
Gemini Canvas(キャンバス)とは、Geminiのチャットの横に作業用の画面を開き、文書・スライド・アプリ・コードをAIと並べて作り、その場で直していける機能です。Canvasは個人のGoogleアカウントなら有料プランに入らなくても使えますが、会社の業務で使うなら、Geminiアプリがコアサービスとして含まれるWorkspaceのエディションか、Gemini Enterpriseの仕事用アカウントで使うのが前提です。そのうえで、公開リンクの共有をどこまで許すか、モバイルアプリでは使えない前提をどう運用に組み込むかを、管理者が先に決めておく必要があります。
この記事は、Geminiの基本操作をまとめたGeminiの使い方|始め方・主な機能・会社で使う前に決める設定の続きとして、Canvasに絞って会社で使えるかを判断する材料を並べます。機能の紹介は短くし、アカウントの種類ごとの違い、共有リンクの範囲、管理者の設定画面、社内で使う前のチェックリストに紙幅を割きます。
Gemini Canvasとは|チャットの横で作って直す作業画面
Gemini Canvasは、会話で指示を出しながら、右側の画面に出てきた文書やアプリをそのまま手直しできる機能です。Googleのヘルプは、Canvasでドキュメント、アプリ、スライド、コードを作成・編集でき、作ったものを音声解説やクイズなどの形式に変換できると説明しています。利用にはGeminiアプリへのログインが必要です。
Canvasの開き方(どこにあるか)
パソコンでは、gemini.google.comを開き、画面下部の入力欄の下にある[ファイルを追加]アイコンから[Canvas]を選び、プロンプトを入れて送信します。Googleの製品紹介ページでは、プロンプトバーの下にある[Canvas]を選ぶと説明されています。スライドを作らせたいときは、「〜に関するスライドプレゼンテーションを作成して」のように、ほしい形式をプロンプトに書くのがヘルプのすすめです。
会社でGemini Enterpriseを契約している場合は入口が違い、チャットで[ツール]を押すか、入力欄に「/」と打ってショートカットの一覧から[Canvas]を選びます。こちらは管理者が機能をオンにするまで使えません(後述)。
通常のチャットとの違い・使い分け
通常のチャットは、回答が会話の流れの中に積み上がっていきます。Canvasは、成果物が1つの画面に置かれ、その同じ文書を何度も直していく使い方に向きます。目安は次のとおりです。
- 質問の答え、要点の整理、アイデア出しのように、読み捨てる回答がほしいときは通常のチャット
- 提案書の下書き、社内向けの案内文、説明用のスライドなど、形を整えて持ち出す成果物を作るときはCanvas
- 簡単な計算ツールや社内向けの入力画面のように、動くものを試作するときもCanvas(コードとプレビューが並ぶ)
Canva(デザインツール)とは別物
名前が似ているため、デザインツールのCanvaと混同されることがあります。Canvaは、Geminiの接続アプリとして連携できる別会社のサービスで、Canvasとは関係がありません。Googleのヘルプ(英語表示)によると、Canva連携は個人のGoogleアカウントでログインしている場合だけ使え、仕事用・学校用アカウントでは使えません。現時点では英語のみの提供とも書かれています(2026年9月18日確認)。
Canvasでできること|資料づくりで使う機能
Canvasの機能は、文書の編集、スライド、コード、形式の変換、書き出しの5つに分けると把握しやすくなります。操作の細かな手順は親記事とGoogleのヘルプに任せ、ここでは会社の資料づくりで使う場面を中心に、機能の名前と役割だけを押さえます。
直接編集と「選択して質問」による部分的な書き換え
文書は、Canvasの画面で文字を直接書き換えられます。直したい範囲をカーソルで選び、入力欄に「この段落を箇条書きにして」のように書けば、その範囲だけをGeminiが書き直します。範囲を選ぶと[編集の提案]が出ることがあり、押すとGeminiの提案が反映されます。アプリの場合は、パネル右下の[選択して質問]を押してから直したい部分を選ぶ流れです。見出し、太字、斜体、箇条書き、番号付きリストは上部のツールバーで整えられます。
長さ・トーンのクイック編集
文書全体を短くしたい、もう少しかしこまった言い回しにしたい、というときは、[長さを変更][トーンを変更]を使います。社外向けの案内文をフォーマルに寄せる、社内チャット向けに短くする、といった調整がプロンプトを書かずにできます。Gemini Enterpriseの画面では、同じ役割がパネル右下の[長さの変更][トーンの変更]スライダーとして用意されています。
版の前後移動(編集履歴)
Canvasの変更は自動で保存され、上部の[前のバージョン][次のバージョン]で、保存された版を行き来できます。AIに大きく書き換えさせた後で前の言い回しに戻したいときに使えます。Gemini Enterpriseでは、ツールバーの元に戻す・やり直すで保存済みの版を移動します。
スライドの作成とスライドへの書き出し
プロンプトでスライドを指定すると、Canvasにプレゼンテーションが作られます。書き出し先は、英語版のヘルプ(パソコン)では、スライドをGoogleスライドで開く操作と、スライドをPDFで書き出す選択肢が案内されています。日本語版のヘルプ(同日確認)には、この書き出しの記載はありません。PowerPoint形式での書き出しは、個人向けのヘルプには書かれておらず、Gemini Enterpriseのドキュメントに記載があります(後述)。
Googleドキュメントへのエクスポートとコピー
文書は、右上の[共有とエクスポート]から[Googleドキュメントにエクスポート]を選ぶと、新しいGoogleドキュメントとして開けます。[コンテンツをコピー]で本文だけを持ち出すこともできます。数式を含む文書は、[作成]から[LaTeX](学術・技術分野で使われる文書作成の仕組み)を追加でき、LaTeXを含む文書はPDFとして書き出せます。
コード生成とプレビュー(Webページ・アプリ・ダッシュボード)
「〜を管理する簡単なアプリを作って」と頼むと、Canvasがコードを書き、横でプレビューを動かします。右上の[コード]でコードを表示して直接直せ、コンソールでエラーやログを確認できます。[Gemini機能を追加]を使うと、文章や画像の生成といったAIの機能をアプリに組み込めます(18歳以上が対象)。Googleの製品紹介ページは、ビジネスでの例としてチームのタスク管理や販売パイプラインのダッシュボード、見積もり用の価格スライダーを挙げています。
PythonコードのColabへの書き出し
Pythonのコードは、パネル上部の[Colabにエクスポート]から[Colabを開く]で、Googleのノートブック環境であるColabに移せます。集計スクリプトの下書きをCanvasで作り、実データでの検証はColab側で行う、という分け方ができます。
作成ボタンで音声解説・クイズ・インフォグラフィック・ウェブページに変換
文書の右上にある[作成]からは、同じ内容を別の形に変換できます。ヘルプに並んでいるのは、カスタムのビジュアルまたはアプリ、音声解説、クイズ、インフォグラフィック、ウェブページです(18歳以上が対象)。Deep Research(調べものを重ねてレポートにまとめる機能)のレポートもCanvasに生成され、完了後に同じ[作成]から変換できます。研修資料をクイズにして理解度を確かめる、といった使い方が考えられます。
業務での活用例とプロンプト例
会社でCanvasが役立つのは、何度か手直しして形にする成果物です。どの例も、社名・顧客名・数字などの業務情報を入れる前提なら、仕事用アカウントで行ってください。
部門別の活用例
- 総務・人事:就業規則の改定点をまとめた社内案内、新入社員向けの手続き一覧、研修内容の理解度クイズ
- 営業:提案書の骨組み、訪問前の説明用スライド、見積もりの考え方を示す簡単な計算画面の試作
- 経営・企画:会議資料の下書き、事業計画の論点整理、施策案をLP(紹介用のWebページ)の形にしたたたき台
- 情シス:社内向けの操作マニュアル、問い合わせ内容の分類ルールの文書化、チームのタスク管理画面の試作
プロンプト例
- 社員向けに、経費精算の新しい締め日を知らせる案内文を作成して。A4で1枚、見出しと箇条書きで、問い合わせ先の欄を空けておいて
- 次の箇条書きをもとに、取引先への提案用スライドを8枚で作成して。1枚目は課題、最後は次の打ち合わせで決めたいこと
- この手順書を、新入社員向けに5問のクイズにして
- 社内の備品貸出を記録する簡単なアプリを作って。氏名・品名・貸出日・返却日を入力できるようにして
できた下書きの数字や固有名詞は、必ず元の資料と照合します。Googleのヘルプも、Geminiの回答は間違えることがあるため確認するよう求めています。
Gemini Canvasは無料で使える?制限と有料プランの違い
Canvasは無料で使えます。個人のGoogleアカウント向けのヘルプでは、Canvasはプランなしを含むすべてのプランで利用できる機能として並んでおり、製品紹介ページも、CanvasはすべてのGeminiユーザーが利用できると書いています(2026年9月16日・18日確認)。
使用量上限はモデルごとに決まる
個人アカウントのヘルプの機能表では、Canvasはプランなしを含むすべてのプランで使える機能として並んでいますが、Canvas単独の回数は書かれていません。仕事用アカウントのヘルプは、Canvas・Gem・Storybookなどの機能には、使うときに選んだモデルの使用量上限が適用されると説明しています(同じヘルプに、スライドの生成は1日あたり最大20件という別枠もあります)。個人アカウントの使用量上限は計算量で決まり、週の上限に達するまで5時間ごとにリセットされます。
有料プランとの違い(料金とコンテキストウィンドウ)
無料と有料で変わるのは、使用量上限の大きさと、一度に読める量(コンテキストウィンドウ)です。コンテキストウィンドウは、ヘルプの表でプランなし32,000トークン、Google AI Plus 128,000トークン、Google AI ProとGoogle AI Ultraは100万トークンです。長い資料を何本も読ませてCanvasで1つの文書にまとめる使い方では、この差が効いてきます。
個人向けの料金ページの表示は、Google AI Plusが月額725円、Google AI Proが月額2,900円です(2026年9月16日確認。税込・税別の記載なし)。ただし、同じページのよくある質問には、Google AIのプランに申し込めるのは個人のGoogleアカウントのみで、Workspaceの利用者は既存のサブスクリプションへのGeminiアドオンに申し込むよう書かれています。社員が個人で有料プランに入っても、会社の契約にはなりません。有料プランの詳しい比較はGoogle AI Plus・Ultraの記事とGeminiの有料版の記事にまとめています。
仕事用アカウントの上限(スライドの生成は1日20件)
仕事用アカウント向けのヘルプにある上限の表では、スライドの生成が1日あたり最大20件のプレゼンテーションと書かれ、その他の機能は選択したモデルに応じた使用量上限とされています。表の注記には、CanvasやGemなどの機能はほとんどのユーザーに一般提供されているとあります。また、gemini.google.com、モバイルアプリ、Gemini in Chromeと、デバイスをまたいで使った分はすべて同じ上限に数えられます(2026年9月18日確認)。
個人・仕事用・Gemini Enterpriseで何が変わるか
同じCanvasでも、どのアカウントで使うかで、入力内容の扱い、スマホで使えるか、共有を誰が止められるかが変わります。会社の判断に効く項目だけを1つの表にまとめます。
| 項目 | 個人アカウント(無料・Google AIプラン) | 仕事用アカウント(Google Workspace) | Gemini Enterprise |
|---|---|---|---|
| Canvasを使えるか | 使える(プランなしでも可) | 使える(ヘルプに、ほとんどのユーザーに一般提供と記載) | 既定で無効。管理者が[キャンバスを有効にする]をオンにすると使える |
| 入力内容の扱い | 人のレビュアーが読み、Googleのサービス改良に使われる場合がある | コアサービスのエディションでは、人のレビューも生成AIモデルの改良への使用もない | プロンプトや出力がGoogleのモデルのトレーニングに使われることはないと公式FAQに記載 |
| スマホのアプリ | アクセスできる。書式の編集はパソコンのみ | 管理者向けヘルプでは、モバイルアプリでキャンバスは使えない | モバイルアプリは対象外。ウェブアプリのみ |
| 公開リンク | 本人の判断で作れる | リンクでの会話共有は既定でオフ。管理者が部署単位で決められる | 管理者が[セッションの共有を有効にする]で会話の共有を決める |
個人アカウント:会話が人のレビューと改良に使われる場合がある
個人アカウントでは、Gemini アプリのプライバシー ハブに、人間のレビュアーが収集データの一部をレビューすることがあり、レビュー済みのチャットはアクティビティを削除しても最長3年間保存されると書かれています。[アクティビティの保存]をオフにしても、チャットは72時間アカウントに保持されます。Canvasで作った文書も会話の一部なので、顧客名や社内の数字を入れた下書きを個人アカウントで作るのは避けるべきです。
仕事用アカウント:エディションによって扱いが分かれる
Google Workspaceでも、Geminiアプリがコアサービスとして含まれるエディション(Business Starter・Standard・Plus、Enterpriseの各エディションなど)かどうかで扱いが分かれます。コアサービスとして使う場合、ユーザーのコンテンツは人間にレビューされることも、許可なくドメイン外で生成AIモデルのトレーニングに使われることもないと管理者向けヘルプに書かれています。一方、Business Base、Workspace Individualなど追加サービス扱いのエディションでは、Google利用規約とGemini アプリのプライバシーに関するお知らせが適用され、チャットがレビューや改良に使われる場合があるとされています。自社のエディションがどちらに当たるかは、管理者向けヘルプのエディション一覧と照らし合わせて確認します。Workspaceの年間プランの料金は、1ユーザーあたり月額800円(Starter)・1,600円(Standard)・2,500円(Plus)です(税別・2026年9月17日確認)。
Gemini Enterprise:Canvasは既定で無効、DOCX・PowerPointに書き出せる
Gemini Enterprise(Google Cloudで契約する法人向けのAIエージェント基盤)のCanvasは、2026年7月24日のリリースノートで文書とスライドの作成・編集が一般提供になりました。ドキュメントによると、Canvasは既定で無効で、管理者がオンにして初めて社員が使えます。書き出しは、文書がGoogleドキュメント・DOCX・PDF、スライドがGoogleスライド・Microsoft PowerPoint・PDFで、Office中心の会社には判断材料になります。
ただし制限もあります。Canvasが使えるのは、データの保存場所(ロケーション)がグローバル・EU・米国のアプリだけとドキュメントに書かれています。2026年7月から許可リスト付きで提供されている日本(asia-northeast1)のロケーションは、この一覧にありません。データを国内に置く設定でアプリを作る会社は注意が必要です。編集できるのはアクティブなセッション中に生成した内容で、その後も直すなら別のアプリケーションに書き出します。スライドは更新のたびにまったく新しい成果物が作られ、既存のものは変更も版管理もされません。Canvasの利用は通常のチャットと同じ割り当てを消費します。エディションや料金はGemini Enterpriseの記事で扱っています。
個人のGoogleアカウントで使うと、データの扱いが仕事用とは変わります。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。
スマホ(モバイルアプリ)での制限はアカウントで違う
スマホでCanvasをどこまで使えるかは、個人アカウントか仕事用アカウントかで答えが変わり、Googleの公式ページ同士でも書き方がそろっていません。出典ごとに分けて書きます(いずれも2026年9月18日確認)。
- 個人アカウント(製品紹介ページのよくある質問):モバイルアプリでもCanvasのプロジェクトにアクセスできる。ただし、テキストのスタイルと書式の編集はパソコンのGeminiウェブアプリでのみ行える
- 個人アカウント(Android版のCanvasヘルプ):同じく書式の編集はパソコンのみ。書き出しは[Googleドキュメントにエクスポート]とコピー
- 仕事用アカウント(Workspace管理者向けヘルプ):Google Workspaceユーザーのモバイルアプリの使用には一部制限があり、Gemとキャンバスは使用できない。Androidの仕事用プロファイルでモバイルアプリを使おうとすると、ブラウザのgemini.google.comにリダイレクトされる
- 仕事用アカウント(利用者向けヘルプの、モバイルアプリでできないこと):Googleアシスタントが提供する機能と、チャットの削除・チャットの公開リンクの作成が挙げられ、Canvasは挙げられていない
- Gemini Enterprise(Canvasのドキュメント):キャンバスはモバイルアプリでは対象外で、ウェブアプリでのみ利用できる
会社の運用としては、管理者向けヘルプの記載に合わせ、Canvasはパソコンのブラウザで使うものと決めておくのが無難です。また、共有されたCanvasのリンクはgemini.google.comでのみ開き、モバイルアプリでは開けないとヘルプに書かれているので、共有リンクで資料を渡すなら、相手がブラウザで開く前提になります。
共有リンクで何が変わるか|公開される範囲
個人アカウントのCanvasの共有は、社内の誰かに見せるための機能ではなく、リンクを知っている人なら誰でも開ける公開リンクを作る機能です(Workspaceの仕事用アカウントには、別にドライブを通じた共有があり、後述の管理者設定で扱います)。ここを取り違えると、社内資料のつもりの下書きが社外から読める状態になります。
共有リンク(g.co/gemini/share)で共有されるもの
Canvasの右上の[共有とエクスポート]から[共有]を選ぶと、g.co/gemini/shareで始まる公開リンクを作れます。チャットの共有についてのヘルプによると、共有されるチャットにはCanvasのドキュメント、画像、動画など会話で生成されたものが含まれ、リンクを知っている人は、直接渡されていなくてもチャットを読み、再共有し、続きのチャットをすることができます。共有ページは作成した時点の内容で固定され、その後に元のCanvasを直しても反映されません。
Canvasアプリの公開リンクは、データの閲覧・編集まで渡る
Canvasで作ったアプリを公開リンクで共有すると、共有前にアプリの情報(ユーザー間でデータを共有する、Geminiの機能を使う、複数のセッションやデバイス間でデータを保存する)が表示されます。ヘルプは、公開リンクを知っているユーザーもアプリに関連するデータを閲覧・編集できると書いています。社内の案件管理を試作したアプリに実データを入れたまま公開リンクを配ると、そのデータごと外に出ることになります。
他人のCanvasアプリに入れたデータは、自分では消せない
逆の立場の注意も必要です。Gemini アプリのプライバシー ハブは、Canvasアプリの作成者は、利用者がアプリに入力したデータをすべて閲覧できると説明しています。作成者は入力データをFirebase(Googleのアプリ用データベース)や別の場所に保存でき、利用者が共有したデータは利用者側では削除できず、削除できるのは作成者だけです(2026年9月18日確認)。取引先や外部の人から届いたCanvasアプリに、顧客情報や社内の数字を入力しないというルールは、この記載を根拠に置けます。また、他人の公開Canvasを開いて[Gemini Canvasを試す]から[コピーを作成]すると、[アクティビティの保存]がオンなら自分のアクティビティに保存されます。
公開リンクを消す手順と、消しても残るもの
作った公開リンクは、パソコンでgemini.google.comを開き、画面下部の[設定とヘルプ]から[公開リンク]を選び、消したいリンクの末尾の削除アイコンで消せます。[すべてのリンクを削除]で一括削除もできます。ただし、リンクを貼ったSNSなど外部サイトの投稿は削除されず、共有チャットを続けた相手のアクティビティからも消えません。ヘルプにはまた、共有したチャットを削除しても関連する公開リンクは削除されないとあるため、チャットの削除とリンクの削除は別に行う必要があります。
管理者の設定|画面の場所と初期値
Workspaceの管理者向けヘルプで、Canvasに関わる設定として説明されているのは、Geminiアプリ全体のオン・オフと、キャンバスを含む会話の共有です。Gemini Enterpriseでは、Canvasを個別にオン・オフできます。以下は公式ヘルプに書かれている画面名だけで並べています(2026年9月18日確認)。
Workspace:会話の共有(リンクは既定オフ、ドライブは既定オン)
管理者向けヘルプによると、会話の共有を有効にすると、ユーザーはGeminiアプリからチャット、キャンバス、生成されたメディアを共有できるようになります。初期値は次のとおりです。
- リンクによる共有:既定でオフ。オンにすると、リンクを知っている人は誰でも会話を読める。後でオフに戻しても、それ以前に作られたリンクは、Geminiアプリから削除されるまでアクセスできる
- ドライブを通じた共有:既定でオン。組織のドライブの共有設定がすべての会話に適用され、ドライブで外部共有を無効にしていれば、組織外の人とは共有できない。開けるのはGoogleアカウントにログインしている人のみ
- Google 管理コンソールで、メニューの[生成 AI]から[Gemini アプリ]に移動する(Geminiの設定の管理者権限が必要)
- [共有]をクリックする
- [会話の共有]までスクロールし、[リンクによる会話の共有を許可する]と[ドライブを通じた会話の共有を許可する]をそれぞれ選ぶ
- 一部の人にだけ適用する場合は、[組織部門]または[グループ]を選ぶ(グループの設定が組織部門の設定より優先される)
- [保存]をクリックする。反映まで最長24時間かかることがある
リンクの共有を後から止めても既存のリンクは残るため、許可するなら最初から部署を絞って始めるほうが、後始末が少なく済みます。
Workspace:Geminiアプリとモバイルアプリの利用範囲
Geminiアプリ自体の利用は、同じ[生成 AI]>[Gemini アプリ]の[サービスのステータス]で、全員・組織部門・グループ単位にオン・オフします。この設定はgemini.google.com、Geminiモバイルアプリ、Gemini in Chromeへのアクセスを管理するもので、Workspaceの他のAI機能には影響しないとヘルプにあります。Geminiモバイルアプリ専用の管理コンソールはなく、ブロックしたい場合はデバイス管理の設定で行うと書かれています。
Gemini Enterprise:[機能の管理]で[キャンバスを有効にする]
以下はStandard・Plusエディション向けドキュメントの手順です。Businessエディションは別のヘルプセンターで案内されています。
- Google Cloud コンソールで[Gemini Enterprise]ページに移動する(Gemini Enterprise 管理者のIAMロールが必要)
- 構成するアプリの名前をクリックする
- [構成]をクリックし、[機能の管理]タブを開く
- [キャンバスを有効にする]をオンにする。会話の共有を許すかは、同じ画面の[セッションの共有を有効にする]で決める
標準のロール(roles/discoveryengine.user など)で使っている社員は追加の作業は不要です。独自のカスタムIAMロールで権限を配っている場合は、Canvas用の権限(discoveryengine.immersiveArtifacts で始まる7つ)を追加しないと社員はCanvasを使えず、これらの権限はGoogle Cloud コンソールではなくgcloud CLIで追加する必要があります。ドキュメントは、管理者が有効にする前に確認とテストができると説明しています。
社内で使う前のチェックリスト
Canvasを業務で使い始める前に、次の項目を管理者と一緒に確認してください。上から順に、止まったらそこで決めてから先へ進みます。
- 仕事用アカウントでログインしているか個人のGmailアドレスでCanvasを使っていないか。社員のブラウザが個人アカウントのままになっていないかも確かめる。
- 自社のエディションで、Geminiアプリはコアサービスか追加サービス扱いのエディションでは、チャットがレビューや改良に使われる場合がある。管理者向けヘルプのエディション一覧と照らし合わせる。
- Geminiアプリを使ってよい部署を決めたか[サービスのステータス]で全員に開けるか、組織部門やグループで試験導入するかを決める。
- リンクによる会話共有を既定のオフのままにするか許可するなら部署を絞る。後でオフにしても既存のリンクは残る。
- ドライブの外部共有設定を確認したかドライブ経由の会話共有は既定でオンで、ドライブの外部共有設定がそのまま効く。
- 社外の人が作ったCanvasアプリに業務データを入れないと決めたか入力したデータは作成者がすべて閲覧でき、入力した側では削除できない。
- 書き出したドキュメント・スライドの置き場所と共有範囲を決めたかGoogleドキュメントやスライドに書き出した後は、ドライブの共有設定の管理になる。保存先のフォルダを決めておく。
- モバイルアプリでは使えない前提で運用を組んだか管理者向けヘルプでは、仕事用アカウントのモバイルアプリでキャンバスは使えない。外出先での作業はブラウザ版で行うのか、行わないのかを決める。
- 会話履歴の保存期間を決めたか仕事用アカウントの会話履歴は既定で18か月。3か月・18か月・36か月から選べ、履歴をオフにもできる。
AI全般の技術面の確認項目はAIセキュリティチェックリスト、社内規程として整える場合は生成AIの社内ガイドラインを参考にしてください。
社員に配るCanvas利用ルールのひな形
Canvasに絞った短いルールは、次の6行で足ります。Gemini全体の利用ルールがすでにある会社は、その追補として配ってください。
- Canvasは会社の仕事用アカウントで、パソコンのブラウザから使う。個人アカウントで業務の文書を作らない
- Canvasの公開リンク(g.co/gemini/share)は作らない。社内で共有するときは、Googleドキュメントやスライドに書き出し、決められたフォルダに保存して、ドライブの共有機能で渡す
- 顧客の個人情報、取引先から秘密保持を求められた情報、未発表の数字は、Canvasのアプリに入力しない
- 社外の人から届いたCanvasアプリ・公開リンクに、会社や顧客の情報を入力しない
- Canvasで作った文書の数字・固有名詞・引用は、作成者が元資料で確認してから使う。社外に出すものは上長が確認する
- 誤って公開リンクを作った、または業務情報を入れてしまったときは、すぐに(相談先の部署名)に連絡する
会社で安全に使うには
Canvasを会社で使う条件は、学習に使わせない契約の上で、ログを会社が持ち、ルールを配ることです。この条件はCanvasに限らず、社員が使うあらゆる生成AIに当てはまります。
- 学習させない契約で使う:個人アカウントでは、[アクティビティの保存]をオフにしても72時間は保持され、レビュー済みのチャットは最長3年残る。社員ごとの設定に頼らず、会社の契約で入力内容を学習に使わせない状態にする
- ログを会社が持つ:誰がいつ何に使ったかを管理者が確認できる環境で使う。Workspaceの管理者向けヘルプの目次には、組織でのGeminiの使用状況を確認するページがある
- ルールを配り、相談先を決める:上のひな形のように、何を入れてよいか・共有をどうするかを短く書いて配る
- 複数のAIを使い分けるなら窓口をそろえる:資料づくりはGemini、文章の推敲は別のAI、というように社員が複数のAIを使い始めると、個人アカウントでの利用が管理の外に残りやすい。使い分けの考え方は4つのAIの使い分け、複数のAIを1つの契約でまとめる方法はマルチAIの記事、会社が把握していないAI利用のリスクはシャドーAI(野良AI)の記事で扱っています
よくある質問
Gemini Canvasの読み方は?
Gemini Canvasはどこにありますか?
Gemini Canvasは無料ですか?制限はありますか?
Gemini Canvasはスマホでも使えますか?
会社の仕事用アカウントでもGemini Canvasは使えますか?
Gemini CanvasとCanvaは同じものですか?
まとめ
Gemini Canvasは、チャットの横で文書・スライド・アプリを作って直せる機能で、個人アカウントなら無料で使えます。会社で使えるかどうかは、機能ではなくアカウントで決まります。業務では、Geminiアプリがコアサービスとして含まれるWorkspaceの仕事用アカウント(人のレビューも生成AIモデルの改良への使用もない)、またはGemini Enterprise(プロンプトや出力がモデルのトレーニングに使われない)で使うのが出発点です。
そのうえで、会話の共有は既定のオフのままにするか部署を絞って許可し、社外のCanvasアプリには業務データを入れず、書き出したファイルはドライブの共有設定で管理し、モバイルアプリでは使えない前提で運用します。Office形式で書き出したい会社は、Gemini EnterpriseのCanvasがDOCXとPowerPointに対応している点と、データの保存場所を日本にしたアプリは対象外である点をあわせて確認してください。
Gemini全体の始め方と基本操作はGeminiの使い方の記事に、ほかのAI活用の記事はコラム一覧にまとめています。
資料づくりのAI利用も、学習非利用の会社契約で
下書きや資料づくりにAIを使う社員が増えてきたら、入力内容の扱いとログを会社でそろえる選択肢もあります。UPGEAR AIは、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で切り替えて使える法人向けAI基盤です。全モデルで学習非利用を標準適用し、管理者ダッシュボードで利用ログ・権限・モデルのオンオフを管理でき、パワポ・Word・Excelを画面で確認できるOfficeプレビューも備えています。UPGEAR AIの会話履歴・利用ログ・アカウントは国内サーバー(AWSの日本リージョン)で管理します。UPGEAR AIの料金は月額30,000円(税抜)からで、ユーザーごとの課金はありません(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。初期費用100,000円(税抜)が別途かかります。
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