
画像生成AIとは、文章で指示した内容や手元の画像をもとに、写真風の画像・イラスト・チラシの下絵などを自動で作るAIのことです。会社で使うサービスを比べるなら、絵の出来ばえよりも先に、商用利用の条件、著作権侵害を訴えられたときの補償、入力したデータの扱い、生成した画像の公開設定の4点で選ぶのが安全です。この記事では、ChatGPT(ChatGPT Images 2.5)、Gemini(Nano Banana)、Adobe Firefly、Microsoft Copilot、Canva、Midjourney、Stable Diffusionの7つを、2026年9月16日〜18日に各社の公式ページと規約で確認した内容をもとに1つの表で並べ、ツール別の注意点、料金、選び方、業務別の向き不向き、社員に使わせる前の社内ルールまでを解説します。
※この記事に載せた料金・条件・機能は、各社の公式ページと利用規約に書かれている内容(同社の発表・規約上の記載)で、独立した第三者が検証したものではありません。規約やプランは頻繁に改定されるため、契約前には必ず各社の最新の公式ページをご確認ください。法的な判断が必要な場合は、弁護士など専門家にご相談ください。
画像生成AIとは|会社で使う前に知っておきたい基本
画像生成AIは、指示文(プロンプト)から新しい画像を作ったり、手元の画像の一部を描き替えたりする道具で、会社での使いどころは広告だけでなく社内資料や採用ページにも広がっています。一方で、同じ画像生成AIでも、提供のされ方によって契約の相手、規約、データの扱いがまったく違います。まず、どんな形のサービスがあるのかを整理しておくと、比較の軸がぶれません。
画像生成AIの3つの形
会社から見ると、画像生成AIは大きく3つの形に分かれます。
- 汎用チャットAIに組み込まれている形:ChatGPT、Gemini、Microsoft Copilotのように、文章で会話するAIの中で画像も作れるものです。すでに文章の用途で使っている会社が多く、追加の契約なしで画像を試せる反面、個人アカウントのまま業務に使われやすいという弱点があります。
- デザインツールや専用サービスの形:Adobe Firefly、Canva、Midjourneyのように、画像やデザインの制作を主目的とするサービスです。仕上げの編集機能がそろっている一方、規約や公開設定がサービスごとに独特で、確認すべき点が多くなります。
- 自社環境やAPIで動かすモデルの形:Stable Diffusionのように、モデルそのものを自社のパソコンやサーバーで動かしたり、API(システムから呼び出す窓口)経由で使ったりする形です。自由度は高いものの、ライセンスの条件を会社側で管理する責任が生じます。
会社で選ぶときに、絵の出来より先に見るもの
個人の趣味であれば、好みの絵柄を出せるかどうかで選んで構いません。しかし会社で使う場合、作った画像はチラシや採用ページとして社外に出ていき、取引先や顧客の目に触れます。そこで問題になるのは、画質よりも次の4点です。
- その画像を商用で使ってよいか、使うための条件は何か
- 他人の著作権を侵害したと訴えられたとき、提供元が補償してくれる契約か
- 入力した社内の写真や指示文が、AIの学習や第三者の目に触れる形で使われないか
- 生成した画像が、初期設定のまま公開ギャラリーに載ってしまわないか
画質の差は数か月ごとのモデル更新で入れ替わりますが、規約や補償の条件は契約の中身そのものです。この記事は、この4点を中心に7つのサービスを比べていきます。
画像生成AI 7サービスの比較表(2026年9月確認)
結論から言うと、著作権侵害の補償を規約や公式ページで示しているのは、Adobe Firefly、Canva、Microsoft Copilot、Google(Google Cloud・Workspace経由のGemini)の有償の法人向け契約(Adobe・Canvaはエンタープライズ版)で、Midjourney・Stable Diffusionでは補償の提供を確認できませんでした(ChatGPTの法人向けの補償はこの記事の確認範囲外です)。料金の例は、確認できたものだけを載せています。
| サービス(確認日) | 無料で使える範囲 | 料金の例(税の扱い) | 商用利用の条件 | 入力データの学習 | 著作権侵害の補償 | AI生成の目印 | 公開設定 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ChatGPT(Images 2.5) 9月16〜17日 | 無料版でも画像生成あり。枚数は非公表で、上限に達すると通知 | Plus 月額3,000円、Business 標準シート月3,050円(年額課金)。税の表記なし | 個人向け規約で出力の権利を利用者に譲渡。他者の権利侵害は禁止 | 個人向けは学習に使われうる(停止可)。Businessは既定で学習に使わない | 記事では扱っていない(契約時に要確認) | C2PAメタデータと不可視の電子透かし | 共有時に、作成に使ったプロンプトを含めるか選べる |
| Gemini(Nano Banana) 9月16日 | AIプランなしでもNano Banana 2で生成可 | Google AI Pro 月額2,900円(税の表記なし)、Workspace 月800円〜(税別) | Googleは生成物の所有権を主張しない。権利侵害目的の利用は禁止 | 個人アカウントは人間のレビュアーが見る場合あり。Workspaceは許可なくドメイン外の学習に使わない | Google Cloud・Workspaceの有償サービスが対象。個人向けGeminiアプリは対象一覧にない | SynthID(不可視)と目に見える透かし | 記載なし※ |
| Adobe Firefly 9月18日 | 1日あたりの無料生成回数あり(回数は非公表) | Firefly Standard 月1,580円、Pro グループ版 月3,180円/ライセンス(税込) | Fireflyモデルの生成物は商用利用に適すると説明。パートナーモデルの生成物は利用者が判断 | 顧客のコンテンツをFireflyの学習に使わない | エンタープライズ版で利用資格を購入した組織の一部の生成物 | Content Credentialsを自動付与(削除・変更は不可) | 記載なし※ |
| Microsoft Copilot 9月18日 | Copilotアプリに画像作成機能あり | Microsoft 365 Copilot Business 月3,148円相当(年払い・税抜)(Microsoftは製品名をMicrosoft Copilotに変更中。料金ページのプラン名は2026年9月18日時点の表記) | 個人向けは「own personal use」に限定。職場アカウントは別規約 | 個人向けは学習への利用を停止可。法人向けは顧客データを基盤モデルの学習に使わない | 有料の法人向けCopilotが対象(無料プレビュー除外) | コンテンツ資格情報。職場向けは可視の透かしを任意で追加、メタデータは常に付与 | 記載なし※ |
| Canva 9月18日 | 無料版で高品質モデル等を月20回まで | Canvaビジネス 月1,880円/1人(税の表記なし) | 出力は利用者が所有し、合法な目的で使える(自己責任)。Canva素材を加工した出力は所有にならない | 学習への利用はプライバシー設定で管理(初期値は記事では扱わない) | 対象となるエンタープライズ顧客に追加費用なしで補償 | 規約でC2PA等の来歴メタデータの削除を禁止 | 記載なし※ |
| Midjourney 9月18日 | 無料プランの記載なし(加入が必要) | 月払い10〜120米ドル(税の表記なし) | 年商100万米ドル超の会社(従業員を含む)はPro/Megaが必要 | 利用者の入力をモデルの学習に使用と公開文書に記載 | 提供は確認できず。規約は利用者側の補償義務を定める | ファイル内に隠れたIDタグ。C2PA準拠かは確認できず | 初期設定で公開。非公開化(Stealth)はPro/Megaのみで、規約上は最善を尽くす(best efforts)という書き方 |
| Stable Diffusion 9月18日 | 年商100万米ドル未満はモデルを無料で利用可。APIは25クレジット無料 | API 1クレジット0.01米ドル、1枚0.9〜8クレジット(税の表記なし) | 商用利用は登録が必要。グループ合算で年商100万米ドル超はEnterpriseライセンスが必要 | API等は入力・出力の学習利用を停止可(現行規約・9月30日発効の改定版とも) | 確認できず。規約は利用者側の補償義務を定める | API等のホスト型サービスでC2PAと透かしを導入中と発表 | 自社環境で動かせば、外部に出さない構成も組める |
※確認日は各行に記載(すべて2026年)。料金は各社の公式ページの表示で(Midjourney・Stability AIは英語版・米ドル)、ChatGPTとGoogle AIプランの円表示は日本から表示したときの金額です。税込・税抜は公式ページの表記に従い、表記がないものは税を足していません。米ドル建ての金額は円に換算していません。Adobe Fireflyの一部プランとMicrosoft 365 Copilot Businessには期間限定の割引価格が表示されていますが、上の表は通常価格です。公開設定の「記載なし※」は、確認したページに初期設定で公開する旨の記載が見当たらなかったものです。各社の記載は同社の発表・規約上の説明であり、独立検証されたものではありません。
表の読み方:7つの中で、会社で使う前提がはっきりしているのは、法人向けの契約と管理画面を持つChatGPT Business、Google Workspace、Adobe Fireflyのグループ版・エンタープライズ版、Microsoft 365 Copilot、Canvaビジネス・エンタープライズです。同じサービス名でも、個人向けプランと法人向けプランで規約が変わる点に注意してください。
ツール別の特徴と、会社で使うときの注意点
7つのサービスは、得意なことも、会社で使うときに気をつける点も違います。ここでは1つずつ、特徴と注意点をまとめます。
ChatGPT(ChatGPT Images 2.5)|会話しながら作り直せる汎用型
ChatGPTの画像生成は、会話の流れの中で指示を足しながら画像を作り直せるのが特徴です。OpenAIは2026年9月8日付の発表で、新しい画像機能ChatGPT Images 2.5を紹介し、デスクトップ・モバイル・ウェブのすべてのプランで使えると説明しています。同発表によれば、画像の生成の待ち時間は前の版(Images 2.0)と比べて最大50%短くなったとされ、チラシや商品写真などのテンプレート、画面に直接絵を描いて指示できるSketch、画像に直接コメントを置いて直したい場所を指定する機能、透明な背景を含むレイアウトへの対応が加わりました。いずれも同社の発表で、独立検証ではありません。
会社で使うときの注意点は、個人向けプランと法人向けプランで規約が違うことです。個人向けの利用規約は、出力(アウトプット)を利用者が所有し、OpenAIが持つ権利を利用者に譲渡すると定める一方、アウトプットは他の利用者と似たものになる場合があるとも書いています。入力した内容は、個人向けでは学習への利用を停止する手続きが用意されている形で、既定では学習に使われうる扱いです。これに対し、法人向けのChatGPT Businessは、料金ページで既定ではビジネスデータを学習に使用しないと説明しています。画像の具体的な作り方や、プロンプトの書き方はChatGPTの画像生成のやり方と商用利用で詳しく解説しています。
Gemini(Nano Banana 2/Nano Banana Pro)|AIプランなしでもNano Banana 2で画像を作れる汎用型
GeminiはGoogleの汎用AIで、画像生成には「Nano Banana」と名づけられたモデルが使われています。Geminiアプリのヘルプによると、画像のモデルは、速度を重視するNano Banana 2 Lite、FlashやProのモデルで画像を頼んだときに選ばれるNano Banana 2、Google AIプランで使えるNano Banana Proの3つです。Nano Banana 2による画像生成は、AIプランに入っていないアカウントでも使える機能として案内されています。ダウンロードできる解像度は、Google AIプランの利用者が2K、それ以外が1Kです。画像の編集は18歳以上が条件とされています。
会社で使う場合に気をつけたいのは、個人向けのGoogle AIプラン(Plus・Pro・Ultra)は、公式ページのよくある質問で個人のGoogleアカウントでのみ申し込めると書かれている点です。Google Workspaceを使う会社は、Workspaceのサブスクリプション側で申し込むよう案内されています。また、個人アカウントのGeminiアプリについて、プライバシーのヘルプは、人間のレビュアーがデータの一部を確認することがあるとし、改良に使われたくない機密情報は入力しないよう求めています。生成した画像には、目に見えないSynthIDの透かしと、目に見える透かしが入ると公式ページで説明されています。業務での使い方と規約の詳細はNano Bananaの商用利用と会社での使い方をご覧ください。
Adobe Firefly|学習データと来歴表示の説明が手厚いデザイン型
Adobe Fireflyは、PhotoshopなどのAdobe製品と同じ会社が提供する画像生成サービスで、学習に使ったデータの説明が具体的なのが特徴です。Adobeの法人向けページは、現在のFireflyのモデルはAdobe Stockなどの使用許諾を受けたコンテンツと著作権の切れた一般コンテンツで学習していると説明し、Creative Cloudなどの顧客のコンテンツをFireflyの学習に使うことはないとしています。
注意したいのは、Firefly内では他社のモデル(パートナーモデル)も選べることです。料金ページのよくある質問は、Fireflyのモデルで生成したコンテンツは商用利用に適すると説明する一方で、パートナーモデルで生成したコンテンツがプロジェクトに適しているかどうかは利用者自身が判断する必要があると書いています。つまり、同じFireflyの画面で作った画像でも、どのモデルで作ったかによって会社が負う確認の範囲が変わります。社内で使うモデルをFireflyのモデルに限るのか、パートナーモデルも認めるのかを、あらかじめ決めておくとよいでしょう。
Microsoft Copilot|個人向けと職場向けで規約がはっきり分かれる
Microsoft Copilotは、Copilotアプリ、Word・PowerPointなどのMicrosoft 365アプリ、Microsoft Designerで画像を作れます。会社で使ううえで重要なのは、個人向けと職場向けで規約がはっきり分かれていることです。個人向けのMicrosoft Copilot追加利用規約(2026年8月18日発効)は、Copilotは「your own personal use」、つまり利用者自身の私的な利用に限って使えると定めています。同じ規約は、職場や学校の組織アカウント(Entra)でサインインする利用者には適用されないとしています。
つまり、社員が個人のMicrosoftアカウントのCopilotで作った画像を会社のチラシに使うと、規約の範囲から外れる可能性があります。会社として使うなら、Microsoft 365の法人プランに加えてMicrosoft 365 Copilot Businessなどを契約し、職場アカウントで使う形にするのが筋です。職場向けの画像生成については、管理者向けの説明で、利用者が画像に目に見える透かしを任意で入れられること、入れない場合も画像のメタデータに情報が追加されることが案内されています。
Canva(Canva AI)|デザインの仕上げまで1つで済む制作型
Canvaは、チラシやSNS画像、資料のデザインを作るツールの中に、画像生成を含むAI機能(マジックスタジオなど)が入っているサービスです。画像を作ったあとに文字を載せ、サイズを変え、書き出すまでを1つの画面で済ませられるため、デザイナーのいない会社の総務や営業でも使いやすい形です。
規約の面では、2026年6月26日発効のAI Product Termsが、入力の権利は利用者が持ち続け、出力も利用者が所有すると定めています。ただし、Canvaのライブラリの素材を加工・組み込んだ出力は例外で、所有にはならないと明記されています。また、出力はどんな合法的な目的にも使えるが、その利用は自己責任であることを受け入れる、という書き方になっています。入力は機能を提供する目的で技術パートナーと共有されることがあるとも書かれています。無料版でも、高品質モデルなどのAI機能を月に20回まで使えます。
Midjourney|画像専用サービス。会社で使う条件が厳しい
Midjourneyは、画像の生成を専門とするサービスですが、会社で使うには確認すべき条件が多いサービスです。まず無料プランはなく、利用には4段階(Basic・Standard・Pro・Mega)のいずれかへの加入が必要です。そして、利用規約とプラン比較のページは、年間の総収入が100万米ドルを超える会社は、ProかMegaのプランを購入しなければならないと定めています。規約の書き方では、その会社の従業員も対象に含まれます。
もう1つの注意点は公開設定です。規約は、利用者のコンテンツは初期設定で誰でも閲覧・リミックスできると定めています。非公開にするステルスモードはProとMegaのプランだけの機能です。規約上は、公開しないよう最善を尽くす(best efforts)という書き方です。しかもステルスモードを後から有効にしても、それまでに公開された作品が自動的に非公開になるわけではないと説明されています。社内の資料や未発表の商品の画像を入力する用途には向きません。
Stable Diffusion(Stability AI)|自社環境で動かせる自由度と、ライセンス管理の責任
Stable Diffusionは、Stability AIが公開している画像生成モデルで、自社のパソコンやサーバーで動かすこともできます。外部のサービスにデータを送らない構成も組めるため、自由度は高い一方、ライセンスの条件を会社が自分で管理しなければなりません。Stability AIのCommunity License(2024年7月5日更新)は、年商100万米ドル未満の個人・組織に無料での利用を認める一方、商用目的で使う場合は年商にかかわらずStability AIへの登録が必要としています。
さらに、自社またはグループ会社(Affiliate)の年商が、単独でも合算でも100万米ドルを超えた時点で、このライセンスは終了し、Stability AIに別のライセンスを申請する必要があると定めています。売上がAIから生まれたものかどうかは問わない、という書き方です。100万米ドルを円に直した額は為替で変わるため、自社がどちらに当たるかは経理の担当者と確認しておくと安心です。クラウドで使う場合は、Stability AIのAPIが使った分だけのクレジット課金で、25クレジットの無料分から始められます。
Claudeは写真やイラストを生成しない(図表はHTMLやSVGで作れる)
比較の対象として名前が挙がることの多いClaudeは、画像生成ツールのような形で写真やイラストを作ることはしない、とAnthropicのヘルプで説明されています。その代わり、図表、グラフ、動きのある図解を、ウェブページと同じ部品であるHTMLやSVG(線や図形で描く画像の形式)で作ることができ、SVGやHTMLのファイルとして保存できます。業務フローの図や、数字を並べたグラフのように、正確さが大事な図解を作る用途では、写真風の画像生成とは別の選択肢になります。詳しくはClaudeで画像は作れるか(図解・SVGの作り方)で解説しています。
商用利用の条件を各社の規約で比べる
7つのサービスはいずれも何らかの形で商用利用の余地を認めていますが、条件のない「商用利用OK」はひとつもありません。会社で使う前に、条件の違いを規約の文言で押さえておきましょう。
「商用利用OK」は、どのサービスも条件つき
各社の規約で商用利用に関わる部分を並べると、次のようになります。英語の規約は原文を示し、和訳は参考です。
- ChatGPT:個人向け利用規約(2026年1月1日発効)で、利用者がアウトプットを所有し、OpenAIが持つ権利を利用者に譲渡すると定めています。一方、他者の権利を侵害する方法での利用や、AIが作ったものを人が作ったものとして示すことを禁じています。
- Gemini:Google利用規約(2026年7月30日発効)は、利用者が生成したオリジナルのコンテンツについてGoogleは所有権を主張しないとしています。禁止事項として、知的財産権やプライバシーなど他者の権利を侵害する目的での利用、生成AIのコンテンツを人間が作ったものと誤解させる行為を挙げています。
- Adobe Firefly:法人向けのよくある質問は、ベータ版でない機能であればFireflyの出力を商用プロジェクトに使えるとしています。ただし、他人の権利を侵害する使い方や、AIモデルの作成・学習のために出力を使うことは禁じています。
- Microsoft Copilot:個人向けは私的な利用に限定されています。Microsoftサービス規約は、出力に対する知的財産権とその有用性は利用者が自分で判断する必要があるとし、第三者からの申し立てへの対応は利用者が単独で責任を負うと定めています。
- Canva:AI Product Termsは「You may use your Output for any lawful purpose」(出力は合法的な目的であれば使える)とする一方、その利用は自己責任であることを受け入れるよう求めています。
- Midjourney:プラン比較ページは「If you have subscribed at any point, you are free to use your images/videos in just about any way you want.」(一度でも加入していれば、画像や動画はほぼ自由に使える)としたうえで、年商条件を課しています。
- Stable Diffusion:Community Licenseは、利用者が生成物を所有するとしたうえで、商用利用の登録と年商条件を課しています。
年商100万ドルの条件|MidjourneyとStable Diffusion
中小企業にとって見落としやすいのが、年商100万米ドルという線引きです。会社として使う前に、自社(グループ会社を含む)の年商が100万米ドルを超えるかを一度確認しておく価値があります。
Midjourneyの利用規約(2026年5月27日発効)第4条の原文は「If you are a company or any employee of a company with more than $1,000,000 USD a year in revenue, you must be subscribed to a Pro or Mega plan to own Your Assets.」です(原文の引用符は省略)。年商100万米ドル超の会社、またはその会社の従業員は、生成物を所有するためにProかMegaのプランに加入していなければならない、という意味です。社員が個人でBasicプランに入って業務の画像を作っている場合、この条件に当てはまる可能性があります。
Stability AIのCommunity Licenseは、年商の数え方をさらに広く取っています。原文では「You or Your Affiliate(s), either individually or in aggregate」とされ、自社だけでなくグループ会社との合算で判定します。加えて、その売上がStability AIの素材から直接・間接に生まれたかどうかは問わないと明記しています。グループ全体の年商が100万米ドルを超える会社は、Enterpriseライセンス(ライセンスのページの表示はCustom Pricingで、金額は非公開)を検討することになります。
確認のポイント:「会社の年商」を条件にする規約は、社員が個人で契約していても会社の規模で判定されるおそれがあります。部署ごと・社員ごとに契約が散らばっている会社は、まずどのサービスの、どのプランが使われているかを洗い出してください。
個人向けCopilotは「自分の私的な利用」に限る規約
Microsoftの個人向けCopilot追加利用規約は「You can only use Copilot for your own personal use.」と定めています。個人のMicrosoftアカウントで手軽に使えますが、規約の文言に照らすと業務利用は想定されていません。会社で使う場合は、職場アカウントで使える法人向けの契約を用意してください。
生成物の権利は誰にあるか
規約が利用者に出力の所有を認めていても、その画像に著作権が発生するかは別の問題です。Canvaのヘルプは、住んでいる地域によってはAIで作った作品が著作権で保護されない場合があると書いています。Adobeの法人向けのよくある質問も、Fireflyの出力の著作権が生成した人にあるかについて、該当地域の法制度によって異なると答えています。Midjourneyの規約は、利用者の所有を認めつつ、入力や生成物についてMidjourneyに取り消し不能な利用許諾を与える内容も含んでいます。規約で「所有する」と書かれていても、他人に真似されたときに権利を主張できるとは限らない点を覚えておきましょう。日本での考え方は次の章で整理します。
著作権侵害の補償(インデムニティ)の対象範囲
生成した画像が他人の著作物に似ていて訴えられた場合に、提供元が防御や賠償を引き受ける約束を、補償(インデムニティ)と呼びます。今回確認できた範囲では、この補償を規約や公式ページで明示しているのは、有償の法人向け契約(Adobe・Canvaはエンタープライズ版)です。
補償が確認できたのは、有償の法人向け契約
- Adobe Firefly:法人向けのよくある質問によると、エンタープライズ版の顧客が、Adobe ExpressとFireflyのサイトライセンスや特定のCreative Cloudエンタープライズプランを通じて、Fireflyによる一部の生成物に対する契約上の知的財産の補償が付いた利用資格を購入できます。別途の契約手続きが必要で、補償の対象は「一部の生成物」とされています。個人向けやグループ版に補償が付くという記載は確認できませんでした。
- Canva:Canva Shieldのページは、対象となるエンタープライズの顧客がマジックスタジオ製品を使う際に、追加費用なしでAIの出力に対する補償を受けられると説明しています。プロやビジネスのプランへの補償の記載はありません。
- Microsoft:ボリュームライセンスのProduct Termsにある Customer Copyright Commitment は、対象製品の出力を顧客が使ったことに基づく第三者の知的財産の申し立てに対し、Microsoftが顧客を防御する義務を定めています。対象製品(Covered Product)は、ボリュームライセンスまたは有料のオンラインサービスで提供されるCopilotなどで、無料のプレビューは除かれます。
- Google:Google Cloudの補償対象サービスの一覧(2026年7月20日更新)には、Gemini in Workspace(旧Gemini for Google Workspace)や、旧Vertex AI APIの一般提供版の基盤モデル(GeminiやImagenなど)が含まれています。個人向けのGeminiアプリは一覧にありません。追加規約では、補償は無償で提供されるサービスを除くとされています。
- Midjourney・Stable Diffusion:提供元による補償は確認できず、規約はむしろ利用者側が提供元を補償する義務を定めています。
ChatGPTの法人向け契約における補償については、この記事の確認範囲に含めていません。法人契約を検討する際に、営業窓口や契約書で確認してください。
補償の対象外になる使い方
補償がある契約でも、どんな使い方でも守られるわけではありません。MicrosoftとGoogleの規約には、似た除外条件が並んでいます。
- 侵害の可能性を知りながら(または知るべきだったのに)生成・使用した場合
- 提供元が用意したフィルターや安全の仕組みを無効にしたり回避したりした場合
- 権利者から申し立ての通知を受けた後も使い続けた場合(Google)
- 商取引での使用で、商標に関する権利が問題になる場合(MicrosoftとGoogleの両方)
- 入力やモデルの調整に使ったデータの権利を持っていない場合(Microsoftは入力、Googleはカスタマイズ・再学習のデータ)
特に商標の除外は、ロゴや商品名が入った画像を作るときに重要です。他社のロゴに似たマークが入った画像を広告に使い、商標の問題になった場合、補償付きの契約でも対象外になる可能性があります。補償はあくまで最後の備えであり、社内の確認の手順を省く理由にはなりません。
著作権の注意点|文化庁の考え方の要点
日本で生成AIと著作権の関係を考えるときの出発点になるのが、文化審議会著作権分科会法制度小委員会が令和6年3月15日にまとめた「AIと著作権に関する考え方について」です。文化庁は同年4月に概要版も公表しています。ただし、この文書自体は法的な拘束力を持つものではなく、公表時点での小委員会の一定の考え方を示したものと明記されています。そのうえで、会社が押さえておきたい要点は次のとおりです。
学習段階と、生成・利用段階は分けて考える
考え方では、AIの開発・学習の段階と、AIで画像を作って使う段階を分けて整理しています。画像生成AIを使う会社が主に関わるのは後者です。概要版は、画像を作ることが適法に行えても、その画像をSNSに載せるなどの利用まで直ちに適法になるわけではなく、場面ごとに判断が必要だとしています。社内で試しに作るだけの段階と、チラシやホームページに載せる段階とで、確認の重さを変える必要があるということです。
侵害になるかは、類似性と依拠性で判断される
概要版によると、生成した画像に既存の著作物との類似性(創作的な表現が共通していること)と依拠性(既存の著作物をもとに作ったこと)が認められ、権利制限規定の対象外であれば、著作権侵害になります。注意したいのは依拠性の扱いで、その著作物がAIの学習に使われていた場合は、利用者がその作品を知らなかったとしても、通常は依拠性があったと推認されるとしています。つまり、「そんな作品は知らなかった」は言い訳になりにくいということです。社外に出す画像は、既存の作品と似ていないかを人の目で確かめる工程が欠かせません。
AIで作った画像に著作権は生じるか
概要版は、人がほとんど指示を与えずに生成ボタンを押しただけのように、AIが自律的に生成したものは著作物に当たらないと考えられるとしています。一方、人が表現の道具としてAIを使ったと認められれば、著作物に当たり、利用者が著作者になるとしています。判断の要素として、創作的な表現を具体的に示す詳細な指示は創作的な寄与を認められる可能性を高めること、生成の試行回数や、複数の候補から選ぶこと自体は影響しないこと、人が加筆・修正した部分には通常著作物性が認められることが挙げられています。自社のロゴやキャラクターのように、権利を守りたいものをAIだけで作るのは避け、人の手を加える工程を残すのが無難です。
肖像・商標・既存キャラクターに似せる指示の扱い
著作権以外にも、画像生成で気をつけたい権利があります。OpenAIの画像作成の解説は、実在の人物の画像を作る場合はその人物の肖像を使う許可を得ていることを確認するよう求め、特定のブランドや製品、作品をまねるのではなく汎用的・独自のデザインを頼むよう勧めています。社内で起きやすいのは、次のような指示です。
- 社員の写真を入力して、別の服装や背景に差し替える(本人の同意と、社外公開の可否を確認する)
- 取引先や他社のロゴを入れたイメージ画像を作る(商標の問題になりうる。前述のとおり補償の対象外になる規約もある)
- 有名なアニメやゲームのキャラクター風の絵を頼む(類似性と依拠性が問われやすい)
AIで作った画像の著作権全般については、生成AIと著作権|会社で気をつける点でさらに詳しく解説しています。
AI生成を示す目印(C2PA・SynthID・透かし)の比較
AIで作った画像であることを後から確かめられる目印(来歴表示)の方式は、サービスによって違います。社外に出した画像について「これはAIで作ったのか」と問われたときに答えられるよう、どのサービスがどの目印を付けるのかを知っておくと役立ちます。
代表的な目印は2種類あります。1つはC2PA(コンテンツの出所と来歴を示すための業界標準)に沿ったメタデータで、Adobeなどは「Content Credentials(コンテンツ資格情報)」と呼んでいます。ファイルの中に、どのツールでいつ作ったかといった情報を書き込むものです。もう1つは、画像そのものに埋め込む目に見えない電子透かしで、GoogleのSynthIDが代表例です。
- ChatGPT:OpenAIのヘルプは、ChatGPTなどで作った対応画像にC2PAメタデータとSynthIDの電子透かしの両方が含まれると説明しています。生成時に指示すれば、目に見えるOpenAIの透かしを入れることもできます。openai.com/verify で確認できるとしています。
- Gemini:目に見えないSynthIDの透かしと、目に見える透かしを使うと公式ページで説明しています。確認するには、Geminiアプリに画像をアップロードしてGoogle AIで作られたものかを尋ねる方法が案内されています。
- Adobe Firefly:Content Credentialsを自動で付けると説明し、生成AIユーザーガイドライン(2026年5月15日更新)で、利用者がContent Credentialsを削除・変更・無効化することを禁じています。
- Microsoft Copilot:個人向け規約で、Copilotが作ったことを示すコンテンツ資格情報などの目印を隠したり削除したりすることを禁じています。職場向けは、目に見える透かしを利用者が任意で入れられ、入れない場合もメタデータに情報が追加されるとしています。
- Canva:AI Product Termsで、C2PAメタデータを含む来歴情報を削除・変更・無効化することを禁じています。Canva側が必ず付けるかどうかの記載は、確認したページでは見当たりませんでした。
- Midjourney:届ける画像にはファイル内に小さなIDタグが隠れて入っているとし、midjourney.com/verify で判定できると説明しています。C2PAに準拠しているかは確認できませんでした。
- Stable Diffusion:Stability AIは、APIなどのホスト型サービスで作ったコンテンツについて、C2PAの標準と透かしの導入を進めていると発表しています。自社環境で動かす場合の既定の透かしについては確認できませんでした。
- Claude:AnthropicのヘルプはPNGやJPEGなどのファイルを生成するとき署名された来歴メタデータ(C2PA)を付けると説明し、無料のClaude Content Checkerで確認できるとしています。
目印の限界:OpenAIのヘルプは、来歴の目印はコンテンツの正確さや法的な所有権を保証するものではないとしています。Midjourneyも、スクリーンショットや編集、多くのSNSへの投稿でIDタグが消えると説明しています。目印があればAI生成と判断する材料になりますが、目印がないことはAIで作られていない証拠にはなりません。社内では、AIで作った画像の元ファイルを保存しておき、使った場所を記録する運用のほうが確実です。
入力データの学習と、生成画像の公開設定
画像生成AIで情報が漏れる経路は、入力した写真や指示文が学習や人の確認に使われる経路と、生成した画像が公開ギャラリーに載る経路の2つです。どちらも、個人向けプランと法人向けプランで扱いが大きく違います。
入力した画像や指示文は、学習に使われるか
- ChatGPT:個人向けは学習への利用を停止する手続きがあり、停止しなければ学習に使われうる扱いです。Businessは既定でビジネスデータを学習に使いません。
- Gemini:個人アカウントは、人間のレビュアーがデータの一部を確認することがあり、自動削除の既定は18か月とされています。Workspaceでは、コンテンツが人間にレビューされることも、許可なくドメイン外の学習に使われることもないと説明しています。
- Adobe Firefly:顧客のコンテンツをFireflyの学習に使わないと説明しています。
- Microsoft Copilot:個人向けは、アップロードした画像を含む会話を学習に使うことを停止でき、生成・アップロードした画像を利用できるのは短期間(18か月以内)と説明しています。法人向けのProduct Termsは、顧客の文書による指示がない限り、顧客データを生成AIの基盤モデルの学習に使わないとしています。
- Canva:プライバシー設定で学習への利用を管理できると説明していますが、初期設定がオンかオフかは確認できなかったため、使う前に設定画面を確かめてください。
- Midjourney:学習データの公開要約で、利用者の入力やプロンプトをモデルの学習に使ったかという問いに「Yes」と答えています。学習から除外する設定は、確認したページでは見当たりませんでした。
- Stable Diffusion:API等のサービスについて、現行の利用規約(2025年7月31日発効)と、2026年9月30日発効の改定版のどちらでも、入力と出力を学習に使うことを停止できるとしています。自社環境で動かせば、外部に送らない構成も組めます。
初期設定で公開される画像がある
確認した規約の中で、生成した画像が初期設定で他の人に見える形になると明記しているのはMidjourneyです。規約は、利用者のコンテンツは初期設定で公開され、他の人がリミックスできるとしています。非公開化のステルスモードはProとMegaだけで、規約上は公開しないよう最善を尽くす(best efforts)という書き方です。また、Discordのチャットルームのような共有の場所で作った画像は、ステルスモードでもその場にいる人に見えるとも書かれています。ChatGPTでは、画像を共有するときに作成に使ったプロンプトを含めるかを選べます。共有リンクを社外に出す場合は、プロンプトに社内の情報が含まれていないかを確かめてください。
個人の無料アカウントで使われている状態(シャドーAI)
画像生成は、無料で手軽に試せるサービスが多い分野です。そのため、会社が用意していないと、社員が個人の無料アカウントでチラシや資料の画像を作っていることがあります。会社が把握していないこうした利用は、野良AI(シャドーAI)と呼ばれます。この章で見たとおり、個人向けプランでは、学習への利用、人間による確認、公開設定、そして商用利用の条件まで、会社が管理できないまま決まってしまいます。実態の把握と対策は野良AI(シャドーAI)とは|会社が取るべき対策で解説しています。
サービスごとに学習の扱いや公開の既定値が違うと、社員が作った画像の扱いを追いきれません。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。
料金と無料で使える範囲|法人プランを人数別に計算
料金は、個人向けの有料プランなら月数百円から、上位プランでは1万円を超えるものまで幅があり、会社で全員に配ると人数の掛け算で大きくなります。ここでは無料の範囲、個人向け、法人向けの順に整理します。
無料で使える範囲
- ChatGPT:無料版でも画像生成が使えます。ヘルプは画像生成に個別の利用上限があり、上限に達すると通知されると説明していますが、1日の枚数は公表していません。
- Gemini:AIプランに入っていなくてもNano Banana 2で画像を作れます。解像度は1Kです。
- Adobe Firefly:プランに加入しなくても毎日無料で生成でき、上限は毎日リセットされると説明しています。具体的な回数は記事では扱いません。
- Canva:無料版で、標準モデルまたは高品質モデルの機能を月に最大20回使えます。最高品質のモデルは使えません。
- Midjourney:無料プランはなく、加入が必要です。
- Stable Diffusion:年商100万米ドル未満であればモデルを無料で使えます。APIは25クレジット分が無料です。
個人向けの有料プラン
- ChatGPT:Go 月1,400円、Plus 月3,000円、Pro 月16,800円から(日本から表示した円の金額。税の表記なし。2026年9月16日確認)
- Google AIプラン:Plus 月725円、Pro 月2,900円、Ultra 月14,500円から(税の表記なし。2026年9月16日確認)
- Adobe Firefly:Standard 月1,580円、Pro 月3,180円(税込。月々プラン。2026年9月18日確認)。上位のPro Plus・Premiumには10月12日までの初年度限定の特別価格が表示されています
- Canva:Canvaプロ 月1,180円または年11,800円(1人あたり。税の表記なし。2026年9月18日確認)
- Midjourney:月払いでBasic 10米ドル、Standard 30米ドル、Pro 60米ドル、Mega 120米ドル。年払いは20%割引(税の表記なし。2026年9月18日確認)
- Stable Diffusion(API):1クレジット0.01米ドル。1枚あたりStable Image Ultraが8クレジット、SDXL 1.0が0.9クレジットからなど(税の表記なし。2026年9月18日確認)
法人向けプランを10・30・50名で計算すると
1人あたりの月額が決まっている法人向けプランを、社員10名・30名・50名に配った場合の月額を計算しました。計算式は「1人あたりの月額×人数」で、税の扱いは各社の表示のままです。
- ChatGPT Business(標準シート・年額課金の月3,050円、税の表記なし):10名 30,500円/30名 91,500円/50名 152,500円。月額課金(月3,850円)なら10名 38,500円/30名 115,500円/50名 192,500円(2026年9月16日確認)
- Google Workspace Business Standard(年間プランの月1,600円、税別):10名 16,000円/30名 48,000円/50名 80,000円(2026年9月16日確認)。Geminiの画像生成がどのプランでどこまで使えるかは、契約前に公式ヘルプと管理コンソールで確認してください
- Adobe Firefly Pro グループ版(月3,180円/ライセンス、税込、年間プラン月々払い):10名 31,800円/30名 95,400円/50名 159,000円(2026年9月18日確認)
- Microsoft 365 Copilot Business(既存のMicrosoft 365ビジネスプランへの追加。月3,148円相当、年払い、税抜):10名 31,480円/30名 94,440円/50名 157,400円。これとは別にMicrosoft 365のビジネスプランの料金がかかります。2026年7月1日〜12月31日の申し込みは初年度に限り月2,698円相当の割引価格が表示されています(2026年9月18日確認。最大300ユーザーまで)
- Canvaビジネス(月1,880円/1人、税の表記なし):10名 18,800円/30名 56,400円/50名 94,000円。年単位(年18,800円/1人)なら10名で年188,000円(2026年9月18日確認)
※金額は各社の公式ページに表示された1人あたりの料金に人数を掛けた単純計算で、見積もりではありません。Midjourneyは法人向けの別プランが公式のプラン比較ページに記載されていないため、Stable DiffusionのEnterpriseライセンスは価格が非公開のため、計算に含めていません。Canvaエンタープライズは料金ページで「ご相談ください」と表示されています。
生成AIサービス全体の法人向け料金は法人向け生成AIサービスの料金比較で横並びにしています。
画像生成AIの選び方|会社で確認したい基準
会社で画像生成AIを選ぶときは、予算や絵柄より先に、規約・補償・データ・管理の観点で条件を満たすかを確認し、そのうえで用途と予算で絞り込む順番が失敗しにくい方法です。
- 商用利用の条件を、自社の規模で満たせるか年商100万米ドルの条件(Midjourney・Stable Diffusion)や、個人向けは私的利用に限る規約(Copilot)に当てはまらないかを確認します。
- 著作権侵害の補償が必要な用途か、補償付きの契約を選べるか広告や商品パッケージなど社外に大きく出す用途なら、補償の対象になる有償の法人向け契約(Adobe・Canvaはエンタープライズ版)を検討します。社内資料だけなら補償は必須ではありません。
- 入力データが学習に使われない設定を、会社側で担保できるか社員ごとの設定に任せず、法人プランの既定値や管理画面で全員に適用できるかを見ます。
- 生成した画像が初期設定で公開されないか公開が初期設定のサービスは、未発表の商品や社内の情報を扱う用途に使わない、または非公開にできるプランを選びます。
- AI生成の目印(C2PA・透かし)が付くか、社外に説明できるか取引先からAI利用の開示を求められたときに、どのツールで作ったかを答えられる状態を作ります。
- 管理者がアカウントと利用状況を把握できるか退職者のアカウント停止、誰がどれだけ使っているかの確認ができる法人向けの管理機能があるかを確かめます。
この6項目を満たす候補が複数残ったら、次に予算、用途(写真風かイラストか、図解か)、操作のしやすさ、既存ツールとの相性で絞り込みます。すでにMicrosoft 365を使っている会社ならCopilot、Google Workspaceを使っている会社ならGemini(画像生成が使えるかは契約中のプランで確認のうえ)、デザインをCanvaで作っている会社ならCanvaというように、今の業務の道具に近いものから検討すると、社員への定着も早くなります。
日本語の指示と画像内の文字入れ
日本語で指示できるか、画像の中に日本語の文字をきれいに入れられるかは、モデルの更新で変わりやすく、この記事では各サービスの精度の優劣を判定していません。社内で使う前に、実際の業務で使う文言を入れて試すのが確実です。
文字入れのコツとしては、OpenAIの画像作成の解説が参考になります。画像に入れる文字は引用符で囲むか大文字で示し、フォント、サイズ、色、配置を指定し、短くすること、ブランド名は1文字ずつつづることを勧めています。また、図解のような情報量の多い画像は、必要に応じてデザインツールで仕上げるよう案内しています。実務では、AIには文字のない背景や絵柄だけを作らせ、文字はCanvaやPowerPointなどで後から載せる分担にすると、誤字や崩れた文字のまま社外に出る事故を防げます。
業務別のおすすめと使い分け
画像生成AIは、1つのサービスですべての用途をまかなうより、業務ごとに向くものを使い分けたほうが結果的に安全で速くなります。ここでは、社員10〜200名の会社でよくある業務ごとに、向き不向きの目安を示します。
総務・人事|社内掲示、研修資料、採用ページ
社内掲示や研修資料の挿絵は、社外に出ないため補償の必要性は低く、手軽さを優先してよい用途です。すでに会社で契約している汎用チャットAI(ChatGPT Business、Google Workspace(画像生成が使えるかは契約中のプランで確認のうえ)、Microsoft 365 Copilot)の中で作れば、新たな契約を増やさずに済みます。採用ページの画像は社外に出るため、実在の社員に似せた画像を作らない、社員の写真を加工するなら本人の同意を取る、といったルールが必要です。職場の雰囲気を伝える写真は、AIで作るより実際に撮影したほうが信頼を損ないません。
営業・マーケティング|セミナー告知、チラシ、SNS
セミナー告知やチラシは、文字の配置やサイズ違いの展開が多いため、デザインの仕上げまで1つで済むCanvaやAdobe Fireflyが向いています。広告として大きく出す場合や、商品パッケージのように長く使う画像は、補償の対象になる有償の法人向け契約(Adobe・Canvaはエンタープライズ版)や、学習データの説明が明確なFireflyのモデルを選ぶと、社内の説明がしやすくなります。SNSに載せる画像は、Googleの利用規約などが禁じているとおり、AIで作ったものを人が作ったように見せない配慮が必要です。
会計事務所・士業|顧問先向けの説明図、事務所だより
顧問先に制度や手続きを説明する図は、雰囲気のある絵よりも、数字や流れが正確であることが大切です。写真風の画像生成より、Claudeで図表をHTMLやSVGとして作ったり、ChatGPTやGeminiに構成案を作らせてから資料ソフトで清書したりする方法が向いています。顧問先の決算書や個人情報が写った画像を入力しないことは、どのサービスでも共通のルールです。事務所だよりの季節の挿絵程度であれば、会社で契約している汎用チャットAIで十分です。
汎用チャットAIの中での使い分け(ChatGPT・Gemini・Claude)
すでに文章用途で汎用チャットAIを使っている会社は、画像も同じ画面で済ませたくなります。目安として、会話で何度も直しながら仕上げたい画像はChatGPT、AIプランなしでもNano Banana 2で手早く試したい画像はGemini、正確さが大事な図解やグラフはClaude、という使い分けが考えられます。どれか1つに決め切るより、複数のAIを会社の管理下で使える状態にしておくほうが、モデルの入れ替わりに振り回されずに済みます。複数のAIを1つの環境で使う方法はマルチAIとは|複数の生成AIを1つの環境で使う方法で解説しています。
使い分けの目安:社内だけで使う画像は、会社で契約済みの汎用チャットAIで手軽に。社外に出す画像は、商用条件と補償を確認した法人向けの契約で。正確さが大事な図解は、写真風の画像生成ではなく図表を作れるAIで。この3段階で分けると、社員が迷いにくくなります。
同じプロンプトで比べる社内テストと、業務への組み込み方
どのサービスが自社に合うかは、ネットの比較記事の作例よりも、自社の業務で使う題材で同じ条件のもとに比べるのが確実です。その際も、社外秘の情報を使わないことが前提になります。
社内テストの進め方
- 題材を3つ決める:たとえば、セミナー告知のバナー、研修資料の挿絵、採用ページの背景画像のように、実際に作る予定のものを選びます。社内の写真や顧客の情報は使わず、架空の内容で指示文を作ります。
- 同じ指示文を、各サービスに入れる:OpenAIの解説が勧めるように、画像の目的、主題、場所、望む雰囲気を1〜3文で明確に書きます。「美しい光」のようなあいまいな表現より、「左の窓から入る柔らかな自然光」のような具体的な表現のほうが結果が安定しやすいとされています。
- 修正を2〜3回加える:1回目の出来だけで判断せず、「この部分だけを変え、ほかはそのまま」といった小さな修正を加えて、指示にどれだけ従うかを見ます。
- 評価表をつける:出来ばえ、指示への従いやすさ、文字の崩れ、仕上げにかかった時間を記録します。あわせて、そのサービスの商用条件・補償・学習設定を横に書いておくと、選定の根拠をそのまま稟議に使えます。
- 確認日を残す:比べた日付とプラン名を記録し、半年ごとなど定期的にやり直します。規約や料金は変わるため、比較表は一度作って終わりにしないことが大切です。
業務に組み込むときの流れ
画像生成を業務に組み込むときは、「作る」「確かめる」「仕上げる」「残す」の4段階に分けると、担当と責任がはっきりします。
- 作る:会社が認めたサービスとアカウントで、機密情報を含まない指示文から画像を作る
- 確かめる:既存の作品やロゴに似ていないか、実在の人物に見えないか、不自然な部分がないかを、作った人とは別の人が確認する
- 仕上げる:文字入れやサイズ調整はデザインツールで行い、人の手で加筆・修正する
- 残す:元の画像ファイル、使ったサービスとプラン、指示文、使った場所を記録し、問い合わせがあったときに答えられるようにする
社員に画像生成AIを使わせる前に決める社内ルール
画像生成AIを社員に使わせる前には、文章の生成AIとは別に、画像に特有のルールを決めておく必要があります。最低限、次の項目を社内ルールに入れておくと、トラブルの多くを事前に防げます。
- 使ってよいサービスとアカウント会社が契約したサービスと、職場アカウントだけを使う。個人の無料アカウントでの業務利用は認めない。
- 入力してはいけない画像と情報顧客・取引先の資料、個人が特定できる写真、未発表の商品の画像、社外秘の図面は入力しない。
- 作ってはいけない画像実在の人物に似せた画像、他社のロゴや商標が入った画像、既存のキャラクターや作品に似せた画像は作らない。
- 社外に出す前の確認者作った人とは別の担当者が、類似性・権利・表現の問題がないかを確認してから公開する。
- AI生成であることの扱い来歴の目印を削除しない。取引先や顧客から問われたら、AIで作ったことを説明できるようにする。
- ファイルと記録の保存先元の画像、使ったサービス・プラン、指示文、公開した場所を決められた場所に保存する。
- 見直しの時期規約や料金の変更に合わせて、半年に1回など定期的にルールと使ってよいサービスの一覧を見直す。
生成AI全般の社内ルールの作り方は生成AIの社内ガイドラインの作り方で雛形とあわせて解説しています。画像のルールは、その中の1章として追加する形にすると管理しやすくなります。
会社で安全に使うには|設定・ログ・配布・使い分け
画像生成AIを会社で安全に使うには、優れたサービスを1つ選ぶことよりも、会社が管理できる環境を用意し、全員にそこを使ってもらうことが大切です。ルールを決めても、使える環境がなければ、社員は個人のアカウントに流れてしまいます。
学習させない設定を、会社側でそろえる
この記事で見たとおり、入力データの扱いは個人向けと法人向けで大きく違います。社員一人ひとりに設定の変更を頼む方式では、漏れが出やすくなります。法人向けの契約で、学習に使わない扱いが既定になっている環境を用意するのが確実です。
利用ログを残し、誰が何に使ったかを把握する
画像が社外で問題になったとき、誰がどのサービスでどんな指示を入れたかを後から確かめられるかどうかで、対応の速さが変わります。管理者が利用状況を確認できる環境を選び、あわせて前章の記録のルールを運用します。
一部の人だけでなく、使う人全員に配る
1人あたりの月額が決まっているプランでは、全員に配ると費用がかさむため、一部の社員だけに配る判断になりがちです。しかし、配られなかった社員が個人の無料アカウントで画像を作り始めれば、規約も補償もデータの扱いも会社の管理から外れます。費用の比較は、配る人数と、見えない利用が残るリスクの両方で行ってください。
複数のAIを、用途に合わせて使い分けられるようにする
画像の用途だけでも、会話で直しながら作る画像、図解、デザインの仕上げと、向くAIが分かれます。1つのサービスに絞ると、合わない用途で社員が別のサービスを探し始めます。複数のAIを1つの契約と管理のもとで使える状態にしておくと、使い分けと管理を両立しやすくなります。
複数のAIを、1つの契約と1つの管理画面で
UPGEAR AIは、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で切り替えて使える法人向けプラットフォームです。画像・PDFの生成に対応し、管理者ダッシュボードで利用ログ・権限・モデルのON/OFFを管理できます。会話履歴やログは国内サーバー(AWSの日本リージョン)で管理します。料金は月額30,000円(税抜)からで、ユーザーごとの課金はありません(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。初期費用100,000円(税抜)が別途かかります。
UPGEAR AIの詳細を見るよくある質問
画像生成AIで作った画像は、会社のチラシやホームページに使えますか?
商用利用で一番安全な画像生成AIはどれですか?
無料で使える画像生成AIを業務に使っても問題ありませんか?
AIで作った画像に著作権はありますか?
社員の写真や自社の資料を画像生成AIに入力してもよいですか?
AIで作った画像かどうかは、後から確かめられますか?
Claudeで画像を作ることはできますか?
まとめ
画像生成AIを会社で比べるときは、絵の出来ばえより先に、商用利用の条件、著作権侵害の補償、入力データの扱い、生成画像の公開設定の4点で選ぶのが安全です。7つのサービスはいずれも商用利用の余地を認めていますが、Midjourneyの年商100万米ドル条件、Stable Diffusionのグループ合算の年商条件、個人向けCopilotの私的利用限定のように、中小企業でも当てはまる条件があります。
著作権侵害の補償について今回確認できたのは、Adobe Firefly、Canva、Microsoft、Googleの有償の法人向け契約(Adobe・Canvaはエンタープライズ版)です。MicrosoftとGoogleの規約では、商標の問題などは補償の対象外とされています。文化庁の考え方が示すとおり、利用者が知らない作品でも依拠性が推認されることがあるため、社外に出す画像は人の目で確かめる工程が欠かせません。AI生成の目印も方式がばらばらで、消えることもあるため、元のファイルと記録を残す運用が必要です。
そして、どのサービスを選んでも、社員が個人の無料アカウントで使っている限り、規約も補償もデータの扱いも会社の管理の外にあります。使ってよいサービスと入力してはいけない情報をルールで決め、会社が管理できる環境を全員に用意することが、画像生成AIを安全に業務に取り入れる近道です。
法人のAI活用に関するほかの記事はAI活用コラム一覧をご覧ください。
