
OpenAIとは、AIの研究と実用化に取り組む米国の企業で、ChatGPTの提供元です。つまりOpenAIは会社の名前、ChatGPTはその会社が出している製品の名前で、この2つを分けて考えると、社内での検討がぐっと進みます。この記事では、公式ページに書かれている会社の成り立ちと現在の統治体制、出している製品、日本での拠点までを順に整理したうえで、社員10名から200名の会社がChatGPTを業務で使うときに決めることを、契約の入口・料金の請求の仕組み・入力してよい情報の線引きの3点に分けて解説します。
OpenAIとは何の会社か
OpenAIは、AIの研究と実用化に取り組む米国の企業です。公式の会社概要ページには、OpenAIはAIの研究と実用化に取り組む企業であり、その使命は汎用人工知能が人類全体に恩恵をもたらすようにすることだ、と書かれています。研究機関のように聞こえる名前ですが、現在の自己紹介は研究所ではなく企業です。
会社としての輪郭は、公式の体制説明ページで確認できます。そこには、OpenAIは2015年に非営利団体として設立された、その使命は汎用人工知能が全人類に利益をもたらすようにすることだ、と記載されています。続いて、2019年に研究と展開の取り組みを拡大するために営利子会社を設立し、この営利子会社は常に非営利団体によって統治・管理されてきた、とも書かれています。つまり、非営利の組織が営利の事業会社を抱えるという二層の形は、後から付け足されたものではなく、営利部門を作った時点から続いている形だということです。
設立の経緯が米国にあることは、公式ページの記載からも読み取れます。後述する2025年の資本再構成について、公式ページはカリフォルニア州およびデラウェア州の司法長官事務所と話し合った旨を明記しています。州の司法長官事務所が関与するという書き方自体が、米国の法人であることを示しています。個人向けサービスの利用規約には、契約の相手が「デラウェア州の会社である OpenAI OpCo, LLC」であり、準拠法はカリフォルニア州法、専属的合意管轄はカリフォルニア州サンフランシスコの裁判所と定められています(利用規約・2026年1月1日発効・2026年9月18日確認)。会社の所在を推測で書かなくても、契約条件として明記されているということです。
会社の概要を5行で:何をしている会社かは、AIの研究と実用化に取り組む企業(公式の会社概要ページの記載)。設立は2015年に非営利団体として、2019年に営利子会社を設立(公式の体制説明ページの記載)。使命は汎用人工知能(AGI)が全人類に利益をもたらすようにすること(憲章と会社概要ページの記載)。現在の体制は、非営利のOpenAI Foundationが営利のOpenAI Group PBCを統治する形(2025年10月28日発表)。主な製品は、ChatGPT、ChatGPT Business、ChatGPT Enterprise、ChatGPT for Education、Codex(以上が製品欄の並び)と、別欄に置かれているAPIプラットフォームです。以上はいずれも2026年9月18日に公式ページで確認した内容です。
この記事の立ち位置:会社の紹介で終わらせず、最後に社内で決める項目まで持っていきます。読者の多くが本当に知りたいのは、OpenAIの歴史そのものよりも、その製品を自社の業務で使ってよいのか、使うなら誰の名義で契約して何を禁止するのか、という部分です。歴史と体制は、その判断の材料として読むと役に立ちます。
※この記事は、OpenAIの公式サイト(日本語版)・日本語のヘルプセンター・開発者向けドキュメントで2026年9月18日に確認できた記載と、料金ページで2026年9月15日および16日に確認した表示内容だけを根拠にしています。従業員数・企業評価額・資金調達額のように公式ページで確認できなかった項目は扱っていません。
OpenAIとChatGPTの違いは、会社の名前と製品の名前の違い
OpenAIは会社の名前で、ChatGPTはその会社が出している製品の名前です。検索の関連する質問にも並ぶ疑問なので、歴史の話より先に片付けておきます。
根拠は公式の会社概要ページそのものにあります。このページは冒頭で自らを企業と説明し、ページ下部の製品欄には、ChatGPT、ChatGPT Business、ChatGPT Enterprise、ChatGPT for Education、Codex、リリースノートという名称が並び、別の欄にAPIプラットフォームが置かれています。会社を説明するページの中に製品が列挙されている構造なので、どちらが会社でどちらが製品かは、そのページの作りを見れば分かります。
実務でまぎれやすいのは、ChatGPT以外の言葉も混ざってくるためです。社内の会議で話が通じなくなる原因は、たいていこの6つの言葉の混同にあります。
| 言葉 | 何を指すか | 契約・請求の相手 |
|---|---|---|
| OpenAI | 会社の名前。AIの研究と実用化に取り組む米国の企業 | (会社の名前なので契約の対象ではない) |
| ChatGPT | OpenAIが出している対話型の製品の名前。個人向けと法人向けのプランがある | OpenAI |
| GPT | ChatGPTの中で動くモデルの系統名。世代が上がると名称の数字が変わる | (モデルの名前なので契約の対象ではない) |
| APIプラットフォーム | 自社のシステムからモデルを呼び出すための接続口。画面は自社で用意する | OpenAI |
| Azure OpenAI Service | Microsoftのクラウド経由でOpenAI系のモデルを使う提供形態 | Microsoftまたはその販売パートナー |
| Copilot | Microsoftが自社製品に付けているAI機能の名前。OpenAIの製品名ではない | Microsoftまたはその販売パートナー |
この表で押さえたいのは、真ん中の列より右の列です。同じGPT系のモデルを使っていても、契約相手が変わると、請求書の宛先・支払方法・問い合わせ窓口・管理画面がすべて変わります。社内で「ChatGPTを入れる」と言ったときに、誰と契約する話なのかが決まっていないと、稟議の途中で差し戻しになります。
ChatGPTという製品そのものの中身と使い方はChatGPTとは何かで詳しく解説しています。この記事は、その提供元であるOpenAIという会社の側から見ていきます。
※製品の構成と名称は入れ替わります。この記事に挙げた製品名は2026年9月18日に公式の会社概要ページで確認できた名称です。検討の直前には公式の製品一覧で最新の構成をご確認ください。
2015年12月11日の設立発表に書かれていたこと
OpenAIの設立は、2015年12月11日付の公式発表で確認できます。この発表の原文は英語で、非営利のAI研究会社として立ち上げること、財務的なリターンを求める必要に縛られず、人類全体に利益をもたらす形でデジタル知能を進歩させることを目標に掲げることが書かれています。
この一次資料が役に立つのは、後から語られる物語ではなく、発表の時点の役職と顔ぶれがそのまま載っているためです。
- 共同会長:サム・アルトマン氏、イーロン・マスク氏
- 研究責任者:イリヤ・サツケバー氏(機械学習の世界的な専門家の一人として紹介されています)
- CTO:グレッグ・ブロックマン氏(前職はStripeのCTOと紹介されています)
- その他の創業メンバー:トレバー・ブラックウェル氏、ヴィッキー・チャン氏、アンドレイ・カルパシー氏、ダーク・キングマ氏、ジョン・シュルマン氏、パメラ・ヴァガタ氏、ヴォイチェフ・ザレンバ氏。発表では、世界水準の研究エンジニアと科学者として紹介されています
- アドバイザー:ピーター・アビール氏、ヨシュア・ベンジオ氏、アラン・ケイ氏、セルゲイ・レヴァイン氏、ヴィシャル・シッカ氏
役職の名前にも意味があります。会長と社長ではなく共同会長という並びで2名が置かれ、研究責任者とCTOが別の人物に割り振られている構成です。研究を進める役割と、それを動かす技術基盤の役割を最初から分けていたことが、この並びから読み取れます。
資金についても、発表には具体的な書き方があります。サム・アルトマン氏、グレッグ・ブロックマン氏、イーロン・マスク氏、リード・ホフマン氏、ジェシカ・リヴィングストン氏、ピーター・ティール氏、Amazon Web Services(AWS)、Infosys、YC Researchが支援のために寄付を行うとされ、これらの資金提供者が合計で10億ドルを拠出すると表明した、と記載されています。同じ発表には、今後数年で使うのはこの一部にとどまると見込む、という趣旨の記述も続きます。
数字の読み方:この10億ドルは、設立時に集まった金額ではありません。公式発表の表現は、資金提供者が合計10億ドルの拠出を表明したという内容です。会社紹介の資料などで10億ドルを集めて設立されたと書かれることがありますが、一次資料の記載は拠出の表明であって、実際に払い込まれた金額とは別の話です。社外に出す資料で引用するなら、表明という言葉を落とさないほうが安全です。
もう一つ、稟議の場で押さえておくと役に立つのが、この顔ぶれの多くが現在の役職とは異なるという点です。2015年の発表はあくまで設立時点の記録であり、その後の役員の異動や体制の変更は別の資料で確認する必要があります。会社の現在の姿は、次に見る使命と、2025年に発表された統治の形のほうが実態に近いです。
※設立発表の内容は2026年9月18日に公式サイトの該当ページで確認しました。同ページの本文は英語で、日付は2015年12月11日と表記されています。氏名の日本語表記は読みやすさのために添えたものです。
OpenAIが掲げる使命とAGIという言葉
OpenAIの使命は、AGI(汎用人工知能)が全人類に利益をもたらすようにすることだと、公式の憲章に明記されています。会社の紹介文としてよく引用される一文ですが、憲章にはAGIの定義も併記されているため、そこまで読むと意味が具体的になります。
憲章の原文では、AGIは経済的に最も価値のある仕事において人間を凌駕する高度に自律的なシステムと説明されています。そして、安全で有益なAGIを直接構築するよう努力するが、自分たちの仕事によって他の人々がこの結果を達成するのを助けるのであれば、使命は達成されたと考えられるという続きがあります。自社が一番になることではなく、結果が実現することを目的に置いた書き方です。
憲章には4つの原則が見出しとして立っています。
- 広く分配された利益……AIの恩恵が一部に集中しないようにするという原則です。
- 長期的な安全性……この原則には具体的な約束が書かれています。価値観が一致し、安全性を重視するプロジェクトが自分たちよりも先にAGIの構築に近づいた場合、そのプロジェクトとの競争をやめ、支援を開始することを約束するという内容です。競合と競り合うより安全側に倒すという宣言で、企業の行動指針としては珍しい書き方です。
- 技術的リーダーシップ……政策や安全性の議論に実効性を持たせるために、技術の最前線に立ち続けるという原則です。
- 協力志向……他の研究機関や政策当事者と協力して取り組むという原則です。
この節を会社概要として飛ばさないほうがよい理由は、製品の変化の速さと直結しているためです。使命がAGIの実現に置かれている会社なので、モデルと製品は研究の進み方に合わせて入れ替わります。会社側から見ると、これは今日選んだプランや機能が半年後に同じ形とは限らないということです。社内で使う環境を選ぶときに、機能の一覧を比べるだけでなく、変更があったときに誰がどう社内に周知するかまで決めておくと、後から慌てずに済みます。
※憲章の内容は2026年9月18日に公式サイトの憲章ページ(日本語版)で確認しました。4つの原則は同ページの見出しの表記に合わせています。
非営利の財団が営利会社を統治する今の体制
現在のOpenAIは、非営利のOpenAI Foundationが営利のOpenAI Group PBCを統治する形になっています。公式の体制説明ページには、2025年10月28日に発表された新しい体制として、非営利団体はOpenAI Foundationとなり、営利法人は現在OpenAI Group PBCと呼ばれる公益法人となっている、と記載されています。
公益法人という位置づけについて、同ページは、従来型の企業とは異なり、掲げる使命を推進するとともにすべての利害関係者のより幅広い利益を考慮することが求められており、使命の遂行と商業的成功を両立させる仕組みだと説明しています。営利会社でありながら、定款上の目的に使命が組み込まれている形です。
統治の仕組みは、支配権を持つという一般的な表現より一段具体的に書かれています。公式ページには、OpenAI Foundationは引き続きOpenAI Groupの支配権を維持するとあり、さらに、OpenAI Foundationが単独で保有する特別な投票権およびガバナンス権に基づき、OpenAI FoundationはOpenAI Groupの取締役会の全メンバーを任命し、取締役をいつでも交代させることができると明記されています。持ち分の比率とは別に、取締役の人事権が財団側に一本化されているということです。
| OpenAI Foundation | OpenAI Group PBC | |
|---|---|---|
| 性格 | 非営利団体 | 公益法人(営利法人) |
| 役割 | 使命の担い手。Groupの支配権を維持する | 製品の開発と提供、商業活動 |
| 人事の権限 | 特別な投票権とガバナンス権により、Groupの取締役全員を任命し、いつでも交代させられる | (取締役はFoundationが任命する) |
| 安全性の監督 | 安全・セキュリティ委員会(SSC)がFoundationの委員会として存続し、OpenAI全体の安全とセキュリティの取り組みを監督 | SSCの監督対象に含まれる |
この体制に至った経過についても、公式ページには手続きの記載があります。今回の資本再構成は、カリフォルニア州およびデラウェア州の司法長官事務所との1年近くに及ぶ建設的な話し合いを経て完了した、という一文です。非営利団体の資産の扱いは州の監督下にあるため、当局との協議を経ているという事実は、体制変更の重さを示す材料になります。企業紹介の記事でここまで書かれることは少ないのですが、取引先や監査法人から会社の性格を問われたときには、この一文が説明しやすい根拠になります。
※体制に関する記載は2026年9月18日に公式サイトの体制説明ページ(日本語版)で確認しました。法人名の表記は同ページの表記に合わせています。
Microsoftとの関係と、株式の持ち分
Microsoftは大きな持ち分を持つ出資者ですが、公式ページの記載によれば、会社を統治しているのは非営利のOpenAI Foundationです。ここが混同されやすい点なので、持ち分と統治を分けて見ていきます。
持ち分については、同社の発表によると、資本再構成の完了時点でOpenAI FoundationがOpenAI Groupの26%の株式持分を保有しており、OpenAI Groupの現在の評価額に基づくとその価値は約1,300億ドルだとされています。同じページには、資本再構成の完了時点でMicrosoftはOpenAI Groupの約27%を保有し、残りの47%は現従業員、元従業員、および投資家が保有していると記載されています。
数字だけを並べると、同社の発表による持ち分は、非営利のOpenAI Foundationが26%(同社の発表では、現在の評価額に基づくとその価値は約1,300億ドル)、Microsoftが約27%、現従業員・元従業員・投資家が47%です。いずれも同社の発表によるもので、第三者が検証した数値ではありません。
※持ち分の比率と評価額は同社の発表によるもので、第三者による独立検証の結果ではありません。2026年9月18日に公式サイトの体制説明ページ(日本語版)で確認した記載です。
比率だけを見ると、Microsoftの約27%はFoundationの26%を上回ります。それでも公式ページが支配権はFoundationにあると書けるのは、前節で見た特別な投票権とガバナンス権があるためです。取締役会の全メンバーを任命し交代させられる権限が財団側にある、という構造上の理由です。持ち分の多寡と人事権が一致しない設計になっている点が、この会社の体制の特徴です。
会社側の実務として意味を持つのは、資本関係よりも契約関係です。OpenAIと直接契約するのか、Microsoftのクラウド経由で使うのかで、契約相手・請求・窓口・管理の仕組みが変わります。資本関係があるからといって、片方の契約でもう片方のサービスが使えるわけではありません。この選択肢の違いは後の節で整理します。
GPTシリーズからChatGPT公開までの流れ
GPTはモデルの系統名で、ChatGPTはそのモデルを使う対話型の製品名です。この2つの言葉の関係を押さえると、世代が上がるたびに製品名まで変わったように見える混乱を避けられます。
GPTの後ろに付く数字はモデルの世代を表し、世代が上がるほど扱える文章量や推論の性能が変わります。一方でChatGPTという製品名は変わりません。利用者から見ると、同じChatGPTの画面の中で、選べるモデルの名前が入れ替わっていくという形です。モデル名は実際に短い周期で変わります。公式の料金ページを2026年9月16日に確認した時点では、Plus欄にGPT-5.6による高度なリーズニングモデルという記載があり、Pro欄にはGPT-6 AstraによるPro推論という記載がありました。公式のヘルプにも、利用できるモデルや利用制限は随時変更されるため、モデル選択メニューで確認するようにという案内があります。社内文書にモデル名を固定して書くと、すぐに実態と合わなくなるということです。
ChatGPTそのものの公開日も、公式発表で確認できます。ChatGPTは2022年11月30日に研究プレビューとして公開され、当時は無料で使えると案内されていました。発表には、研究プレビューの期間中はChatGPTの利用は無料であるという説明と、ChatGPTの長所と短所を知り、ユーザーからのフィードバックを得るために導入したという趣旨の説明が並んでいます。製品として売り出す前に、公開して反応を集めるという出し方だったということです。
学習のしかたについても、同じ発表に書かれています。ChatGPTはInstructGPTの類似モデルで、プロンプトの指示に従って詳細な回答を提供するよう学習されており、InstructGPTと同じ方法で、人間のフィードバックからの強化学習(RLHF)を使って学習させているという記載です。RLHFは、人が回答の良し悪しを評価した結果をモデルの学習に反映させる方法を指します。会話の形で使いやすいという特徴は、モデルの規模だけでなく、この学習のさせ方から来ているということです。なお同ページの上部には、この投稿は2022年にChatGPTを紹介したものであり、それ以降ChatGPTは大きく進化しているという趣旨の注記が付いています。公開時の発表は、現在の機能の説明としては読めないという断り書きです。
ここでは、公式ページに日付の記載がある出来事だけを年表にします。会社の沿革として引用しやすいのは、この範囲です。
- 2015年……非営利団体として設立(公式の体制説明ページの記載・2026年9月18日確認)
- 2015年12月11日……設立の発表。共同会長・研究責任者・CTOと創業メンバーの顔ぶれ、合計10億ドルの拠出の表明を公表(設立発表のページの記載・2026年9月18日確認)
- 2019年……研究と展開の取り組みを拡大するため営利子会社を設立(公式の体制説明ページの記載・2026年9月18日確認)
- 2022年11月30日……ChatGPTを研究プレビューとして公開。当時は無料で利用できると案内されていた(公式発表「ChatGPT が登場」の記載・2026年9月18日確認)
- 2023年3月1日……この日以降、APIに送られたデータは既定でモデルの学習や改善に使われない(開発者向けドキュメントの記載・2026年9月18日確認)
- 2024年4月14日……アジア初の拠点として東京オフィスの開設を発表。日本語に最適化されたGPT-4のカスタムモデルを公表(東京オフィス開設の発表ページの記載・2026年9月18日確認)
- 2025年10月28日……新体制を発表。非営利はOpenAI Foundation、営利はOpenAI Group PBCへ(公式の体制説明ページの記載・2026年9月18日確認)
- 2026年1月8日……法人向けのデータの扱いを説明するエンタープライズプライバシーのページの更新日(同ページの記載・2026年9月18日確認)
- 2026年3月5日……この日以降にリリースされた対象モデルについて、データレジデンシーのエンドポイントに10%の上乗せが課される(開発者向けドキュメントの記載・2026年9月18日確認)
- 2026年6月24日……この日より前に作成された一部のワークスペースには、Codex専用の3つ目のシートタイプがある(日本語のヘルプセンターの記載・2026年9月18日確認)
年表に並ぶ10件のうち、3件が2026年の日付です。会社の歴史というより、今も月単位で条件が動いている対象だと考えたほうが実態に近いです。社内で使う前提を作るときは、モデル名や機能名で固めるのではなく、決める人と確認の周期を決めておくほうが長持ちします。
※年表の各項目は2026年9月18日に各ページで確認した記載です。料金ページのモデル名の記載は2026年9月16日の確認内容です。
OpenAIが出している製品の一覧
OpenAIの製品は、ChatGPTという1つの名前の下に用途別のプランが並び、その横に開発者向けのAPIプラットフォームが置かれる構成です。公式の会社概要ページの製品欄には、ChatGPT、ChatGPT Business、ChatGPT Enterprise、ChatGPT for Education、Codex、リリースノートという名称が並び、別の欄にAPIプラットフォームがあります。
もう一つ、法人向けのデータの扱いを説明する公式ページには、対象となる製品がまとめて挙げられています。ChatGPT Business、ChatGPT Enterprise、ChatGPT for Healthcare、ChatGPT Edu、ChatGPT for Teachers、そしてAPIプラットフォームです。この並びを見ると、教育・医療といった分野別のプランが用意されていることが分かります。
| 製品名 | 想定される利用者 | 契約するのは |
|---|---|---|
| ChatGPT(無料・Go・Plus・Pro) | 個人 | 利用者本人 |
| ChatGPT Business | 会社やチーム。公式の料金ページには従業員数2名から200名のチーム向けと記載 | 会社(ワークスペース単位) |
| ChatGPT Enterprise | より大きな組織や、契約条件の調整が必要な組織 | 会社(営業窓口との契約) |
| ChatGPT for Education/ChatGPT Edu/ChatGPT for Teachers | 学校・教育機関 | 教育機関 |
| ChatGPT for Healthcare | 医療分野 | 組織 |
| Codex | 開発の作業を支援する用途 | ChatGPTのプランに含まれる形で提供 |
| APIプラットフォーム | 自社のシステムやアプリにモデルを組み込む開発者 | 会社または開発者(ChatGPTとは別の入口) |
機能の面では、文章のやりとりだけではありません。公式のヘルプでは、ChatGPTの有料プランで使える拡張機能として、音声での会話、画像生成、ファイルのアップロードと分析、Deep Researchツール(提供地域のみ)が挙げられています。会議の録音や資料の読み込みといった業務の使い方は、この拡張機能の側にあります。
製品名で検索する前に:画像生成や音声の扱いのように、製品の構成そのものが見直されることがあります。社内資料に書くときは、機能の名前を並べるのではなく、やりたいこと(会議の音声を文字にする、資料の図を作る)で書いておくほうが持ちます。実際に使えるかどうかは、契約するプランの公式ページで確認するのが確実です。
※製品名の一覧は2026年9月18日に公式の会社概要ページとエンタープライズプライバシーのページで確認した記載です。拡張機能の記載は2026年9月16日に日本語のヘルプセンターで確認したものです。製品構成は変わるため、検討時には公式ページで最新の構成をご確認ください。
APIで自社のシステムに組み込むという入口
APIは、自社のシステムやアプリからモデルを呼び出すための接続口で、ChatGPTを使うのとは契約の入口が別です。公式のエンタープライズプライバシーのページも、OpenAIを使い始める最も簡単な方法は従業員向けにChatGPT BusinessまたはChatGPT Enterpriseを導入することだとした上で、エンジニアリングチームが独自ソリューションの構築を検討している場合はAPIプラットフォームを利用してほしいと書き分けています。
APIを検討するときに、総務や情シスが最初に確認すべきなのはデータの扱いです。開発者向けドキュメントには、2023年3月1日以降、APIに送られたデータはOpenAIのモデルの学習や改善には使われない(明示的にデータ共有を選択した場合を除く)と記載されています。一方で、不正利用の監視のためのログは既定で生成され、法令で長期の保持が求められる場合やサービスや第三者を保護するために合理的に必要な場合を除き、最大30日間保持されると書かれています。このログを対象外にしたい場合は、ゼロデータ保持(ZDR)または不正利用監視の変更(MAM)の承認を受ける必要があり、これらはOpenAIによる事前承認と追加要件への同意が前提だと明記されています。
データの所在地の設定は、日本では保存だけが対象
APIには、インフラの所在地を選ぶデータレジデンシーという設定があります。ここで注意が必要なのは、日本が選べることと、日本国内で処理されることが同じ意味ではないという点です。公式ドキュメントの地域別の対応表では、日本(jp.api.openai.com)は保存(Storage)が可、処理(Processing)が不可と記載されています。処理まで対応しているのは米国と欧州(EEAおよびスイス)の行です。
| 地域 | エンドポイント | 保存(Storage) | 処理(Processing) | 前提条件 |
|---|---|---|---|---|
| 日本 | jp.api.openai.com | 可 | 不可 | MAMまたはZDRの承認が必要 |
| 米国 | us.api.openai.com | 可 | 可 | — |
| 欧州(EEA+スイス) | eu.api.openai.com | 可 | 可 | MAMまたはZDRの承認が必要 |
同じページには、地域内保存に対応していることは地域内処理に対応していることを意味しない、という注記が置かれています。日本リージョンが用意されているという話を聞いて、データが国内で処理されると理解してしまうと、稟議で説明した内容と実際の仕組みが食い違います。
利用の条件も細かく決まっています。データレジデンシーを使えるかどうかは営業チームへの問い合わせで確認する形になっており、米国以外の地域を使う場合は不正利用監視に関する承認(MAMまたはZDR)が前提です。料金面では、2026年3月5日以降にリリースされた対象モデルについて、データレジデンシーのエンドポイントは10%の上乗せが課されると記載されています。さらに、システムデータはこの設定の対象外で、選択した地域の外で処理・保存される可能性があるとも書かれています。
取引先に説明するときの言い方:データの保存先を国内にしたいという要望に対して、APIのデータレジデンシーで応えるには、営業窓口での資格確認、MAMまたはZDRの承認、対象モデルの上乗せ料金、そして処理は国内では行われないという4点を同時に説明する必要があります。保存先だけを答えると、後から処理の場所を問われて説明が崩れます。国内での処理まで求められている場合は、そもそも別の提供形態を検討したほうが早いこともあります。
APIの料金の仕組みと試算の考え方はChatGPTのAPI料金で解説しています。ChatGPTのプランがシート単位の課金である一方、APIは使った量に応じた課金なので、社内の使い方に合うのはどちらかという判断は、金額だけでなく管理のしやすさも含めて考える必要があります。
※APIのデータの扱いとデータレジデンシーの記載は、2026年9月18日に開発者向けドキュメントの該当ページで確認した内容です。原文は英語のため、地域名と項目名は表記を日本語に置き換えています。
使い始めるまでの入口と、会社として決める順番
使い始める手順そのものは簡単で、アカウントを作ってログインすれば無料で試せます。会社として難しいのは手順ではなく、どの入口で契約するかを最初に決めることです。順番を間違えると、後から契約の付け替えという手戻りが発生します。
入口は大きく5つあります。同じOpenAIのモデルを使っていても、誰が契約者で誰が管理者になるかが変わります。
| 入口 | 契約するのは | 管理者になるのは | 退職・異動のとき |
|---|---|---|---|
| 個人向けプラン(無料・Go・Plus・Pro) | 社員本人 | 本人のみ | 本人が解約しない限り残り、履歴も会社に引き継げない |
| ChatGPT Business | 会社(ワークスペース単位) | ワークスペース管理者 | 管理者がメンバーを削除できる |
| ChatGPT Enterprise | 会社(営業窓口との契約) | ワークスペース管理者 | 管理者がアクセスを停止でき、利用状況も管理画面で確認できる |
| APIプラットフォーム | 会社または開発者 | 自社で作る仕組みの中の管理者 | 自社の仕組みの設計次第 |
| Microsoft経由や国内事業者のサービス経由 | その提供事業者 | そのサービスの管理画面 | そのサービスの管理機能次第 |
個人のPlusを経費精算する形が抱える問題
現場でよくあるのが、社員が自分のカードで個人向けプランを契約し、領収書を経費精算するという形です。金額は小さく、申請も通りやすいので広がりやすいのですが、会社から見ると3つの穴が残ります。1つ目は、アカウントの所有者が個人のままなので、退職や異動のときに会社側で止められないことです。2つ目は、業務で作った会話履歴が個人のアカウントに残り、引き継げないことです。3つ目は、後述するように、法人向けのデータの扱いを定めた公式ページの対象に個人向けプランが入っていないことです。
費用の精算方法を変えても、この3つは解決しません。解決するのは、契約の名義を会社に移すことだけです。社員が個人で契約している状態が広がっている場合の見つけ方と置き換え方は野良AI(シャドーAI)で解説しています。
会社として決める順番
順番はこの5つで足ります。上から決めていくと、途中で戻る必要がなくなります。
- 1. 契約主体を決める会社名義か、部門名義か、個人名義を認めるか。ここが決まらないと支払方法も管理者も決まりません。
- 2. 対象者を決める全社か、特定の部署か、希望者か。シート単位の課金では、この人数が費用に直結します。
- 3. 入力してよい情報の線引きを決める禁止事項だけでなく、何を入れてよいかを先に書くほうが現場が動けます。この記事の後半に4区分の表を置いています。
- 4. 停止と棚卸しの手順を決める入社・退社・異動のときに誰が何をするかを1行ずつ決めます。管理画面のある入口を選ぶ理由はここにあります。
- 5. 社内の相談窓口を決める使い方の質問と、入力してよいか迷ったときの相談を、同じ窓口で受けるかどうかを決めます。
法人プランの金額と機能の比較はChatGPT法人プランの料金、上位の契約プランの条件はChatGPT Enterpriseにまとめています。社内ルールの文書化は生成AIの社内ガイドラインの作り方が出発点になります。
無料版や個人の有料プランで使われたChatGPTは、会話の中身を会社から確かめられません。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。
無料プランと有料プランの違い
個人向けには無料プランと3段階の有料プランがあり、有料になるほど使える量と機能が広がります。金額は公式の料金ページで確認できますが、閲覧環境によって表示通貨が変わるため、引用するときは前提を添える必要があります。
2026年9月16日に日本のIPアドレスで料金ページを開いたときの個人向けの表示は、無料版が0円、Goが月1,400円、Plusが月3,000円、Proが月額16,800円からでした。同じ料金ページを米ドル表示で確認した内容(2026年9月15日)では、無料が0ドル、Goが8ドル、Plusが20ドル、Proが月額100ドルからです。料金ページには税込か税別かの記載がないため、この記事では税を足した金額を出していません。
| プラン | 円表示(2026年9月16日・日本から表示) | 米ドル表示 | 学習への利用 | 契約するのは |
|---|---|---|---|---|
| 無料版 | 0円 | 0ドル | 比較表では無効化可能 | 本人 |
| Go | 月1,400円 | 月8ドル | 比較表では無効化可能 | 本人 |
| Plus | 月3,000円 | 月20ドル | 比較表では無効化可能 | 本人 |
| Pro | 月額16,800円から | 月額100ドルから | 比較表では無効化可能 | 本人 |
機能面の差は、扱える文章量にも表れます。料金ページの比較表では、通常のやりとりで扱えるコンテキストウィンドウの上限が、無料27K、Go 54K、Plus 54K、Pro 128Kと記載されています。推論を使う場合の上限は、GoとPlusが256K、Proが400Kで、無料は場合によって異なるという表記です。長い資料を一度に読ませたい業務では、ここが実用上の分かれ目になります。
Plus欄の内容として料金ページに並んでいるのは、メッセージ送信とアップロードの上限拡大、より高度で正確な画像生成、deep researchの拡張、メモリとコンテキストの拡張、プロジェクトやスケジュール済みタスクとカスタムGPT、Codexの利用上限の拡大などです。無料版の欄にはアップロードを含むメッセージ数に上限がある旨が、Go欄にはこのプランには広告が表示される場合がある旨が記載されています。公式ヘルプでは、Plusの利点として、アクセス集中時の優先利用、モデルの制限の緩和、高度な推論機能へのアクセス、応答速度の向上が挙げられています。
学習に使われるかどうかは、設定で変えられる
個人向けプランでも、入力した内容をモデルの学習に使わせない設定は用意されています。料金ページの比較表では、コンテンツをモデルの学習に使用する項目が、無料・Go・Plus・Proのいずれも無効化可能と記載されています。手順は、設定のデータコントロールにある、すべての人のためにモデルを改善するという項目をオフにする形で、この設定はアカウント全体に適用されます。設定をオフにしても会話はチャット履歴に残りますが、学習には使われないという説明です。
ただし例外があります。公式ヘルプには、トレーニングをオプトアウトしても製品とのやりとりに関するフィードバック(回答に対する良い回答や良くない回答の選択など)は提供でき、フィードバックを提供する場合は、そのフィードバックに関連する会話全体がモデルのトレーニングに使用されることがある、と記載されています。設定を一度オフにしたから安全という説明で社内を通すと、この例外が抜け落ちます。設定の具体的な手順と例外の扱いはChatGPTに学習させない設定で詳しく解説しています。
※金額と比較表の内容は、2026年9月16日に公式の料金ページで確認した表示内容です。表示通貨は閲覧環境によって変わります。料金ページに税込か税別かの記載がないため、税を加えた金額は記載していません。プラン構成と金額は変更されるため、契約前に公式ページでご確認ください。
会社で使うときに気をつける3つのこと
会社で使うときに気をつけることは、誤情報・情報漏洩・著作権の3つに整理できます。どれも技術的な対策だけでは終わらず、運用の決めごとが必要になる点が共通しています。
1. 誤情報は、確認する人を決めて対処する
生成AIの出力には、事実と異なる内容がもっともらしい形で混ざることがあります。対処の方法は、出力を疑うことではなく、確認する工程を業務の中に置くことです。具体的には、外に出す文章・数字・固有名詞は必ず一次資料で裏を取る、裏が取れないものは書かない、という2行を業務手順に入れます。誰が確認するかを決めていない状態で使い始めると、確認したつもりの文章が社外に出ていきます。
あわせて、同じ質問を別のモデルにも投げて答えが食い違うかを見る方法も有効です。食い違った箇所が、人が確認すべき箇所になります。複数のAIを併用する考え方はマルチAIで解説しています。
2. 情報漏洩は、入口によって前提が変わる
情報漏洩の話で見落とされやすいのが、法人向けの既定と個人向けの既定が別だという点です。公式のエンタープライズプライバシーのページ(更新日2026年1月8日)が対象として挙げているのは、ChatGPT Business、ChatGPT Enterprise、ChatGPT for Healthcare、ChatGPT Edu、ChatGPT for Teachers、そしてAPIプラットフォームです。無料・Go・Plus・Proという個人向けプランは、この一覧に入っていません。
同ページには、法人向けの入口について、既定ではユーザーのデータを使用してモデルが学習することはない、入力内容と出力内容は法律で認められている場合にユーザーに帰属する、と記載されています。削除した会話は、法令でより長期の保持が義務付けられている場合や、サービスや第三者への被害を防ぐために合理的に必要な場合を除き、30日以内にシステムから削除されるという説明もあります。暗号化についても、保存データはAES-256で、通信はTLS 1.2以上で暗号化しているとの記載があります。
一方で、既定が学習に使わない形であっても例外は明記されています。同ページのFAQには、サービス向上のために顧客がデータ共有に明示的に同意した場合(フィードバック機能を通じた共有など)は、共有されたデータをモデルの学習に使用することがあると書かれています。既定と例外の両方を押さえておくと、社内の説明がぶれません。
もう一つ知っておくべきなのが、会話履歴を誰が見られるかです。同ページのFAQには、ChatGPT Businessについて、ワークスペース管理者はワークスペースを管理でき、ワークスペース内のエンドユーザーの会話履歴を閲覧、エクスポート、削除できると記載されています。上位の契約プランでは、ワークスペース管理者がEnterprise Compliance APIを通じて会話やGPTに関する監査ログにアクセスできるという説明もあります。社員に案内するときは、会社の管理下にある環境では履歴が管理者から見える可能性があることを、最初に伝えておくのが公平です。
3. 著作権は、入れるものと出すものの両側で見る
著作権については、入力側と出力側の両方に注意が必要です。入力側では、他社が作成した資料や購入した書籍の本文をそのまま入れる行為が、契約や利用条件に触れる可能性があります。特に、取引先から受け取った資料には秘密保持の取り決めが付いていることが多く、AIに読ませてよいかどうかは、その取り決めの条文で決まります。
出力側では、生成された文章や画像をそのまま社外に出す前に、既存の著作物に似ていないかを人が見る工程を置きます。法人向けの入口では入出力がユーザーに帰属すると記載されていますが、帰属することと、第三者の権利を侵害していないことは別の話です。社内ルールに書く水準の目安は生成AIの社内ガイドラインの作り方にまとめています。
※データの扱いに関する記載は、2026年9月18日に公式のエンタープライズプライバシーのページ(日本語版・更新日2026年1月8日)で確認した内容です。
業務でどう使われているか
業務での使われ方は、文章を作る前段と、読む作業の短縮に集まります。派手な自動化よりも、下書きと要約で時間が減るという形が中心です。
公式の東京オフィス開設の発表では、当時ChatGPT Enterpriseを使っている企業として、Daikin、Rakuten、TOYOTA Connectedといった名前が挙げられています。大企業の例ですが、使われている業務の種類そのものは規模に関係なく共通しています。
- 会議の議事録……録音や文字起こしを読み込ませ、決定事項と宿題に分けて整理させます。人が必ず確認するのは決定事項の文言と担当者名で、社名や人名の聞き間違いが混ざります。
- メール・案内文の下書き……要点を箇条書きで渡し、相手に合わせた文面にさせます。確認するのは日付・金額・宛名です。敬語が過剰になりやすいので、そこも直します。
- 企画書・提案書の骨子……目的と読み手を伝えて、構成の案を複数出させます。確認するのは根拠となる数字の出どころで、出力のままでは社外に出せません。
- 翻訳と外国語のやりとり……下訳を作らせ、専門用語だけ社内の対訳に合わせます。確認するのは契約条件や数量にかかる表現です。
- 長い資料の要約……報告書や仕様書を読み込ませ、論点と例外を抜き出させます。確認するのは抜け落ちた例外条項で、元の資料と照合します。
- 表計算の下書き……集計の手順や数式の案を作らせます。確認するのは数式の参照範囲で、小さなデータで検算してから本番の表に移します。
- コードの作成と点検……Codexのような開発向けの機能で、下書きと確認を行います。確認するのは動作の検証と、社内の規約との整合です。
定着させるコツは、対象業務を絞ることです。全社に配って自由に使わせる方式は、使う人と使わない人が最初の1か月で分かれます。先に3つだけ用途を決め、その3つについて社内の書き方の例文を用意すると、使わない側の人も入りやすくなります。
効果の測り方:削減時間を自己申告で集めると数字が独り歩きします。おすすめは、対象業務を1つ選び、導入前に3件だけ所要時間を実測しておく方法です。母数が小さくても、同じ業務の前後を同じ条件で測っていれば、社内の判断材料としては十分に使えます。逆に、他社の事例に出てくる削減率をそのまま自社の見込みに使うのは避けたほうがよいです。業務の中身と前提が違います。
※企業名は2026年9月18日に公式の東京オフィス開設の発表ページ(2024年4月14日付)で確認した記載です。同発表時点での利用状況であり、現在の利用状況を示すものではありません。
日本での拠点と、日本語での窓口
日本には東京オフィスがあり、その開設は2024年4月14日付の公式発表で確認できます。発表の日本語タイトルはOpenAI、東京オフィスを開設で、リードにはアジア初のオフィスを開設するとともに、日本語に最適化されたGPT-4のカスタムモデルをリリースするという説明が置かれています。英語の本文には、国際的に事業を拡大する中で、日本の東京に新しいオフィスを設けてアジアに進出するという趣旨の記述があります。
同じ発表には、OpenAI Japanの社長としてTadao Nagasaki(長崎忠雄)氏を迎え、商業活動と市場との関わりを主導してもらうという記載があります。日本国内の窓口としての体制がここから始まったという位置づけです。
この発表には、自治体の利用例も紹介されています。横須賀市について、この1年で市はほぼすべての市職員にChatGPTの利用を順次提供し、80%が生産性の向上を報告したという内容です。数字として引用されることの多い箇所ですが、これは横須賀市側の報告として同発表が紹介しているもので、第三者による独立検証の結果ではありません。社外向けの資料で使う場合は、誰の報告なのかを添えてください。
日本語で相談したい場合の選択肢
日本語のヘルプセンターは公式に用意されており、請求とシートの管理のような実務的な記事も日本語で読めます。一方で、電話で日本語の担当者に相談するという形を前提にすると、期待とずれることがあります。契約プランの相談は営業窓口への問い合わせが入口で、セルフサービスで契約したワークスペースの手続きはヘルプセンターとフォームが中心です。
日本語で相談できる先を確保する方法は、大きく3通りあります。
- OpenAIの営業窓口に直接問い合わせる……契約プランで請求書払いや条件の調整が必要な会社に向いています。問い合わせの前に、組織名・想定シート数・希望する請求頻度・コンプライアンス要件を整理しておくと、やりとりが1往復で済みます。
- Microsoft経由(Azure OpenAI Service)で使う……すでにMicrosoftの製品を導入し、販売パートナーとの体制がある会社に向いています。提供形態が異なるため、機能・条件・料金はMicrosoftの公式情報で確認してください。
- 国内事業者のサービス経由で使う……日本語の契約書と国内の窓口を優先したい会社に向いています。確認するのは、どのモデルに対応しているか、管理機能とデータの扱いが自社の要件に合うかの2点です。
国内の法人向けサービスを横並びで見たい場合は法人向け生成AI 38サービスの料金比較をご覧ください。
※東京オフィスの開設に関する記載は、2026年9月18日に公式の発表ページ(2024年4月14日付)で確認した内容です。氏名の日本語表記は読みやすさのために添えたもので、公式発表の表記はローマ字です。日本法人の正式な法人名・登記住所・電話の窓口は公式ページで確認できる記載がないため、この記事では扱っていません。
Microsoft経由で使うAzure OpenAI Serviceという選択肢
OpenAIのモデルは、Microsoftのクラウド経由で使う形も選べます。Azure OpenAI Serviceと呼ばれる提供形態で、同じ系統のモデルを使いながら、契約相手と請求先がMicrosoft側になる点が大きな違いです。
この違いは、機能の優劣ではなく社内の手続きに効きます。契約相手が変われば、請求書の宛先、支払方法、問い合わせの窓口、管理画面、そして契約書の準拠法や条件の交渉相手が変わります。すでにMicrosoftの製品を導入していて、販売パートナーとの取引口座がある会社では、この手続き上の利点が大きくなります。逆に、ChatGPTの画面をそのまま社員に配りたいという要望が中心なら、ChatGPTの法人向けプランを直接契約するほうが話が短くなります。
| 比べる点 | OpenAIと直接契約する場合 | Microsoft経由の場合 |
|---|---|---|
| 契約相手 | OpenAI | Microsoftまたはその販売パートナー |
| 請求と支払い | プランによって手段が決まる(後の節で詳述) | Microsoft側の契約形態に従う |
| 問い合わせ窓口 | ヘルプセンターと営業窓口 | Microsoftまたは販売パートナー |
| 使う形 | ChatGPTの画面か、APIで自社に組み込む | クラウドのサービスとして組み込む形が中心 |
| 向いている会社 | 社員にすぐ配りたい、管理画面を1つにしたい | 既存のクラウド契約と請求をまとめたい、開発の基盤を統一したい |
この節は、選択肢の存在と手続き面の違いに絞っています。機能の範囲・対応しているモデル・料金・提供地域はMicrosoft側の条件で決まるため、検討に入る場合はMicrosoftの公式情報で確認するのが確実です。詳しい比較はAzure OpenAI Serviceにまとめています。
1つ目の分かれ道:社内の議論が噛み合わないときは、目的が社員の日常業務を助けることなのか、自社システムにAIを組み込むことなのかを先に切り分けてください。前者ならChatGPTの法人向けプラン、後者ならAPIかクラウド経由の提供形態が候補になります。この切り分けをせずに機能一覧を比べ始めると、比べる軸が揃わないまま時間が過ぎます。
これからのOpenAIと、会社側で先に決めておくこと
これからのOpenAIについて公式ページから言えるのは、使命としてAGIの実現を掲げ続けており、その使命を統治する枠組みを2025年10月28日に整えたということです。具体的には、非営利のOpenAI Foundationが営利のOpenAI Group PBCを統治する体制と、安全・セキュリティ委員会(SSC)がFoundationの委員会として存続し、OpenAI全体の安全とセキュリティの取り組みを監督し続けるという記載です。
憲章には、価値観が一致し安全性を重視するプロジェクトが先にAGIの構築に近づいた場合には競争をやめて支援に回る、という約束も書かれています。会社の方向性を読むうえでは、こうした公式の記載が確かな材料です。
一方で、会社側が備えるべきなのは、条件が動くことそのものです。この記事で確認できた事実の中にも、動いている証拠がいくつも含まれています。法人向けのデータの扱いを説明するページの更新日は2026年1月8日で、公式ヘルプには2026年6月24日より前に作成された一部のワークスペースには3つ目のシートタイプがあるという記載があり、データレジデンシーの上乗せ料金は2026年3月5日以降にリリースされたモデルが対象です。料金ページに載るモデル名も短い周期で入れ替わります。
ここから導かれる備えは2つです。1つは、1社のサービスに社内の業務を固定しすぎないこと。もう1つは、変更を追う人と周期を決めておくことです。複数のモデルを切り替えられる形で持つという考え方はマルチAI、国内の選択肢の横並びは法人向け生成AI 38サービスの料金比較で整理しています。
稟議と情報セキュリティの会議で聞かれる5つの質問
社内の会議で必ず聞かれる質問は、だいたい次の5つに収まります。答えを自分の言葉で作るのではなく、どの公式ページに書いてあるかを対応させておくと、説明が短くなります。
- 入力したデータは学習に使われますか……答えの出どころは、法人向けならエンタープライズプライバシーのページ、個人向けなら料金ページの比較表とヘルプのデータコントロールの記事です。答え方は、法人向けの入口は既定で学習に使わない、個人向けは設定で無効化できるがフィードバックを送ると例外がある、の2段で説明します。
- データはどこに保存されますか……答えの出どころは、APIについては開発者向けドキュメントのデータレジデンシーの節です。日本は保存のみ対応で処理は対象外であること、利用には営業窓口での資格確認と承認が前提であることを、省かずに伝えます。
- 社内の誰が会話を見られますか……答えの出どころは、エンタープライズプライバシーのページのFAQです。法人向けではワークスペース管理者が履歴を閲覧・エクスポート・削除でき、上位のプランでは監査ログも参照できると答えます。
- 契約の相手はどこですか……答えの出どころは、料金ページと請求に関するヘルプ記事、Microsoft経由の場合はMicrosoft側の情報です。入口ごとに契約相手と支払手段が変わることを先に説明すると、話が戻りません。
- 解約したらデータはどうなりますか……答えの出どころは、エンタープライズプライバシーのページの保持期間に関する記載です。削除した会話は例外を除き30日以内にシステムから削除されるという記載を示します。
※各項目の根拠は、2026年9月18日に公式の体制説明ページ・憲章・エンタープライズプライバシーのページ・開発者向けドキュメント・日本語のヘルプセンターで確認した記載と、2026年9月16日に確認した料金ページの表示内容です。会社の今後については、公式ページに記載のある体制と憲章の内容に限って扱っています。
法人で契約するときに実際につまずく点
法人契約でつまずくのは機能ではなく、シートの数え方と支払方法です。ChatGPT Businessについては、日本語のヘルプセンターに請求とシートの管理を説明した記事があり、そこに実務で問題になる条件がまとめて書かれています。
その前に1つ、契約の枠組みについて押さえておく点があります。規約が2本に分かれていることです。個人向けサービスの利用規約には、この規約がChatGPTなどの個人向けのサービスに適用されると書かれており、ChatGPT EnterpriseやAPIなどの企業および開発者向けサービスの使用については事業者用取引規約が定めている、と案内されています。会社として使う場合は、個人で使うときに同意した規約とは別の規約が適用されるということです。稟議の資料に規約のURLを貼るときは、どちらの規約を読んで判断したのかを添えておくと、後から確認する人が迷いません。
シートの数え方に4つの落とし穴がある
ヘルプ記事に書かれている条件のうち、社内の運用に影響するのは次の4点です。
1つ目は、最小のシート数です。公式ヘルプには、ワークスペースごとに2シート以上が必要で、シートタイプは自由に組み合わせられると記載されています。担当者1名で試してみるという始め方はできないということです。社内では、最初から2名以上で申請する前提にしておきます。誰と誰で始めるかを決めておけば、申請の段階で止まりません。
2つ目は、空いているシートにも料金がかかることです。公式ヘルプの記載は、各請求サイクルの開始時に、ワークスペース内のすべての標準シートとプレミアムシートについて、個々のメンバーに割り当てられているかどうかにかかわらず料金が請求されるという内容です。使っていないシートも費用になります。社内で決めておくことは、退職や異動で空いたシートを放置しないこと、そして棚卸しの周期を請求サイクルに合わせることの2点です。
3つ目は、増やすときと減らすときで反映のタイミングが違うことです。公式ヘルプには、現在のサブスクリプションレベルを超えてシート数を増やすと、請求サイクルの残りの期間分として日割り計算された料金が直ちに請求されると書かれています。一方で減らす場合は、次回の請求サイクルが始まる前に削減を予約でき、削減は次回の請求サイクルの開始時に適用されてすぐには反映されないという記載です。社内では、増員は随時でよいが、減員は請求サイクルの前に手続きするという運用にしておきます。
4つ目は、メンバーを外してもシート数が減らないことです。公式ヘルプの記載は、ワークスペースからメンバーを削除すると、そのメンバーのシートは別のメンバーに割り当て可能になるが、サブスクリプションの有料シート数が自動的に減るわけではないという内容です。退職処理の手順には、メンバーの削除とシート数の変更を別の作業として2行に分けて書いておきます。
この4点目は、取りこぼしやすい条件です。退職者をワークスペースから削除した時点で費用も止まったと思い込み、翌月以降も同じ金額が請求され続けるという形です。人事の退職手続きのチェックリストに、シート数の減らし方まで書いておくのが確実です。
金額と、人数での試算
同じヘルプ記事の料金表は米ドルで表示されており、標準シートは月額プランで1ユーザーあたり月25ドル、年額プランで1ユーザーあたり月20ドル(年払い)です。プレミアムシートは月額プランで月125ドル、年額プランで月100ドル(年払い)とされています。プレミアムシートについては、公式の料金ページに標準シートの5倍の利用枠という説明があります。
人数で試算すると、負担の形が見えます。1ドル150円で計算した場合の目安として並べます。
| 標準シートの数 | 月額プラン(月25ドル) | 年額プラン(月20ドル・年払い) | 年額プランの年間合計 |
|---|---|---|---|
| 2シート | 月50ドル(約7,500円) | 月40ドル(約6,000円) | 480ドル(約72,000円) |
| 10シート | 月250ドル(約37,500円) | 月200ドル(約30,000円) | 2,400ドル(約360,000円) |
| 30シート | 月750ドル(約112,500円) | 月600ドル(約90,000円) | 7,200ドル(約1,080,000円) |
| 50シート | 月1,250ドル(約187,500円) | 月1,000ドル(約150,000円) | 12,000ドル(約1,800,000円) |
※金額は2026年9月18日に日本語のヘルプセンターで確認した米ドル表示の料金です。表示通貨は閲覧環境によって変わります。円の目安は1ドル150円で計算した場合の参考値で、実際の請求額は為替と決済日によって変わります。料金ページとヘルプ記事に税込か税別かの記載がないため、税を加えた計算はしていません。プレミアムシートの「標準シートの5倍の利用枠」は2026年9月15日に料金ページで確認した記載です。ChatGPT Enterpriseの金額は公式に公開されておらず、営業窓口への問い合わせとなります。
請求書払いが使えないという、稟議で詰まる条件
日本の会社の支払処理で引っかかりやすいのがここです。公式ヘルプには、請求書払い、銀行振込、電信送金、ACH、発注書、後払い条件は、セルフサービスのBusinessワークスペースでは利用できないと明記されています。支払いはクレジットカードおよびデビットカードに対応しているという記載です。
さらに、後から変更する道も閉じています。同じヘルプ記事には、サポートでは既存のセルフサービス型のChatGPT Businessワークスペースを請求書払いに変更することはできないと書かれています。つまり、請求書払いが必須の会社が、とりあえずカードで始めておいて後で切り替えるという進め方を選ぶと、ワークスペースを作り直すところからやり直しになります。
請求書払いが必要な場合の案内も明記されています。組織で請求書払いが必要な場合は、ChatGPT EnterpriseやChatGPT Educationなどの契約プランについて営業部に問い合わせること、問い合わせの際には組織名、想定されるシート数、希望する請求頻度、コンプライアンスまたはセキュリティに関する要件を伝えることという内容です。
最初に確認する1行:社内の経理に、法人カードで月額の海外決済ができるかを先に聞いてください。ここが不可なら、セルフサービスのBusinessは選択肢から外れ、営業窓口との契約プランか、請求書払いに対応した別の入口を検討する話になります。機能の比較から始めると、この確認が最後に回り、決まったはずの案が振り出しに戻ります。
法人プランの金額と条件の整理はChatGPT法人プランの料金、契約プランの側の条件はChatGPT Enterpriseをご覧ください。
入力してよい情報と、入れてはいけない情報の線引き
線引きは、禁止事項の列挙より、入れてよいものから書くほうが機能します。禁止だけを並べたルールは、現場で判断できない場面が増えて守られなくなります。次の4区分で、社内の情報を仕分けてください。
| 区分 | 具体例 | 運用の決めごと |
|---|---|---|
| そのまま入れてよい | 公開済みの自社サイトの文章、公表済みの製品情報、一般的な業界知識の質問、自分が書いた文章の推敲、公開されている法令や統計の読み解き | 特別な手続きは不要。使い方の例文を社内で共有する |
| 伏せれば入れてよい | 顧客名や個人名を記号に置き換えた議事録、取引先名を外した相談内容、桁を丸めた社内の数字、固有名詞を外した業務フロー | 置き換えの方法を統一する(A社・担当者1など)。置き換え漏れを確認する人を決める |
| 承認を得てから入れる | 未公表の決算数値、人事評価や処遇に関する情報、進行中の案件の資料、自社のシステム構成やソースコード | 承認者を役職で明記する(部門長と情報管理の担当者など)。承認の記録を残す |
| 入れない | マイナンバー、口座番号やクレジットカード番号、パスワードとAPIキー、従業員や顧客の健康に関する情報、第三者から受領した秘密保持義務のある資料 | 入れないものは短い言葉で覚えられる形にする。違反時の連絡先を1つにする |
4区分のうち、運用で効きやすいのは2番目です。入れてはいけないと言われた情報でも、名前と金額を伏せれば使える場面は多くあります。伏せ方を会社として統一しておくと、現場が自分で判断できるようになり、都度の確認が減ります。
第三者から受け取った資料は、契約の条文で決まる
取引先から受領した資料は、一律に禁止とするより、秘密保持契約の定めを確認する運用にしたほうが実務に合います。確認する点は、目的外利用の禁止の範囲、第三者への開示や提供の扱い、再委託の可否、そして電子的な保存や処理の制限です。AIに読ませる行為が第三者への提供に当たるかどうかは条文の書き方によって変わるため、迷った時点で法務か契約の担当に上げる、という一行をルールに入れておきます。
会計事務所や士業の場合は、ここに顧問先の情報という論点が加わります。顧問先から預かった決算データや個人番号を含む資料は、入れないの区分に置くのが基本です。そのうえで、委託先の管理として顧問先に説明できる材料を揃えておくと、こちらから先に説明できます。具体的には、使っているサービスの名前と提供元、データが学習に使われない設定になっている根拠のページ、履歴を誰が見られるか、保存期間、解約時の扱いの5点です。前の節に挙げた5つの質問と答えの出どころが、そのまま説明の材料になります。
A4一枚のルールに書く5項目
長い規程より、社員が読める1枚のほうが守られます。書く項目はこの5つで足ります。
- 使ってよい環境の名前会社が契約した入口を明記します。それ以外の環境に業務情報を入れないと書くほうが、サービス名を個別に禁止するより持ちます。
- 4区分の表この記事の表を自社の情報名に置き換えて載せます。例は自社の業務で実際に出てくるものにします。
- 出力を使うときの確認社外に出す文章・数字・固有名詞は一次資料で裏を取る、という1行を入れます。
- 困ったときの連絡先判断に迷ったとき、入れてはいけない情報を入れてしまったときの連絡先を1つにします。
- 見直しの周期プランや設定の条件は変わります。半年に1回、誰が確認して更新するかを書いておきます。
ルール文書の作り方の詳細は生成AIの社内ガイドラインの作り方、学習に使わせない設定の手順はChatGPTに学習させない設定で解説しています。
線引きは入口で変わる:同じ情報でも、個人向けプランに入れる場合と、会社が契約した法人向けの入口に入れる場合では前提が違います。法人向けの入口には既定で学習に使わない・入出力はユーザーに帰属するという記載がありますが、個人向けプランはそのページの対象に入っていません。線引きの表を作る前に、どの入口を会社の環境にするかを決めてください。順番が逆になると、ルールだけが宙に浮きます。
4つのAIを、1つの契約と1つの管理画面で
ChatGPTの提供元はOpenAIという会社です。会社で使うなら、どの入口で契約し、データをどう扱うかを決める必要があります。UPGEAR AIは、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で切り替えて使える法人向けAI基盤です。基盤はAWSの日本リージョンで稼働し、データの保管とログ管理は国内で行っています。管理者ダッシュボードで利用ログ・権限・モデルのON/OFFを管理できます。料金は月額30,000円(税抜)からで、ユーザーごとの課金はありません。人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名で、初期費用100,000円(税抜)が別途かかります。51名以上は目安の記載がないため要相談です。利用量の上限に近づくと、管理者宛に複数回メールでお知らせします。上限に達した時点で利用を停止する安全設計のため、知らないうちに超過して追加の請求が発生することはありません。お支払いはクレジットカード払いと、請求書による銀行振込(法人のみ)に対応しています。
UPGEAR AIの詳細を見るよくある質問
OpenAIとChatGPTの違いは何ですか?
OpenAIのサービスは無料で使えますか?
ChatGPTに入力してはいけない情報は何ですか?
OpenAIのデータを日本国内に置くことはできますか?
社員が個人で契約したプランを会社の業務に使わせてもよいですか?
まとめ
OpenAIは、AIの研究と実用化に取り組む米国の企業で、ChatGPTの提供元です。公式ページには、2015年に非営利団体として設立され、2019年に営利子会社を設けたこと、そして2025年10月28日に発表された体制として、非営利のOpenAI Foundationが営利のOpenAI Group PBCを統治することが記載されています。統治の仕組みは、Foundationが単独で持つ特別な投票権とガバナンス権により、Groupの取締役全員を任命し、いつでも交代させられるという形です。同社の発表によると、持ち分はFoundationが26%、Microsoftが約27%、残りの47%が現従業員・元従業員・投資家で、比率と人事権が一致しない設計になっています。
会社で使う側から見ると、押さえるべきなのは3点です。1点目は、入口によって前提が変わること。法人向けの入口は既定でデータをモデルの学習に使わず、入出力はユーザーに帰属し、削除した会話は例外を除き30日以内に消去されると公式ページに記載されていますが、無料・Go・Plus・Proという個人向けプランはそのページの対象に入っていません。2点目は、請求の仕組みが運用に直結すること。ChatGPT Businessはワークスペースごとに2シート以上が必要で、割り当てていないシートも請求サイクルの開始時に課金され、メンバーを外してもシート数は自動では減りません。セルフサービスの契約では請求書払いや銀行振込が使えず、後から請求書払いに変更することもできないと明記されています。3点目は、データの所在地の話で、APIの対応表では日本は保存のみが可で処理は対象外です。
やることの順番は、契約主体を決める、対象者を決める、入力してよい情報を4区分で線引きする、停止と棚卸しの手順を決める、相談窓口を決める、の5つです。この順に決めておけば、モデル名や機能名が入れ替わっても、社内のルールは作り直さずに済みます。
法人のAI活用に関する他の記事はAI活用コラム一覧をご覧ください。個人アカウントでの利用が広がっている場合の対処は野良AI(シャドーAI)、社内ルールの整備は生成AIの社内ガイドラインの作り方が参考になります。
