
Google Workspace の Gemini とは、Gmail・ドキュメント・スプレッドシート・スライド・Meet などの業務アプリに組み込まれた生成AIと、会社のアカウントで使うGeminiアプリ(gemini.google.com)を合わせた呼び方です。どのアプリで使えるかは、まず契約しているプランで決まります。公式の比較表では、Business Starter で使えるのはGmailとGeminiアプリまでで、ドキュメント・スプレッドシート・スライド・Meetの Gemini は Business Standard 以上が対象です。社員の画面に出ない、連携できないときは、プラン、管理者の設定(ドメインの拠点が日本にある組織では既定でオフになるスマート機能を含む)、本人のスマート機能の設定、ログイン中のアカウント、の順に確かめると原因を絞り込めます。
この記事は、社内で「Gemini が出てこない」と聞かれる総務・情シスの担当者に向けて、自社のプランでどこまで使えるかと、使えないときの切り分けに絞って解説します。Geminiそのものの始め方や主な機能、個人向けプランの違い、管理コンソールでGeminiアプリをオン・オフする手順、社員に配る利用ルールのひな形は、親記事のGeminiの使い方|始め方・主な機能・会社で使う前に決める設定にまとめています。全体像はそちらをご覧ください。
※機能・上限・画面名は、2026年9月19日に Google Workspace 管理者ヘルプ(多くのページが最終更新日 2026-09-18 UTC)、Gemini アプリ ヘルプ、Gmail・ドキュメント エディタ ヘルプ、Google Workspace Updates ブログで確認した内容です。日本語版の管理者ヘルプはAI翻訳を含むとGoogleが注記しているため、画面名は日本語版ヘルプの表記として記載しています。料金は同日に Google Workspace の日本語料金ページで確認した年間プランの通常価格(税別)です。
Google Workspace の Gemini とは|アプリ内のGeminiとGeminiアプリ
Workspace の Gemini は、大きく分けて2つの入り口があり、それぞれ管理者の設定場所が違います。社員からの問い合わせを受けたら、まずどちらの話かを聞き分けると、見る場所を間違えずに済みます。
入り口1:業務アプリに組み込まれたGemini
Gmail・ドキュメント・スプレッドシート・スライド・ドライブ・Chat の画面の中で使う Gemini です。Googleの管理者ヘルプは、これらのアプリのサイドパネルの Gemini を、作業を妨げられることなくAIの支援を直接利用できる機能として紹介しています。各アプリでは、右上の「Gemini に相談」アイコンからサイドパネルを開きます。Gmailには、メールを書く画面から使う「文書作成サポート」もあります。Googleは総称として Google Workspace with Gemini という名前を使っています。
入り口2:会社のアカウントで使うGeminiアプリ
gemini.google.com やスマホのGeminiアプリに、会社の Google アカウントでログインして使う対話型のAIです。Googleの管理者ヘルプでは、Business Starter・Standard・Plus を含むほとんどのエディションで、エンタープライズ級のデータ保護を備えたコアサービスとして利用できると案内されています。Geminiアプリからは、@ でサービスを指定して Gmail やドライブの内容を呼び出すこともできます。これが検索でよく見る「Gemini と Workspace の連携」です。
そのほかに含まれるもの:Gemini Notebook と Workspace Studio
資料を読み込ませて要約や音声解説を作る Gemini Notebook(旧NotebookLM)も、Workspace のコアサービスとして提供されています。使える量はプランで異なり、公式の比較表では Starter が標準権限、Standard と Plus が上位レベルのアクセス権です。もう1つの Workspace Studio は、管理者ヘルプで、簡単なタスクから複雑なプロセスまで日常業務をコーディングなしで自動化できるものと説明されています。比較表では Business の3エディションとも対象ですが、ドメインの所有権を証明していることが条件です。使い方の詳細はGemini Notebook(旧NotebookLM)の解説をご覧ください。
問い合わせを受けたら最初に聞くこと:「Gmailやスプレッドシートの画面の中で出ないのか」「gemini.google.com で会社のメールやファイルを読めないのか」。前者はプランと業務アプリ側の設定、後者はGeminiアプリ側の設定と連携の設定が主な確認先になります。
プラン別にどこまで使えるか|Business Starter・Standard・Plus
Gmail と Geminiアプリは3つのプランすべてで使え、ドキュメント・スプレッドシート・スライド・ドライブ・Meet・Chat の Gemini は Standard 以上です。Googleの「Business エディションの比較」ページ(最終更新日 2026-09-18 UTC)の「Gemini の機能」の表を、アプリごとにまとめると次のとおりです。
| アプリ | 主な Gemini 機能 | Business Starter | Business Standard | Business Plus |
|---|---|---|---|---|
| Gmail | サイドパネル、文書作成サポート、返信の候補、メールスレッドのAIによる概要、校正 | ○ | ○ | ○ |
| Gmail・カレンダー | 日程調整サポート | × | ○ | ○ |
| Google ドキュメント | サイドパネル、文書作成サポート、画像を生成、ドキュメントの要約 | × | ○ | ○ |
| Google スプレッドシート | サイドパネル、AI関数、拡張版スマートフィル | × | ○ | ○ |
| Google スライド | サイドパネル、画像を生成、画像の背景の削除、文章の推敲、スライドの生成と編集 | × | ○ | ○ |
| Google Meet | 自動メモ生成、音声翻訳、Gemini に相談 | × | ○ | ○ |
| Google ドライブ・Chat | サイドパネル、PDFの分析、会話の要約、自動翻訳 | × | ○ | ○ |
| Geminiアプリ | 対話、Workspaceアプリへの接続、Gem、Canvas | ○(標準) | ○(拡張) | ○(拡張) |
| Gemini Notebook | 資料の要約・音声解説など | ○(標準権限) | ○(上位) | ○(上位) |
※出典:Google Workspace 管理者ヘルプ「Business エディションの比較」の「Gemini の機能」「Gemini の高度な機能」の表(2026年9月19日確認)。○は表にチェックがあるもの、×は空欄またはアクセス不可のものです。Geminiアプリの「標準」「拡張」は、同表の「機能とモデルへの標準権限」「機能とモデルへの拡張されたアクセス」を短く書いたものです。
読み取れるポイントは3つです。1つ目は、Business Starter のまま「スプレッドシートにGeminiを出したい」という要望には、設定では応えられないことです。2つ目は、Standard と Plus の Gemini 機能はほぼ同じで、同じ表で違いがあるのは Meet の透かしの1行だけだということです。Plus を選ぶ理由は、Gemini 以外の機能(保存容量や Vault など)にあります。3つ目は、Starter でも Gmail では要約・下書き・校正が使えるため、Gemini の利用がメール中心の会社なら、Starter のままでも用が足りる場合があることです。なお、エディションを切り替えると組織内の全員に同じサブスクリプションが適用され、一部の社員だけを上位にすることはできないと管理者ヘルプに書かれています。
同じ会社で見え方が違う理由:管理者は、Geminiアプリや連携の設定を組織部門やグループ単位で変えられます。「隣の人の画面には出るのに自分には出ない」というときは、2人の所属する組織部門・グループと、本人ごとに違うスマート機能の設定(後述)を見比べてください。
料金と追加費用|アドオンは販売終了、差はエディションの料金
現在のGoogle Workspace では、Gemini を使うために別料金のアドオンを買う必要はなく、費用の差はどのエディションを契約するかで決まります。Googleは2025年1月15日の Workspace Updates で、Google の AI を Business と Enterprise のプランに含め、アドオンを購入しなくても使えるようにしたと発表しました。同じ告知で、Gemini Business・Gemini Enterprise などのアドオンの販売を終了したことも案内しています。
そのため、ネット上に残っている「管理コンソールで Gemini のアドオンを購入し、ライセンスを割り当てる」という説明は、現在の契約の形とは合いません。いまも購入できる追加の枠として、上限を引き上げる AI Expanded Access というアドオンがありますが、これは使用量の上限に達した人向けの拡張で、Gemini を使い始めるための条件ではありません。
年間プランの料金と人数別の年額
日本語の料金ページでは、年間プランの通常価格が、1ユーザーあたり月額で Business Starter 800円、Business Standard 1,600円、Business Plus 2,500円(いずれも税別)です。Business の各プランは最大300ユーザーまでです。人数別の月額総額は親記事の法人向けはGoogle Workspaceプランの節にあるため、ここでは Gemini の範囲を決める判断に使う年額で示します。計算式は、1ユーザーあたり月額×人数×12か月です。
- 10名:Starter 96,000円/Standard 192,000円/Plus 300,000円(Starter から Standard への差額は年96,000円)
- 30名:Starter 288,000円/Standard 576,000円/Plus 900,000円(差額は年288,000円)
- 50名:Starter 480,000円/Standard 960,000円/Plus 1,500,000円(差額は年480,000円)
- 100名:Starter 960,000円/Standard 1,920,000円/Plus 3,000,000円(差額は年960,000円)
※金額はすべて税別で、2026年9月19日に Google Workspace の日本語料金ページで確認した年間プランの通常価格から計算しています。料金ページに表示される新規向けの期間限定割引は含めていません。税込は税別の金額に1.1を掛けて計算してください(例:10名の Standard は年192,000円、税込211,200円)。
Starter から Standard に上げると、1人あたり年9,600円(税別)の差になります。この差額で得られるのは、ドキュメント・スプレッドシート・スライド・Meet の Gemini と、保存容量など Gemini 以外の機能の拡張です。上げるかどうかは、次の節の上限と、導入後の使用状況レポートで Gmail と Geminiアプリがどれだけ使われているかと、社員からの要望を見て決めると、無駄が出にくくなります。
利用上限|AI関数・スライド生成・Geminiアプリの回数
Standard 以上でも Gemini は使い放題ではなく、機能ごとに月または日の上限があり、上限は1人ずつに適用されます。管理者ヘルプ「AI の使用量上限について」(最終更新日 2026-09-18 UTC)では、上限は繰り越されず、他のユーザーと共有もできないと説明されています。
- スプレッドシートの AI関数:Business Standard/Plus で月5,000個。Business Starter はアクセス不可。AI関数の上限はセルごとの生成数で数えると案内されています
- スプレッドシートを作成、編集する:Standard/Plus で月100個(Starter はアクセス不可)
- スライドのプレゼンテーションを生成する:Standard/Plus で月100スライド(Starter はアクセス不可)。上限の適用は2026年9月15日に開始と記載
- ドキュメントの文章のスタイル・形式を一致させる:Standard/Plus で月5個(Starter はアクセス不可)
- Geminiアプリ:Business Standard/Plus は Pro モードが4時間ごとにプロンプト25件まで、思考モードが1日最大300件。Business Starter は基本アクセスで、1日の上限は頻繁に変更される可能性があると記載
リセットの時刻にも注意が必要です。1日の上限は毎日午前0時(太平洋時間)、月間の上限は毎月1日の午前0時(太平洋時間)にリセットされます。太平洋時間はUTC-8と書かれているため、日本時間では午後5時にあたります(米国の夏時間の期間の扱いはヘルプに記載がありません)。そのため、「朝から使えなくなった」という問い合わせは、前日に上限に達したまま、まだリセットされていない可能性があります。一方、数式の使い方を尋ねるような簡単なプロンプトは、月間の上限に数えないとGoogleは説明しています。
Geminiアプリで Pro モードや思考モードの上限に達したときは、同じチャットで高速モードに切り替えて会話を続けられると、Gemini アプリ ヘルプに書かれています。上限をいつも超える人がいる場合は、管理者が使用状況レポートで該当者を確認し、その人だけライセンスを AI Expanded Access にアップグレードする、という順番になります。
※回数は Google Workspace 管理者ヘルプ「AI の使用量上限について」「Business エディションの比較」の表(2026年9月19日確認)。Geminiアプリの上限について、Googleは「Gemini アプリをオンまたはオフにする」のページで、容量の制約に応じて変更されることがあると注記しています。
アプリ別にできること|Gmail・ドキュメント・スプレッドシート・スライド・Meet
Gmail・ドキュメント・スプレッドシート・スライドでは、右上の「Gemini に相談」アイコンでサイドパネルを開くのが基本の操作で、日本語で使えます。Googleの対応言語のページでは、Gmail の文書作成サポートとサイドパネル、ドキュメント、スプレッドシート(AI関数を含む)、スライド、Meet の自動メモ生成の一覧に日本語が入っています。
Gmail:スレッドの要約と返信の下書き(Starter から)
長いメールのやり取りは、サイドパネルで「このスレッドを要約して」と頼むと要点をまとめられます。返信は、作成画面の下部のプロンプトバーに指示を入れる文書作成サポートで下書きでき、「よりフォーマルに」「短くする」などの改善方法も選べます。プロンプトバーが出ていないときは、文書作成サポートのアイコンを押すと表示されます。なお、個人の Google アカウントの文書作成サポートは米国のみの提供で、会社のアカウントとは条件が違います。
Google ドキュメント:下書き・推敲・要約(Standard から)
サイドパネルを開くと、開いているドキュメントの要約が表示され、「3つの箇条書きに要約して」のように範囲や形を指定して頼めます。文書作成サポートで白紙から下書きを作り、選んだ段落を書き直すこともできます。ドライブ内のファイルやGmailのメールの内容を要約する使い方も、ヘルプで案内されています。
Google スプレッドシート:表の作成・整理とAI関数(Standard から)
サイドパネルでは、表の作成や数式の提案を頼めます。セルに入れて使う AI関数は、=AI( または =Gemini( と入力し、指示文と参照するセル範囲(範囲は省略可)を指定して、[生成して挿入]を押す仕組みです。問い合わせの分類、感想の要約、定型文の作成などを行ごとに処理できます。ヘルプには、回答はテキストに限られること、スプレッドシート全体やドライブの他のファイルは参照できないこと、関数は元に戻す・やり直しができないことが制限として書かれています。前の節のとおり、Standard と Plus では月5,000個が上限です。
Google スライド:画像の生成とスライドの作成(Standard から)
サイドパネル右下のツールアイコンから[画像を作成]を選ぶと、スライドの内容に合う画像を生成できます。新しいスライドの生成は、サイドパネルに指示を入れ、@ でドライブのドキュメントを指定すると、その資料をもとに作れます。プレゼンテーションの生成は Standard と Plus で月100スライドまでです。
Google Meet:自動メモ生成と翻訳(Standard から)
会議中に Gemini がメモを作り、会議後にドキュメントとして残す自動メモ生成は、Business Standard 以上が対象です。日本語の会議にも対応していますが、公式ヘルプでは一度に1つの言語のみで、スマート機能の設定が無効だと選べないとされています。同意の取り方や録画・文字起こしとの違いはGoogle Meetの議事録の取り方で解説しています。
アプリをまたぐ新機能は英語のみで開始
Googleは2026年9月9日の Workspace Updates で、Gmail のサイドパネルからドキュメントやスプレッドシートを作る、Chat から会議を設定するといった、アプリをまたいで作業する機能を発表しました。2026年9月2日から段階的に展開し、対象は Business Standard・Plus などですが、提供開始時は英語のみの対応と明記されています。メール送信や予定の登録のような外部に影響する操作は、実行前に確認画面を出して本人が確認・編集できると説明されています。日本語で使えなくても不具合ではないため、社内への案内では「英語のみの機能は対象外」と先に伝えておくと問い合わせが減ります。
使えない・出てこないときの切り分け|見る順番は4段
原因は、プラン、管理者の設定、本人の設定、アカウントの4段に分けて上から順に確かめると、原因を絞り込めます。問い合わせが来たら、次の表の上の行から見ていきます。
| 症状 | 考えられる原因 | 確認する場所 | 直す人 |
|---|---|---|---|
| ドキュメント・スプレッドシート・スライドに「Gemini に相談」が出ない(Gmailでは出る) | Business Starter のライセンス | 管理コンソールの[ユーザー]で割り当てライセンス | 管理者(プラン変更) |
| どのアプリにも Gemini が出ない | Google Workspace のスマート機能がオフ | 管理者:[アカウント][アカウント設定][Google Workspace のスマート機能]/本人:Gmail の設定[全般] | 管理者または本人 |
| gemini.google.com に入れない、または個人用の画面になる | Geminiアプリがオフ、または別のアカウントでログイン | 管理者:[生成 AI][Gemini アプリ][サービスのステータス]/本人:右上のアカウント | 管理者または本人 |
| Geminiアプリで Gmail やドライブを読めない | Workspace アプリの連携がオフ、Gemini 会話履歴がオフ、本人の[他の Google サービスのスマート機能]がオフ | 管理者:[生成 AI][Gemini アプリ]の[アプリ]/本人:Gmail の設定 | 管理者または本人 |
| 急に使えなくなった、回数が足りない | 機能ごとの使用量上限に到達 | 管理者:[生成 AI][Gemini レポート] | 管理者(翌日・翌月のリセットを待つか上限の拡張) |
| 英語の紹介記事にある機能が出ない | 英語のみで提供開始した機能 | Workspace Updates の各告知の対象言語 | 対応なし(日本語対応を待つ) |
| 新入社員やアルバイトだけ使えない | 18歳未満、またはライセンス未割り当て | 管理コンソールの[ユーザー] | 管理者 |
1段目:プランとライセンス
よくあるのは、Business Starter の社員がドキュメントやスプレッドシートで Gemini を探しているケースです。この場合は設定をいくら見直しても出ません。Gmail では出ているかを本人に確かめ、Gmail では出てドキュメントでは出ないなら、プランが原因とほぼ判断できます。新しく入った社員の場合は、ライセンス自体が割り当てられているかも管理コンソールの[ユーザー]で確認してください。
2段目:管理者の設定
ドメインの拠点が日本にある組織で見落としやすいのが、スマート機能の既定値です。Google の管理者ヘルプ「ユーザー向けに Google Workspace のスマート機能を管理する」には、Workspace のスマート機能とコントロールは、ドメインの拠点が欧州経済領域、日本、スイス、英国にある場合はデフォルトでオフになると書かれています。利用者向けの Gmail ヘルプでは、日本などに住んでいる場合にデフォルトでオフと説明されています。別の管理者ヘルプでは、Gemini in Workspace を利用するにはユーザーがスマート機能とカスタマイズを有効にする必要があると注記されています。つまり、ドメインの拠点が日本にあり、何も設定していない組織では、社員が自分でスマート機能をオンにしない限り Gemini が出てこない可能性があります。
管理者は、管理コンソールの[アカウント][アカウント設定][Google Workspace のスマート機能]で、ユーザー全体にデフォルト設定を適用するかを選べます。操作には特権管理者としてのログインが必要で、反映には最長24時間ほどかかることがあります。ただし、デフォルトを適用しても、ユーザーは後から各自の設定で切り替えられます。
そのほかの管理者側の確認先は、Geminiアプリのサービスのステータス([生成 AI][Gemini アプリ])、Geminiアプリから Workspace のデータを読む連携(同じ画面の[アプリ]にある[Workspace アプリ])、Gemini 会話履歴の設定です。管理者ヘルプでは、Gemini で Workspace アプリを使うには Gemini 会話履歴を有効にする必要があると説明されています。いずれも既定ではオンのため、誰かが意図してオフにしていないかを確かめます。
3段目:本人のスマート機能の設定
管理者が既定を適用していない場合や、本人が以前にオフにした場合は、本人の設定で直ります。Gmail ヘルプに書かれている手順は次のとおりです。
- パソコンで Gmail を開き、右上の設定アイコンから[すべての設定を表示]をクリックする
- [全般]タブで[Google Workspace のスマート機能]までスクロールし、[Workspace のスマート機能の設定を管理]をクリックする
- [Google Workspace のスマート機能]と、Geminiアプリと連携するなら[他の Google サービスのスマート機能]をオンにする
- 右下の[保存]をクリックし、Geminiアプリは再読み込みしてから接続し直す
カレンダーやドライブなど一部のサービスのスマート機能は、ウェブブラウザからのみオンにできるとヘルプに注記があります。スマホだけで直そうとしている社員には、パソコンのブラウザで操作するよう案内してください。なお、仕事用アカウントの Geminiアプリの[アクティビティの保存]は、既定でオンで、オフにできるのは管理者だけです。
4段目:アカウント・年齢・ドメインの条件
Gemini アプリ ヘルプは、Workspace で使っているのと同じアカウントでログインしていることを接続の条件に挙げています。ブラウザに個人の Gmail アカウントでもログインしている社員は、個人用の Gemini を開いていることがよくあります。右上のアカウントのアイコンで会社のメールアドレスになっているかを確かめます。仕事用アカウントの Geminiアプリでは、上部に Pro・Expanded・Ultra のバッジが出るかどうかでアクセスのレベルを確認できると案内されています。
ほかに、仕事用アカウントで Gemini を使えるのは18歳以上です。また比較表の脚注では、Geminiアプリのエンタープライズ級のデータ保護を利用するにはドメインの所有権を証明している必要があるとされています。また、Geminiアプリから Workspace アプリに接続する機能は、メールによる確認済みのアカウントでは使えないと脚注にあります。ドメインの所有権の証明を済ませていない場合は、先に管理コンソールで手続きを終えてください。スマホのアプリでエラーが出る場合、ヘルプはアプリを最新版にしたうえで、管理者にアクセス権を確認するよう案内しています。
管理コンソールでできること・できないこと
Business エディションの管理者は、Gmail やドキュメントなどアプリごとに Gemini をオン・オフすることはできません。社内ルールを作る前に知っておく必要があります。
アプリごとのオン・オフは Enterprise 向けの設定
管理者ヘルプ「Workspace サービスでの Gemini 機能へのアクセスを管理する」(最終更新日 2026-09-18 UTC)では、管理コンソールの[生成 AI][Gemini for Workspace]の[機能アクセス]から、Gmail、カレンダー、ドライブ・ドキュメント・スプレッドシート・スライド、Meet、Chat、Workspace Studio の Gemini を個別に有効・無効にできると説明されています。ただし、この機能に対応しているエディションは Enterprise Standard、Enterprise Plus と教育機関向けの一部で、Business Starter・Standard・Plus は含まれていません。既定値はオンです。
同じページには、あるアプリで Gemini をオフにしても、他のアプリの Gemini からそのデータにはアクセスできる、という注意書きもあります。例として、ドライブで Gemini をオフにしても、Gmail の Gemini にドライブのファイルについて質問できると書かれています。アプリ単位で止めることは、データの参照を止めることとは別だと理解しておくと、社内の説明を誤りません。
Business で管理者ができること
- Geminiアプリのオン・オフ:[生成 AI][Gemini アプリ][サービスのステータス]で、全員または組織部門・グループ単位で切り替えます。ヘルプでは、この設定は gemini.google.com・モバイルアプリ・Gemini in Chrome へのアクセスを管理するもので、Workspace サービスの他のAI機能には影響しないとされています。手順は親記事の管理コンソールでGeminiアプリをオン・オフする手順をご覧ください
- Geminiアプリから Workspace のデータを読む連携:[生成 AI][Gemini アプリ]で[アプリ]までスクロールし、[Workspace アプリ](Gmail・ドライブ・カレンダーなど)、[Classroom アプリ]、[その他の Google アプリ](マップ・YouTube など)を切り替えます。必要な権限は Gemini の「設定」管理者権限で、反映は最長24時間ほどです
- スマート機能の既定値:前の節のとおり、[アカウント][アカウント設定][Google Workspace のスマート機能]で全体の既定を決めます(特権管理者)
- 会話履歴の保存期間:Geminiアプリの会話履歴を保存するかと、保存期間を管理者が決めます。詳しい選択肢は親記事にあります
- Gemini Notebook のオン・オフと共有範囲:[生成 AI][Gemini Notebook]でサービスのステータスと組織外への共有を設定します
Business で「Gemini を業務アプリだけ止めたい」とき:アプリ単位の停止はできないため、手段は限られます。Geminiアプリは組織部門・グループ単位でオフにでき、Geminiアプリから Workspace のデータを読む連携も同じ単位で止められます。スマート機能の既定をオフのままにする方法は、ユーザーが各自でオンにできるため確実な停止にはなりません。アプリごとに確実に止める必要があるなら、Enterprise エディションへの変更を検討することになります。どれを選ぶかは、止める目的(情報の持ち出しが心配なのか、費用なのか)を先に決めてから判断してください。
外部ツールとの接続は既定でオン
Googleは2026年9月15日の Workspace Updates で、Workspace の Gemini から Asana、Atlassian Rovo、HubSpot、Intuit Mailchimp、Intuit QuickBooks、Monday、Salesforce に直接つなげる機能を発表しました。Gemini for Google Workspace を使えるユーザーには既定でオンになり、管理コンソールの Apps、Google Workspace、Gemini for Workspace、Third-Party Connectors(英語版の表記)で、ドメイン・組織部門・グループ単位で管理できると案内されています。社員はドキュメント・スプレッドシート・スライドのサイドパネルや Google Chat から使います。顧客情報を外部のサービスで管理している会社は、社員が使い始める前に、どの接続を許すかを決めておくと安心です。
使われているかを確かめる|Gemini の使用状況レポート
導入後に「本当に使われているのか」「上位プランの費用に見合っているのか」を確かめるには、使用状況レポートを使います。管理者ヘルプでは、Business Starter・Standard・Plus も対象です。
- 管理コンソールで[生成 AI][Gemini レポート][組織レベルの使用状況]を開く。期間は過去7日間・28日間・90日間から選べ、既定は28日
- Gemini のアクティブユーザー数と割合、過去28日間に上限に達したユーザー数、アプリごとの使用状況を見る
- [ユーザーレベルの使用状況]で、1人ずつの使用レベル(高・中・低・ゼロ)と、過去28日間のアクティブな日数、上限に達した日数を見る
- 必要なら[ダウンロード]でスプレッドシートに書き出す
使用レベルは、利用者の上位10%かつ20回以上で高、5回以上で中、4回以下で低、使用なしでゼロと定義されています。レポートへの反映には2〜3日かかることがあります。Standard 以上に上げたあとで使用レベルがゼロの人が多いなら、研修が先か、プランを戻すかを判断する材料になります。
管理コンソールでは、社員がGemini以外のAIで何をしているかまでは見えません。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。
データの扱いと個人向けGeminiとの違い
会社で契約した Workspace のアカウントで使う限り、入力した内容が人の目でレビューされたり、許可なくAIの学習に使われたりすることはないと、Googleは公式に案内しています。Google Workspace の生成AIに関するプライバシーハブ(最終更新日 2026年8月14日)には、お客様のコンテンツは、人間によってレビューされることも、許可なくお客様のドメイン外で生成 AI モデルのトレーニングに使用されることもありません、と書かれています。
- 権限はそのまま:ファイルを見る権限がない人は、Gemini を通してもそのファイルを見たり使ったりできないと説明されています。逆に言えば、共有設定が緩いファイルは Gemini からも見つけやすくなるため、共有範囲の棚卸しは導入前にしておく価値があります
- DLP:対応エディションでは、Gemini の出力がメールや共有ドライブのファイルに挿入されるときにも既存の DLP(データ損失防止)の制御が適用されるとされています。DLP や IRM が Gemini にどう効くかは、親記事で整理しています
- Gemini Notebook は別扱い:プライバシーハブでは、Gemini Notebook は現在 Workspace の DLP と統合されていないと説明されています。ドライブのファイルを持ち込ませたくない場合は、ダウンロード・コピー・印刷を無効にする IRM の設定で防げると案内されています
個人向けGeminiとの違い
社員が個人の Google アカウントで使う Gemini は、この保護の対象外です。Googleの管理者ヘルプでは、対象となる Workspace エディションを持たないユーザーが Gemini アプリを使う場合、Google 利用規約と Gemini アプリのプライバシーに関するお知らせが適用され、チャットの内容が人間のレビュアーによってレビューされ、機械学習技術の改良に使われる場合があると説明されています。個人向けの Google AI Pro などを本人が自分で契約していても、会社のデータ保護にはなりません。Google AI のプランは個人の Google アカウントでのみ申し込めると、公式ページのFAQに書かれています。
切り分けの4段目で、個人アカウントで Gemini を開いている社員が見つかったら、それは設定の問題であると同時に、業務情報が個人の規約のもとで入力されていた可能性を示します。個人アカウントと仕事用アカウントの違いの詳細は親記事の会社で使うなら|個人アカウントと仕事用アカウントの違い、情報漏えいの経路はGeminiの情報漏洩リスクで解説しています。
導入の始め方と社員への通知文ひな形
Business エディションなら、ライセンスが割り当てられた18歳以上のユーザーは、Gemini の各設定が既定でオンの状態から始まります(ドメインの拠点が日本にある場合のスマート機能を除く)。管理者が行うのは追加購入ではなく、設定の確認と社内への案内です。次の順で進めると、問い合わせが最初の1週間に集中するのを避けやすくなります。
- 全員のライセンスを一覧にする管理コンソールで、契約しているエディションと、ライセンスが全員に割り当てられているかを確認します。契約が Starter なら、ドキュメントやスプレッドシートの Gemini が必要かを先に決めます。
- スマート機能の既定を決めるドメインの拠点が日本にある場合、既定でオフになると管理者ヘルプに書かれています。全員に Gemini を使わせるなら[Google Workspace のスマート機能]で既定を適用し、本人任せにするなら通知文で手順を案内します。
- Geminiアプリと連携の設定を確認する[生成 AI][Gemini アプリ]でサービスのステータスと[アプリ]の[Workspace アプリ]を確認し、部署ごとに変えるなら組織部門を分けます。
- 外部ツールの接続方針を決める顧客情報を扱うサービスとつなぐ場合、許可する接続とその部署を決めます。
- 共有範囲が広すぎるファイルを見直すGemini は本人が見られるファイルを参照します。全社公開のまま機密情報を置いた共有ドライブがないかを確かめます。
- 利用ルールと通知文を配る入力してはいけない情報を決め、次の通知文と合わせて配布します。ルールのひな形は親記事にあります。
- 1か月後に使用状況レポートを見るアクティブユーザーの割合と、上限に達した人の数を確認し、プランや研修の要否を判断します。
社員への通知文ひな形(情シス・総務から全社員へ)
社員向けの案内は、自社のプランで使えるアプリと、使えないときに本人が確かめることを1枚にまとめると、問い合わせを減らしやすくなります。以下は、自社の状況に合わせて書き換えて使えるひな形です。
件名:Google Workspace の Gemini(AI)の利用開始と、表示されないときの確認方法
全社員各位
本日から、会社の Google アカウントで Gemini を利用できます。会社の契約プランで使えるのは次のとおりです。
・Gmail の要約・下書き・校正
・Geminiアプリ(gemini.google.com)
・ドキュメント・スプレッドシート・スライド・Meet の Gemini(Business Standard 以上の契約の場合)
表示されない、連携できないときは、次の2点を確認してください。
1. ブラウザ右上のアカウントが会社のメールアドレスになっているか(個人の Gmail では会社のデータ保護が適用されません)
2. パソコンの Gmail で、設定、すべての設定を表示、全般タブの[Workspace のスマート機能の設定を管理]を開き、[Google Workspace のスマート機能]と[他の Google サービスのスマート機能]がオンになっているか
それでも使えない場合は、[連絡先]まで、1. ログイン中のアカウント、2. 使おうとしたアプリと画面、3. 表示されたメッセージと時刻、をお知らせください。
英語のみで提供されている新機能は、日本語では使えない場合があります。入力してよい情報・いけない情報は、別紙の生成AI利用ルールに従ってください。
※通知文の[連絡先]は自社の窓口に置き換えてください。Business Starter の契約では、ドキュメント等の行を削除します。
会社で安全に使い続けるために残る課題
Workspace の Gemini は、許可なく学習に使われない契約・既存の権限・DLP がそのまま効くため、会社で使い始めやすいAIです。ただし、導入後も会社として整えることは残ります。
1つ目は、使うAIが Gemini だけでは足りない部署が出てくることです。文章の推敲や長い資料の読み込みで ChatGPT や Claude を使いたいという声が出たとき、それぞれを個別に契約すると、費用は人数とサービス数の掛け算で増え、管理画面も分かれます。配られなかった社員が個人アカウントで使い始めると、先に述べた個人向けの規約の問題が戻ってきます。複数のAIを会社として管理する考え方はマルチAIとは、用途ごとの割り当ては主要4AIの違いと使い分けで解説しています。
2つ目は、費用の比べ方です。Gemini の費用は Workspace のエディション料金に含まれているため、比べる相手は、Starter から Standard に上げる差額(10名で年96,000円、税別)と、別のAIを会社で用意する費用です。使う人数と用途、使いたいAIの種類を並べ、プランを上げる費用と、別のAIを用意する費用を同じ期間で比べると判断しやすくなります。
3つ目は、ルールと教育です。入力してはいけない情報の明文化、出力を人が確認する工程は、どのAIを選んでも自社で決める必要があります。生成AIの社内ガイドラインの作り方と生成AIのセキュリティ対策チェックリストも参考にしてください。会社が把握していないAI利用を見つける方法は野良AI(シャドーAI)でまとめています。
Gemini に加えて ChatGPT・Claude も使いたい部署があるなら
UPGEAR AIは、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で切り替えて使える法人向けプラットフォームです。全モデルで学習非利用を標準適用し、会話履歴・利用ログ・アカウントは国内サーバー(AWSの日本リージョン)で管理します。UPGEAR AIの料金は月額30,000円(税抜)からで、ユーザーごとの課金はありません(人数の目安はライト1〜5名・スタンダード6〜20名・プレミアム21〜50名)。初期費用100,000円(税抜)が別途かかります。
UPGEAR AIの詳細を見るよくある質問
Google Workspace で Gemini は使えますか?
Workspace の Gemini は無料ですか?追加料金はかかりますか?
Gemini と Gmail やドライブが連携できないのはなぜですか?
Business Starter でもスプレッドシートやスライドの Gemini を使えますか?
Gmail だけ Gemini を止める、といったアプリごとの設定はできますか?
Workspace の Gemini を業務で使うのは危険ですか?
まとめ
Google Workspace の Gemini は、業務アプリに組み込まれた Gemini と、会社のアカウントで使う Geminiアプリの2つの入り口からなり、どこまで使えるかはまずプランで決まります。Business Starter は Gmail と Geminiアプリまで、ドキュメント・スプレッドシート・スライド・Meet は Business Standard 以上です。Gemini のためのアドオンは販売を終えており、費用の差はエディションの料金の差、10名なら Starter から Standard への差額は年96,000円(税別)です。
社員の画面に出ないときは、プラン、管理者の設定、本人のスマート機能、ログイン中のアカウントの順に確かめます。ドメインの拠点が日本にある場合はスマート機能が既定でオフになる点と、Business ではアプリごとに Gemini を止められない点は、社内ルールを作る前に押さえておいてください。導入後は使用状況レポートで利用の実態を確かめ、プランの見直しや他のAIとの組み合わせを判断すると、費用と安全の両方を保ちやすくなります。
Gemini の全体像は親記事のGeminiの使い方|始め方・主な機能・会社で使う前に決める設定、法人のAI活用に関する他の記事はAI活用コラム一覧をご覧ください。
