Copilotでパワポを作成する条件。ライセンスのラベル、Designerライセンス、テンプレートの作り

Copilot in PowerPointとは、PowerPointの画面の中で動くMicrosoftの生成AIで、プロンプトやWord・PDFのファイルからスライドを作ったり、既存の資料を要約・編集したりする機能です。自社のテンプレートどおりに作らせるには、自分のライセンスのラベルがCopilot Chat (Basic)ではないこと、Designerライセンスが割り当てられていること、サンプルスライドを揃えたテンプレートを先に開いてから指示すること、の3つが揃っていることが条件になります。作れないときは、この3つのどこかか、アプリの更新チャネルやプライバシー設定で止まっている可能性があります。ライセンスの区分や他のアプリの機能を含む全体の話は、Microsoft 365 Copilotでできることの全体像をご覧ください。

Copilotでパワポを作成する基本の手順

PowerPointのCopilotで新しいプレゼンテーションを作るときは、白紙から頼むより、使いたいテンプレートを開いた状態で始めるのが基本になります。Microsoftのサポート記事では、プロンプトを入力するか、ファイルを参照することで作成が始まり、指示に基づいてスライドが作られると説明されています。2026年7月更新のサポート記事によると、Copilotを開く場所は文書の右下に固定された動的アクションボタンにまとめられました。機能は変わっておらず、開き方だけが変わったと案内されているため、リボンにボタンが見当たらないときは最初に右下を見てみてください。

アウトラインの確認から生成、チャットでの修正まで

作成の流れは、指示を出す、Copilotが示す構成とスライドを確かめる、足りない所をチャットで追加で頼む、の3段階で考えると迷いません。画面の表示は提供の段階やバージョンで変わることがあり、構成の案が先に出る場合は、その時点で章立てと順番を直してから生成に進むと手戻りが減ります。生成されたあとは、「3枚目を2枚に分けて」「結論のスライドを先頭に移して」のように、同じ画面で1つずつ頼んで直していく使い方です。

目的・構成・枚数・トーンをプロンプトで伝える

1行だけの指示でも作成は始まりますが、目的・聞き手・構成・枚数・トーンを書き添えたほうが、意図に近い叩き台が出やすくなります。たとえば社内向けの提案なら、次のような要素を1つのプロンプトに入れておくと、Copilotが迷う余地が小さくなるでしょう。

  • 目的と聞き手:来期の予算を役員会で承認してもらうための提案
  • 構成:現状の課題、打ち手3つ、費用、スケジュール、お願いしたい判断
  • 枚数:表紙を含めて8枚
  • トーン:簡潔で、1枚に伝えることは1つ

長さ・トーン・スタイル・画像の設定を画面で調整する専用の機能は、先行提供の段階にあります。全員の画面で使えるようになるまでは、プロンプトの文章で伝える方法が近道となります。

生成されたスライドは叩き台として人が確認する

Copilotが作るスライドは、そのまま社外に出す完成品ではなく、叩き台として扱いましょう。構成が整って見えても、元の資料にない数字が入っていたり、言い回しが自社の表現と違っていたりすることがあります。数字・固有名詞・日付は、元の資料と1つずつ突き合わせてから外に出してください。確認する人を資料ごとに決めておくと、チェックの抜けが起きにくくなります。

スピーカーノート(発表者メモ)の下書き

Microsoftの製品紹介ページでは、スピーカーメモ(発表者ノート)の下書きも、Copilotでできることとして紹介されています。出てくるのは読み上げ原稿の下書きなので、話す方が自分の言葉に直してから本番で使うのがおすすめです。

画像の追加とAI生成の表示、著作権の考え方

Copilotはスライドに画像を加えることもでき、Word文書から作る場合は、文書の中の画像を組み込もうとすると公式に書かれています。AIが生成した画像を含むスライドには、発表者ノートに「AI 生成」という画像ソースの表示が入ります。管理者は、Microsoft 365 管理センターの[Copilot]>[設定]>[Copilot アクション]>[Copilot 画像生成]で画像の生成を止めることが出来ます。止めた場合、PowerPointのCopilotは新しい画像を作らず、ストック画像かブランド画像で応える仕様です。生成した画像を社外向けの資料にどこまで使ってよいかは権利の判断を含むため、生成AIの社内ガイドラインで線を引いておきましょう。

無料のCopilot ChatではPowerPointのCopilotを使えない|まず自分のラベルを確認

PowerPointでCopilotを使えるかどうかは、Microsoft 365のホーム画面に出るライセンスのラベルで確かめられます。手順は、職場または学校のアカウントでMicrosoft 365にサインインし、ホームを一番下までスクロールするだけです。名前の下に、次の3つのラベルのどれかが表示されます。

ラベル公式の説明PowerPointのCopilot
Copilot Chat (Basic)Microsoft Copilotのアドオンライセンスがない使えない(Word・Excel・PowerPoint・OneNoteのCopilotにアクセスできない)
M365 Copilot (Basic)アドオンライセンスはないが、アプリのCopilotに標準アクセスできる標準アクセス(優先アクセスや完全なチャット統合は含まれない場合があり、サービスの容量によって1日の中でも変わる)
M365 Copilot (Premium)アドオンライセンスがあるすべての機能に優先アクセス

※出典:Microsoft サポート「所有している Copilot ライセンス」(ページの更新表示 2026年4月)、Microsoft サポート「Microsoft 365 アプリでの Copilot Chat のしくみ」(2026年4月)、Microsoft Learn「Microsoft Copilot の概要」。いずれも2026年9月に確認した記載です。

Copilot Chat (Basic)は、対象のMicrosoft 365を契約していれば追加料金なしで使えるチャットですが、PowerPointの中のCopilotには入ることが出来ない仕組みです。ラベルがCopilot Chat (Basic)なら、PowerPointの設定を見直してもスライドは作れません。サポート記事でも、PowerPointのCopilotにアクセスするには、M365 Copilot (Basic)かM365 Copilot (Premium)のラベルが必要と説明されています。Microsoft Learnの概要にも、M365 Copilot (Basic)で使えるアプリ内機能として、PowerPointでのプレゼンテーションの作成・要約・編集が並びます。ただし優先アクセスは含まれず、サービスの容量によって1日の中でも変わるとされているため、安定して使いたい場合はPremiumが前提になります。

なお、公式ドキュメントではMicrosoft 365 Copilotの名前がMicrosoft Copilotに変わり、移行期間中は旧名も残ると案内されています。有料のアドオンの料金と総額は、Microsoft 365 Copilotの料金をご覧ください。

Copilotはあるのに作れないときはDesignerライセンスを確認

ラベルに問題がないのにスライドの作成だけができない場合は、Microsoft Designerのライセンスが割り当てられているかを管理者に確かめてもらいましょう。PowerPointのCopilotのよくある質問には、Designerライセンスがなくても、要約、自由な質問への回答、基本的なチャットは使えると書かれています。一方で、スライドの追加、トピックを指定したプレゼンテーションの作成、ファイルからの作成、プレゼンテーションの整理、画像の追加は、Designerライセンスがある場合にだけ動く、という書き方です。

チャットの返事は普通に返ってくるため、Copilotそのものは動いているように見えてしまいます。要約はできるのに作成だけが動かないなら、Designerライセンスの有無が分かれ目になります。管理者に相談するときは、どの操作で止まったかを添えると話が早く進むでしょう。

社内テンプレートどおりに作らせる3つの方法とプランの条件

自社のテンプレートに沿ってCopilotに作らせる方法は、公式ドキュメントを読むと3つあり、会社のプランによって使えるものが変わります。E3・E5を契約していない会社でも使えるのは1つ目の方法で、3つ目はCopilotのライセンスの種類によって使えるかが決まります。

方法1:テンプレートファイルを開いてから作らせる

公式のサポート記事は、組織で標準のテンプレートを使っている場合、Copilotで作る前にそのファイルから始めるよう案内しています。テンプレートから始めると、テーマとデザインを保つことがCopilotに伝わり、既存のレイアウトを使ってスライドが作られます。よくある質問でも、会社のブランドイメージを含む任意のプレゼンテーションやテンプレートファイルをテンプレートとして使えると書かれ、対象はCopilotのライセンスを持つユーザーとされています。ブランドに関する公式ページには、最初にテンプレートを開けばCopilotはテンプレートに従うかという問いに、はいと答える項目もあります。ファイルの形式は、.pptxと.potxのどちらでも使えます。

方法2:組織のテンプレートフォルダーとアセットライブラリ(E3・E5が条件)

社内のテンプレートをPowerPointの新規作成画面に並べる組織のテンプレートフォルダーは、公式ページでMicrosoft 365 E3またはE5のプランが必要と書かれています。同じページには、Copilotの利用者であればCopilotが組織のテンプレートも使えるとあります。ロゴや写真を置く組織のアセットライブラリも、Web版のPowerPointで表示するにはOffice 365 E3またはE5のライセンスが求められます。デスクトップアプリに表示されるまで最大24時間かかり、組織のルートサイトへの読み取り権限も最低限必要です。

方法3:公式ブランドキット(Copilot Premiumとブランドマネージャーの指定が条件)

Microsoft 365 Copilotアプリで公式のブランドキットを作って管理する機能には、Microsoft Copilot Premiumライセンスが必要と案内されています。さらに、IT管理者が担当者をブランドマネージャーに指定する必要があり、指定から作成の許可が出るまで最大24時間かかる場合があります。作ったキットは、PowerPointのCopilotウィンドウで[+]から[ブランドの選択]を選んで使う流れです。自社のライセンスがこの機能の対象になるかは、管理者に確認してもらうのが早いでしょう。

3つを並べると、E3・E5のプランも、Copilot Premiumライセンス(Business Premiumのプランとは別物)も前提にしない方法は、1つ目だけになります。まずは、どのプランでも使えるテンプレートを開いてから頼む手順を社内の決まりにするのが近道です。テンプレートの置き場所を1か所に決め、そこから開いて作り始める流れを社員向けの手順書に書いておくと、作り方が揃います。Business系のプランでも、Copilotのアドオンがあれば公式ブランドキットを使えるかどうかは、管理者に確かめてもらいましょう。

Copilotがテンプレートのどこを読むか|整備チェックリスト

Copilotがテンプレートから主に読み取るのはサンプルスライドで、テンプレートの構造とレイアウトは二次的に使われます。サンプルスライドが足りないとスライドマスターに頼ることになり、出来が下がる可能性があると公式ページ(2026年7月更新)に書かれています。総務や広報でテンプレートを預かっている方は、次の項目を点検してみてください。

  • 表紙・目次・本文・まとめなど、使ってほしいページのサンプルスライドが入っているサンプルが足りないと、Copilotはスライドマスターにフォールバックします。
  • プレースホルダーの種類・位置・大きさで、各枠の役割が分かるCopilotはプレースホルダーの種類・位置・サイズで何をどこに入れるかを決め、枠の中の説明文の文言には頼りません。
  • 文字の多いページ用のレイアウトも用意してあるCopilotはフォントサイズやプレースホルダーの大きさを変えず、代わりにデザイン要素を足す場合があります。
  • テンプレートをWindows版かMac版のPowerPointで作っている公式にはWeb版では作らないよう書かれています。作ったテンプレートは、どの環境のPowerPointからでも使えます。
  • .pptxか.potxで保存しているどちらの形式もテンプレートとして使えます。
  • 配布場所を1か所に決め、そこから開いて作る手順を社員に伝えているE3・E5でない会社は組織のテンプレートフォルダーを使えないため、置き場所と開き方を決めておく必要があります。

点検が済んだら、実際にCopilotで1本作らせてみて、崩れたページのレイアウトから順に直していくのが効率的です。枠の説明文を書き換えても結果は変わらないため、直すのは枠の種類と大きさ、サンプルスライドの中身になります。

WordやPDFからスライドを作るときの条件

既存の文書からスライドを作るときは、24MB未満の文書を1つだけ、見出しスタイルを付けた状態で渡すのが公式の案内に沿った形です。Copilotは24MB未満のWord文書で最もうまく動くとされ、一度に参照できるのは1ファイルになります。職場向けのCopilotのライセンスがあれば、Wordのほか、PDFや暗号化された文書も選べます。参照するファイルは、作成ボックスに「/」を入力して選ぶ方法が、よくある質問で紹介されています。

ほかにも、公式に書かれている条件がいくつかあります。

  • ファイルを参照して作るときは、同じプロンプトの中に追加の指示を書けない
  • プロンプトで作るとき、出力できる言語は一度に1つだけ
  • 参照するファイルへのアクセス権が必要
  • プレゼンテーションの作成に使えるのは .docx・.doc・.pdf・.pptx・.ppsm で、ローカルのパスは使えず、アップロードしたファイルかクラウド上のファイルが対象

Wordの見出しスタイルで文書を整理しておくと、Copilotは文書の構造とスライドへの分け方をつかみやすくなると公式に書かれています。追加の指示を書けない以上、入れたい構成は元のWord文書の見出しで先に作っておきましょう。長い文書では、頼む作業によってCopilotが先頭だけに注目し、それ以降を無視する場合があるとも案内されています。大規模言語モデル(LLM、文章を生成するAIの中核)はファイルの先頭と末尾を優先しやすい傾向があるため、伝えたい結論は冒頭か末尾に置くのが安全です。

Copilotボタンが出ない・淡色のときの確認順

Copilotのボタンが見つからないときは、まず右下を見て、それでも無ければ公式の手順の順番に1つずつ確かめていきます。

順番確認すること公式の説明
1右下の動的アクションボタンCopilotの開き方が右下のボタンに統一され、機能そのものは変わっていない
2アプリが最新のビルドかWindowsの手順1。最新のビルドを使っているかを確認する
3ライセンスの更新Windowsの手順2。ライセンスを更新する
4更新チャネルビジネス向けは最新チャネルか月次エンタープライズ チャネルが必要。Semi-Annual エンタープライズ チャネルではCopilotを使えないことがある
5プライバシー設定[コンテンツを分析するエクスペリエンス]と[すべての接続エクスペリエンス]がオンになっているか
6Web版ならサードパーティCookieブラウザーでブロックされていると、Copilotがライセンスを検証できない
7ライセンスの割り当て方Microsoft 365 Appsのデバイスベースのライセンスでは使えない。ユーザーベースの割り当てが必要
8割り当てた直後か新しいライセンスの反映には時間がかかる場合がある
9アカウントの競合個人のアカウントと職場のアカウントの両方でサインインしていると競合することがある
10ファイルの種類と接続PowerPointのCopilotは .ppt・.pptx のファイルだけで使え、インターネット接続が必要(淡色表示の原因)

※1〜5はMicrosoft サポート「Microsoft 365 アプリで不足している Copilot ボタンを見つけて有効にする方法」(2026年7月更新)、6と7はMicrosoft Learnの要件のページ、8と9はMicrosoft Learnのトラブルシューティング記事(旧版アーカイブ、2026年4月23日更新)、10はPowerPointのCopilotのよくある質問によります。

2・3・5・6は利用者の手元で直せる項目ですが、4と7は会社の管理側で決めている設定です。チャネルとライセンスの割り当て方は社員の側では変えられないため、管理者への相談が早道になります。情報システムの担当者に伝えるときは、表の番号と、どこまで確かめたかを添えてみてください。Microsoft 365 Copilotの有効化の手順そのものは、Microsoft 365 Copilotの有効化手順でまとめています。

PowerPointの外で使うAIも、会社で1つの契約に

アドインや個人契約のAIが社内で混在しそうなら、使うAIの入口を会社で1つに揃える方法もあります。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。

機密ラベル付きのファイルから作ったときの扱い

秘密度ラベル(Microsoft Purviewで文書に付ける機密区分の印)が付いた文書から作ったスライドには、元のラベルが保護の設定ごと引き継がれます。Microsoft Learnは、PowerPointの[ファイルからプレゼンテーションを作成]を例に挙げ、Copilotで作った新しいコンテンツにソースファイルの秘密度ラベルが自動で継承されると説明しています。暗号化を伴うラベルの場合、Copilotがデータを返すには、利用者にVIEWとEXTRACTの使用権限が必要です。パスワードで保護された文書は、同じアプリで既に開いている場合を除いて、Copilotから読めません。

元のファイルが読めないときは、ラベルの権限かパスワード保護が原因になっていることがあります。社外秘の資料から作ったスライドは、新しいファイルでも社外秘のまま扱われると社内で共有しましょう。ラベルを外して作り直すといった回り道をさせないためにも、作る前の段階で権限を持つ人に頼む運用が向いています。

既存スライドの書き換え・要約・デザイン調整

作ったあとのスライドも、Copilotに要約・書き換え・画像の追加・デッキ全体の書式変更を頼めます。M365 Copilot (Basic)で使えるPowerPointの機能として、Microsoft Learnの概要にはプロンプトや既存のコンテンツからの作成、要約、編集(画像の追加、デッキ全体の書式設定の変更)が並んでいます。要約はプレゼンテーションの内容を箇条書きでまとめる機能で、最大約40,000語のプレゼンテーションまで要約できると公式に書かれています。他の人から受け取った長い資料を会議の前に読むときにも使える機能です。

日本語で使う場合は、デザインの面で注意が要ります。Copilotがプロンプトに対応する言語の一覧には日本語が含まれていますが、PowerPointのよくある質問では、デザイン提案は現在en-USのロケールの結果だけを公式にサポートし、他の言語の品質は保証しないとしています。日本語の資料では、見た目はCopilotの提案よりテンプレート側で決めておくほうが確実です。よくある質問の別の問い「Copilotは英語以外の言語を理解しますか」への回答では、英語で品質が最も高いと予想され、他の言語も時間とともに向上する見込みだと書かれています。

PowerPoint以外の入口|Copilot ChatとPowerPointエージェント

スライドは、PowerPointの中だけでなく、Microsoft 365 CopilotアプリのチャットやPowerPointエージェントからも作れます。公式のサポート記事には、Microsoft Copilotを使って新しいプレゼンテーションを作成する節があり、ファイル形式の一覧でもプレゼンテーションの作成に .docx・.doc・.pdf・.pptx・.ppsm が挙がっています。PowerPointエージェントは、WordやExcelのエージェントと同じく、Microsoft 365 Copilotのライセンスを持つユーザーだけが使える仕組みです。

エージェントが一覧に表示されないときは、管理者がAnthropicのAIモデルへのアクセスを有効にする必要がある場合があると、公式に書かれています。Microsoft Learnにも、Anthropicのモデルは該当するライセンスでのみ使え、既定ではすべてのユーザーが使えるわけではないという注記があります。エージェントが出ない原因は、本人の操作ではなく管理者側のモデルの設定にある場合も考えられます。無料のCopilot Chat (Basic)のラベルのままでは、PowerPointのCopilotもPowerPointエージェントも使えない点は変わりません。

先行提供(Frontier)で広がる機能

作成時にプレゼンテーションの長さ・トーン・スタイル・画像の設定を調整する機能は、FrontierとMicrosoft 365 Insiderに先に展開されています。公式のサポート記事によると、すべてのCopilotサブスクライバーにも間もなく提供される予定です。解説記事や公式の画面例で見た機能が自分の画面に無いときは、この先行提供の段階にあるものかもしれません。社内で手順書を作る方は、先行提供の機能を前提にせず、全員の画面にある機能だけで手順を組んでみてください。

他の生成AIとの比較と併用

PowerPointの中で動くAIはCopilotだけではなく、ChatGPT for PowerPointとClaude for PowerPointも公式に提供されています。3つの違いは、使えるプランとテンプレートの扱いに表れます。

サービス使えるプラン(公式の記載)テンプレートの扱い(公式の記載)
Copilot in PowerPointM365 Copilot (Basic)かM365 Copilot (Premium)のラベル(Copilot Chat (Basic)では使えない)テンプレートを開いてから作ると既存のレイアウトを使う。主にサンプルスライドを読む
ChatGPT for PowerPointFree・Go・Plus・Pro・Business・Enterprise・Edu・K-12(FreeとGoは利用量に制限)既存のテンプレートの中で動くよう設計されているが、希望するスタイルに常に完全に一致するとは限らない
Claude for PowerPointPro・Max・Team・Enterpriseスライドマスターのレイアウト・フォント・色を読み、テンプレートに沿って作る

※2026年9月25日時点で、OpenAIのヘルプ「ChatGPT for PowerPoint」、Claudeのドキュメント「PowerPoint」、Claudeヘルプ「Claudeでファイルを作成・編集する」、Google Cloud「Gemini Enterprise の Canvas」、Microsoftの各サポート記事の記載を確認しています。

ChatGPT for PowerPointの製品ページには、テンプレートやフォントの扱いなど複雑な書式設定を含む一部の高度な機能に、まだ対応していない場合があるとも書かれています。Claudeにはチャットの中でPowerPointのファイル(.pptx)を作る機能もあり、公式ヘルプではFree・Pro・Max・Team・Enterpriseのすべてのユーザーが使える機能です。Claudeのアドインや会話でのファイル作成でスライドを作る方法と、社員に配る前に決めておきたい設定は、Claudeでパワポを作る3つの方法|アドインの入れ方と社員に配る前の設定で整理しています。Google側では、Gemini EnterpriseのCanvasが会話からスライドのプレゼンテーションを作り、Googleスライド・Microsoft PowerPoint・PDFに書き出せます。ただしCanvasは既定で無効で、管理者が有効にする必要があり、対応リージョンはグローバル・EU・米国のみと記載されています。

併用するなら、構成や文章の叩き台は使い慣れたAIで作り、社内テンプレートへの流し込みはテンプレートを読めるPowerPoint内のAIで仕上げる、といった分け方が考えられます。社内テンプレートへの忠実さを重視するなら、公式にテンプレートの読み方が書かれているものを選びましょう。CopilotとChatGPTの違いはChatGPTとCopilotの違い、作業ごとのAIの選び方は主要4AIの違いと使い分けで解説しています。

会社で安全に使うには

会社でPowerPointのAIを使うときに決めておきたいのは、入力したデータが学習に使われないか、誰が何を使ったかを追えるか、社員にどのAIを配るか、の3点です。Microsoft 365 Copilotについては、Microsoft Graph経由でアクセスされるプロンプト・応答・データは、基礎となるLLMのトレーニングに使われないと公式に書かれています。保存されたデータは暗号化され、管理者はコンテンツ検索やMicrosoft Purviewで表示・管理できます。

見落としやすいのが、社員が個人で契約したCopilotを職場の文書で使う経路になります。Microsoft Learnによると、職場の Copilot ドキュメントへの複数のアカウント アクセスのポリシーを有効にしているか構成していない場合、社員は組織外のCopilotライセンスで職場の文書にCopilotを使えます。何も設定していなければ使える状態なので、認めない会社はクラウドポリシーで止める必要があります。一方で、使う場合もデータの保護は常にファイルへのアクセスに使ったIDに基づくと説明されています。

ChatGPT for PowerPointは無料版でも使えるため、個人のアカウントのまま会社の資料を扱う形も起こりえます。ChatGPTは、入力の学習への扱いが個人向けのプランと法人向けのプランで異なるため、PowerPointに入れるAIも会社として決めておくべき対象です。どのAIを配り、どれを使わせないかは、生成AIの社内ガイドラインの作り方を参考にルールへ書き込んでみてください。複数のAIを配るのであれば、アカウント・学習の設定・利用ログを1か所で管理できる形を選ぶと、担当者の負担が抑えられます。その考え方はマルチAIとはで整理しています。

よくある質問

Copilotでパワポを作成するにはいくらかかりますか?
PowerPointのCopilotを使うには、Microsoft 365のホーム画面に出るラベルが、M365 Copilot (Basic)かM365 Copilot (Premium)になっている必要があります。M365 Copilot (Basic)はアドオンなしの標準アクセスで、優先アクセスは含まれず、サービスの容量によって1日の中でも使える度合いが変わります。一般法人向けのプランなら、Microsoft 365 Copilot Business(アドオン)を付けるとPremiumになります。一般法人向けのMicrosoft 365 Copilot Business(アドオン)は、1ユーザーあたり月額3,148円(年払いの月額相当・税抜)、月払いなら3,778円(税抜)です。2026年12月31日までに年間契約で申し込むと、初年度だけ割引価格の2,698円(年払いの月額相当・税抜)が適用されます(対象のビジネスプランを使っている既存のMicrosoft 365の顧客に限る)。10人全員に付けると、通常価格で年間377,760円、割引が適用される初年度は323,760円(いずれも税抜)となります。別途、対象のMicrosoft 365のライセンスが必要で、購入できるのは最大300ユーザーまでです。料金は2026年9月25日時点でMicrosoftの公式料金ページに表示されている金額で、2年目以降を含む総額はMicrosoft 365 Copilotの料金の記事で扱っています。
Copilotでパワポが作成されないのはなぜですか?
考えられる原因は3つの層に分かれます。1つ目はライセンスで、Microsoft 365のホームに出るラベルがCopilot Chat (Basic)だとPowerPointのCopilotは使えません。2つ目はDesignerライセンスで、ない場合は要約やチャットは使えても、トピックやファイルからの作成、スライドの追加、画像の追加が動きません。3つ目はアプリの設定で、更新チャネルがSemi-Annual エンタープライズ チャネルになっている、プライバシー設定の2項目がオフになっている、Web版でサードパーティCookieがブロックされている、デバイスベースのライセンスを使っている、といった場合に使えないことがあります。ファイルから作る場合は、24MB未満・1ファイル・同じプロンプトに追加の指示を書かない、という条件も確かめてください。
パワーポイントのCopilotは無料で使えますか?
ラベルがCopilot Chat (Basic)の場合、PowerPointの中のCopilotは使えません。M365 Copilot (Basic)のラベルであれば、アドオンを買わなくても標準アクセスで使えます。どちらのラベルかは、Microsoft 365のホームを一番下までスクロールすると確かめられます。なお、スライドの作成や画像の追加といった作成系の機能は、Designerライセンスがある場合にだけ動くと公式に書かれています。
Copilotでパワポを作成するのにどれくらい時間がかかりますか?
Microsoftの公式ドキュメントには、作成にかかる時間の目安は示されていません。かかる時間は、枚数、参照するファイルの長さ、テンプレートの作り込み具合で変わります。実際の業務では、生成そのものに加えて、数字や固有名詞を元の資料と突き合わせる確認と、崩れたレイアウトの手直しの時間も見込んでおく必要があります。社内で使う前に、いつも作っている資料を1本作らせて、確認と手直しまで含めた時間を測ってみるのが無難です。

まとめ

Copilotで自社のテンプレートどおりにパワポを作らせるには、ライセンスのラベルがCopilot Chat (Basic)ではないこと、Designerライセンスがあること、サンプルスライドを揃えたテンプレートを先に開くこと、の3つが揃っている必要があります。組織のテンプレートフォルダーはE3・E5、Web版のアセットライブラリはOffice 365 E3・E5、公式ブランドキットはCopilot Premiumとブランドマネージャーの指定が条件です。まずは、どのプランでも使えるテンプレートファイルを開いてから頼む方法を社内の手順にしておきましょう。

ボタンが出ないときは、右下のボタン、ビルド、ライセンスの更新、更新チャネル、プライバシー設定の順に確かめていきます。Wordから作るときは24MB未満・1ファイル・見出しスタイル、機密ラベル付きのファイルならラベルが引き継がれる点も押さえておきたいところです。PowerPointの中ではChatGPTやClaudeのアドインも動くため、どのAIを会社として配るかを決めて、Copilotとはなどの記事も参考に社内のルールを整えてみてください。他の記事はAI活用コラム一覧にまとめています。

構成や原稿の叩き台に使うAIを、1つの契約の中で選べる

UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で切り替えて使える法人向けサービスです。会話の途中でもモデルを切り替えられ、パワポ・Word・Excelのファイルは画面で確認できます。全モデルで学習非利用を標準適用し、管理者ダッシュボードで利用ログ・権限・使わせるモデルを管理できます。料金は月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。初期費用100,000円(税抜)が別途かかります。

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