
デジタル化・AI導入補助金(以下、AI導入補助金)とは、デジタル化やDXに向けて、AIを含むITツールを入れる費用を支援する制度です。個人事業主の方も、日本国内に補助事業の実施場所があれば対象になります。ただし、使えるのは事務局に登録されたITツールだけで、交付決定より前に契約や発注をしたものは補助を受けられません。先に買ってから申請する仕組みではないため、書類・ID・支援事業者・資金繰りの順に確かめてみてください。
AI導入補助金は個人事業主も対象です
個人事業主の方は、法人格や法人番号がなくても対象に入ります。公募要領でも、日本国内に補助事業の実施場所を持つ個人が、対象としてはっきり書かれています。
制度の全体像から知りたい方は、親記事のデジタル化・AI導入補助金のまとめを先に読んでみてください。
ここでいう個人とは、趣味でツールを使う方ではなく、補助事業を行う個人事業主のことになります。屋号があるかどうかより、事業としてツールを入れ、その実態を申請書類で示せるかどうかが見られます。
法人番号の公表は法人側の要件なので、法人番号を持っていないことだけで外れることはありません。迷ったときは、本人の名義、屋号、事業所の住所、確定申告書の名義がそろっているかを最初に見ておきましょう。
個人事業主でも対象ですが、会社員の副業感覚で買った個人用ツールとは別の話になります。補助金は、登録されたITツールを支援事業者と一緒に入れて、事業の生産性を上げてもらうための仕組みです。
対象になるかどうかは、3つの入口に分けて考えると整理しやすくなります。申請する方が対象か、ツールが登録されているか、申請の順番を守れるか、の3つです。
| 確認するもの | 個人事業主で見る点 | 早めに見る理由 |
|---|---|---|
| 申請者 | 日本国内に補助事業の実施場所を持つ個人か | 本人確認書類や確定申告書の名義とつながるため |
| 事業規模 | 業種ごとの中小企業・小規模事業者の範囲に入るか | 枠や補助率の読み違いを避けるため |
| ITツール | 事前に事務局の審査を受け、補助金HPに登録されたものか | 登録外のサービスは申請に乗せられないため |
| 契約時期 | 交付決定後に契約、発注、支払いへ進めるか | 先に契約すると補助金を受けられないため |
実際に迷いやすいのは、AIと名の付くサービスを見つけたときでしょう。制度の名前にAIが入っていても、好きなAIサービスを買って、あとから領収書を出せば補助されるわけではありません。登録されたITツールを、IT導入支援事業者と一緒に交付申請する形になります。
中小企業全般の条件を広く見たい方は、中小企業のAI導入の整理も参考にしてみてください。
個人事業主の申請では、生活用と事業用が混ざって見えてしまいがちです。仕事で使う範囲、使う場所、使う人、支払いの口座を早めに分けておけば、支援事業者との確認もぐっと進めやすくなります。
とくにAIツールは、仕事用と私用の境目があいまいになりやすい道具でしょう。業務の相談、顧客情報を含む文章、見積の下書き、採用の文面など、扱う情報の種類を先に分けてみてください。
申請者として対象になるかだけを見れば、個人事業主の方も入口には立てます。けれども、補助事業として説明できるかまで考えると、何のために入れるのかをひと言で言える準備が必要になってきます。
小規模事業者の従業員数基準は5人以下か20人以下で見ます
小規模事業者に当たるかどうかは、業種と、常時使用する従業員の数で決まります。商業・サービス業は原則5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他は20人以下が基準になります。
ここで数える従業員は、労基法20条の予告が必要な方です。個人事業主本人と会社役員は含まれないため、おひとりで営んでいる事業なら、ご本人は人数に入れずに数えてみてください。
補助金の話になると、小規模なら何でも有利になると思われがちです。実際には、通常枠の補助率は小規模事業者でも1/2以内となります。小規模事業者で補助率が上がるのは、インボイス枠(インボイス対応類型)の4/5以内や、セキュリティ対策推進枠の2/3以内など、枠ごとに決まっている話です。
通常枠は、小規模事業者だからといって自動で2/3になるわけではありません。2/3以内になるのは、最低賃金に近い賃金で雇っている従業員が全従業員の30%以上となる月が3か月以上ある場合など、別の条件を満たしたときになります。
従業員の数え方は、個人事業主の方ほどつまずきやすいところでしょう。家族が手伝っている、繁忙期だけ短期で入る方がいる、青色事業専従者がいるなど、実際の働き方を一つずつ分けてみてください。
| 人の区分 | 数え方の考え方 | 申請前の確認 |
|---|---|---|
| 個人事業主本人 | 常時使用する従業員には含まない | 本人確認書類と申告書の名義をそろえる |
| 会社役員 | 常時使用する従業員には含まない | 法人ではない場合でも、混同しない |
| 雇用しているスタッフ | 労基法20条の予告が必要な方かを見る | 雇用条件と勤務実態を整理する |
| 短期の手伝い | 常時使用する従業員に当たるかを確認する | 支援事業者へ実態を伝える |
たとえば小売業で、ご本人と常時雇用のスタッフ4人なら、本人を除いて5人以下に収まります。宿泊業でご本人とスタッフ18人なら、20人以下の範囲で見られることになります。
数字だけで判断してしまうと、あとで支援事業者と確認するときに話が揺れてしまいます。従業員がいる方は、申請のための人数を作るのではなく、ふだんの雇い方をそのまま説明できる形にしておきましょう。
AIツールを従業員にも使ってもらうなら、この人数の整理がもう一段大事になってきます。誰が、どの業務で使い、導入後も使い続けられるのかを決めてから、申請の話に進めてみてください。
本人だけで使うAIと、スタッフにも使わせるAIとでは、用意するルールも変わってきます。本人だけなら使い方のメモで足りる場面もありますが、スタッフが使うなら、入力してよい情報を書き出しておいた方が迷いにくいでしょう。
従業員を数える作業は、補助率を見るためだけのものではありません。誰にアカウントを渡し、誰が利用状況を見て、誰が効果報告の材料を集めるのかを決める入口にもなります。
枠別の補助率と補助額は通常枠・インボイス枠・セキュリティ枠で変わります
補助率は、申請する枠によって変わってきます。通常枠、インボイス枠、セキュリティ対策推進枠を同じように読んでしまうと、会社の出費を見誤ってしまいます。
通常枠の対象は、ソフトウェア購入費、クラウド利用費、導入関連費が中心です。補助率は1/2以内で、補助額は1プロセス以上なら5万円から150万円未満、4プロセス以上なら150万円から450万円以下となります。
4プロセス以上で150万円以上を受けたい場合は、賃上げ目標が必須の要件です。IT導入補助金2022から2025で交付決定を受けた事業者は、150万円未満でも賃上げ目標が必須になる点も、見落としやすいところになります。
補助率は支出が半分になる約束ではなく、上限の範囲で後から補助される割合と考えてください。50万円の通常枠の対象経費なら、1/2以内なので、補助額の上限の目安は25万円です。
それでも、最初に払う会社の出費は50万円のままとなります。交付決定のあとに契約し、実績報告まで進んでから補助金が入る流れなので、手元の資金が足りないまま進めると苦しくなってしまいます。
| 枠 | 補助額・補助率 | 個人事業主が見る場面 |
|---|---|---|
| 通常枠 | 5万円〜150万円未満、または150万円〜450万円以下。補助率は1/2以内 | AIを含むソフトウェアやクラウド利用費、導入関連費を考える場面 |
| インボイス枠 | 補助額50万円以下の部分は3/4以内、小規模事業者は4/5以内。50万円超〜350万円の部分は2/3以内 | 会計、受発注、決済の機能を持つツールを入れる場面 |
| インボイス枠の機器 | PC・タブレット等は補助額10万円まで1/2以内。レジ・券売機は補助額20万円まで1/2以内 | インボイス対応ツールと一緒に機器を考える場面 |
| セキュリティ対策推進枠 | 5万円〜150万円。中小企業は1/2以内、小規模事業者は2/3以内 | IPAのサイバーセキュリティお助け隊サービスリスト掲載サービスを入れる場面 |
たとえば、インボイス枠の補助額50万円以下の部分は、小規模事業者なら4/5以内で考えることになります。対象経費50万円で計算すると、補助額の目安は40万円です。
同じ50万円でも、通常枠なら1/2以内なので25万円までとなります。小規模事業者だから通常枠も4/5になる、と読んでしまうと、資金の計画が大きくずれてしまうでしょう。
セキュリティ対策推進枠では、小規模事業者の補助率は2/3以内になります。とはいえ対象は、IPAのサイバーセキュリティお助け隊サービスリストに載っているサービスです。一般的なAIチャットのツールをこの枠に入れる話ではないので、枠の名前だけで決めないようにしてください。
枠を決めるときは、ほしい補助率から逆算するのではなく、入れたいツールの機能から見ていきます。会計・受発注・決済の機能なのか、AIを含む業務ソフトなのか、セキュリティのサービスなのかを先に決めましょう。
補助額の上限に近い支出を考えるときほど、会社の出費を先に見ておきたいところです。1プロセス以上の通常枠は補助額が150万円未満なので、1/2以内なら対象経費は300万円弱までが目安になりますが、支払いのときには対象経費の総額を用意しなければなりません。
インボイス枠で対象経費50万円のITツールを小規模事業者が入れると、4/5以内なので補助額の目安は40万円となります。残りの10万円だけを見て安いと感じても、最初の支払いは50万円になる点を忘れないようにしましょう。
生成AIツールは登録済みITツールかどうかで判断します
生成AIのツールを申請に乗せたいときは、AIと書いてあるかどうかより、補助金HPに登録されたITツールかどうかを見ます。ITツールの定義には、ソフトウェア(AIを含む)、オプション、役務、ハードウェアが含まれています。
対象になるITツールは、事前に事務局の審査を受け、補助金HPに公開されているものとなります。申請する方は、登録されたIT導入支援事業者と組んで交付申請を進めていく形です。
ITツール検索では、AIを搭載しているかどうかを確かめられるとされています。ただ、このAI搭載の表示はIT導入支援事業者からの申告を前提にした情報なので、最後は支援事業者に機能の中身を聞いてみてください。
ChatGPTなどの汎用の生成AIサブスクが、そのまま補助対象になるとは言い切れません。登録されたITツールかどうか、どの業務プロセスと結び付いているかを見てから判断することになります。
通常枠では、汎用プロセスだけを持つITツールは単独で交付申請できません。汎用プロセスは、共通プロセスや各業種のプロセスと組み合わせることで、1プロセスとして数えてもらえます。
AIチャットは便利な道具ですが、文章を作るためだけに買うと、事業のどの業務を変えるのかがぼやけてしまいます。見積書の作成、問い合わせへの対応、社内資料の検索、議事録の活用など、業務の流れと結び付けて考えてみましょう。
| 見たい項目 | 申請に乗せるときの見方 | よくある失敗 |
|---|---|---|
| 登録の有無 | 補助金HPのITツール検索で確認する | 有名なAIサービスだから対象だと思い込む |
| AI搭載の表示 | 生成AI、生成AI以外のAI技術の表示を確認する | AIと書いてあるだけで補助率が上がると考える |
| 業務プロセス | 汎用プロセスだけでなく、業務プロセスとの組み合わせを見る | 文章作成だけで申請できると思い込む |
| クラウド利用費 | 最大2年分が補助対象になる枠を確認する | 月額サービスなら何でも対象だと受け取る |
| 導入後の運用 | 誰がどの業務で使い続けるかを決める | 採択後に使われず、実績報告や効果報告で困る |
生成AIを入れるときは、社員やスタッフが自分の個人アカウントで勝手に使ってしまう形にも気を付けたいところです。入力してよい情報やアカウントの管理、退職時の扱いを決めないまま始めると、便利さより不安の方が先に立ってしまいます。
社内で使うルールは、補助金のためだけに作るものではありません。補助金で入れるならなおさら、導入後も同じルールで使い続けられる環境を先に整えておくと安心でしょう。野良利用の考え方は、シャドーAIの整理も参考にしてみてください。
AIツールを選ぶときは、検索画面の表示だけで終わらせず、どこまで申請できるかを支援事業者に確かめておきましょう。見積に入れるクラウド利用費の期間、導入関連費の範囲、ハードウェアの扱いまで聞いてから決めると、あとで慌てずに進められます。
生成AIを比べるときは、答えの正確さや使いやすさにばかり目が行きがちです。補助金を使うなら、登録名、契約の名義、支払先、利用期間、導入研修の扱いまで、申請書類につながる形で見ておくことが大切になります。
個人契約で試していたサービスを、あとから事業用に切り替えたくなる場面もあるでしょう。ただ、すでに購入済みのソフトウェアへの追加ライセンスや機能追加はITツール登録の対象外とされているため、使い始める前に支援事業者へ相談してみてください。
補助金を使うかとは別に、会社で使うAIは早めに1つにそろえておきましょう。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。
必要書類は本人確認・納税証明書・確定申告書控え・決算書類です
個人事業主の必要書類は、大きく分けて4種類になります。本人確認書類、所得税の納税証明書、確定申告書の控え、青色申告決算書または収支内訳書の4つです。
本人確認書類は、運転免許証、運転経歴証明書、または発行から3か月以内の住民票のいずれかとなります。手元にあるものから選ぶのではなく、公募要領で認められているものの中から選んでみてください。
納税証明書は、直近の所得税の納税証明書(その1またはその2)を用意します。確定申告書は令和7年分が原則で、やむを得ない場合は令和6年分でもよいとされています。青色申告の方は青色申告決算書、白色申告の方は収支内訳書を出すことになります。
代わりの書類は認められないため、足りない書類を別の資料で済ませることは出来ません。受付番号と受付日時が印字された第一表の控え、または控えと受信通知がそろっているかを確かめてみてください。
e-Taxで申告した方は、申告書の控えに加えて、受信通知のメール詳細まで必要になる場面があります。紙で残していない方は、早めに電子データを探しておきましょう。
受付番号や受付日時が確認できない場合は、控えと同じ年度の納税証明書(その2)でも足りる扱いになっています。とはいえ、申請の直前に取りに行くと間に合わないこともあるので、まずは手元の書類を一度すべて見直してみてください。
| 書類 | 認められるもの | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 本人確認 | 運転免許証、運転経歴証明書、または発行3か月以内の住民票 | 住所や氏名が申請内容と合っていない |
| 納税証明書 | 直近の所得税の納税証明書その1またはその2 | 税目や年度を取り違える |
| 確定申告書の控え | 令和7年分が原則。やむを得ない場合は令和6年分 | 受付番号、受付日時、受信通知を確認していない |
| 決算書類 | 青色申告決算書または収支内訳書 | 申告方式に合わない書類を出そうとする |
開業して間もない方にとっては、ここがいちばん大きな壁になります。公募要領が出すように求めているのは、直近の確定申告書などの書類です。確定申告を1回終えて書類がそろうまでは、申請できません。
開業からの期間で考えるより、書類がそろっているかどうかで考えた方が確かになります。手元にある書類を、そのまま支援事業者に見せて判断してもらいましょう。
書類の名前の表記、住所、屋号、事業所の場所がずれていると、確認に時間がかかってしまいます。屋号で口座を使っている方も、ご本人の名義とのつながりを説明できるようにしておくと安心でしょう。
補助金の申請は、ツール選びより書類の準備で止まってしまうこともあります。AIツールを比べ始める前に、本人確認書類と確定申告書の控えだけでも先に見てみてください。
書類を探すときは、提出できるかどうかに加えて、画面で読めるかどうかも見ておきたいところです。受付番号や受付日時が欠けている、住所の一部が古い、画像が粗くて文字が読めないといった小さな不備でも、締切の前には重くのしかかってしまいます。
納税証明書は、必要になってから初めて取り方を調べる方も多いでしょう。申請する回を決める前に、どこで取るのか、どの年度を取るのか、届くまで何日かかるのかを確かめておいてください。
gBizIDプライムとSECURITY ACTION宣言は早めに始めます
gBizIDプライムとSECURITY ACTION宣言は、個人事業主の方にも共通する申請の要件になります。締切の直前に始めると、ツール選びが終わっていても交付申請へ進めないことがあります。
gBizIDプライムの書類申請は、2026年7月から審査期間が最大1か月に変わっています(gBizID公式)。個人事業主の場合は、地方公共団体が発行した印鑑登録証明書の原本、実印を押した申請書、ご本人のメールアドレス、SMSを受け取れる電話番号が必要となります。
印鑑登録証明書は、発行から3か月以内の原本が必要です。昔取ったものをそのまま使うつもりでいると、期限切れで取り直しになってしまいます。
gBizIDプライムは、目指す締切の1か月以上前に申し込んでおきましょう。書類申請の審査には最大1か月かかるため、2026年10月30日17時の締切に間に合わないときは、7次(2026年12月1日17時締切)に回す手もあります。締切から逆算せずに待っていると、申請の画面に入れないまま締切を迎えてしまいます。
SECURITY ACTIONは、一つ星か二つ星のどちらかを宣言する必要があります。宣言は、情報セキュリティ対策に取り組む意思を示すものとして扱われます。AIツールを入れるなら、アカウントの共有や情報の入力ルールも一緒に見直してみてください。
公式サイトで確認できる日程では、通常枠の6次締切が2026年10月30日(金)17時、交付決定日は2026年12月10日(木)の予定です。事業実施期間は交付決定から2027年5月31日(月)17時までで、事業実績報告の期限も同じ日時の予定となります。
| 準備 | 目安 | 個人事業主で必要なもの |
|---|---|---|
| gBizIDプライム | 書類申請は審査に最大1か月(gBizID公式・2026年7月から) | 印鑑登録証明書原本、実印を押した申請書、メールアドレス、SMSを受けられる電話番号 |
| SECURITY ACTION | 交付申請前に一つ星か二つ星の宣言 | 情報セキュリティの取り組みを宣言する準備 |
| 最低賃金の確認 | 交付申請直近月 | 事業場内最低賃金が地域別最低賃金以上かを見る |
| 書類の取得 | 締切より前に余裕を持って取得 | 本人確認、納税証明書、申告書控え、決算書類 |
7次締切は2026年12月1日(火)17時で、交付決定日は2027年1月19日(火)の予定です。事業実施期間は、交付決定から2027年7月30日(金)17時までの予定とされています。
インボイス枠やセキュリティ対策推進枠にも6次・7次の日程が出ていますが、募集回ごとに更新されていくものと考えておきましょう。申請する回を決めたら、支援事業者と一緒に最新の日程を確かめてみてください。
gBizIDプライムは、利用料なしで取ることが出来ます。無料だから後回しにするのではなく、申請の入口として最初に取るものと覚えておくと動きやすくなります。
gBizIDプライムの申請では、メールとSMSで本人を確かめる手順も出てきます。ふだん使わない電話番号や共有のメールで進めると、途中で確認が止まってしまうこともあるでしょう。
SECURITY ACTION宣言は、AIツールを安全に使う姿勢ともつながっています。宣言だけで終わらせず、パスワードの共有をやめる、退職した方のアカウントを止める、顧客情報を入れる前に確かめる、といった日々の扱いまで決めておきましょう。
申請の流れは支援事業者選定から効果報告まで続きます
申請の流れは、IT導入支援事業者を選んだところで終わりではありません。交付申請、交付決定、契約、導入、支払い、実績報告、効果報告と、その先まで続いていきます。
対象のITツールは、事前に事務局の審査を受けて補助金HPに登録されたものです。申請する方は、デジタル化・AI導入補助金事務局に登録されたIT導入支援事業者とパートナーシップを組んで申請することになります。
最初にやることは、買いたいサービスを決めることではなく、申請できるツールと支援事業者を探すことです。生成AIを使いたい場合も、登録済みのツールかどうかを先に確かめてみてください。
契約、発注、納品、支払いは、交付決定のあとに進める順番となります。交付決定前に契約したITツールは、補助の対象になりません。
通常枠の申請は、1法人または1個人事業主あたり1回までとなります。同時に複数の通常枠を申請することは出来ません。他の枠へ同時に申請することは出来ますが、同じ費用を二重に扱うことは避けたいところです。
不採択になった場合は、次回以降の締切で申請し直すことが出来ます。IT導入補助金2025の通常枠または複数社連携枠で交付決定を受けた事業者は、交付決定日から12か月以内は通常枠に申請できないので注意しましょう。
| 流れ | やること | 会社の出費で見る点 |
|---|---|---|
| 1. 支援事業者とツールの確認 | 登録されたIT導入支援事業者とITツールを探す | 見積に何が含まれるかを見る |
| 2. 事業計画と交付申請 | gBizIDプライムで申請し、必要書類を出す | 交付決定前に支払わない |
| 3. 交付決定 | 採択後に契約、発注へ進む | この後に立替資金が必要になる |
| 4. 導入と支払い | ITツールを導入し、支援事業者へ支払う | 支払元は補助事業者の口座にする |
| 5. 実績報告 | 支払いと導入の事実を報告する | 証憑を後から探すと時間がかかる |
| 6. 効果報告 | 導入後の利用と数値目標を報告する | 途中解約すると辞退や返還の話になり得る |
支払いは、原則として銀行振込かクレジットカードの1回払いとなります。支払元の口座は補助事業者の口座、支払先の口座はIT導入支援事業者の口座であることが必須です。
個人事業主の場合、私用の口座や家族名義のカードでうっかり払ってしまう失敗が起きやすくなります。支払い方法は、見積を取る段階で支援事業者に確かめておきましょう。
事業が終わったあとも、効果報告が続きます。通常枠の効果報告期間は、1年度目が2028年4月から2029年1月、2年度目が2029年4月から2030年1月、3年度目が2030年4月から2031年1月となっています。
導入したITツールを解約したり利用を止めたりした場合は、辞退の手続きが必要になることがあります。補助金を受けたあとも使い続ける前提で、AIツールを選んでみてください。
社内ルールの作り方は、生成AIの社内ガイドラインの作り方で詳しく整理しています。導入後の入力ルールや確認の手順を決めるときに、合わせて読んでみましょう。
実績報告では、導入したことと支払ったことを示す資料が必要になります。請求書や支払いの記録、契約の内容をあとから集めるより、支援事業者とやり取りする段階で保存場所を決めておいた方が探しやすいでしょう。
効果報告まで見すえるなら、導入前の状態も残しておくと比べやすくなります。問い合わせ対応にかかる時間、見積を作る回数、文書作成にかかる時間など、日々の業務で測れる数字をひとつ決めてみてください。
パソコン単体とホームページ制作は対象外になりやすいです
通常枠では、パソコンやタブレットなどのハードウェアは補助対象経費に含まれません。AIを使うために端末を買うだけでは、通常枠の申請には乗せにくいことになります。
インボイス枠では、PC・タブレット等が補助額10万円まで1/2以内、レジ・券売機が補助額20万円まで1/2以内とされています。ただ、会計・受発注・決済の機能を持つITツールとセットになる枠なので、パソコン単体の購入とは分けて考えましょう。
ホームページ制作も、通常枠で確認できる補助対象経費とは性格が違います。通常枠の中心は、ソフトウェア購入費、クラウド利用費、導入関連費の3つです。サイトを作るだけの依頼なら、登録ITツールと業務プロセスの話に乗るかどうかを確かめる必要が出てきます。
ほしいものがパソコンやホームページだけなら、AI導入補助金の通常枠からはいったん切り離して考えましょう。対象になりそうなITツールの導入が主で、付随する費用として見てもらえるかどうかが分かれ目になります。
AI導入という言葉から、AI用の高性能なパソコンや画像生成用の端末まで対象にしたくなる方もいるでしょう。けれども、通常枠の比較表では、ハードウェアは対象経費に含まれていません。
インボイス対応の会計ソフトを入れて、同時にPCやタブレットも必要になる場面なら、インボイス枠の条件を確かめてみる余地があります。補助額のうち50万円までの部分とそれを超える部分、機器の部分で補助率や上限が変わるため、見積も分けて見てみてください。
| 買いたいもの | 見方 | 確認したい質問 |
|---|---|---|
| AIチャットサービス | 登録済みITツールか、業務プロセスと結び付くかを見る | ITツール検索に出るか。支援事業者が申請できるか |
| パソコン単体 | 通常枠の対象経費には含まれない | インボイス枠で条件を満たす機器か |
| タブレット | インボイス枠では補助額10万円まで1/2以内の場面がある | 対象ITツールと一緒に入れる必要があるか |
| ホームページ制作 | 登録ITツールと業務プロセスの対象になるかを確認する | サイト制作だけの費用ではないか |
| セキュリティサービス | IPAのサイバーセキュリティお助け隊サービスリスト掲載サービスかを見る | セキュリティ対策推進枠の対象か |
補助金では、買いたいものを先に決めすぎると、あとから対象外と分かって時間をむだにしてしまいます。AIを使う目的、業務プロセス、登録ツール、支援事業者の順に見直してみましょう。
AIサービスの料金や使い分けを知りたい方は、法人向け生成AIサービス比較や4AIの使い分けも参考になります。補助金で買えるかどうかとは別に、会社として使う道具を選ぶ目線も持っておきたいところです。
ホームページ制作を相談したい方は、制作費そのものではなく、受注管理、予約管理、決済、顧客対応などの業務とつながるITツールがあるかどうかを見てください。見た目を整える話と、業務のやり方を変える話を分けて考えると、判断しやすくなります。
パソコンを買いたい気持ちが先にある場合も、考え方は同じです。端末を買うこと自体を目的にせず、どの登録ツールを使うために必要なのか、その枠で機器が扱えるのかを確かめてみてください。
後払い・交付決定前の契約不可・開業直後の書類不足に注意します
補助金を使うか自費で入れるかは、立て替えるお金と、導入後に使い続けられるかどうかで決まります。補助金は後払いのため、交付決定後に契約しても、まずはご自身の資金で支払う流れとなります。
交付決定前にITツールを契約・発注した場合は、補助の対象になりません。契約、発注、納品、支払いなどを先に済ませてしまうと、補助金は受けられなくなってしまいます。
たとえば、通常枠で50万円の対象経費を考える場合、補助率1/2以内なら補助額の上限の目安は25万円です。けれども支払いの場面では、50万円を先に出さなければなりません。
手元に25万円しかないまま50万円の導入を進めると、補助金が入る前に資金繰りが詰まってしまいます。補助額ではなく、支払う総額で判断してみてください。
クラウド利用費は、最大2年分が補助の対象になる枠があります。月額のサービスを2年分で申請するなら、支援事業者の見積や登録の内容と合っているかを確かめましょう。ITツールの登録は1年分で、2年分にするときは交付申請のときに利用年数を申請する扱いになっているためです。
すでに購入済みのソフトウェアの増台や追加ライセンスの費用、今あるソフトウェアの機能を追加・拡張するためのものは、ITツール登録の対象外とされています。いま使っているAIツールの人数を増やすだけなら、申請の前にかなり慎重に確かめてみてください。
開業して間もない方は、お金よりも書類で止まってしまうことが多いでしょう。直近の確定申告書の控え、所得税の納税証明書、青色申告決算書または収支内訳書がそろうまでは、申請できません。
補助金を待つより、自費で早く入れた方がよい場合もあります。月額の負担が小さく、すぐに使い始めたいツールなら、交付決定を待っている間に業務を良くする機会を逃してしまうこともあるでしょう。
一方で、導入関連費まで含めて50万円、150万円、350万円といった大きな支出になる場合は、補助金を使う意味が大きくなってきます。50万円の通常枠の対象経費なら1/2以内で25万円、インボイス枠の小規模事業者で対象経費50万円のITツールなら4/5以内で40万円という目安になります。
| 判断 | 補助金を使う方が合う場面 | 自費で進める方が合う場面 |
|---|---|---|
| 支出規模 | 50万円以上など、立替後の補助額が大きい | 少額の月額サービスで、申請の手間が重い |
| 導入時期 | 交付決定まで待てる | 今すぐ使わないと業務が止まる |
| 書類 | 確定申告書や納税証明書がそろう | 開業直後で書類が足りない |
| 運用 | 効果報告まで継続利用できる | 試用だけで終わる見込みが高い |
補助金は、安く買うためのクーポンとは違います。導入したITツールを使い続け、生産性向上の数値目標も報告していく制度となります。
AIを会社で使うなら、費用だけでなく管理の手間もかかってきます。誰がアカウントを作るのか、退職したときにどう止めるのか、入力してよい情報を誰が決めるのかを、先に決めておきましょう。
費用の管理については、生成AIのコスト管理でも整理しています。補助金で入れるか、自費で始めるかを比べるときは、月額だけでなく2年分の会社の出費で見てみてください。
最後は、申請できるかどうかより、使い続けられるかどうかで決めるのが現実的です。書類、資金、運用、効果報告の4つがそろうなら補助金を考え、どれか1つでも大きく欠けるなら、導入の時期を調整しましょう。
AIツールは、入れた日よりも、その後の使い方で差が出てきます。最初の1か月だけ試して終わるつもりなら、補助金の手続きや効果報告の重さの方が勝ってしまうかもしれません。
反対に、見積の作成、メールの返信、社内資料の検索、議事録の活用など、毎週使う業務が決まっているなら、補助金を使った導入も考えやすくなります。使う場面を3つほど書き出してから、支援事業者に相談してみてください。
資金繰りも、月額ではなく申請の単位で考えておきたいところです。クラウド利用費を2年分で見積もると、月の負担は小さくても、申請の金額はまとまった数字になります。
支払いのあとに補助される流れさえ分かっていれば、必要以上に怖がることはありません。先に契約しない、支払元を間違えない、記録を残す、この3つを守るだけでも、失敗の多くは避けられるでしょう。
迷ったときは、締切日から逆算した準備表を1枚作ってみましょう。書類を取る日、gBizIDプライムを申し込む日、支援事業者に見積を頼む日を並べるだけでも、先に動くべきことが見えてきます。この準備表は、そのまま支援事業者との相談にも使うことが出来ます。
よくある質問
個人事業主でもAI導入補助金を申請できますか?
小規模事業者なら通常枠の補助率は2/3になりますか?
ChatGPTなどの生成AIサービスは補助対象になりますか?
個人事業主の必要書類は何ですか?
gBizIDプライムはどれくらい前に準備すればよいですか?
交付決定前に契約したAIツールは対象になりますか?
パソコンやホームページ制作も対象になりますか?
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