高評価または低評価のフィードバックを提供した場合でも、人間のレビュアーによる確認は行われず、AIモデルのトレーニングにも使用されないと書かれています。ただし、追加サービス扱いのエディションでは扱いが明確に読み取れないため、自社のエディションを管理者に確かめておくと安心です。
Geminiアプリでアクティビティの保存をオフにすれば、NotebookLMのデータも消えますか?
消えません。公式ヘルプには、Geminiアプリでアクティビティの保存をオフにしたり、Geminiアプリのアクティビティを削除したりしても、Gemini Notebookのデータは削除されないと書かれています。NotebookLMの資料を消したい場合は、NotebookLMの画面でノートブックを削除する必要があります。
社員が私用のアカウントで顧客の資料を入れていたら、どうすればよいですか?
まず、どのアカウントで、どんな資料を入れ、評価ボタンを押したか、誰かと共有したかを聞き取ります。そのうえで資料を会社のアカウント側で入れ直し、個人アカウント側の共有を制限付きに戻してから、ノートブックを削除してもらいます。評価ボタンを押していて顧客の個人情報が含まれていた場合は、情報漏洩時の社内手順に沿って判断してください。
NotebookLMとGemini Notebookは別のサービスですか?
同じサービスです。公式サイトのよくある質問には、2026年7月よりNotebookLMはGemini Notebookになると書かれていて、これまでのノートブックもそのまま使うことが出来ます。社内のルール文書には、両方の名前を並べて書いておくと社員が迷いにくくなります。

まとめ

NotebookLMに入れた資料は、既定ではGoogleの基盤モデルの学習に使われず、学習をオフにする設定の案内も公式ヘルプにはありません。気をつけたいのは、個人のアカウントで評価ボタンを押したときで、その場合は資料や質問が人のレビューの対象になる場合があり、レビュー済みのものは最長3年間保存されることになります。会社のWorkspaceのコアサービスであれば、押しても人のレビューと学習には回らない仕組みです。

会社でGeminiを使う場合は、Geminiの個人向けと法人向けの違いを先に確かめておくと安心です。Googleの法人向けAIの費用は、Gemini Enterpriseの料金にまとめています。情報漏洩を防ぐために会社が確かめる条件は、AI・生成AIの情報漏洩対策にまとめています。

会社で確かめるのは、社員が使っているアカウントの種別、評価ボタンの社内ルール、共有と削除の扱いの3つになります。まずは判定表で自社の状態を引き、私用のアカウントで使っている社員がいれば聞き取りから始めてみてください。法人のAI活用に関する他の記事はAI活用コラム一覧でまとめて読むことが出来ます。