Gemini スプレッドシート。関数・集計・表の作成を頼む手順と検算

Gemini in Google スプレッドシートとは、スプレッドシートのサイドパネルからGeminiに関数・集計・表の作成を頼める、Google Workspaceの機能のことです。会社の契約で使えるのはBusiness Standard以上で、Business Starterでは使えません。頼むときは対象範囲・列の意味・やりたいこと・出力形式・例外の扱いの5つを1回の依頼文に書き、返ってきた数式は別の計算で必ず検算するのが基本になります。プラン別の全体像と管理者の設定は、Gemini Google Workspaceが使えない原因とプラン別の範囲で確かめることが出来ます。

先に確認:自社のプランでスプレッドシートのGeminiが使えるか

会社のGoogle Workspaceで使う場合、スプレッドシートのGeminiが使えるのはBusiness Standard・Business Plus・Enterprise Standard・Enterprise Plusになります。Business Starterの列には、料金ページの機能比較表で「この機能は該当の SKU でサポートされていません」と表示されています。まずは管理者に、自社の契約がどのエディションかを聞いてみてください。

Business Starterでは使えず、Business Standard以上が対象

料金ページの表示では、年間プランの月額は1ユーザーあたりBusiness Starterが800円、Business Standardが1,600円、Business Plusが2,500円で、いずれも税別です。Starterの会社がスプレッドシートのGeminiのためにStandardへ上げると、差額は1人あたり月800円となります。20人全員を上げれば、毎月16,000円(税別)の上乗せとなってしまいます。表を扱う部署の人数と、増える費用を並べてから決めましょう。

契約スプレッドシートのGeminiAI関数の月の上限(1人あたり)シートの作成・編集の月の上限(1人あたり)
Business Starter使えないアクセス不可アクセス不可
Business Standard・Business Plus使える5,000セル100回
Enterprise Standard・Enterprise Plus使える5,000セル100回
AI Expanded Access(Standard以上に追加購入)使える25,000セル500回
個人アカウントのGoogle AI Pro・Google AI Ultra公式の機能別表で対象会社向けの上限表には載っていない会社向けの上限表には載っていない
個人アカウントのGoogle AI Plus・無料のアカウント公式の機能別表に並んでいない――

※2026年10月4日時点で、Googleの公式ヘルプ(Geminiの対象プラン、AIの使用量上限)と Google Workspace の料金ページを確認した内容です。料金は年間プランの表示(税別)で、期間限定の割引は含めていません。上限は改定されることがあるため、使う前に管理者向けのヘルプでご確認ください。

個人のGoogleアカウントで使う場合(無料版は機能別表の対象外)

個人のGoogleアカウントでは、公式の機能別表でスプレッドシートのGeminiの対象に並ぶのはGoogle AI ProとGoogle AI Ultraです。Google AI Plusは、AI機能全般の対象には入っていても、スプレッドシートの行には並んでいません。無料のアカウントも同じく対象に入っていないため、個人で試すならProかUltraの契約が前提となります。このほかに、個人アカウントで新しいAI機能を試せるWorkspace Experimentsという試験プログラムもあり、データの扱いは3つ目の節で取り上げます。

Geminiのアイコンが出ないときに見るところ(プラン・管理者設定・言語設定)

Standard以上の契約なのに右上の「Gemini に相談」アイコンが見当たらないときは、管理者設定が原因のことがあります。Googleのヘルプは、AI関数が使えない理由として、対象のプランでないことのほかに、管理者設定や言語設定を挙げています。自分で設定を探すより先に、情シスか管理者へ契約のエディションと設定を確かめてもらいましょう。管理者が見る設定の場所は、Gemini Google Workspaceが使えない原因とプラン別の範囲で順を追って説明しています。

サイドパネルの開き方と、プレビューを見て挿入する流れ

スプレッドシートを開いて右上の「Gemini に相談」アイコンを押すと、画面の右側にGeminiのサイドパネルが開きます。あとは日本語で頼みたいことを入力し、返ってきた案を確かめてからシートに反映する流れになります。

  1. 対象のスプレッドシートを開き、右上の「Gemini に相談」アイコンをクリックする
  2. サイドパネルの入力欄に依頼文を書いて送る
  3. 返ってきた数式・表・グラフの案を読み、使うものをシートに挿入する
  4. 書式やフィルタなど、シートを直接変える依頼は「アクションのプレビュー カード」で中身を見てから[適用]を押す
  5. 意図と違ったときは、元に戻すアイコンで取り消す

数式は、セルに=と入力してからCtrl+Alt+G(Windows・ChromeOS)を押すと呼び出せます。スプレッドシートの要約は、WindowsならCtrl+Alt+Nで表示されます。

Excelファイルはスプレッドシート形式で保存してから使う

Googleのヘルプによると、この機能はGoogle スプレッドシート形式のファイルでいちばんよく動きます。Excelファイル(.xlsx)で使うときは、[ファイル]から[Google スプレッドシートとして保存]を選ぶよう案内されています。取引先から届いたExcelを使う場合も、まず保存し直してから頼むようにしてください。

会話の履歴は消えるので、使う結果はシートに挿入しておく

サイドパネルの会話は、ブラウザを再読み込みしたとき、スプレッドシートを閉じて開き直したとき、パソコンがオフラインになったときに消えてしまいます。あとで見返したい数式や集計の案は、その場でシートに挿入しておくのが確実です。スプレッドシートでの会話はGeminiアクティビティにも保存されないと、ヘルプに書かれています。

日本語で頼んでも動くか

Googleの言語のページによると、スプレッドシートのサイドパネルもAI関数も日本語に対応済みです。ヘルプに載っている依頼文の例も日本語で書かれているため、普段の言葉で頼んでみてください。例外として、Geminiで列の値を補完する機能は、現在アメリカ国内の英語だけで使えると書かれています。

使う前に決めておくこと:どのアカウントで、どの表を扱うか

業務の表をGeminiに読ませる前に、会社の契約で使うのか、社員の個人アカウントで使うのかを決めておく必要があります。同じGeminiでも、入力したデータの扱いについてGoogleが公式に書いている内容が、アカウントの種類で違うためです。

確かめる点会社のWorkspace(Business Standard以上)個人アカウントのGoogle AI Pro・Ultra個人アカウントのWorkspace Experiments
入力した内容を人が読むか人間によってレビューされることはないと公式に記載公式の記載を確認できず人間のレビュアーが読み取り、評価する可能性があると記載
モデルのトレーニングへの利用許可なくドメイン外の生成AIのトレーニングには使われないと記載公式の記載を確認できず確かめた範囲の公式ページに記載なし(個人情報・機密情報は入れないよう案内)
社内の表を入れてよいか(判断の目安)社内ルールで決めた範囲なら使ってよい会社が条件を確かめるまでは入れない社名・金額・個人名の入った表は入れない
アカウントの管理管理者がアカウントと設定を管理できる本人の契約と設定に任される本人の判断で参加する

※2026年10月4日時点で、Google Workspaceの生成AIのプライバシーに関するページと、個人アカウント向け(Workspace Experiments)のスプレッドシートのヘルプを確認した内容です。Google AI Proなど個人向けの有料プランでのデータの扱いは、確認した範囲の公式ページには書かれていませんでした。

表の右2列のどちらかで社内の売上表や給与の表が扱われると、会社からは中身も設定も見えない状態となってしまいます。会社が条件を確かめるまでは、個人アカウントに社内の表を入れないと決めておきましょう。個人アカウントの扱いはGeminiの個人アカウントと法人契約の違い、入力した情報の行き先はGeminiの情報漏洩リスクと対策で詳しく整理しています。

取引先と共有している表で出る警告の意味

サイドパネルには、「Gemini によって追加されたコンテンツは、ドメイン外のユーザーに表示される可能性があります」という警告が出ることがあります。Geminiが作った数式や表をシートに入れると、そのファイルを見られる社外の方の目にも入ることがある、という意味になります。一方でGoogleは、Geminiが許可なくコンテンツを組織外に共有しないことと、AIは既存の権限に従い、見る権限のないファイルは使えないことも説明しています。顧問先や取引先と共有しているシートで頼む前に、共有の相手を確かめ、社内だけで使う集計は社内向けのファイルに写してから頼みましょう。

月の上限は1人ずつ数える

スプレッドシートのGeminiの上限は会社全体で分け合うものではなく、ユーザーごとに適用されます。Business StandardとPlusでは、AI関数が1人あたり月5,000セル、シートの作成や編集を伴う依頼が月100回までとなっています。余った分は翌月に繰り越せず、ほかの社員に回すことも出来ません。営業日を20日として割ると、AI関数は1人1日あたり250セルが目安になります(月の上限を割った目安で、1日の上限とは別の数字になります)。

数式の使い方やセルの値の探し方を聞くような簡単な質問は、月の上限には数えられません。ただし同じ会話の中で、もう一度試してと頼み直した分は上限に数えられるため、依頼文は最初の1回で詳しく書くのが得策です。上限を引き上げるAI Expanded Accessという追加購入もありますが、料金は地域と契約期間で変わり、公式ヘルプに金額は載っていません。経理の締めで一度に大量の分類をする月は、上限で足りるかを事前に試算しておいてください。

個人のアカウントに表を預ける前に、会社で使うAIを1つにまとめる

社員ごとの個人契約に任せず、業務の表を扱うAIを会社の契約にそろえる方法もあります。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。

頼み方の型:対象範囲・列の意味・やりたいこと・出力形式・例外の扱い

Geminiに関数や集計を頼むときは、次の5つを1回の依頼文にまとめて書くと、思った通りの数式が返ってきやすくなります。とくに経理の表では、列の意味と例外の扱いを書き忘れると、見た目は正しいのに数字が合わない数式が返ってきてしまいます。

  1. 対象範囲:どのシートの、何行目から何行目か(例:経費シートのA2からF300)
  2. 列の意味:各列に何が入っているか(例:A列は利用日、C列は勘定科目、E列は税込金額)
  3. やりたいこと:何を出したいか(例:勘定科目ごとの月別の合計)
  4. 出力形式:どこに、どんな形で出すか(例:新しいシートに、科目を縦、月を横に並べた表で)
  5. 例外の扱い:空欄・0円・マイナス・重複をどう扱うか(例:E列が空欄の行は集計から外す)

5つのうち、頭の中では分かっているつもりで書き落としやすいのが、列の意味と例外の扱いになります。列名が金額とだけ書かれていると、税込か税抜かをGeminiは判断出来ません。

悪い例と良い例

同じ月次の経費集計でも、書き方で返ってくるものが変わります。

悪い例:経費を集計して
良い例:経費シートのA2からF300を対象にしてください。A列は利用日、C列は勘定科目、E列は税込金額です。勘定科目ごとに月別の合計を出す数式を作ってください。結果は新しいシート「月次集計」に、科目を縦、月を横に並べた表で出してください。E列が空欄の行と、D列に「取消」とある行は集計から外してください。

悪い例では、どの範囲を、どの列で、どう分けて足すのかをGeminiが推測することになります。良い例のように書けば、返ってきた数式を見たときも、自分の意図と合っているかを照らし合わせることが出来ます。列の意味と例外の扱いの2つは、どんなに短い依頼でも省かずに書きましょう。依頼文の書き方の全般はGeminiのプロンプトの書き方にまとめています。

関数・数式を頼む:対象の列を具体的に指定する

関数を頼むときは、「売上を合計して」ではなく「B2からB200の金額を、A列の取引先ごとに合計して」のように、列と行まで書くのが基本です。ここでは経理と総務でそのまま写して使える依頼文を、場面ごとに並べました。列の位置は、自社の表に合わせて書き換えてください。

経理:請求残を取引先ごとに出す

請求一覧シートのA2からG150を対象にしてください。A列は請求日、B列は取引先名、E列は請求額(税込)、F列は入金額、G列は入金日です。取引先ごとに、請求額の合計から入金額の合計を引いた請求残を出す数式を作ってください。結果はI列から右に、取引先名と請求残の2列の表で出してください。入金額が空欄の行は0円として扱い、請求額がマイナスの行(返品)はそのまま差し引いてください。

請求残のように引き算が入る集計は、空欄を0として数えるかどうかで結果が変わります。例外の扱いを書いておけば、入金がまだの取引先も一覧から漏れずに残ります。

経理:支払予定を期日の順に並べる

買掛一覧シートのA2からE80を対象にしてください。A列は取引先名、B列は請求書の受領日、C列は支払期日、D列は支払額(税込)、E列は支払済みならチェックが入る列です。E列にチェックがない行だけを、C列の支払期日が早い順に並べた一覧を、新しいシート「支払予定」に作ってください。支払期日が空欄の行は一覧の最後にまとめ、期日が今日より前の行には期日超過と分かる印を付けてください。

支払予定のように毎月同じ形で作る表は、依頼文を社内で共有しておけば、担当が替わっても同じ結果を出せます。依頼文そのものを、表の隣のシートに貼って残しておくのもよいでしょう。

総務:残業時間と備品の発注点

勤怠シートのA2からF400を対象にしてください。A列は社員番号、B列は氏名、C列は日付、D列は出勤時刻、E列は退勤時刻、F列は休憩時間(分)です。1日の勤務時間から休憩を引き、8時間を超えた分を残業時間として、社員ごとの月の合計を出す数式を作ってください。結果は新しいシート「残業集計」に、社員番号・氏名・残業時間の3列で出してください。退勤時刻が空欄の日は計算から外し、日付をまたいだ勤務は翌日の退勤として扱ってください。
備品台帳シートのA2からE60を対象にしてください。A列は品名、B列は保管場所、C列は現在の在庫数、D列は1か月の平均使用数、E列は発注点です。C列の在庫数がE列の発注点以下になった行を赤く塗る条件付き書式を設定し、F列に要発注と表示する数式を入れてください。D列が空欄の品目は判定から外してください。

残業時間は時刻の引き算に休憩と日付またぎが絡むため、数式が長くなりやすく、検算の手間がかかりやすい表となります。給与の計算に使う前に、必ず数人分を手で計算して照らし合わせてください。備品の発注点のように条件付き書式を伴う依頼では、プレビューで色の付く行を見てから適用するのが安心です。

数式がエラーになったときは[修正]を使う

Geminiが作った数式でセルにエラーが表示されたときは、そのセルにカーソルを合わせると[修正]が出てきます。押せば直してもらうことが出来ますが、エラーが消えたことと計算が正しいことは別の話になります。直ったあとも、最後の節の検算の手順に通してください。

集計・表・グラフを頼む

関数の次によく使うのが、集計表やグラフをまとめて作ってもらう頼み方になります。シートの作成や編集を伴う依頼は月の上限に数えられるので、1回で欲しい形まで書くようにしてください。

表(テーブル)を作ってもらう依頼文

Geminiには、空のシートに一から表の枠を作ってもらうことも出来ます。

新しいシートに、備品の貸出管理表を作ってください。列は貸出日・品名・管理番号・借りた人の部署・返却予定日・返却日・状態の7つにしてください。状態の列は、貸出中・返却済み・延滞のプルダウンにしてください。返却予定日を過ぎても返却日が空欄の行は、状態が延滞になるようにしてください。

列の名前と並び順を先に指定すると、あとから手で直す手間がほとんどなくなります。部署の名前など、選ぶ値が決まっている列はプルダウンにしてもらうと、入力の揺れも防げるでしょう。

条件付き書式・ピボット・プルダウン・並べ替えも頼める

Googleのヘルプでは、サイドパネルから頼める操作として、条件付き書式、ピボットテーブル、プルダウンやチェックボックス、フィルタと並べ替え、検索と置換、数値の表示形式、行や列の挿入・削除・固定などが挙げられています。たとえば月次集計なら、勘定科目を行、月を列にしたピボットテーブルを新しいシートに作って、と頼むことが出来ます。シートを直接変える操作はプレビューで中身を見てから適用し、違ったら元に戻すアイコンで取り消しましょう。

グラフは元データが変わっても自動で更新されない

Geminiにグラフを作ってもらうと、その時点のデータでグラフが作られます。Googleのヘルプには、生成されたグラフは元のデータセットの変更を自動では反映しないと書かれています。月次の推移グラフに新しい月を足したいときは、データを足したあとにグラフも作り直すことになります。会議の資料に貼る前に、グラフの日付が最新の月まで入っているかを見てください。

データの傾向分析を頼むときは分析手順を開く

売上や経費の傾向を頼んだときは、[分析手順]を押すと、Geminiがどの手順で計算したかを確かめることが出来ます。コードの表示に切り替えれば、どの列をどう集計したかまで追えるようになります。分析の進め方そのものや、データ分析の全般はGeminiでデータ分析する2つの方法で取り上げています。

ドライブやGmailの内容を要約して取り込む

サイドパネルでは、ドライブのファイルやGmailの内容を要約させることも出来ます。取引先とのメールや、ドライブにある見積書の要点を要約させ、その結果を表に入れる使い方になります。Geminiが使えるのは本人に見る権限があるファイルだけなので、見る権限のない他部署のフォルダの資料は対象になりません。

AI関数で摘要や問い合わせを一括で分類する

AI関数とは、セルに=AI()または=Gemini()と書いて指示文と範囲を渡すと、セルごとにGeminiの答えが返ってくる関数のことです。書き方は=AI(指示文, 範囲)の形で、指示文は半角の二重引用符で囲み、範囲は省くことも出来ます。経理なら摘要から勘定科目の候補を出す、総務なら問い合わせの文を種類ごとに分ける、自由記述のアンケートを前向きと後ろ向きに分ける、といった一括の分類に向いています。

指示文の例(範囲はB2):この摘要に合う勘定科目を、旅費交通費・消耗品費・通信費・会議費・その他の中から1つだけ答えてください。

指示文の例(範囲はC2):この問い合わせを、請求・契約・操作方法・その他のどれか1つに分けて答えてください。

使う前に、ヘルプにある制約を5つ押さえておいてください。

  • 答えはテキストに限られる
  • 複数のセルを選んでも、生成されるのは最初の350セルまで
  • 一度生成した結果は元に戻すこともやり直すことも出来ず、出し直すときは再生成になる
  • AI関数の中にAI関数を入れる書き方(入れ子)は使えない
  • シート全体やドライブのほかのファイルは読めず、渡した範囲だけを見て答える

500行ある経費の明細なら、最初の350行分しか生成されないため、生成が終わってから残りの行を選び直して生成することになります。月5,000セルの上限は1人ずつなので、分類を担当する方の分だけで足りるかを見積もっておきましょう。長期の上限に達すると[生成]が押せなくなり、24時間後に試すよう案内されます。結果は元に戻せないため、元の列は残したまま、隣の列にAI関数を書くのが安全です。AI関数の答えは科目の候補として扱い、仕訳に使う前に人が確かめてください。

出力は必ず確認する:数式の検算5つの手順

Geminiが返した数式は、エラーが出ていなくても、別の計算で確かめてから使うのが原則になります。見た目が整った表ほど、範囲の取りこぼしや例外の扱いの違いに気づきにくくなってしまいます。次の5つを、経理の締めや給与の前の決まった手順として回してみましょう。

  • 合計を別の方法で出して突き合わせるGeminiの集計表の総合計と、元データの金額列をSUMで足した合計が一致するかを見ます。ずれていれば、どこかの行が抜けているか、二重に数えられています。
  • 行数を数えて、対象の行が全部入っているかを見る元データの行数をCOUNTAで数え、集計に使われた件数と比べます。空欄の行を外す指示を出した場合は、その件数を差し引いて合うかを確かめます。
  • 境界の1行を手で計算する締め日ちょうどの日付、0円、マイナス、空欄の行を1つずつ選び、手計算の結果と数式の結果を比べます。例外の扱いの違いは、この確認で見つけやすくなります。
  • 数式の参照範囲を目で確かめる数式をクリックして、範囲が最終行まで入っているか、コピーしたときにずれる参照になっていないかを見ます。翌月に行が増えたときに範囲から漏れないかも合わせて確かめます。
  • 分析手順とコードを開いて、何をしたかを読む分析を頼んだ場合は[分析手順]を開き、コードの表示に切り替えて、どの列をどう集計したかを確かめます。依頼文と違う列を使っていたら、依頼文を直して頼み直します。

5つ全部を毎回こなすのが重いときでも、1番目の合計の突き合わせだけは省かないでください。合計が合っていれば、少なくとも行の抜けや二重の計上がないことは確かめられます。

検算の手順を社内のルールに入れる

Geminiを経理や総務の表で使い始めたら、誰が作った数式でも同じ確認を通るように、検算の手順を社内のルールに書いておくと安心です。どのアカウントで、どの表まで扱ってよいかも同じ文書に書いておけば、個人アカウントへ社内の表が流れるのを防ぎやすくなります。ルールの作り方は生成AIの社内ガイドラインの作り方で、項目ごとにまとめています。Gemini以外のAIも業務で使っている会社では、AIごとに契約と設定がばらばらになりがちです。複数のAIを1つの環境でそろえる考え方は、マルチAIとはで紹介しています。

業務の表を扱うAIを、会社の契約にまとめる

UPGEAR AIは、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約と1つの画面で使える法人向けサービスです。管理者ダッシュボードで利用ログ・権限・モデルのON/OFFを管理でき、パワポ・Word・Excelを画面で確かめられるプレビューも備えています。基盤は国内サーバー(AWSの日本リージョン)で稼働しています。料金は月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。初期費用100,000円(税抜)が別途かかります。

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よくある質問

無料のGoogleアカウントでもスプレッドシートのGeminiは使えますか?
2026年10月4日時点のGoogleの機能別表では、スプレッドシートのGeminiの対象に並ぶ個人向けのプランはGoogle AI ProとGoogle AI Ultraで、無料のアカウントとGoogle AI Plusは並んでいません。会社で使う場合は、Google WorkspaceのBusiness Standard以上の契約が対象です。
Business Starterでスプレッドシートの Gemini を使えないのはなぜですか?
Business Starterは、スプレッドシートのGeminiの対象外のプランだからです。料金ページの機能比較表でも、Starterの列はサポートされていないと表示されています。Business Standard以上の契約で出ない場合は、管理者設定や言語設定を管理者に確かめてもらってください。
Excelのファイルでも使えますか?
Googleのヘルプは、Google スプレッドシート形式のファイルで最もよく機能すると案内しています。Excelファイル(.xlsx)で使う場合は、[ファイル]から[Google スプレッドシートとして保存]を選んでから頼んでください。
Geminiが作った数式はそのまま使ってよいですか?
そのままは使わず、検算してから使ってください。合計を別にSUMで出して突き合わせる、行数を数える、境界の1行を手で計算する、参照範囲を見る、分析手順を開く、の5つが目安です。最低でも合計の突き合わせは毎回してください。
AI関数の月5,000セルは会社全体の上限ですか?
いいえ、ユーザーごとの上限です。2026年10月4日時点の公式ヘルプでは、Business StandardとPlusでAI関数は1人あたり月5,000セルとされ、ほかの社員と共有することも翌月に繰り越すことも出来ません。1回に生成されるのは、選んだ範囲の最初の350セルまでです。

まとめ

スプレッドシートのGeminiは、会社の契約ならBusiness Standard以上で使え、Business Starterでは使えません。頼むときは対象範囲・列の意味・やりたいこと・出力形式・例外の扱いの5つを1回の依頼文に書き、Excelはスプレッドシート形式で保存してから使うことになります。返ってきた数式は、合計の突き合わせを最低限として、5つの手順で検算してから業務に使いましょう。どのアカウントで、どの表まで扱うかを先に決めておくことも、社内の表を守るための大切な準備です。Geminiの使い方のほかの記事は、AI活用コラム一覧から探すことが出来ます。