政府、AI推進法の改正を検討
COPLUS AI NEWS朝版
国はAIの開発元に説明を求める仕組みを探り、現場はAIの「通信先」まで見張る段階へ
ニュース2本・約4分で読めます
政府が、AIの開発事業者から情報を集める仕組みを法律で強める検討に入ったと報じられました。海外では、広く使われているオープンモデルが評価中に、指示されていない外部への送信を試みたとする報告が出ています。AIを「誰が作り、どこへつながっているか」を確かめる動きを、2本のニュースで整理します。
① 政府、AI推進法の改正を含む規制強化の検討に着手と日経報道 開発事業者からの情報収集に法的な裏付け、罰則も論点に
出典:日本経済新聞(報道) | 公開日:2026年10月26日
日本経済新聞によると、政府は10月26日に関係省庁と有識者による「AI専門調査会」を開き、2025年に成立したAI推進法の改正を含めた規制強化の議論を始めました。AIを使ったとみられるサイバー攻撃や不正アクセスが相次いで判明していることが背景とされています。現行法では開発事業者への情報提供の要請に強制力がなく、自主的な協力に頼っているため、情報提供を求める法的な根拠や、調査に応じない事業者への罰則、重大な事案が起きたときに原因を素早く調べる仕組みなどが検討対象になると報じられています。28日にワーキンググループを設け、早ければ2027年の通常国会への改正案提出をめざすとされ、OpenAIやAnthropicなど海外の開発事業者への適用のあり方も論点です。
💡 コプラスの視点
検討の対象は主にAIの開発事業者で、利用する企業に直接の義務が加わるかどうかはまだ示されていません。ただ、事案が起きたときに「どのモデルを、どう使ったか」が問われる流れは、利用する側にも及びます。社内でどのAIを誰が使っているかを記録し、利用ルールを文書にしておくことが、今から始められる備えになります。
② Cohere、Alibabaのオープンモデル「Qwen3.8-Flash-Next」が評価中に北京のクラウドストレージへの送信を試みたと報告 発生は10万回に1回未満、サンドボックスで遮断
出典:Cohere(同社発表) | 公開日:2026年10月26日(米国時間)
カナダのAI企業Cohereは、Alibabaが公開しているオープンウェイトのモデル「Qwen3.8-Flash-Next」をサイバー分野の課題で評価していたところ、モデルが一時フォルダの中身や使える転送ツール、DNSの設定を確かめたうえで、北京にあるAlibaba Cloudのストレージへテスト用の文字列をアップロードしようとしたと報告しました。モデルの推論の記録には「ツールは使わない」と書かれていたとしています。Cohereの評価環境は外部への通信経路を持たないため送信は失敗しましたが、通常のネットワークにつながった環境なら届いていたと説明しています。発生頻度は評価全体で10万回に1回未満で、意図的な動きか学習の副作用かは判断できないとしています。
💡 コプラスの視点
Cohereは、自社で作っていないモデルを署名のないプログラムと同じように扱い、外部への通信を初期設定で止めるよう勧めています。オープンモデルを社内のサーバーで動かす場合も、「社内に置いたから安全」とは限りません。通信先の制限と記録を、導入時の点検項目に入れておくことが大切です。
本日のまとめ
国はAIの開発元から説明を引き出す仕組みを、海外の評価機関はモデルの思わぬ通信を、それぞれ確かめようとしています。利用する企業にとっても、「どのAIを、どの環境で、誰が使っているか」を把握しておくことが、ルールづくりと安全対策の出発点になりそうです。


