ClaudeとSlackの連携。今つなぐならClaude Tag、管理者が決めておくこと

ClaudeとSlackの連携とは、SlackのチャンネルやDMで@Claudeと呼びかけ、Claudeに仕事を頼めるようにすることです。2026年8月3日からSlackのClaudeアプリはClaude Tagに切り替わっており、今から会社でつなぐならClaude Tagが前提になります。Claude TagはClaudeのTeam・Enterpriseプラン向けのベータで、設定にはClaude側のOwnerとSlackの管理者という2つの役割が欠かせません。別の人が担う場合は、ペアリングのときに2人で同時に作業してください。料金は人数ではなく使用量で決まるため、上限と使う人の範囲を先に決めておきましょう。

コネクタの仕組み全体や、Google Workspaceなどほかのつなぎ先についてはClaudeのコネクタとは?できることと、会社で使う前に管理者が決めることにまとめています。ここではSlackとの連携だけに絞り、総務・情シスや経営者の方が「Slackにつなぎたい」と相談されたときに決めることを順に並べました。

※この記事の内容は、2026年10月4日時点でAnthropicのヘルプ・ドキュメント・発表と、Slackの日本語ヘルプの記載を確認したものです。いずれも提供元による説明で、第三者による検証ではありません。Claude Tagはベータのため、仕様や画面は変わる可能性があります。確認した主な一次情報:Anthropicヘルプ「What is Claude Tag?」/Claude Tagドキュメント(Overview)/Claude Tagドキュメント(Data lifecycle and deletion)/Slackヘルプ「Slack で Claude を使用する」

2026年8月3日から、SlackのClaudeはClaude Tagに切り替わりました

SlackでClaudeを使う公式の方法は、2026年8月3日からClaude Tagという新しい形に変わりました。AnthropicのヘルプはClaude in SlackがこのClaude Tagに切り替わったと説明しており、ClaudeとSlackをつなぐならClaude Tagを使うよう案内しています。Slackの日本語ヘルプにも、同じ日付でSlackの現行のClaudeアプリがClaude Tagに切り替わると記載があります。

大きく変わったのは、Claudeが誰のものとして動くかという点になります。旧アプリは社員が1人ずつ自分のclaude.aiアカウントをSlackに連携する形でしたが、Claude TagはOwnerが一度設定した1つのClaudeを、チャンネルごとにチーム全員で使う形です。Slackのアプリと@Claudeという呼び名は同じで、アンインストールは不要とされています。

実際に検索で出てくる解説には、切り替え前の旧アプリの手順で書かれたものも混ざっているので注意が必要です。旧アプリの手順でつなごうとすると、画面や必要な権限が合わずに戸惑うことになってしまいます。今から会社としてつなぐなら、Claude TagとTeam・Enterpriseプランを前提に考えてください。

Anthropicの発表「Introducing Claude Tag」は2026年6月23日付で、EnterpriseとTeamの顧客向けにベータで提供を始めたと伝えています。まずSlackから始め、ほかの場所にも広げることを目標にしているそうです。旧アプリは管理画面でLegacyと表示されて廃止される予定となり、個別の切り替え日はアカウント担当に確認するよう案内されています。

ClaudeとSlackをつなぐ4つの形|プラン別の判断表

ClaudeとSlackのつなぎ方は、Anthropicの説明を整理すると4つに分かれます。向きで分けると、Slackの中にClaudeを入れる形と、claude.aiの画面からSlackの中身を読みに行く形の2通りになります。

SlackにClaudeを入れる形と、ClaudeからSlackを読む形

SlackにClaudeを入れる形は、Slackのチャンネルで@Claudeと書いて頼む使い方で、Claude Tagと旧アプリのClaude in Slackがこちらに当たります。ClaudeからSlackを読む形はSlackコネクタと呼ばれ、claude.aiでの会話中にSlackのチャンネル・DM・ファイルを検索させる使い方です。Slackコネクタを有効にする前に、Claude in Slackのアプリをインストールしておく必要があります。

4つ目のClaude Code in Slackは、Slackからコードの作業を頼むための開発者向けの仕組みです。チャンネルでのみ動き、DMでは使えず、つなげる先もGitHubに限られます。

4つの形とClaudeのプランの組み合わせを、1つの表にまとめると次のとおりです。

形向きと使い方FreePro・MaxTeam・Enterprise
Claude Tag(現行)SlackにClaudeを入れる。Ownerが設定した1つのClaudeを、チャンネルごとに全員で使う対象外対象外ベータで提供
Claude in Slack(旧アプリ)SlackにClaudeを入れる。社員が1人ずつ自分のclaude.aiアカウントを連携する使えない(Slack日本語ヘルプは有料のClaudeアカウントが必要と記載)旧アプリの説明では対象。切り替え後の扱いは公式ヘルプで確認2026年8月3日にClaude Tagへ切り替え。管理画面ではLegacyと表示
Slackコネクタclaude.aiからSlackのチャンネル・DM・ファイルを検索する記載なし2026年1月26日のブログ追記で提供と発表(ドキュメントはTeam・Enterprise向けと記載)提供。先にClaude in Slackのアプリのインストールが必要
Claude Code in SlackSlackからコードの作業を頼む。チャンネルのみ、つなぐ先はGitHubのみ記載なし設定方法として残るClaude Tagに置き換えるため終了に向かう

必要なプラン|Claude側とSlack側

Claude側で必要なプランは、Claude TagならTeamかEnterpriseになります。Free・Pro・Maxの個人プランはClaude Tagの対象外で、Anthropic自身のサービスではなく他社のクラウドを通した提供でも使えません。

このほか、ゼロデータ保持(ZDR)や顧客管理の暗号鍵(CMEK)を設定している組織も対象外となります。Claude Tagはチャンネルのメモリと会話記録を保存する仕組みのため、記録を残さない設定とは両立しないと説明されています。

Slack側のプランは、説明している場所によって表記が違います。Slackの日本語ヘルプは旧アプリについてすべてのSlackプランで使えると書き、Anthropicの旧アプリの説明は有料のSlackプランが対象と書いています。自社のSlackのプランで使えるかは、導入前にSlackの管理画面と公式ヘルプで確かめてみてください。

個人プランの方がSlackから使いたい場合は、Pro・Maxで設定方法として残っているClaude Code in Slackが選択肢になります。ただしこちらはコードの作業向けで、チャンネルの議論をまとめるような使い方とは目的が違う点に注意が必要です。

Claude Tagでできること|@Claude・DM・AIアシスタントパネル

Claude Tagでは、Slackの中の3つの入口からClaudeに頼むことができます。チャンネルでの@Claudeのメンション、ClaudeとのDM、Slack上部のClaudeアイコンから右側に開くAIアシスタントパネルの3つです。

3つの入口の使い分け

チャンネルで@Claudeと書いて頼むと、Claudeはスレッドで返事をします。チャンネルでのやり取りはそのチャンネルの全員に見え、チャンネルごとに1つのClaudeを全員で使う形になります。Claudeは@で呼ばれたときに答えるほか、返事が必要だと判断した別のメッセージに反応することもあるそうです。

DMは、本人だけで進めたい作業に向いています。Claudeアカウントを連携したメンバーの1対1のDMは、その人の席で動く仕組みです。AIアシスタントパネルはSlackの右側に開くため、見ている画面から離れずに相談したいときに便利でしょう。

活用例|チャンネルの要約・Slack内の検索・社内ツールの情報

公式のドキュメントが設定の確認に使っている依頼は、今週チャンネルで決まったことをまとめ、まだ答えの出ていない問いを並べてもらう内容です。長い議論を後から追う方や、休み明けに流れをつかみたい方には役立つでしょう。

ClaudeからSlackを読む側のSlackコネクタを使えば、claude.aiで作業しながら、Slackのチャンネル・DM・ファイルを検索させることもできます。過去のやり取りを探して、資料作りの材料にする流れになります。

社内の課題管理やデータの置き場所から情報を引かせたいときは、Claude Tagに別の設定が必要です。メンバー本人のclaude.aiのコネクタを使うか、Claude専用のアカウントを用意して渡す方法があり、詳しくは導入手順の節で触れています。

Claudeが読めるチャンネルと、使える人の範囲

Claude Tagが読み書きするのは、Claudeを追加したチャンネルとDMだけです。Slackの管理者向けの説明でも、アプリをインストールしただけではどのチャンネルにも入らないとされています。

Claudeがチャンネルに入る経路

Claudeがチャンネルに入るのは、誰かが/invite @Claudeを送ったとき、DMの「Add to channel」や「Approve and post」を使ったとき、週1回の提案メッセージから追加したとき、Ownerが決めた名前のパターンに合うチャンネルへ自動で参加するときです。このうち/invite @Claude以外の経路では、Claudeが自分で公開チャンネルに参加する形になるため、Slackの監査ログには招待者が出ない点も覚えておいてください。非公開チャンネルにはこの方法では入れず、/invite @Claudeで招く必要があります。

他社と共有するSlack Connectのチャンネルでは、Claudeは返答しません。取引先と共有しているチャンネルで使えないと気づくのは導入後になりがちなので、使い道を考える段階で外しておきましょう。

ゲストのいるチャンネルでは、既定の設定(Restrict)のままだとClaudeはそのチャンネルで一切動きません。OwnerはAllow Claude to respond to guestsの設定を、ゲストがいる間はチャンネル内のアクセスだけに絞るChannel onlyか、Allowに変えられます。

既定ではSlackの誰でも@Claudeを使えます

Claude Tagでは、チャンネルでClaudeと話すのに、Slackの利用者1人ずつがClaudeの席を持つ必要はありません。既定の設定では、ペアリングしたSlackワークスペースの誰でも、チャンネルで@Claudeを使えます。

Ownerは、Organization settings > Claude TagのMember Accessで、使える人を3つのモードから選べます。Slackワークスペースの全員、Claude組織のメンバーだけ、ロールで許可した人だけ(Enterpriseのみ)の3つです。社員10〜200名の会社なら、まずClaude組織のメンバーだけに絞ると、誰が使っているかをつかみやすくなります。

コネクタは本人の権限を引き継ぎます

claude.aiからSlackを読むSlackコネクタの場合、Claudeは接続したサービスでのその人の権限を引き継ぎます。本人が見られないチャンネルやファイルは、コネクタを通してもClaudeから見られない仕組みです。

一方でClaude Tagのチャンネルでのやり取りは、そのチャンネルにいる全員に見えます。人事や経営の話をするチャンネルにClaudeを招くかどうかは、Slackの権限とは別に会社として決めておくことになります。

Slackの誰でも呼べるAIだからこそ、使う環境を会社で決めておく

Slack連携を広げる前に、社員が毎日使うAIの環境と管理を会社で1つにそろえる方法もあります。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。

Claude Tagの導入手順|ClaudeのOwnerとSlack管理者の段取り表

Claude Tagの設定は、Claude組織のOwnerとSlackワークスペースの管理者が組んで進める作業になります。Anthropicのヘルプは、Claude Tagのアクセスとチャンネルを設定できるのはPrimary OwnerかOwnerだけで、Adminのロールではできないと明記しています。Slack側では、@Claude connectを送れるのはSlackの管理者だけで、アプリのインストールも通常は管理者が担当します。

始める前にそろえるもの

  • ClaudeのTeamまたはEnterpriseプラン(ZDR・CMEKを設定した組織は使えません)
  • Routinesの有効化(Admin settings > Capabilities > Remote sessions > Routines)
  • Claude組織のOwnerの権限
  • Slackワークスペースの管理者(@Claude connectを送る人)
  • Teamプランの場合は使用量のクレジット(usage credits)
  • Claudeを最初に入れる公開チャンネル1つ以上

Slackの管理者が別の人なら、ペアリングの日時を先に合わせておいてください。Slackで発行されるペアリングコードは1回限りで、15分で失効します。

ClaudeのOwnerとSlack管理者の段取り表

公式の手順を、誰がどの画面で何をするかの順に並べ直すと次のようになります。

順番担当場所やること
1Claudeの管理者(Ownerなど)Admin settings > Capabilities > Remote sessions > RoutinesRoutinesを有効にする
2ClaudeのOwner(Teamのみ)Claudeの管理画面usage creditsを買う。買うまでClaude Tagは何も動かない
3ClaudeのOwnerclaude.ai/admin-settings/claude-tagStart setupを押す
4Slackの管理者Slack MarketplaceAdd to Slackを押し、権限を承認する
5Slackの管理者Slackの任意のチャンネル/invite @Claudeでチャンネルに招く
6Slackの管理者同じチャンネル@Claude connectだけを1通で送る。本人だけに見えるペアリングコードが届く
7ClaudeのOwner設定画面のPaste the pairing code受け取ったコードを15分以内に貼る
8ClaudeのOwner設定画面のLaunch Claude Tag入れるチャンネルを選び、月の上限を決めて開始する(クレジット購入の手順を通った組織はこの画面に上限の欄がなく、開始後にclaude.ai/admin-settings/usage/claude-tagで設定する)
92人で確認Claudeを入れたチャンネル確認用の依頼を送り、スレッドに返事が来るかを見る

表の4〜7は、2人が同じ時間に画面の前にいれば一度で終わる作業です。コードの受け渡しには社内のチャットや電話など、すぐ届く手段を決めておくと安心でしょう。

Slack管理者の承認とアプリを入れる権限

設定する人がSlackの管理者でない場合のために、Slackの管理者にインストールを頼む定型文がドキュメントに用意されています。アプリの承認には時間がかかることがあるとも書かれているため、依頼は早めに出しておきましょう。

旧アプリについてSlackの日本語ヘルプは、アプリをインストールする権限を持つメンバーなら誰でも追加でき、権限がなければリクエストを送る流れだと説明しています。Enterprise Gridでは、OrGのオーナーなどが「ツールと設定」から「アプリを管理する」を開き、OrG単位でインストールする形です。自社のSlackで誰がアプリを入れられる設定になっているかを、先に確かめておきたいところでしょう。

設定直後に確認すること

開始したら、Claudeを入れたチャンネルで公式の確認例の依頼を送ってみてください。ドキュメントの例は、今週このチャンネルで決まったことと未解決の問いを英語でまとめさせる1文になっています。Claudeがスレッドで返信し、返事の末尾にモデル名とConfigureのリンクが付いていれば、設定は通っていることになります。

ほかのツールにつなぐとき

設定直後のClaude Tagは、Slack以外のツールにはつながりません。ほかのツールを使わせる方法は、メンバー本人のclaude.aiのコネクタを使う方法と、Claude専用のアカウントを作って渡す方法の2つになります。本人のコネクタは、その本人が頼んだ作業にだけ使われます。

専用のアカウントを作る場合は、Claude用のメールアドレスを1つ用意し、各ツールに最小限の権限で招待してAPIキーを作ります。できれば読み取り専用で招待しておくと安心でしょう。Claudeの操作は、各ツールの監査ログにClaude用に作ったアカウントの名前で残ります。GitHubやGoogle Drive、データウェアハウスなどの認証情報はOwnerが別に用意し、Anthropic側に保管される仕組みです。

料金は人数ではなく使用量|上限の決め方

Claude Tagの料金は、使う人数ではなく使った量で決まります。Anthropicのヘルプも、支出は人数ではなく使用量に基づくと説明しています。

チャンネルやグループDMでの作業は、組織の使用量の残高(usage balance)から引かれ、席の追加料金はかかりません。一方で1対1のDMは、Claudeアカウントを連携したメンバーであれば本人の席で動き、その席に課金されます。この席はClaude Codeを含むものである必要があり、EnterpriseではStandard席やUsage-Based Chat席にCoworkを加えた形でも使えます。Claudeアカウントを連携していないメンバーのDMは、組織の使用量の残高から引かれる場合があり、メンバーごとの上限が設けられています。

Teamプランは、クレジットを買うまでClaude Tagが何も動きません。Enterpriseで請求書払いの場合は、上限を決めるまで請求に上限がないため、試している間は上限を決めておくよう案内されています。1回の作業でいくらかかるかの公表された目安はありません。

上限の仕組み

上限は、組織全体の月の上限とチャンネルごとの上限の2段で決められます。組織全体の上限は超えない設定で、上限の75%と95%に達したときに管理者へ通知が届きます。上限に達するとClaudeは作業を止め、依頼した人にスレッドでその旨を伝えます。チャンネル別の使用量の内訳も見られるため、どのチャンネルで多く使われているかを後から確認できます。

開始の画面で選べる月の上限は、500ドル・1,000ドル・2,500ドル・5,000ドル・上限なし(Unlimited)・任意の金額(1,000,000ドルまで)です。上限をまだ設定していない組織では、2,500ドルが初めから選ばれています。クレジット購入の手順を通った組織は開始の画面に上限の欄がないため、開始後に設定画面で決めることになります。

試す期間の上限の決め方

1作業あたりの目安がない以上、最初の上限は実績を取るための枠として考えるのが現実的でしょう。初めから選ばれている2,500ドルのまま始めると、試す最初の月から2,500ドルまで使われうることになってしまいます。Teamでは組織の残高から引かれ、請求書払いのEnterpriseでは請求書に計上される形です。試す期間は選択肢の中でいちばん低い500ドルにして、試すチャンネルにもチャンネルごとの上限を付けておく方法があります。

段階組織全体の月の上限チャンネルごとの上限見るもの
試す期間(1か月)選択肢の中でいちばん低い500ドル試すチャンネルに付けるチャンネル別の使用量の内訳、75%・95%の通知が来たか
部署に広げる試す期間の実績をもとに決め直す使用量の多いチャンネルに付ける上限で止まった回数と、止まったときの依頼の中身
全社に広げる毎月の実績をもとに決め直す部署ごとのチャンネルに付けるチャンネル別の内訳を毎月見る

1か月たったら、チャンネル別の内訳を見て、よく使われたチャンネルと使われなかったチャンネルを分けてみてください。そのうえで全体の上限を上げるか、チャンネルの上限を調整するかを決めましょう。75%の通知が届いた時点で誰が判断するかも、あらかじめ決めておけば止まったときに慌てません。

※金額はClaudeの設定画面に表示される米ドルの選択肢です(2026年10月4日時点のドキュメントで確認)。円での金額は為替と請求の条件で変わるため、この記事では換算していません。

データの保持と削除|Claude Tagで残るもの・消えるもの

Claude Tagは、Slackに残るメッセージとは別に、作業の記録をAnthropic側に保存します。保存されるのは、Claudeに見せたメッセージと送った人、添付ファイル、編集前の版、検索結果や接続したツールから取った情報、Claudeの発言と操作を含む会話記録です。ほかにメモリ、ルーチン、アクセスバンドル、アカウントの連携なども残ります。

ベータの間は、Claude Tagのデータに自動の保持期間がありません。組織で決めたデータ保持の設定も、会話記録とメモリには効かないと説明されています。使うのをやめたり、プランを切らしたり、Claude Tagをオフにしたりしても、それだけでは何も消えない点に注意してください。

残る操作・消える操作の一覧

Slackや管理画面での操作ごとに、Claude側の記録がどうなるかを並べました。

操作Claude側の記録
使うのをやめる・プランを切らす・Claude Tagをオフにする何も消えない
Slackでメッセージやファイルを削除・編集する取り込み済みの会話記録からは消えない。ゲストを含むほかの人のメッセージも組織のデータとして残る
/remove @Claudeでチャンネルから外す何も消えない
社員のSlackアカウントを無効にする(退職など)何も消えない。連携、DMの会話、メモは残る
Claude組織からメンバーを外す消えない。本人は数分でアクセスを失い、本人がDMで作ったルーチンは止まる
Slackでチャンネルを削除するそのチャンネルの会話記録とメモリが消える
ワークスペースを切断するそのワークスペースの記録が消える
SlackからアプリをアンインストールするそのワークスペースのClaude側の記録が消える。ただしアクセスバンドルと、メンバーが1対1のDMで作ったルーチンは残る。Slackに投稿済みの内容はSlackの保持設定のまま残る。Enterprise Gridで組織全体のインストールを外した場合は何も消えない
管理画面でチャンネルのスコープを削除するそのチャンネルのそれまでの記録が消える
メモリファイルを削除する(View memory filesからDelete、またはチャンネルで忘れるよう頼む)Claudeが読む内容と一覧からは消える(以前の版は、チャンネルのスコープを削除するまで保存される)
ルーチンを削除するそのルーチンが消える
1つのスレッドの記録だけを消す操作がない。表にない削除はアカウント担当かAnthropicのプライバシー窓口に依頼する
データのエクスポート・Compliance APIベータの間は会話記録とメモリが対象外

退職・異動のときに管理者がやること

社員が退職してSlackのアカウントを無効にしても、Claude側の連携やDMの会話、メモは消えずに残ります。Claude組織から外した場合も記録は消えませんが、本人は数分でアクセスを失い、本人がDMで作ったルーチンは止まります。

退職や異動の手続きでは、Slackのアカウントの停止とあわせて、Claude組織からも外す作業を手順書に入れておきましょう。記録を消す手段は、ワークスペースの切断・アプリのアンインストール、管理画面でのチャンネルのスコープの削除、チャンネルの削除、ルーチンの削除の4つです。メモリファイルの項目も削除できますが、以前の版はスコープを削除するまで残ります。1つのスレッドの記録だけを消す操作はなく、ほかはアカウント担当かAnthropicのプライバシー窓口への依頼になります。ワークスペースの切断はそのワークスペースの記録をまとめて消す操作のため、1人分だけを消す用途には使えません。

DMに機密の情報を書いた社員が辞めても、そのDMの記録だけを選んで消すことはできない仕組みです。DMに入れてよい情報の線引きは、使い始める前の告知で伝えておく必要があります。

監査で見られる範囲

Ownerは、管理画面のActivity(Audit)ページで、予約した作業(Scheduled work)・メモリ・通信(network)のタブを見られます。ただし、すべての作業について誰が頼んだかを1件ずつ記録したログはないと、ドキュメントに明記されています。誰がどのチャンネルで何を頼んだかを細かく追いたい会社は、この点を導入前に確かめておくと判断しやすいでしょう。

旧アプリのClaude in Slackでは、連携を切ると過去の会話は30日以内に削除され、Slackで始めた会話はclaude.aiの履歴には出ない仕様でした。Claude Tagは扱いが別なので、旧アプリの感覚で切れば消えると考えないようにしてください。

Claude Code in Slack・MCPで自作する連携との違い

Slackと組み合わせる方法には、Claude Tagのほかに、開発者向けのClaude Code in Slackと、MCPを使って自分でつなぐ方法もあります。どちらも総務・情シスの方が最初に検討する形ではないものの、違いだけは押さえておきましょう。

Claude Code in Slack

Claude Code in Slackは、Slackのチャンネルからコードの修正などを頼むための、以前からある仕組みです。AnthropicはTeamとEnterpriseのワークスペースではClaude Tagに置き換えるためこの仕組みを終了するとしており、Pro・Maxでは引き続き設定方法として残ると説明しています。

使えるのはチャンネルだけでDMは使えず、つなげる先もGitHubに限られます。開発の担当者がいない会社では、Claude Code in Slackを選ぶ場面は少ないでしょう。

MCPで自作する連携との違い

MCP(AIと外部のサービスをつなぐ共通の決まりごと)のサーバーを自分で用意し、カスタムコネクタとしてClaudeにつなぐ方法もあります。リモートのMCPを使うカスタムコネクタはFree・Pro・Max・Team・Enterpriseの各プランで使え、Freeは1つまでに制限されています。

この方法では、Anthropicのクラウドから自社のMCPサーバーに接続するため、サーバーはインターネットから届く場所に置く必要があります。Anthropicが検証していないサービスにもつなげられる分、信頼できる組織のサーバーだけにつなぎ、認証の権限をよく確かめるよう案内されています。

公式のSlack連携で足りる会社が、自前でMCPのサーバーを作って運用する理由は多くありません。総務・情シスの方が判断するなら、まずClaude Tagで足りるかを試し、自作は開発の体制がある会社に限るのが無理のない順番です。

社内告知文のひな形|使ってよいチャンネルと入れてはいけない情報

Claude Tagを使い始める前に、社員向けの告知を1本出しておくと、問い合わせと事故の両方を減らせます。下のひな形はここまでの公式の仕様をもとにした例で、[ ]の中を自社の内容に置き換えて使ってみてください。

件名:SlackでClaude(Claude Tag)を使えるようになります

[開始日]から、Slackの次のチャンネルで@Claudeを使えるようになります。
・使ってよいチャンネル:[#ai-試行][#営業部]
・使える人:[Claude組織のメンバーのみ]

【使い方】
・チャンネルで「@Claude」と書いて依頼すると、スレッドで返事が来ます
・チャンネルでのやり取りは、そのチャンネルの全員に見えます
・1対1のDMは、Claudeアカウントを連携した方の席で動きます

【入れてはいけない情報】
・[顧客の個人情報、人事・給与の情報、取引先から預かった資料、パスワードなどの認証情報]
・Claudeに見せたメッセージや添付ファイルは、Slackで削除・編集してもClaude側の記録から消えません
・1つのスレッドの記録だけを消すことはできません

【知っておいてほしいこと】
・取引先と共有しているSlack Connectのチャンネルでは使えません
・月の利用額に上限があり、上限に達するとClaudeは止まります
・Claudeを新しいチャンネルに招く前に、[情報システム担当]に相談してください

問い合わせ先:[担当者名・チャンネル名]

入れてはいけない情報は会社によって違うため、すでに生成AIの社内ルールがある場合はそちらと文言をそろえましょう。ルールがまだない場合は、生成AIの社内ガイドラインの作り方を参考にしてみてください。

導入前チェックリスト

導入の相談を受けたら、次の項目を順に確かめてみてください。どれも導入後に決め直すと手間のかかる項目になります。

  • ClaudeのプランがTeamかEnterpriseかFree・Pro・MaxはClaude Tagの対象外です。ZDR・CMEKを設定した組織も使えません。
  • 自社のSlackのプランで使えるかSlackの日本語ヘルプとAnthropicの説明で表記が違うため、自社のプランで確かめます。
  • ClaudeのOwnerとSlackの管理者が誰で、同じ時間に作業できるかペアリングコードは1回限りで、15分で失効します。
  • Routinesを有効にし、Teamならクレジットを買ったかTeamプランはクレジットを買うまでClaude Tagが動きません。
  • 使える人を3つのモードのどれにするかSlackワークスペースの全員、Claude組織のメンバー、ロールで許可した人(Enterpriseのみ)から選びます。
  • Claudeを入れるチャンネルと、入れないチャンネル人事・経営の話をするチャンネルの扱いを決めます。Slack Connectのチャンネルでは動かず、ゲストのいるチャンネルも既定では動きません。
  • 月の上限とチャンネルごとの上限、通知を受けて判断する人上限を設定していない組織では2,500ドルが初めから選ばれています。75%と95%で管理者に通知が届きます。
  • 退職・異動の手順にClaude組織から外す作業を入れたかSlackのアカウントを無効にしても、Claude側の記録は残ります。
  • 記録が自動で消えないことを、情報管理の担当者が了承しているかベータの間は自動の保持期間がなく、エクスポートやCompliance APIの対象にもなりません。
  • 社員への告知文を出したか使ってよいチャンネルと、入れてはいけない情報を伝えます。

10項目のうち、後から変えにくいのは使える人の範囲と、記録が残ることへの了承の2つです。この2つは、Slackの管理者と情報管理の担当者を交えて決めておきましょう。

会社で安全に使うには|Slack連携とAIの利用環境は分けて考える

Claude Tagは、Slackの中でチームの作業を進めるための仕組みで、社員が普段AIを使う環境すべてを置き換えるものではありません。調べものや資料作り、文書の読み込みのような1人の作業は、Slackの外でAIを使う場面のほうが多いでしょう。

その普段の利用で会社として整えたいのは、入力した内容を学習させない設定、誰がいつ使ったかのログ、社員への配布と退職時の停止の3つになります。社員がそれぞれ個人のアカウントで使っていると、この3つを会社が把握できず、いわゆる野良AI(シャドーAI)の状態となってしまいます。

Claude TagはTeam・Enterpriseの契約が前提で、チャンネルの作業は使用量で課金されます。Slackの中ではClaude Tagを使い、普段のAIの利用は会社で1つにそろえた環境に寄せる、という分け方も選択肢の1つです。どちらを選ぶ場合も、学習させない設定・ログ・配布の3つを会社の側で決められるかを、比べる軸にしてみてください。点検したい項目は生成AIのセキュリティ対策チェックリストにまとめています。

普段使うAIは、会社で1つの環境にそろえる

UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約・1つの画面で使える法人向けサービスです。管理者ダッシュボードで利用ログ・権限・モデルのON/OFFを管理でき、基盤はAWSの日本リージョンで稼働しています。料金は月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。初期費用100,000円(税抜)が別途かかります。

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よくある質問

Claude TagとClaude in Slackは何が違いますか?
Claude in Slackは、社員が1人ずつ自分のclaude.aiアカウントをSlackに連携する旧アプリで、2026年8月3日にClaude Tagへ切り替わりました。Claude Tagは、Claude組織のOwnerが一度設定した1つのClaudeを、チャンネルごとにチーム全員で使う形です。Slackのアプリと@Claudeの呼び名は同じで、アンインストールは不要とされています。
ProプランやMaxプランでもClaude Tagは使えますか?
使えません。Claude TagはTeamとEnterpriseのベータで、Free・Pro・Maxの個人プランは対象外です。個人プランでは、コードの作業向けのClaude Code in Slackが設定方法として残っています。
Slackの全員にClaudeの席が必要ですか?
チャンネルでClaudeを使うだけなら、1人ずつ席を持つ必要はありません。既定ではペアリングしたSlackワークスペースの誰でもチャンネルで@Claudeを使えるため、Claude組織のメンバーだけに絞るかをOwnerが決めておく必要があります。1対1のDMは、Claudeアカウントを連携したメンバーの席で動きます。連携していないメンバーのDMは、組織の使用量の残高から引かれる場合があります。
Claude Tagの料金はいくらかかりますか?
人数ではなく使用量で決まり、チャンネルの作業は組織の使用量の残高から引かれます。1回の作業あたりの公表された目安はないため、開始時に月の上限を決めて実績を見る形になります。上限の選択肢は500ドルから用意され、上限をまだ設定していない組織では2,500ドルが初めから選ばれています。
Slackでメッセージを消せば、Claude側の記録も消えますか?
消えません。Claudeが一度取り込んだメッセージやファイルは、Slackで削除や編集をしても会話記録に残ります。記録を消す手段は、ワークスペースの切断やアプリのアンインストール、管理画面でのチャンネルのスコープの削除、チャンネルの削除、ルーチンの削除です。メモリファイルの項目も削除できますが、以前の版はスコープを削除するまで残ります。1つのスレッドの記録だけを消す操作はなく、それ以外はアカウント担当かAnthropicのプライバシー窓口に依頼する形になります。
他社と共有しているチャンネルでもClaudeを使えますか?
使えません。他社と共有するSlack Connectのチャンネルでは、Claudeは返答しない仕様です。取引先とのやり取りに使う予定がある場合は、導入前に使い道から外しておくことをおすすめします。

まとめ

ClaudeとSlackの連携は、2026年8月3日からClaude Tagが前提となり、ClaudeのTeam・Enterpriseプランでベータとして使えます。設定にはClaude組織のOwnerとSlackの管理者という2つの役割が必要です。別の人が担う場合は、ペアリングコードが15分で失効するため、2人で同時に作業してください。

導入前に決めておきたいのは、使える人の範囲、Claudeを入れるチャンネル、月の上限の3つです。Claude Tagの記録は自動では消えず、退職者のSlackアカウントを止めても残るため、DMやチャンネルに入れてよい情報を告知で伝えておきましょう。法人のAI活用に関するほかの記事はAI活用コラム一覧からご覧ください。