Google AI Plus・Pro・Ultraのどれを会社で許すか。料金と業務別の判定

Google AI Plusとは、Googleが個人向けに提供する有料のAIプランのうち最も安い段で、2026年9月18日時点のGoogle Oneの料金ページでは月額725円・400 GBのストレージ付きと表示されています。結論から言うと、公開情報の下調べや文章の手直しを1人で使う程度ならPlus、長い資料をまとめて読ませるならPro、特定の1人が上限に何度も達する研究・制作用途ならUltraの5xで、Ultraの20xが要る場面は限られます。ただし、顧客情報・契約書・人事や会計のデータなど会社の業務データを入力するなら、Plus・Pro・Ultraのどれでもなく、会社として契約するAIを使うのが筋です。この記事は、社員から「Google AI Plus(またはUltra)を使いたい」「経費で落としたい」と言われたときに、どのプランまで許すかを決めるための判断材料をまとめたものです。

Google AI Pro単体の定義・特典の一覧・学習設定・Workspace版やGemini Enterpriseとの違い・経費精算の確認項目は、親記事のGoogle AI Proとは?料金・できることと会社で使う前の注意点で詳しく扱っています。全体像はそちらに任せ、この記事ではPlus・Pro・Ultraの3段を横に並べて、会社としてどこに線を引くかに絞ります。

結論|Plus・Pro・Ultraの選び方と、会社契約に切り替える境目

判断の軸は2つだけです。1つ目は、その社員がAIをどれだけの量使うか。2つ目は、AIに何を入力するかです。量でPlus・Pro・Ultraが決まり、入力する情報で個人プランのままでよいか、会社契約に切り替えるべきかが決まります。順番としては、入力する情報を先に確かめてください。入力する情報が会社の業務データであれば、量の議論をする前に個人プランは候補から外れます。

3行でまとめると
・公開情報の調べものや、社外秘を含まない文章の手直しを1人で使う程度なら、Google AI Plus(月額725円)で足りることが多い
・公開済みの長い資料や大量のファイルをまとめて読ませる、上限に頻繁に当たる、という人はGoogle AI Pro(月額2,900円)
・Ultra(5xは月額14,500円、20xは月額32,000円)は、特定の1人が研究や制作でProの上限を何度も超える場合の例外。会社の業務データを入れるなら、どのプランでもなく会社契約へ

※料金は、2026年9月18日時点でGoogle Oneの料金ページ(one.google.com)に表示されている金額です。税込・税別の記載はありません。この記事では税を足さず、表示価格のまま計算しています。

3つのプランの位置づけ

Googleの個人向けAIプランは、無料版の上にPlus・Pro・Ultraの3段が重なる構成です。Ultraはさらに5xと20xの2種類に分かれているため、実際に選ぶ候補は4つになります。料金ページは、Gemini の使用量上限をPlusで無料版の2倍、Proで無料版の4倍、Ultra 5xでProの5倍、Ultra 20xでProの20倍と表示しています。つまり、段が上がるごとに使える量が増え、あわせてストレージの容量、画像や動画を作るFlowのクレジット、付帯特典の範囲が広がります。

一方で、どの段を選んでも変わらないことがあります。4つとも個人のGoogleアカウントで申し込むプランで、会社のGoogle Workspaceアカウントでは契約できません。上の段を選んでも、会社が管理できるプランになるわけではない点を最初に押さえておくと、この後の判断がぶれません。

Google AI Plus・Pro・Ultraの料金と容量

料金は段ごとにおよそ4倍、5倍、2.2倍と開いていき、PlusとUltra 20xでは約44倍の差になります。2026年9月18日時点の料金ページの表示を並べると次のとおりです。

プラン月額(表示どおり)ストレージGemini の使用量上限(料金ページの表示)Flowクレジット(月)
Google AI Plus725円400 GB無料版の2倍200
Google AI Pro2,900円5 TB無料版の4倍1,000
Google AI Ultra 5x14,500円20 TBProの5倍10,000
Google AI Ultra 20x32,000円30 TBProの20倍25,000

※2026年9月18日時点でGoogle Oneの料金ページ(https://one.google.com/about/google-ai-plans/)に表示されている金額・容量です。税込・税別の記載はありません。使用量上限の倍率は、料金ページの比較表の表記(Plus・Proは「AI サブスクリプション未登録の場合と比較」)をそのまま転記しています。料金ページの見出しでは、Ultraは「月額 ¥14,500~」「20 TB~」と表示されています。

Plusの月額料金とストレージ容量

Plusは月額725円で、料金ページでは400 GBのストレージが付くと表示されています。Google AI Plusの提供開始当時の記事や、公開日の古い解説記事には別の金額や容量が書かれていることがありますが、この記事では2026年9月18日時点の料金ページの表示だけを使っています。

注意したいのは、ヘルプ「Google AI Plus メンバーシップを取得する」には「400 GB または 2 TB のストレージもご利用いただけます」とある点です。料金ページに表示されているのは400 GBの段だけで、2 TBの段の月額は料金ページで確認できません。社員が2 TBのPlusを契約していると言ってきた場合は、この記事の金額表とは別に、本人の請求画面で実際の月額を確かめてください。

ストレージは、Googleドライブ・Gmail・Googleフォトで共通に使う容量です。会社の目線では、400 GBが付くこと自体は判断材料になりにくい一方で、「個人のドライブに業務ファイルを置ける容量が増える」という面があります。業務データを個人のドライブへ移す動機になりうるため、容量が増えることはむしろ管理上の注意点として見ておくほうが安全です。

月単位・年単位のメンバーシップと初回割引の扱い

ヘルプには「Google AI Plus では、月単位または年単位のメンバーシップ プランを選択できます」と書かれています。ただし、料金ページには年単位の金額が表示されていないため、この記事では年単位の金額を書いていません。人数別の年額(後述)は、月額の表示価格×12か月で計算した参考値です。年単位で契約する社員がいる場合は、申込画面に出る年額を本人に確認してもらってください。

初回の割引やキャンペーンについては、提供開始時に案内された割引や、期間を区切った特典が報じられてきました。こうした特典は時期によって入れ替わるため、この記事では現在の有無を断定しません。割引が出ているかどうかは、申し込む時点の料金ページと申込画面で確かめてください。経費の判断では、割引後の金額ではなく、割引が終わった後の通常の月額で考えておくと、翌年の予算で慌てずに済みます。なお、料金ページには学生向けに「Google AI Plus を 1 年間無料で利用」という案内もありますが、会社の経費とは関係しないため、ここでは扱いません。

旧プラン名からの変遷(AIプレミアムからPlusへ)

料金ページのよくある質問には、「Google AI プレミアム プランは、Google AI Plus に名称が変更されました」と書かれています。社員が以前から契約しているプランの名前が請求明細や申請書で古い名称のままになっていることがあるため、名前の違いだけで別の契約だと判断しないようにしてください。

過去の解説記事では、Gemini Advanced、Google One プレミアムといった名前がプラン名として使われていることもあります。これらと現在のプランの対応関係は、料金ページのよくある質問に書かれている上記の一文以外、公式の記載で確かめられた範囲がありません。経費精算の場面では、名前で判断せず、請求の金額と契約中のプラン名を本人のGoogle One画面で確認してもらってください。

Plus・Pro・Ultraで何が違うか

違いは、使える量・一度に読ませられる量・生成のクレジット・付帯特典の4点で、使えるモデルの種類そのものは無料版から大きくは変わりません。Geminiアプリのヘルプ「Gemini アプリのプラン別の違い」(2026年9月16日確認)では、Gemini 3 Flash-lite・Gemini 3 Flash・Gemini 3 Proは、AIプランなし・Plus・Pro・Ultraのすべてで使える扱いになっており、差は使用量に置かれています。

無料版との違い

無料版とPlusの違いは、主に使用量上限と一部の機能です。Geminiアプリのヘルプでは、Canvas・Gem・Deep Research・音声解説・スライドの生成・画像生成などは、AIプランなしでも使える機能として表示されています。一方、今日のまとめ、Nano Banana Proでの画像の再生成、動画生成、時間指定アクションは、AIプランなしでは使えず、Plus以上で使える機能として表示されています。

もう1つの違いは、需要が高い時間帯の扱いです。同じヘルプには、AIプランなしのユーザーは需要が高い期間にDeep Researchなど一部の機能を使えないことがあり、上限の変更も先に適用されることがある、という趣旨の記載があります。業務で使う日や時間が決まっている人ほど、無料版では使いたいときに使えない場面が起きやすいと考えてください。

ただし、会社から見れば、無料版とPlusのどちらも個人のGoogleアカウントで使うAIである点は同じです。有料にしたからといって、会社が設定や履歴を管理できるようになるわけではありません。無料版から有料版に上げるかどうかは、量の問題として扱い、データの扱いの問題とは分けて考えてください。

Plusで使える機能(Gemini 3.1 Pro・Deep Research・Gemini Notebook・Flow・Gmailとの統合)

料金ページのPlusの説明には、「Gemini 3.1 Pro と Gemini の Deep Research へのアクセスの拡大」と、「Gmail での校正に役立つ Google アプリに統合された Gemini」が挙げられています。比較表では、GoogleのProモデル、ファイルのアップロードサイズ、音楽生成のLyria 3.5、Gemini Notebookの使用制限、Flowの使用制限などが、Plusで「追加」、Proで「拡張」、Ultra 5xで「上位」、Ultra 20xで「最上位」という4段階で表されています。Deep Researchの行はこれと異なり、4つのプランすべてに利用可能の印が付いています。

Gemini Notebookは、資料を読み込ませて要約や質問への回答をさせるツールで、公式のよくある質問では「2026 年 7 月より、NotebookLM は Gemini Notebook になります」と案内されています。プランのページ(notebook.google)では、ノートブックあたりのソースの上限が無料で最大50件、Plusで100件、Proで300件、Ultraで最大600件と表示されています。

画像・動画・音楽の生成では、Flowのクレジットが毎月200付与され、Flow Musicのクレジットは3,000と表示されています。Google AI Studio・Antigravity・Julesといった開発者向けの道具は、Plusでは「制限付き」の扱いです。Gmailとの統合は、あくまで契約した個人アカウントのGmailやGoogleアプリでの話で、会社のWorkspaceのGmailに入るわけではない点に注意してください。

なお、ヘルプ「Google AI Plus メンバーシップを取得する」では、Deep Research・Gemini in Gmail・Flowなどは18歳以上が対象の機能として案内されています。

PlusとProの違い

PlusとProの差は、使える量が2倍、ストレージが12.5倍、Flowクレジットが5倍で、料金は4倍です。料金ページの表示では、Gemini の使用量上限がPlusは無料版の2倍、Proは無料版の4倍なので、ProはPlusのちょうど2倍の量を使える計算になります。ストレージは400 GBと5 TB、Flowクレジットは200と1,000です。

機能の面では、Proの説明に「Google ドキュメントや Google スプレッドシートでのスマートな作業」が明記され、Plusの説明にはこの記載がありません。Gemini Spark(料金ページでは一部の国で提供と表示)もPro以上の欄にだけあり、Plusの欄にはありません。付帯特典も異なり、ProにはYouTube Premium Lite、Google Home Premium Standard、Google Health Premiumが付くと表示されています。

会社の判断としては、Proに上げる理由が「量が足りない」か「長い資料を一度に読ませたい」のどちらかであれば、申請の理由として筋が通ります。付帯特典やストレージが理由であれば、それは業務上の必要ではないと判断してよいでしょう。

コンテキストウィンドウの差(Plusは12万8千トークン、Pro以上は100万トークン)

一度に読ませられる量の上限は、Plusが12万8千トークン、Pro以上が100万トークンで、この差がPlusとProを分ける実務上の境目になりやすい点です。コンテキストウィンドウとは、AIが1回の会話で同時に扱える文章の量のことで、トークンはAIが文章を数える単位です。Geminiアプリのヘルプでは、AIプランなしが32,000トークン、Plusが128,000トークン、ProとUltraが100万トークンと表示され、100万トークンは「最大 1,500 ページのテキストまたは 3 万行のコード」に相当すると説明されています。

料金ページの比較表でも、コンテキストウィンドウ100万トークンはPro・Ultra 5x・Ultra 20xの3列に表示され、Plusの列は空欄です。数十ページの資料を1つずつ読ませる程度ならPlusで収まることが多い一方、数百ページの報告書や複数の資料を束ねて比べる作業はProが前提になります。ただし、それだけの量の資料を個人のアカウントに読ませてよいかは、次の章で扱う入力情報の判断が先です。

Ultraとの比較(Pro・Ultra 5x・Ultra 20x)

Ultraは、使える量でProの5倍または20倍、ストレージで20 TBまたは30 TBを持つ最上位の段で、機能の面ではDeep Thinkが加わります。料金ページでは、Deep Think推論モードへの優先的なアクセスはUltraの欄にだけ書かれており、比較表でもDeep ThinkはUltra 5x・Ultra 20xの両方で利用可能、Plus・Proでは利用不可と表示されています。

ほかに、Gemini Notebookのノートブックのサイズは、Plusが「大きい」、Proが「さらに大きい」、Ultraが「最も大きい」と表示されています。Flow Musicのクレジットは、Ultraが5x・20xともに30,000です。付帯特典は、YouTube Premiumが個人プランに、Google Home PremiumがAdvancedに上がり、Google Health Premiumも含まれます。開発者向けのGoogle Developer ProgramのGoogle Cloudクレジットは、Proの毎月$10に対し、Ultraは5xで毎月$40、20xで毎月$100と表示されています。

料金はProの5倍(5x)と約11倍(20x)です。量が5倍になるUltra 5xは、1人の社員にPro 5人分の量を持たせる契約と考えると、会社にとっての重さが分かりやすくなります。Ultraの2つの段の違いと選び方は、後の章で詳しく扱います。

Flowクレジットの月間付与数

Flowクレジットは、Googleの画像・動画生成ツールFlowで生成するたびに消費される単位で、月ごとの付与数はPlus 200、Pro 1,000、Ultra 5x 10,000、Ultra 20x 25,000です。Flow Musicのクレジットは別枠で、Plus 3,000、Pro 10,000、Ultra 5x・20xはともに30,000と表示されています。

Plusの200とUltra 20xの25,000では125倍の差があり、料金の差(約44倍)よりも開いています。動画の試作を日常的に回す部署であれば、Flowクレジットの差がプランを分ける理由になりえます。一方、生成物をそのまま広告や販促物に使う場合は、プランの選択とは別に、利用規約や社内の確認手順を整える必要があります。どの生成物を社外に出してよいかは、プランを上げても自動的には決まりません。

利用上限の考え方|倍率・5時間ごとのリセット・週単位の上限

Geminiの利用上限は、回数ではなく計算量で決まり、5時間ごとにリセットされながら週単位の上限にも縛られる仕組みです。Geminiのサブスクリプションのページ(gemini.google/jp)には「使用量上限は、週単位の上限に達するまで 5 時間ごとにリセットされます」と書かれています。Geminiアプリのヘルプには「2026 年 5 月 17 日より、Gemini アプリの使用量上限が変更されます」という通知があり、上限は計算量に基づく方式になっています。

このため、「Plusなら1日何回」「Proなら1日何回」という回数は、公式の料金ページでは示されていません。解説記事の中には1日あたりの回数を具体的に書いているものもありますが、この記事では公式に示されていない回数は採用していません。重い質問(長い資料の読み込み、Deep Research、画像や動画の生成)ほど計算量を多く使い、上限に早く近づくと考えるのが実態に合います。

倍率を価格で割ると見えること

料金ページの倍率を月額で割ると、無料版1倍分の量あたりの価格は、Plusが約363円、Proが725円、Ultra 5xが725円、Ultra 20xが400円になります。Plusは無料版の2倍で725円、Proは4倍で2,900円、Ultra 5xはProの5倍(無料版の20倍)で14,500円、Ultra 20xはProの20倍(無料版の80倍)で32,000円、という料金ページの表示から計算した値です。

プラン月額無料版を1とした量(料金ページの倍率から換算)1あたりの月額
Plus725円2約363円
Pro2,900円4725円
Ultra 5x14,500円20725円
Ultra 20x32,000円80400円

※倍率は計算量の上限の比で、回数や作業量に比例するとは限りません。Ultra 5xの倍率は、Geminiアプリのヘルプでは「AI Pro の上限の 4 倍または 20 倍」と書かれており、4倍(無料版の16倍)で計算すると1あたり約906円になります。記載の違いは後の章の表にまとめています。

この計算から読み取れるのは、ProとUltra 5xの間には量あたりの割安さがほとんどない(料金ページの倍率どおりなら同じ)ということです。Ultra 5xに上げる理由は、量を安く買うことではなく、Deep Thinkや大きなFlowクレジットなど、Ultraにしかない機能を使うことにあります。反対に、Ultra 20xは量あたりでは安くなりますが、1人で無料版の80倍を使い切る社員がいるかどうかが前提で、使い切れなければ割安さは生まれません。

上限に達したときに会社側が取れる手段

上限に達したときの選択肢は、待つ、軽いモデルで続ける、プランを上げる、会社契約のAIに切り替える、の4つです。Geminiアプリのヘルプには、Google AIサブスクリプションの利用者は上限に達してもFlash-Liteで会話を続けられる、という趣旨の記載があります。5時間ごとのリセットを待てば、週単位の上限に達していない限り、元のモデルに戻れます。

社員が「上限に当たるからUltraにしたい」と申請してきた場合は、まず上限に当たった頻度と、当たったときにどの作業をしていたかを聞いてください。週に1回程度であれば、作業を分ける、重い処理を別の時間帯に回す、といった工夫で足りることがあります。毎日のように当たり、しかも作業の中身が会社の業務データを含むものであれば、個人プランを上げるのではなく、会社契約のAIで扱う作業だと判断する材料になります。

個人のGoogleアカウント専用|Workspaceの会社アカウントでは申し込めない

Plus・Pro・Ultraはすべて個人のGoogleアカウント向けのプランで、会社のGoogle Workspaceアカウントでは申し込めません。料金ページのよくある質問は、Workspaceを利用しているがGoogle AIのプランに申し込めるかという問いに対して、「Google AI のプランにお申し込みいただけるのは、個人の Google アカウントのみ」と答え、Workspaceの利用者には既存のサブスクリプションに対するGeminiアドオンへの申し込みを案内しています。ヘルプ「Google AI Plus メンバーシップを取得する」でも、個人のGoogleアカウントでログインする必要があると書かれています。

料金ページにはさらに、「ビジネス アカウントや仕事用アカウントのための AI ソリューションをお探しですか?Gemini Enterprise app をお試しください」という案内があります。Google自身が、仕事用には別の選択肢を用意しているという立て付けです。Gemini Enterpriseの料金とプランの構成はGemini Enterpriseの料金で整理しています。

業務で使ってよいか(個人プランの業務利用の是非)

個人プランの業務利用は、入力する情報が公開情報に限られ、会社のファイルを個人のアカウントに置かないという条件を守れる範囲でなら、許す余地があります。反対に、その条件を守れない使い方であれば、どの段のプランであっても許さないほうが安全です。

理由は、個人プランでは、履歴の保存期間や学習への利用の設定を本人が決め、会社からは見えないためです。Geminiアプリのプライバシー ハブには、人間のレビュアーが収集したデータの一部をレビューすることがあるとして、見られたくない機密情報は入力しないよう求める記載があります。これはプランを上げても変わりません。設定の詳細と、Workspace版とのデータの扱いの違いは、親記事で比較しています。

もう1つの理由は、契約と履歴が本人に残ることです。社員が退職しても、個人のアカウントとそこに残ったチャットやファイルは本人のものです。会社がアカウントを止めることも、中身を引き取ることもできません。社員に個人で契約したAIを業務で使わせている状態が広がると、いわゆる野良AI(会社が把握していないAI利用)になります。その考え方と対策は野良AIの対策で解説しています。

同じ価格帯で比べる:PlusとWorkspace Business Starter

Plusの月額725円は、Google Workspaceの最も安いBusiness Starter(年間プランで1ユーザーあたり月額800円・税別)とほぼ同じ価格帯です。同じくらいの金額を払うなら、会社が契約して管理できるほうを選ぶ、という判断がしやすくなります。

比べる点Google AI PlusWorkspace Business Starter
表示価格月額725円(税込・税別の記載なし)年間プランで月額800円(税別)、年間プランでない場合は月額950円(税別)
契約するのは社員個人(個人のGoogleアカウント)会社(ユーザーごとに会社のアカウントを発行)
AIの機能(料金ページの記載)Gemini 3.1 ProとDeep Researchのアクセス拡大、Gmailなどに統合されたGemini、Flowクレジット200「Gmail の Gemini AI アシスタント」「Gemini アプリで AI とチャット」
データの扱い個人アカウントの設定に従う。設定は本人が決めるWorkspaceの生成AIのプライバシー ハブの記載が適用される
退職したときアカウントと履歴は本人に残る会社のアカウントなので会社が扱いを決められる
人数1人ずつ個別に契約Starter・Standard・Plusは最大300ユーザー

※Workspaceの料金は、2026年9月17日にGoogle Workspaceの料金ページ(https://workspace.google.com/pricing?hl=ja)で確認した通常価格です。同ページには新規向けの期間限定の割引表示もありますが、ここでは通常価格で比べています。

Workspaceの生成AIに関するプライバシー ハブ(最終更新2026年8月14日)には、お客様のコンテンツは「人間によってレビューされることも、許可なくお客様のドメイン外で生成 AI モデルのトレーニングに使用されることもありません」と書かれています。Plusの料金ページやヘルプには、これに相当する会社向けの約束は書かれていません。

ただし、2つは機能が同じではありません。Plusには資料作成や画像・動画生成に使えるFlowのクレジットや、Deep Researchの拡大が付き、Starterの料金ページの説明はGmailとGeminiアプリでのAIに絞られています。ドキュメントやスプレッドシートの中でGeminiを使いたい場合、料金ページではBusiness Standard(年間プランで月額1,600円・税別)の説明に「Gmail、Google ドキュメント、Google Meet などの Gemini AI アシスタント」とあります。会社で必要な機能がStarterで足りるかは、使いたい作業を具体的に挙げて照らし合わせてください。

会社のアカウントで申し込めないなら、会社用は別に用意する

個人向けのGoogle AIプランは、仕事用のアカウントでは申し込めません。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。

業務別の判定表|入力する情報でプランを分ける

どのプランを許すかは、部署名ではなく、その人がAIに入力する情報と作業の量で決めると、判断がぶれません。次の表は、料金ページの利用枠と機能の範囲をもとに作った目安で、Googleの公式な分類ではありません。

業務の例入力する情報量の目安当てるプラン
業界動向・公開情報の下調べ、一般的な文章の言い換え公開情報のみ1日に数回Plus(個人プランを許すならここまで)
公開済みの法令・規格・白書など長い資料の読み込みと要約公開情報のみ数百ページを一度にPro(100万トークンが必要)
販促物の画像・動画の試作(公開前の商品情報を含まない)公開情報・一般的な題材毎月の試作が多いPro、Flowクレジットが足りなければUltra 5xを例外申請
研究開発で難しい検討を長時間回す公開済みの論文・データProの上限に頻繁に当たるUltra 5x(Deep Thinkの要否を確認して例外申請)
上記で、Ultra 5xの上限にも繰り返し当たる公開済みの論文・データUltra 5xでも不足Ultra 20x(期間を区切った例外。見直し前提)
見積書・提案書・議事録の作成取引先名・価格・社内の検討内容量を問わない会社契約(個人プランは不可)
経理・給与・人事評価の集計や文書作成会計データ・個人情報量を問わない会社契約(個人プランは不可)
顧客対応の文面・問い合わせの要約顧客の氏名・連絡先・相談内容量を問わない会社契約(個人プランは不可)
社内の複数人で同じ資料を使い回す作業社内資料量を問わない会社契約(個人アカウントでは共有と退職時の扱いが管理できない)

※この表は、2026年9月18日時点の料金ページの利用枠・機能の表示から作った目安です。Googleの公式の分類ではありません。

表の上半分と下半分で、判断の仕方が切り替わる点に注目してください。上半分は公開情報しか入力しない作業で、プランの段は量で決まります。下半分は会社の業務データを入力する作業で、量に関係なく会社契約が必要になります。「上限に当たるからProにしたい」という申請の中身を聞くと、見積書や議事録など下半分の作業だった、ということも起こりえます。量の相談が来たときほど、何を入力しているかを先に確かめてください。

誰に向くかをまとめると、Plusが向くのは公開情報の範囲で調べものと文章の手直しをする人、Proが向くのは長い公開資料をまとめて読ませる人、Ultraが向くのはProの上限を超える研究・制作を担う少数の人です。一方、Plusを経費で持たせても問題が解決しないのは、業務データを扱う作業をAIでしたい人で、この人たちに必要なのは上の段のプランではなく会社契約のAIです。

社員10〜200人に配った場合の年額

Plusを200人に配る年額と、Proを50人、Ultra 5xを10人に配る年額は、いずれも174万円で同じになります。個人プランを経費で認める範囲を広げたときの総額を、表示価格×人数×12か月で計算しました。

人数Plus(月額725円)Pro(月額2,900円)Ultra 5x(月額14,500円)Ultra 20x(月額32,000円)参考:Workspace Business Starter(月額800円・税別)
1人8,700円34,800円174,000円384,000円9,600円
10人87,000円348,000円1,740,000円3,840,000円96,000円
30人261,000円1,044,000円5,220,000円11,520,000円288,000円
50人435,000円1,740,000円8,700,000円19,200,000円480,000円
100人870,000円3,480,000円17,400,000円38,400,000円960,000円
200人1,740,000円6,960,000円34,800,000円76,800,000円1,920,000円

※Google AIのプランは、2026年9月18日時点でGoogle Oneの料金ページに表示されている月額×人数×12か月で計算しています。税込・税別の記載がないため、税は足さず表示価格で計算しています。年単位のメンバーシップの金額は料金ページに表示がないため反映していません。Workspace Business Starterは2026年9月17日に確認した年間プランの通常価格(税別)×人数×12か月で、比較の参考として載せています。

表から読み取れることは3つあります。1つ目は、Ultraの重さです。Ultra 5xを1人に配る年額17万4,000円は、Plusを20人に配る年額と同じです。Ultra 20xを1人に配る年額38万4,000円は、Plusなら約44人分に当たります。1人のためのUltraを認めるかどうかは、20人分・約44人分のPlusと同じ重さの判断だと考えてください。

2つ目は、PlusとWorkspace Business Starterの差の小ささです。30人で比べると、Plusは26万1,000円、Starterは28万8,000円(税別)で、年間の差は2万7,000円です。個人プランは会社の管理下に入らないことを考えると、この差で会社管理の契約が選べるなら、Starterのほうが筋のよい選択肢になりやすいと言えます。

3つ目は、個人プランの総額は人数に比例して増え続けることです。社員が50人を超えてProを配る話になると、年額は174万円を超えます。この段階では、個人プランを並べる前に、会社で契約して管理できるAIの見積もりを取り、同じ表に並べて比べるのが順序です。法人向けのAIサービスの料金は法人向け生成AIの料金比較で横に並べています。

Ultra 5xとUltra 20xの選び分け

Ultra 20xは、Ultra 5xの約2.2倍の料金で使える量が4倍になる段ですが、会社として20xを選ぶ理由があるのは、特定の1人が5xの上限に繰り返し達している場合に限られます。料金ページの表示で2つを並べると、違いは次の4点です。

  • 月額:14,500円と32,000円(約2.2倍)
  • 使用量上限:Proの5倍とProの20倍(4倍。Geminiアプリのヘルプの記載では4倍と20倍で5倍)
  • Flowクレジット:10,000と25,000(2.5倍)。Flow Musicは両方とも30,000
  • ストレージ:20 TBと30 TB(1.5倍)

モデルの段(料金ページの表記では「上位」と「最上位」)には違いがあります。Deep Thinkは料金ページの比較表では5x・20xの両方で利用可能と表示されていますが、ヘルプ「Google AI Ultra の特典を利用する」には「対象となる Google AI Ultra プランの場合」という条件が付いているため、Deep Thinkを目的にUltraを申請する社員がいる場合は、申込前に画面で確かめてもらってください。

選び分けの手順は単純です。まずUltra 5xで始め、1〜2か月の間に上限に達した回数と、そのとき行っていた作業を記録してもらいます。5xの上限に毎週のように達し、その作業が公開情報だけで完結するものであれば、20xへの切り替えを検討します。量あたりの価格は20xのほうが安くなりますが、使い切れなければ月1万7,500円の差額を払うだけになります。

もう1つの見方として、1人に20xを持たせる代わりに、5xを2人に持たせても月額は29,000円で、20xの32,000円より安くなります。ただし使える量は2人合わせてもProの10倍で、20xの半分です。作業を2人で分けられるのか、1人に集中させるしかないのかで、選ぶ段は変わります。

Ultraに含まれる機能のうち米国のみのもの

料金ページでUltraに含まれるとされる機能の中には、「米国のみ」と注記されたものがあります。日本の会社が月額を払っても、日本では使えない部分があるということです。2026年9月18日時点で料金ページに米国のみと注記されていた主な機能は次のとおりで、Ultraだけのものと、Plus・Proにも含まれるものがあります。

  • Gemini Agent(米国のみ・英語のみ。Ultraの説明に記載)
  • AI を使った通話機能でお店に問い合わせる機能(米国のみ。Ultraの説明に記載)
  • Gmail の受信トレイで AI による概要をリクエストする機能(米国のみ。Pro・Ultraの説明に記載)
  • Deep Search と Chrome の自動ブラウジング(米国にお住まいの Pro・Ultra のユーザーが対象)
  • Gmail の AI 受信トレイ(米国の Plus・Pro・Ultra のユーザーが対象)
  • Google フォトのリミックスの生成回数アップ等(米国のみ。Pro・Ultraの説明に記載)

Ultraを申請する社員がこれらの機能を理由に挙げている場合は、日本で使えるかどうかを申込前に確かめる必要があります。海外の記事や動画でUltraの機能として紹介されているものの中には、米国だけで提供されているものが含まれていることがあります。申請書には、使いたい機能の名前と、それが日本で使えることを確かめた日付を書いてもらうと、あとで食い違いが起きにくくなります。

Ultraの付帯特典は私的な特典も含む

Ultraの月額には、YouTube Premium個人プラン(提供状況は国によって異なると表示)、Google Home Premium Advanced、Google Health Premium(料金ページでは月額1,000円相当と表示)が含まれています。いずれも業務とは関係の薄い、個人の生活で使う特典です。

会社がUltraの月額を全額負担すると、社員の私的な特典の分まで会社が払う形になります。経費の扱いをどうするかは各社の規程と税理士の判断によりますが、少なくとも申請の段階で、特典が含まれていることを本人と会社の双方が把握しておくべきです。Proの特典の扱いは親記事で扱っているため、ここではUltraの特典のほうが範囲が広い点だけを押さえておいてください。

公式ページ間の記載差と確かめ方

Googleの公式ページどうしでも、同じ項目について書き方が異なる箇所があります。どれが正しいかを決めつけず、申請の判断では出典のページ名と確認日を残しておくのが実務的です。この記事の作成にあたって確認した記載の違いを、確認日つきでまとめます。

項目ページA(確認日)ページB(確認日)
Ultra 5xの使用量上限Google Oneの料金ページ:「Pro プランの 5 倍」。ヘルプ「Google AI Ultra の特典を利用する」:Google AI Proプランと比較して「5 倍または 20 倍」(いずれも2026年9月18日)Geminiアプリのヘルプ「Gemini アプリのプラン別の違い」:「AI Pro の上限の 4 倍または 20 倍」(2026年9月16日)
PlusのストレージGoogle Oneの料金ページ:400 GBのみ表示(2026年9月18日)ヘルプ「Google AI Plus メンバーシップを取得する」:「400 GB または 2 TB」(2026年9月18日)
Gemini Notebookの生成量(Pro)notebook.googleのプランのページ:標準プランの5倍の生成回数(2026年9月16日)Gemini Notebookのヘルプ(使用量上限):標準の4倍(2026年9月16日)
利用できる年齢Geminiアプリのヘルプ:ほとんどの国で13歳(またはお住まいの国の該当する年齢)以上(2026年9月16日)gemini.google/jpのサブスクリプションのページ:Google AI Proプランは18歳以上(2026年9月16日)。Google Oneの料金ページのよくある質問:Google AI プランの Gemini アプリ、Gemini in Gmail などは18歳以上(2026年9月18日)。ヘルプ「Google AI Plus メンバーシップを取得する」:Deep Research・Gemini in Gmail・Flowなどは18歳以上(2026年9月18日)

※記載は各ページの2026年9月16日または18日時点の表示です。公式ページは予告なく更新されることがあります。

記載が分かれている項目については、申請の可否を倍率や容量の細かな差で決めないのが安全です。とくにUltra 5xの倍率は、料金ページどおりならProの5倍、Geminiアプリのヘルプどおりなら4倍で、量あたりの価格の見え方も変わります。社内の資料に倍率を書く場合は、どのページのどの記載を使ったかを添えておくと、後で問い合わせを受けたときに説明できます。

提供国・地域と年齢制限の確かめ方

提供国・地域の一覧は、ヘルプ「Google AI Plus メンバーシップを取得する」「Google AI Ultra メンバーシップを取得する」などのページに掲載されています。一覧は更新されることがあるため、この記事では国や地域の数を書いていません。海外拠点の社員や出張の多い社員が申し込む場合は、その時点のヘルプで対象の国が含まれているかを確かめてください。

年齢については、上の表のとおりページによって書き方が異なります。会社の従業員であれば通常は問題になりにくい項目ですが、18歳未満のアルバイトやインターンが含まれる職場では、Deep ResearchやFlowなど18歳以上が対象と書かれた機能を業務の前提にしないようにしてください。

社内で許可するプランの上限と例外申請の決め方

社内のルールは、個人プランを認める上限の段を1つ決め、それを超える申請だけを例外として個別に審査する形にすると運用しやすくなります。社員ごとに毎回ゼロから判断していると、許可の基準が人によってばらつき、同じ部署の中でPlusの人とUltraの人が混在する状態になりがちです。

上限の段の決め方は、会社の方針によって3つの型があります。

  • 型1:個人プランは経費で認めない。AIは会社契約のものだけを使う
  • 型2:Plusまでは経費で認める。ただし入力は公開情報に限る
  • 型3:Proまでは経費で認める。ただし入力は公開情報に限り、Proの理由(長い資料・上限到達)を申請書に書く

どの型でも、Ultraは例外申請の対象にし、期間を区切って許可するのが無難です。Ultra 5xの1人分の年額は、前の章の表のとおりPlusの20人分に当たるため、部署の判断だけで決めず、費用を承認する立場の人が目を通す流れにしておくことをおすすめします。

例外申請の書式には、少なくとも次の項目を入れてください。

  • 申請するプランと期間Ultra 5xかUltra 20xか。3か月など期間を区切り、期間が終わったら見直す
  • 使う作業と入力する情報作業の名前と、入力する情報が公開情報だけであることの確認。業務データを含むなら個人プランでは不可
  • 下の段では足りない理由上限に達した回数と、そのときの作業。Deep ThinkやFlowクレジットなど、上の段にしかない機能が必要なら機能名
  • 日本で使えることの確認使いたい機能が米国のみと注記されていないか。確かめた日付
  • 付帯特典の扱いYouTube Premiumなど私的な特典が含まれることを本人が理解しているか。会社の負担範囲
  • 会社契約で代わりにならない理由会社で契約しているAIがある場合、それでは足りない理由

許可したプランは一覧にして、半年に1回など決まった時期に棚卸ししてください。棚卸しでは、誰が・どのプランを・いつから契約し、会社がいくら負担しているかを確かめ、上限に達していない人は下の段に戻します。社内のAI利用のルール全体の作り方は生成AIの社内ガイドラインの作り方で解説しています。

ファミリー共有(最大5人)を会社負担で使わせない

料金ページでは、Plus・Pro・UltraのいずれもFamily Sharingで最大5人と共有できると表示されています。ファミリー共有とは、契約者が家族グループのメンバーとプランの特典を分け合う仕組みです。Proについては、料金ページのよくある質問でファミリーメンバーがAIの特典を追加料金なしで使えると案内されています。Ultraについては、ヘルプ「Google AI Ultra の特典を利用する」に、ファミリー グループのメンバーは「一部の AI の特典と機能を追加料金なしで」使えると書かれています。Plusで共有される特典の範囲は、申し込む時点の料金ページのよくある質問で確かめてください。

会社が月額を負担しているプランを家族と共有すると、会社の費用で家族がAIやストレージを使う形になります。経費で認める場合は、ファミリー共有を使わないこと、または共有する場合は会社負担の対象外にすることを、申請の条件に入れておくと後で揉めません。

申し込み手順と、会社が確認する順番

申し込みは、おおまかには、個人のGoogleアカウントでログインし、Google Oneの料金ページかGeminiのサブスクリプションのページからプランを選び、月単位か年単位かを選んで支払い方法を登録する流れです。画面ごとの手順は、ヘルプ「Google AI Plus メンバーシップを取得する」にパソコン・Androidなど端末の別に載っています。ヘルプには、サードパーティのパートナー経由やPixel Pass経由でGoogle Oneに入っている場合はアップグレードできない、という趣旨の注意書きもあります。

会社の目線では、申し込みの画面より前に確かめる順番のほうが大切です。

  1. 入力する情報が公開情報だけか(業務データを含むなら個人プランは不可)
  2. 申し込むのが個人のGoogleアカウントであり、会社のファイルをそこに置かないことを本人が理解しているか
  3. 社内ルールで許している段の範囲内か(超えるなら例外申請)
  4. 支払いは本人のカードか、会社のカードか。会社のカードで個人アカウントのプランを払う場合、退職時の解約を誰が確かめるか
  5. 許可したプランを一覧に記録したか

解約手順と解約後に失うもの

解約はいつでもできますが、残りの期間分の払い戻しは原則としてありません。Geminiのサブスクリプションのページには、解約はいつでも可能で、適用される法律で義務付けられている場合を除き、「請求対象期間が残っていても、その部分についての払い戻しはいたしかねます」と書かれています。

ヘルプ「Google AI Plus メンバーシップを取得する」によると、解約すると、AI Plusで作成したチャットの継続や追加のストレージなどが使えなくなります。ストレージの使用量が解約後の容量を超える場合の扱いは、解約前にGoogle Oneの画面で確かめてください。

会社にとっての要点は、解約の操作ができるのは契約した本人だけだということです。会社のカードで払っていても、社員が退職したときも、会社側から解約の操作はできません。会社負担で認める場合は、退職の手続きの中に「個人で契約したAIプランの解約、または支払い方法の変更を本人が行う」という項目を入れておいてください。

Google以外の代替ツールと比べるときの見方

Google以外のAIと比べる場合も、個人プラン同士を比べるのか、会社契約同士を比べるのかを揃えてから比べるのが正しい比べ方です。ChatGPT PlusやClaude Proは、Google AI Plus・Proと同じく個人が契約する月額プランで、会社が管理できない点では同じ立場にあります。

会社の業務データを扱うAIを選ぶ段階では、個人プランではなく、ChatGPTの法人プラン、Google Workspaceのプラン、Gemini Enterprise、複数のAIをまとめて提供する法人向けサービスなどが比較の対象になります。ChatGPTの法人プランの料金と中身はChatGPTの法人プランの料金で、GeminiとChatGPT・Claude・Perplexityの得意分野の違いは主要4AIの違いと使い分けで整理しています。ChatGPT・Claude・Gemini・Copilotの個人プランを人数分買う場合と法人プランの年間総額を5・10・30・50人で並べた計算は生成AIの料金比較|個人プランを人数分買うと年いくらか、法人プランと並べて計算にまとめています。

社員がGoogle AI Plusを使いたいと言ってくる背景には、Geminiでしかできない作業があるというより、手元で使えるAIがほかにないという事情であることもあります。その場合は、Geminiの個人プランを許すかどうかより先に、会社としてどのAIを用意するかを決めるほうが、社員ごとの個人契約が増えていくのを止められます。

よくある質問

Google AI PlusとGoogle AI Proの違いは何ですか?
2026年9月18日時点の料金ページでは、Plusは月額725円・400 GB・使用量上限は無料版の2倍、Proは月額2,900円・5 TB・無料版の4倍です。一度に読ませられる量(コンテキストウィンドウ)は、Geminiアプリのヘルプで、Plusが128,000トークン、Proが100万トークンと表示されています。長い資料をまとめて読ませるならPro、公開情報の調べものや文章の手直し程度ならPlusで足りることが多い、というのが目安です。
会社のGoogle WorkspaceアカウントでGoogle AI Plusに申し込めますか?
申し込めません。料金ページのよくある質問では、Google AIのプランに申し込めるのは個人のGoogleアカウントのみで、Workspaceの利用者には既存のサブスクリプションに対するGeminiアドオンへの申し込みが案内されています。会社のアカウントでAIを使う場合は、WorkspaceのプランやGemini Enterpriseなど、会社として契約する選択肢から選びます。
社員がGoogle AI Plusを経費で落としたいと言ってきたら、認めてよいですか?
入力する情報が公開情報に限られ、会社のファイルを個人のアカウントに置かないという条件を守れるなら、Plusまでを認める考え方はあります。顧客情報・見積・契約書・人事や会計のデータを入力するなら、どのプランでも認めず、会社として契約するAIを用意するほうが安全です。認める場合は、許可したプランを一覧にして定期的に棚卸ししてください。
Google AI UltraのUltra 5xとUltra 20xはどう選べばよいですか?
料金ページの表示では、Ultra 5xは月額14,500円・20 TB・Proの5倍、Ultra 20xは月額32,000円・30 TB・Proの20倍です。会社としてはUltra 5xから始め、特定の1人が5xの上限に繰り返し達し、その作業が公開情報だけで完結する場合に限って20xを検討する順番が無難です。Ultra 5xの倍率は、Geminiアプリのヘルプでは4倍と書かれている点にも注意してください。
Google AI Plusで上限に達したらどうなりますか?
Geminiの使用量上限は計算量で決まり、週単位の上限に達するまで5時間ごとにリセットされます。Geminiアプリのヘルプでは、Google AIサブスクリプションの利用者は上限に達してもFlash-Liteで会話を続けられるとされています。頻繁に上限に達する場合はProへの切り替えを検討しますが、その前に、入力している情報が業務データでないかを確かめてください。
Google AIのプランを10人・30人・50人に配ると年間いくらですか?
2026年9月18日時点の表示価格×人数×12か月で計算すると、Plusは10人で87,000円・30人で261,000円・50人で435,000円、Proは10人で348,000円・30人で1,044,000円・50人で1,740,000円です。税込・税別の記載がないため、税は足さず表示価格で計算しています。Ultra 5xは10人で1,740,000円で、Proの50人分と同じ金額になります。
Google AIプレミアムとGoogle AI Plusは同じものですか?
料金ページのよくある質問に「Google AI プレミアム プランは、Google AI Plus に名称が変更されました」と書かれています。請求明細や申請書に古い名称が残っていることがあるため、名前だけで別の契約と判断せず、本人のGoogle One画面で現在のプラン名と金額を確かめてください。

参考にした公式ページ(確認日つき)

この記事の料金・容量・機能・記載は、次の公式ページで確認した内容だけを使っています。

  • Google One「Google AI のプラン(クラウド ストレージ付き)」https://one.google.com/about/google-ai-plans/ (2026年9月18日確認)
  • Google One ヘルプ「Google AI Plus メンバーシップを取得する」https://support.google.com/googleone/answer/16548195?hl=ja (2026年9月18日確認)
  • Google One ヘルプ「Google AI Ultra の特典を利用する」https://support.google.com/googleone/answer/16286513?hl=ja (2026年9月18日確認)
  • Gemini アプリ ヘルプ「Gemini アプリのプラン別の違い」https://support.google.com/gemini/answer/16275805?hl=ja (2026年9月16日確認)
  • Gemini「サブスクリプション」https://gemini.google/jp/subscriptions/?hl=ja (2026年9月16日確認)
  • Gemini アプリのプライバシー ハブ https://support.google.com/gemini/answer/13594961?hl=ja (2026年9月16日確認)
  • Google Workspace「Google Workspace の生成 AI に関するプライバシー ハブ」https://knowledge.workspace.google.com/admin/generative-ai/generative-ai-in-google-workspace-privacy-hub?hl=ja (最終更新2026年8月14日、2026年9月16日確認)
  • Gemini Notebook「プラン」https://notebook.google/plans (2026年9月16日確認)
  • Google Workspace「料金」https://workspace.google.com/pricing?hl=ja (2026年9月17日確認)

※公式ページは予告なく更新されます。申し込みや社内ルールの決定の前に、各ページで最新の表示を確認してください。

まとめ

Google AI Plus・Pro・Ultraの選び分けは、使う量で段が決まり、入力する情報で個人プランのままでよいかが決まります。公開情報の調べものや文章の手直しならPlus(月額725円)、長い資料をまとめて読ませるならPro(月額2,900円)、Proの上限を超える研究・制作ならUltra 5x(月額14,500円)が目安で、Ultra 20x(月額32,000円)は5xでも足りない1人に限った例外です。

一方で、4つとも個人のGoogleアカウント専用のプランで、会社のWorkspaceアカウントでは申し込めません。顧客情報や契約書、人事・会計のデータを入力する作業は、段を上げても会社が管理できる状態にはならないため、会社として契約するAIで扱ってください。Plusの月額725円は、会社が管理できるWorkspace Business Starterの月額800円(税別)とほぼ同じ価格帯です。

社内のルールとしては、個人プランを認める上限の段を1つ決め、それを超えるUltraは期間を区切った例外申請にし、許可したプランを定期的に棚卸しする形が運用しやすいでしょう。Google AI Pro単体の詳しい内容はGoogle AI Proとは?料金・できることと会社で使う前の注意点を、そのほかの記事はAI活用コラム一覧をご覧ください。

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