Claude Fableとは。Fable 5.1の料金・使える席と会社で使う前に決めること

Claude Fable(クロード・フェイブル)とは、Anthropicが一般提供しているClaudeのモデルのうち、同社が最上位に位置づけるモデルです。会社で使うときの結論は、公式の案内どおり日常の仕事はまずOpus 5で進め、足りない仕事だけをFable 5.1で試すこと、そして社員に配る前に席の種類・使用クレジットの支出上限・入力してよい情報の3つを決めておくことです。この記事では、2026年9月1日に公開された最新版のFable 5.1を中心に、Fable 5との違い、Mythosとの関係、料金とプランごとの扱い、Opusへの自動切り替え、データ保持、提供停止の経緯、いつまで使えるかを、Anthropicの公式ページとヘルプをもとに整理します。

※本文の料金・仕様・提供条件は、2026年9月17日時点でAnthropic・AWS・Google Cloudの公式ページとヘルプに記載されている内容です。ベンチマークの数値と費用削減の割合は、いずれもAnthropicが発表した自社評価・試算で、第三者による検証ではありません。英語の原文は要旨を日本語にしています。

Claude Fableとは|Anthropicが一般提供モデルの最上位と位置づけるモデル

Claude Fableは、何時間もかかる複雑な作業やコーディング、調査・分析のような重い知的作業に向けて作られた、Anthropicの上位モデルです。Anthropicは製品ページのFAQで、Fable 5.1を一般提供しているモデルの中で最も高性能なモデルと説明し、時間のかかる非同期の仕事に向くとしています。

シリーズとしては、2026年6月9日にClaude Fable 5が発表され、2026年9月1日に後継のClaude Fable 5.1が公開されました。9月17日時点では両方とも使えますが、Anthropicの開発者向けのモデル一覧では、最新版がFable 5.1、Fable 5はレガシー(引き続き利用可能)の欄に並んでいます。これから試すならFable 5.1を前提に考えるのが自然です。Claude全体の製品やプランの全体像はClaudeとはの記事にまとめています。

読み方(フェイブル)と名前の意味

Fableは英語の発音に近いカタカナで書くとフェイブルです。英語のfableは寓話を意味する一般的な単語で、兄弟モデルの名前のMythosは神話を意味するギリシャ語由来の語です。Anthropicの公式ページで命名の理由を説明した記述は、9月17日時点で確認できませんでした。社内の資料では、読み方を一度だけ括弧で添え、以降はFable 5.1と版まで書くと、Fable 5と取り違えずに済みます。

主な仕様(100万トークンの文脈・最大12.8万トークン出力・適応型思考・知識カットオフ)

Anthropicの開発者向けドキュメントに載っているFable 5.1の仕様は次のとおりです。トークンは、AIが文章を処理するときの単位で、日本語では文字数と1対1には対応しません。

項目Claude Fable 5.1参考:Claude Opus 5
一度に読める量(コンテキストウィンドウ)100万トークン100万トークン
1回の出力の上限12.8万トークン12.8万トークン
思考(考えてから答える機能)適応型で常にオン適応型
応答の速さ(公式の相対表示)遅め(Slower)中程度(Moderate)
入力と出力テキストと画像を入力し、テキストを出力テキストと画像を入力し、テキストを出力
知識の区切り(信頼できる知識の時点)2026年6月2026年5月

適応型思考とは、問題の難しさに応じてモデル自身が考える量を決める方式で、effort(考える深さの設定)で調整します。APIでの既定のeffortはhighです。発表記事によると、アプリでの既定はClaude Codeがhigh、Claude.aiとClaude CoworkがMediumです。チャット画面では、Fable 5.1を選んでいる間は思考をオフにできないとヘルプに書かれています。100万トークン・12.8万トークンはAPIでの仕様なので、チャットのプランでの扱いはプランごとのヘルプで確認してください。

できること・向いている仕事(公式の説明)

Anthropicの製品ページは、Fable 5.1の用途を4つに分けて説明しています。

  • エージェント:何時間もかかり複数のアプリにまたがる仕事。Coworkでたまった依頼を片づける、Claude Tag(ベータ)でSlackの依頼を受ける、ブラウザを操作する、Claude Platform上で無人で動かす、といった使い方です。
  • コーディング:コードベース全体にまたがる機能追加、コードレビュー、性能改善、複数日にわたる自律的な作業。自分でテストを書いて結果を確かめるとしています。
  • 企業の知的作業:調査・分析から、確認すればそのまま使える成果物まで、段階の多い仕事を少ない監督でこなすとしています。
  • 画像の理解:ファイルやPDFに入った図・グラフ・表を読み取り、財務・法務・分析・建築など文書の多い仕事を支えるとしています。

これらは同社の説明で、自社の業務でどこまで役立つかは実際の資料で試して判断する必要があります。業務ごとの当てはめは、後のOpus 5との使い分けで表にしています。

Claude Mythosとの違い|同じ基盤モデルで、安全策の強さと提供先が違う

Fable 5.1とMythos 5.1は、同じモデルに異なる強さの安全策をかけたもので、Fableは誰でも契約すれば使え、Mythosは審査を通った組織にだけ提供されます。発表記事は、Fable 5.1は一般提供、Mythos 5.1は信頼できる組織向けのアクセスプログラム経由のみと説明しています。

項目Claude Fable 5.1Claude Mythos 5.1
基盤モデル同じ(公式の説明)
安全策サイバーセキュリティと生物学の領域で、一部の依頼をブロックまたはOpusへ回す審査済みの防御側・研究者向けに、より緩い安全策
提供先Pro・Max・Team・Enterpriseの利用者と、APIの利用者審査を通った組織向けのアクセスプログラム経由のみ(生命科学向けは招待制のベータ、サイバー防御向けのプログラムは今後Mythosクラスを含める予定と公式に記載)。現時点では米国の一部の組織のみ
APIの料金入力100万トークンあたり10ドル、出力50ドル入力10ドル、出力50ドルから(公式の記載)

一般の会社が審査なしで使えるのはFableのほうです。Claudeの料金ページのプラン比較表にもMythosの行はありません。Mythosの提供条件や、日本の公的機関の対応はClaude Mythosの記事で詳しく扱っています。

Fable 5からFable 5.1で変わったこと

Fable 5.1の変更は、長時間の作業と資料づくりの強化、キャッシュ読み取りの値下げ、API利用者向けの仕様変更、出力への電子透かしの4点に整理できます。チャット画面で使うだけの社員にとって直接関係が大きいのは前の2つで、後の2つは主に開発部門と情報システム担当が確認する内容です。

長時間の作業と、文書・表計算・スライドの作業の強化

開発者向けドキュメントの日本語版は、Fable 5.1を、Fable 5と同じ入力・出力価格のまま、長時間実行されるエージェント型のコーディング、複数の段階を踏むリサーチ、ドキュメント・スプレッドシート・スライドの作業をより強力にこなせるよう拡張したモデルと説明しています。知識の区切りは2026年6月です。

キャッシュ読み取り75%値下げと、同社が示す費用削減の試算

キャッシュ読み取りとは、一度処理して保存した入力を、次の依頼で再利用するときの料金です。長い資料を何度も参照する作業や、ツールを繰り返し呼び出すエージェント型の作業では、この部分が費用の多くを占めます。Fable 5.1ではキャッシュ読み取りが100万トークンあたり0.25ドルになり、Fable 5の料金表示(1ドル)から75%下がりました。

Anthropicは発表記事で、トークン単位で課金される使い方では、典型的な使い方で約25%、ツールを多用するエージェント型の使い方で最大約45%、Fable 5より費用が下がると試算しています。この試算は、2026年8月の4週間の実際の利用を既定のeffortで測ったものと注記されており、同社の試算です。月額のチャットプランの席料金そのものが下がるわけではありません。

API利用時の破壊的変更(強制ツール使用のエラー、思考ブロックの扱い)

すでにAPIでFable 5を呼び出しているシステムは、モデルIDを差し替えるだけでは動かない場合があります。ドキュメントは破壊的変更として次の3つを挙げています。

  1. 特定のツールを必ず使わせる指定(強制的なツール使用)は、エラーを返す
  2. Fable 5.1が出力した思考ブロックは、以前のモデルでは読み取れない
  3. 会話の以前のターンを編集すると、思考ブロックが無効になる

追加された機能は、会話の途中でeffortを変える機能(ベータ)、ターン単位のシステムメッセージ(ベータ)、ツール呼び出しの合間に読める進捗を出す機能(ベータ)、キャッシュ読み取りの値下げ、コンテンツの来歴の5つです。社内で開発を外注している場合は、委託先にこの3つの変更への対応状況を確認しておくと安心です。

出力に入る電子透かし(コンテンツの来歴)

Fable 5.1とMythos 5.1が生成した文章には、提供されているすべての環境で、Anthropicの統計的な電子透かしが入ります。ドキュメントは、透かしは出力の意味・品質・読みやすさを変えず、トークンや隠し文字を追加せず、利用者や組織の情報も含まないと説明しています。発表記事によると、これは2026年7月にAnthropicが署名したEU AI法の行動規範に対応するもので、透かしを検出するAPIは規制当局や報道機関などの対象組織向けに限定公開で提供を始めています。

性能とベンチマーク|同社発表の数字をどう読むか

Anthropicが発表したベンチマークでは、Fable 5.1はFable 5とOpus 5を多くの項目で上回っていますが、どれも同社の自社評価で、第三者が同じ条件で検証した数字ではありません。数字は、モデルを試す優先順位を決める参考にとどめるのが安全です。

評価(Anthropic発表)Fable 5.1Fable 5Opus 5GPT-5.6 Sol
Terminal-Bench 4.0(ターミナルでのエージェント型コーディング)55.8%42.0%52.3%37.3%
GDPval-AA v2(知的作業)1853172318241711
AutomationBench(業務の自動化)31.4%17.1%26.9%19.6%

出典:Anthropic「Introducing Claude Fable 5.1 and Claude Mythos 5.1」(2026年9月1日)の比較表。2026年9月17日確認。発表記事は、この表のほかにコーディングの評価(CursorBench 3.2.0)、コンピューター操作(OSWorld 2.0)、多分野の推論(Humanity's Last Exam)なども載せています。

読むときの注意は3つあります。1つ目は、Fable 5.1は本番と同じ安全策を有効にした状態で評価されていることです。安全策が介入したタスクは、OSWorld 2.0(Fable 5はAutomationBenchも)で0点として数えられたか、Opusが代わりに解いたと注記されており、同社はこれが点数を下げている可能性があるとしています。2つ目は、Terminal-Bench 4.0ではMythos 5.1が60.9%とFable 5.1より高く、同社はこの差を以前の安全策が介入したタスクの分と説明していることです。3つ目は、OSWorld 2.0は採点に使うタスクの版が以前と違うため、過去に公表された数字と直接は比べられないと注記されていることです。

製品ページに並ぶ顧客企業のコメントも、同社が掲載した推薦文です。導入の判断材料にするなら、自社の文書と業務で同じ依頼をOpus 5とFable 5.1に投げて結果を並べるほうが確実です。

GPT・Geminiなど他社モデルとの比べ方

他社モデルとの比較は、同社の表に載っている範囲でしか数字で語れません。上の発表記事の表には比較相手としてGPT-5.6 Solが並んでいますが、GoogleのGeminiの数値は載っていません。OSWorld 2.0については、タスクの版が違うため他社の数値を載せていないと注記されています。

会社で複数のAIを比べるときは、ベンチマークの順位よりも、次の観点を並べたほうが判断に使えます。

  • 自社の実際の資料で、必要な精度の答えが返るか(同じ依頼を各モデルに投げて比べる)
  • 契約の単位と料金の仕組み(席の月額に含まれるのか、使った分だけ払うのか)
  • 入力したデータが学習に使われるか、何日保持されるか
  • 安全策で依頼が別のモデルに回されることがあるか
  • 管理者が利用状況と費用を把握できるか

ChatGPT・Claude・Geminiの得意分野の分け方は4つのAIの使い分けで、複数のAIを1つの環境で使う方法はマルチAIの記事で扱っています。

料金|APIの単価と、チャットのプランでの扱い

Fableの料金は、APIでは使ったトークン数に応じた従量の単価、チャットのプランでは席の種類によって月額の枠内で使えるか使用クレジットで払うかが決まります。同じClaudeの契約でも、社員ごとに費用のかかり方が違う点が、会社で使うときの大きな注意点です。

APIの料金(入力100万トークン10ドル・出力50ドル、バッチ半額)

項目(100万トークンあたり)Claude Fable 5.1
入力10ドル
出力50ドル
キャッシュ書き込み(5分)12.50ドル
キャッシュ書き込み(1時間)20ドル
キャッシュ読み取り0.25ドル
Batch API(まとめて非同期で処理する方式)入力・出力とも50%割引

Opus 5のAPI料金は入力5ドル・出力25ドルなので、Fable 5.1は入力・出力ともOpus 5の2倍の単価です。製品ページには、米国内だけで処理する必要がある場合は、入力・出力トークンが1.1倍の料金で米国内推論を選べるとも書かれています。

費用の感覚をつかむための計算例です。1回の依頼で10万トークンを読み込み、1万トークンを出力した場合、入力は0.1×10ドル=1ドル、出力は0.01×50ドル=0.5ドルで、合計1.5ドルです。1ドル=150円で計算した場合は約225円になります。同じ依頼を1日20回、月20日行うと400回で600ドル、約9万円です。キャッシュやバッチを使わない単純な計算で、税の扱いは請求時に確認してください。APIとチャットのプランの料金全体はClaudeの料金プランの記事で比較しています。

有料プランでの扱い(Pro・Max・Team・Enterprise、週次利用枠の50%、使用クレジット)

Claudeのヘルプ「Claude Fable models on your plan」によると、Fable 5とFable 5.1はプランと席の種類ごとに次のように扱われます。使用クレジットとは、プランに含まれる利用枠の外で、APIの標準単価で支払って使う仕組みです。

プラン・席Fableの扱い
Max週の利用枠の50%までを追加料金なしでFableに使える。超えたら使用クレジットで続けるか、別のモデルに切り替える
Team プレミアム席同上(週の利用枠の50%まで追加料金なし)
旧来の席課金型Enterprise プレミアム席同上(週の利用枠の50%まで追加料金なし)
Proプランの利用枠には含まれず、最初から使用クレジットで利用
Team スタンダード席プランの利用枠には含まれず、最初から使用クレジットで利用
旧来の席課金型Enterprise スタンダード席組織が使用クレジットを有効にしている場合のみ、使用クレジットで利用
利用量課金型Enterprise・APIAPIの標準単価で課金

誤解しやすいのは、週の利用枠が50%増えるわけではない点です。ヘルプのFAQは、Fableに使えるのは週の枠の50%までで、他のモデルの利用も同じ枠から引かれ、週の枠を超えて使えるわけではないと説明しています。Fableは他のモデルより枠を速く消費するとも書かれています。料金ページのEnterpriseの欄にあるFableの「Yes」も、使えるという意味で、無料で含まれるという意味ではありません。

Fable 5では、以前に一部のプランで週の枠の50%まで追加料金なしで使えるキャンペーンがありましたが、すでに終了しており、ヘルプにはFable 5.1は対象になったことがないと明記されています。

無料で使えるか|Freeプランでは使えない

Claude Fableは無料のFreeプランでは使えません。ヘルプはFableを有料プラン(Pro・Max・Team・Enterprise)で使えるモデルとしており、料金ページの比較表でもFreeの欄は「いいえ」です。Proでも月額の枠内では使えず、使用クレジットの支払いが必要です。インターネット上でFableを無料で使えると宣伝するサービスを見かけたら、公式の提供経路かどうかを確かめてから使ってください。

使える場所とモデルID

Fable 5.1は、Claudeのアプリ群と、Claude APIおよび主要なクラウド経由で使えますが、日本のリージョンからクラウド経由で使う場合は処理される地域に制約があります。

使える場所(Claudeのアプリ、Claude API、Amazon Bedrock、Google Cloud、Microsoft Foundry)

  • Claudeのアプリ:Claude on the web、Claude Mobile、Claude Desktop、Claude Cowork、Claude Code、Claude Design、Claude for Microsoft 365、Claude Tag(ヘルプの記載)
  • 開発者向け:Claude API、Amazon Bedrock、Claude Platform on AWS、Google Cloud、Microsoft Foundry(ドキュメントの記載)

チャット画面では、送信欄の近くにあるモデル名をクリックし、モデルの一覧からFable 5.1を選びます。一覧に見当たらない場合は、追加のモデルを表示する項目を開きます。ヘルプは、Fableが表示されないときの確認項目として、有料プランであること、Claude Codeが対応バージョンであること、Coworkを使うならClaude Desktopが最新であること、そして組織がFableモデルを有効にしていないことを挙げています。

モデルIDとAPIでの呼び出し方

提供先Fable 5.1のモデルID
Claude APIclaude-fable-5-1
Amazon Bedrockanthropic.claude-fable-5-1
Google Cloudclaude-fable-5-1
Microsoft Foundryclaude-fable-5-1
Claude Platform on AWSclaude-fable-5-1

APIでは、Messages APIのmodelにこのIDを指定して呼び出します。Claude Codeでは、ドキュメントの記載どおり /model fable と入力するか、claude --model fable で起動するとFable 5.1を選べます。Fable 5を使う場合は /model claude-fable-5 です。どのプランでもFableは既定のモデルではないため、明示的に選ぶ必要があります。Claude Codeは対応バージョンが必要なので、使う前に最新版へ更新してください。

日本のリージョンから使うときの注意(Amazon Bedrock・Google Cloud)

クラウド経由で使う場合、処理される地域はクラウド側のドキュメントで確認します。9月17日時点の記載は次のとおりです。

  • Amazon Bedrock:Fable 5.1のモデルカードでは、東京(ap-northeast-1)と大阪(ap-northeast-3)は、リージョン内で処理する方式と地域内(Geo)で処理する方式がいずれも非対応で、世界中のリージョンに振り分けるGlobalの方式のみ対応です。利用にはデータ保持の設定をAWSのレビューを許可するモードにする必要があります。
  • Google Cloud:Fable 5.1のドキュメントでは、提供地域は米国と欧州のマルチリージョン、およびグローバルエンドポイントで、東京リージョンの記載はありません。プロンプトと応答は不正利用の監視のために最大30日間保存されると書かれており、利用には追加の安全に関する条項への同意が必要です。

国内でデータを処理することを社内規程や取引先との契約で求めている場合は、Fable 5.1をクラウド経由で使うと条件を満たせない可能性があるため、情報システム担当と契約の条文を確認してください。

セーフガードとOpusへの自動切り替え

Fableには、特定の危険な領域の依頼を検知すると、回答を止めるかOpusモデルに回す安全策(セーフガード)が組み込まれており、チャット画面では既定で自動的にOpusへ切り替わります。社員にとっては、同じ会話の途中で回答するモデルが変わることがある、という点を知っておくことが大切です。

切り替わる領域と切り替え先

Claudeのヘルプ「Why Claude switched models in your conversation with Fable 5 or Fable 5.1」は、すべての依頼に自動の安全チェックをかけ、次の領域の依頼をOpusに回すと説明しています。

  • 攻撃的なサイバーセキュリティの手法(エクスプロイト、マルウェア、攻撃ツールの作成など)。通常のセキュリティ業務には使えるが、切り替えが多く起きると想定してほしいとしています
  • 生物学で二重用途と考えられる質問の多く(ウイルス学、毒性学、創薬、分子設計など)。現時点では専門的な生物学研究や医薬品開発には推奨しないとしています
  • Fableの能力を抜き出そうとする蒸留攻撃(要約された思考を引き出す試みを含む)
  • 一部の最先端のAI開発の作業(分散学習の基盤、AI向け半導体の設計など)

切り替え先は、生物学・化学・生命科学の依頼がOpus 5、攻撃的なサイバーセキュリティ手法の依頼がOpus 4.8です。Fable 5.1では安全策の精度が上がり、発表記事によると、ソフトウェアの脆弱性を見つける用途には使えるようになり、Claude Codeでのサイバー関連の介入は1セッションあたり平均で約60%減る見込み、基礎的な生物学や医療の質問への誤検知は約85%減ったとしています(いずれも同社発表)。一方で、ペネトレーションテスト、エクスプロイトの生成、バイナリの脆弱性スキャンは引き続きOpusに回されます。

添付ファイルやコネクタの内容で切り替わる仕組みと、社員への説明

会社で使うときに見落としやすいのは、社員が打ち込んだ文章に問題がなくても切り替わることがある点です。同じヘルプは、安全チェックは直近のメッセージだけでなく、メモリ、コネクタから取り込んだ内容、Web検索の結果、ファイルなど、モデルが読むものすべてを確認するため、自分が入力していない内容でブロックされることがあると説明しています。

たとえば、製薬会社の取引先から届いた資料を添付して要約を頼んだ場合や、セキュリティ診断の報告書を読み込ませた場合に、依頼文そのものは普通でも切り替わる可能性があります。切り替わった後の動きは次のとおりです。

  1. 同じ会話の中で、ブロックされた依頼がOpusで再実行される
  2. モデルが切り替わった旨の通知が出て、回答には答えたモデル名が表示される
  3. モデルの選択はその会話の終わりまでOpusのままになる。いつでもFableに戻せる
  4. Fableに戻しても、元の依頼が会話に残っていれば、再び切り替わることがある。ヘルプは、以前のメッセージを編集してからやり直すとうまくいくことが多いとしています

総務や経理の担当者から、急に回答の調子が変わったと相談を受けたら、次の順に確認すると原因を切り分けやすくなります。

  1. 回答の上に表示されたモデル名を見て、FableかOpusかを確かめる
  2. Opusに切り替わっていたら、添付ファイル・コネクタ・Web検索の結果に医療・生物・セキュリティ関連の内容が含まれていないかを見る
  3. 業務上その内容が不要なら、該当部分を除いた資料で新しい会話を始める
  4. 業務上必要な内容なら、そのままOpusの回答で進めてよいかを判断する(多くの正当な依頼にOpusは有用な回答を返すとヘルプは説明しています)

自動切り替えは、設定の[Settings]→[Capabilities](Claude Codeでは[Config]→[MODEL & OUTPUT])にある、メッセージが検知されたときにモデルを切り替える項目でオフにできます。オフにすると、ブロックされた依頼は別のモデルに回らず、会話が一時停止します。社員に説明するときは、切り替わりは故障や誤操作ではなく仕様であることを最初に伝えておくと、問い合わせが減ります。

切り替わったときの料金

製品ページは、Opusに回された依頼にはFableの料金を請求しないとしています。ヘルプの内訳では、Fableが何も出力する前にブロックされた場合はOpusの料金だけがかかり、Opusの回答が利用枠や使用量に数えられます。出力の途中でブロックされた場合は、入力とブロックまでに出力された分がFableの料金、残りの回答がOpusの料金です。

APIでは動きが違います。自動切り替えは既定では有効ではなく、利用者が設定するまでは、HTTP 200の正常な応答として、停止理由refusal(拒否)が返ります。出力が生成される前に拒否された依頼は課金されないとドキュメントに書かれています。社内システムにFableを組み込むときは、この拒否の応答を受けたときにどうするかを設計に入れておく必要があります。

30日間のデータ保持とZDR・EFS

Fableを使うと、既定で入力と出力が安全監視のために少なくとも30日間保持されるため、データを残さない契約を前提にしていた組織は、使う前に条件を確認する必要があります。Anthropicはヘルプ「Covered Models」で、Fable 5とFable 5.1を追加のデータ保持が必要な対象モデルに指定しています。

  • 30日保持:プロンプトとモデルの出力は少なくとも30日間保持され、その後自動で削除される。安全調査の対象になった場合や、法律で保存が求められる場合を除く
  • ZDR(ゼロデータ保持):データを保持しない契約のこと。対象モデルは、Anthropicが明示的に認めない限りZDRでは使えない。ただし対象となる顧客は、自社内の業務用途に限り、期間限定でFableをZDRで使える選択肢が用意される
  • EFS(Enterprise Frontier Safeguards):データをAnthropicではなく顧客が管理するクラウド基盤に保存し、人によるレビューも既定で顧客自身が行う仕組み。2026年秋から段階的に提供するとしている

影響の大きさは契約によって違います。ヘルプ「Data retention practices for Covered Models」は、Free・Pro・Maxの個人プランは元々入力と出力を保持しているため影響を受けないとし、この変更が主に関係するのはZDRのワークスペースを設定している組織だと説明しています。Claude for EnterpriseのチャットとCoworkも、元々標準の保持で動いていると書かれています。保持された会話は既定でAnthropicの従業員が読むことはできず、人によるレビューは管理された経路でのみ行われるとも説明されています。

30日間保持されることと、学習に使われることは別の話です。Anthropicの商用利用規約は、サービスの顧客コンテンツでモデルを学習させないと定めており、料金ページでもTeamとEnterpriseのモデルの学習は既定でなしと表示されています。一方、Free・Pro・Maxの個人プランは、利用者の設定によって会話が学習に使われることがあります。

30日保持を踏まえた、Fableに入力してよい情報の区分

保持期間があることを前提に、Fableに入れてよい情報を社内で区分しておくと、社員が迷わずに済みます。次の表は、社員10〜200名の会社がTeamまたはEnterpriseの会社契約で使う場合を想定した区分の一例で、法令上の基準ではありません。自社の情報管理規程と取引先との契約に合わせて調整してください。

情報の種類会社契約のFable個人アカウント判断の理由
公開済みの情報(自社サイト、公表済みの決算、公開資料)入力してよい入力してよい外に出ても問題がない
社内の一般的な資料(手順書、議事録の要約、規程の案)入力してよい入力しない個人アカウントは学習の設定を会社が管理できない
顧客の個人情報(氏名と連絡先の一覧、問い合わせ履歴)必要な範囲に絞り、責任者の承認を得て入力入力しない30日間の保持を個人情報の取扱方針で説明できるかを確認する
マイナンバーなどの特定個人情報入力しない入力しない利用できる範囲が法律と社内規程で限られている
未公表の決算数値、M&A、人事異動入力しない(責任者が個別に判断する場合を除く)入力しない保持期間中に社外で扱われる可能性をゼロにできない
取引先から秘密保持契約つきで預かった情報契約の条文を確認してから判断入力しない第三者のサービスへの提供を禁じる条項があり得る

30日保持の詳しい仕組みと、社員の個人アカウントで最新モデルを試すときの注意はClaude Mythosの記事でも扱っています。社内で決めておく項目全体はAIセキュリティのチェックリストが参考になります。

保持の条件を確かめたら、使う入口を会社で一つにしぼる

入口が社員ごとに違うと、データの保持条件を入口の数だけ確かめる必要があります。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。

Opus 5との使い分け|公式は「まずOpus 5から」

Anthropic自身が、ほとんどの作業はまずOpus 5で始め、高度な推論や長時間のエージェント型の作業が必要な場合、またはOpus 5を高いeffortで試しても足りない場合にFable 5.1を使うよう案内しています。Fable 5.1はAPIの単価がOpus 5の2倍で、応答も遅めと表示されているため、全員の標準にする理由は多くありません。

Opusモデルの位置づけと、Claude以外のAIとの分け方はAIの使い分けの記事で扱っています。ここでは、チャット画面で使う総務・経理・管理部門の仕事に当てはめます。

業務別:Opusで足りる仕事とFableを試す価値がある仕事

次の表は、公式の案内(まずOpus 5、長く複雑な作業や文書・表計算・スライドの作業で足りなければFable 5.1)を、社員10〜200名の会社によくある業務に当てはめた目安です。業務例は説明のための想定で、実際の効果は自社の資料で試して確かめてください。

業務の例まず使うモデルFableを試す価値が出る条件
取引先へのメール文面、社内連絡の下書きOpus 5(またはより軽いモデル)ほぼない。短い文章は速さと費用を優先する
議事録の要約、定型の月次集計の説明文Opus 5数十ファイルを横断して集計の不整合を探すなど、段階が多いとき
就業規則や社内規程の改定案づくりOpus 5複数の規程どうしの整合を、改定前後で何往復も確かめる必要があるとき
複数の契約書の条項の読み比べOpus 5何十ページもの契約書を多数並べ、表やPDF内の図も含めて抜け漏れなく突き合わせるとき
決算説明や経営会議のスライド・表計算の作成Opus 5調査・集計・資料化を1つの依頼で最後まで任せたいとき
数時間かかる市場調査・競合調査のまとめOpus 5多段階のリサーチで、Opus 5の結果に抜けが目立つとき
医療・製薬・化学に関わる資料の分析Opus 5創薬・研究開発に関わる内容はOpusに回されることが多く、公式もこの用途にFableを推奨していないため、最初からOpusで進める
自社システムのセキュリティ確認Opus 5ソースコードの脆弱性を探す用途ならFable 5.1も使える。攻撃手法の検証はOpusに回される

試すときは、同じ依頼をOpus 5とFable 5.1に投げ、結果の差と、かかった時間・利用枠の減り方を記録してください。差が小さい仕事はOpus 5に戻し、差が大きい仕事だけをFableの対象として社内の手順に書く、という順番にすると費用の説明もしやすくなります。

提供停止(6月12日)から再開(7月1日)までの経緯

Fable 5は、発表から3日後の2026年6月12日にすべての顧客への提供が止まり、7月1日に再開しました。経緯はAnthropicの公式発表に次のように記載されています。

  1. 6月9日:Claude Fable 5とClaude Mythos 5を発表
  2. 6月12日:Anthropicの声明によると、米国政府が国家安全保障上の権限を根拠に、米国内外を問わず外国籍の人によるFable 5とMythos 5へのアクセスを停止する輸出管理の指示を出した。同社は、この指示に従うためにすべての顧客に対してFable 5とMythos 5を停止する必要があったと説明し、他のAnthropicのモデルには影響しないとした。同社は、安全策を回避する限定的な手法が見つかったことを商用モデルの回収の理由にすることには同意しないとも表明している
  3. 6月30日:同社は、Fable 5とMythos 5への輸出管理が解除されたと発表。同社の説明では、指示は、Amazonの研究者が安全策を回避する方法を見つけた報告を政府が把握した後に出されたもので、同社は安全策を改良し、米国商務省のCAISI(AI標準・イノベーションセンター)の研究者が新旧の安全策を試験したとしている
  4. 7月1日:Claude Platform、Claude.ai、Claude Code、Claude Coworkで、世界の利用者向けにFable 5の提供を再開。AWS、Google Cloud、Microsoft Foundryでは、できるだけ早く再開するとされた

その後、8月6日に生物学の安全策の改良が発表され、9月1日にFable 5.1が公開されています。この経緯は、モデルそのものの不具合だけでなく、提供元の外の判断によっても、特定のモデルが突然使えなくなることがあると示しています。

モデルが止まったときの代替手順を1枚にしておく

社内でFableに頼る仕事が出てきたら、止まったときに誰が何をするかを1枚の手順書にしておくと、業務が止まりません。次の6項目を埋めれば足ります。

  • 対象業務の一覧Fableを使っている仕事と担当者、使っている入口(チャット画面、Claude Code、APIを組み込んだ社内システム)を書き出す
  • 切り替え先のモデルチャット画面はOpus 5、Claude Codeは /model で別のモデルを指定、APIはモデルIDの差し替え先を事前に決め、動作を一度試しておく
  • 依頼文と資料の保管場所別のモデルですぐやり直せるよう、よく使う依頼文と参照資料を共有フォルダにまとめる
  • 停止の確認方法Anthropicの製品ページのお知らせ欄と、使っているクラウドの告知を確認する担当者を決める
  • 社員への連絡文一時的に別のモデルで作業すること、結果の品質が変わる可能性があることを伝える定型文を用意する
  • 判断者納期のある仕事を別のモデルの結果で進めてよいかを判断する人を決める

1つのAIやモデルに業務を寄せすぎない考え方は、複数のAIを併用するマルチAIの記事でも説明しています。

いつまで使えるか|Fable 5とFable 5.1の提供終了の予定

Anthropicが運営する環境では、Fable 5.1は2027年9月1日より前、Fable 5は2027年6月9日より前には提供終了にならない予定です。Anthropicのモデルの非推奨化のページでは、どちらも現在の状態が「Active」で、提供終了の予定日はFable 5.1が2027年9月1日より前にはならない、Fable 5が2027年6月9日より前にはならない、と記載されています。これは提供終了の最短の時期で、その日に終了すると決まっているわけではありません。

  • 対象の環境:この日付はClaude API、Claude Platform on AWS、Microsoft FoundryのAnthropicが運営する環境に適用されます。Amazon BedrockとGoogle Cloudは各社が独自の予定を定めるため、状態や日付が異なることがあると明記されています。実際に、Google CloudのFable 5.1のドキュメントには2027年3月1日以降という別の日付が載っています
  • 事前の通知:一般公開されたモデルの提供終了では、稼働中の顧客に少なくとも60日前に通知するとしています
  • Fable 5の扱い:開発者向けのモデル一覧のページでは、レガシー(引き続き利用可能)の欄に並んでいます。非推奨化のページはレガシーを、今後更新されず将来非推奨になる可能性があるモデルと説明しています

チャット画面で使う場合は、新しいモデルが出たときにモデルの一覧が変わることがあるため、社内の手順書にはモデル名を版まで書き、変わったら更新する担当者を決めておくと混乱を防げます。APIで使う場合は、使っているクラウドごとの提供終了の予定を確認してください。

会社で使うときの配り方と支出上限

会社でFableを使えるようにするときは、誰にどの席を割り当てるか、使用クレジットに上限をいくらかけるかを、社員に案内する前に決めておくことが大切です。席の種類によってFableの費用のかかり方がまったく違うため、決めずに始めると、一部の社員の使用クレジットだけが月末に膨らむことがあります。

席の種類で決める配り方(3つの案)

Teamプランを使う社員10〜200名の会社を想定すると、Fableの配り方は次の3案に分けられます。席ごとの月額はClaudeの料金プランの記事で確認してください(プレミアム席の月額は、2026年9月時点の料金ページでスタンダード席の5倍です)。

案内容向く会社注意点
案1:全員プレミアム席全員が週の利用枠の50%までFableを追加料金なしで使えるほぼ全員が長い資料作成や分析を毎日行う会社席の月額が全員分高くなる。使わない社員の分も払う
案2:一部だけプレミアム席経営企画・法務・開発など、重い作業をする数名だけプレミアム席にし、他はスタンダード席Fableが必要な仕事が特定の部署に集中している会社席の入れ替えの基準(誰をプレミアムにするか)を決めておく
案3:全員スタンダード席と使用クレジットFableは使用クレジットで必要な人だけが使うFableをまず試験的に使ってみたい会社APIの単価で課金されるため、支出上限を必ず設定する

最初の1〜2か月は案3で試し、使用クレジットの利用額が特定の社員に偏るようなら、その社員だけプレミアム席に切り替える(案2に移る)、という順番にすると、根拠のある配り方にできます。Teamの席の構成とEnterpriseとの違いはClaude Enterpriseの記事で扱っています。

使用クレジットの支出上限を先に決める手順

Claudeのヘルプ「Manage usage credits for Team and seat-based Enterprise plans」によると、使用クレジットの設定は組織のOwnerまたはPrimary Ownerが行います。

  1. Ownerとしてログインし、[Organization settings]→[Usage]を開く
  2. [Usage credits]で有効にする(Teamはクレジットを前払いで購入し、残高が一定額を下回ったら自動で補充する設定も選べる。旧来の席課金型Enterpriseは月末に実際の利用分が請求される)
  3. 組織全体の月間の支出上限を設定する。この上限は個人や席の上限にかかわらず、組織全体の使用クレジットの合計にかかる
  4. 旧来の席課金型Enterpriseでは、スタンダード席とプレミアム席の席の種類ごとに上限を設定できる
  5. 利用者ごとの月間の上限を設定する。上限に達した利用者は、その月の終わりまで使用クレジットが止まる

設定画面の利用者ごとの一覧には月初からの利用額の列があり、誰がどれだけ使っているかを確認できます。ヘルプは、上限の確認は依頼を送る前に行われるため、最後の1回の依頼で上限をわずかに超えることがあるとも説明しています。

旧来の席課金型Enterpriseでは、利用枠に達した社員に[Request usage credits]のリンクが表示され、管理者にプレミアム席への変更か使用クレジットの有効化を申請できます。申請は[Organization settings]→[Usage]で確認でき、この申請機能自体をオフにすることもできます。社内ルールには、試用期間の上限額、利用者ごとの上限額、申請を承認する人の3つを書いておくと運用が回ります。部署ごとの費用の見える化はAIのコスト管理の記事も参考にしてください。

Claude Codeの自動実行では確認なしで課金される

開発部門でClaude Codeを使う場合は、課金の確認の出方に注意が必要です。Claude Codeのドキュメントによると、使用クレジットが必要な場合、対話形式のセッションではFableの依頼が使用クレジットで課金される前に確認の表示が出ます(Enterpriseで組織請求の利用者には、対話形式でもこの確認は表示されません)。一方、-pオプションを使った非対話の実行やAgent SDKでは確認が表示されず、使用クレジットに課金される場合は確認なしで課金されます。夜間の自動処理などにFableを使う場合は、利用者ごとの支出上限を必ず設定してから始めてください。

Enterpriseで組織のモデルを有効・無効にする

Enterpriseプランの組織では、管理者が[Organization settings]→[Models]で、モデルごとに有効・無効を切り替え、effortの上限を設定できるとヘルプに書かれています。ヘルプはこのモデルのアクセス設定をEnterpriseプランの組織向けの機能としています。試用の段階ではFableを無効にしておき、対象の業務と上限額が決まってから有効にする、という進め方もできます。

導入前に確認すること・チェックリスト

Fableを会社で使い始める前に、少なくとも次の8項目を確認しておくと、費用とデータの扱いで後から慌てずに済みます。

  • 契約しているプランと席の種類Pro・Team スタンダード席は最初から使用クレジット、Max・プレミアム席は週の枠の50%まで。社員ごとの席を一覧にする
  • 使用クレジットの支出上限組織全体・席の種類ごと・利用者ごとの上限額と、申請の承認者を決める
  • Fableを使う業務の範囲まずOpus 5で試し、差が大きい業務だけを対象にする
  • 入力してよい情報の区分30日間の保持を前提に、個人情報・未公表情報・預かった秘密情報の扱いを決める
  • 自動切り替えの社員への説明添付やコネクタの内容でOpusに切り替わることがあり、回答にはモデル名が表示されることを伝える
  • ZDR・データを処理する地域の条件ZDR契約や国内処理を求める契約がある場合は、Fableの保持条件とクラウドの提供地域が合うか確認する
  • 停止時の代替手順切り替え先のモデル、依頼文の保管場所、連絡文、判断者を1枚にまとめる
  • 社員の個人アカウントでの利用の扱い会社契約で使える範囲を示し、個人のProやMaxで業務データを扱わないルールを周知する

社員が新しいモデルを個人アカウントで試し始めると、会社が把握しないまま業務データが使われる状態になりがちです。会社が把握していないAI利用のリスクは野良AIの記事で、社内ルールの作り方は生成AIガイドラインの記事で扱っています。

社員が個人アカウントでAIを使い始める前に、会社で管理できる環境を用意する

新しいAIが話題になると、社員が個人アカウントで先に試し始めがちですが、そのままでは学習の設定も利用の記録も会社の管理の外に残ります。UPGEAR AIは、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で切り替えて使える法人向けのAI基盤です。入力データを学習に使わない設定を標準で適用し、会話履歴・利用ログ・アカウントは国内サーバー(AWSの日本リージョン)で管理します。管理者ダッシュボードで利用ログ・権限・モデルのON/OFFを管理でき、会話の途中でもモデルを切り替えられます。UPGEAR AIの料金は月額30,000円(税抜)からで、ユーザーごとの課金はありません(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。初期費用は100,000円(税抜)です。

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よくある質問

Claude Fableは無料で使えますか?
無料のFreeプランでは使えません。Fable 5とFable 5.1は有料プラン(Pro・Max・Team・Enterprise)で使えるモデルです。Proとチームプランのスタンダード席では月額の利用枠に含まれず、APIの標準単価で支払う使用クレジットが必要です。Maxとプレミアム席では、週の利用枠の50%までを追加料金なしでFableに使えます。
Claude Fableの読み方は何ですか?
英語の発音に近いカタカナではフェイブルと読みます。英語のfableは寓話を意味する単語です。Anthropicの公式ページで名前の由来を説明した記述は、2026年9月17日時点で確認できませんでした。
Claude FableとClaude Mythosは何が違いますか?
Fable 5.1とMythos 5.1は同じ基盤モデルで、安全策の強さと提供先が違います。Fableはサイバーセキュリティと生物学の領域に安全策があり、一般に提供されています。Mythosは審査を通った組織向けのアクセスプログラムでのみ提供され、Anthropicは現時点で米国の一部の組織に限られると説明しています。
Claude Fableはいつまで使えますか?
Anthropicのモデルの非推奨化のページでは、Claude APIなどAnthropicが運営する環境で、Fable 5.1は2027年9月1日より前、Fable 5は2027年6月9日より前には提供終了にならない予定と記載されています。Amazon BedrockとGoogle Cloudは各社が独自の予定を定めるため、使っているクラウドのドキュメントも確認してください。
Fableで質問したのにOpusが回答したのはなぜですか?
Fableには、サイバーセキュリティや生物学などの領域の依頼を検知するとOpusモデルに回す安全策があり、チャット画面では既定で自動的に切り替わります。安全チェックは入力した文章だけでなく、添付ファイル、コネクタの内容、Web検索の結果、メモリも確認するため、自分が打っていない内容で切り替わることもあります。Fableが出力を始める前に切り替わった場合はOpusの料金だけがかかります。回答の途中で切り替わった場合は、それまでの分がFableの料金になります。
Claude Fableに入力したデータは学習に使われますか?
Anthropicの商用利用規約は、TeamやEnterprise、APIなどの顧客コンテンツでモデルを学習させないと定めています。ただしFableは安全監視のため、既定で入力と出力が少なくとも30日間保持されます。Free・Pro・Maxの個人プランは、利用者の設定によって会話が学習に使われることがあるため、業務データは会社契約の環境で扱ってください。

まとめ

Claude Fableは、Anthropicが一般提供モデルの最上位と位置づけるモデルで、2026年9月1日に公開されたFable 5.1が最新版です。APIの単価は入力100万トークンあたり10ドル・出力50ドルで、キャッシュ読み取りは0.25ドルに下がりました。チャットのプランでは、Maxとプレミアム席が週の利用枠の50%まで追加料金なし、Proとスタンダード席は使用クレジットと、席の種類で費用のかかり方が変わります。

会社で使うときは、公式の案内どおりまずOpus 5で進め、差が大きい仕事だけにFableを使うこと、社員に配る前に席の割り当てと使用クレジットの上限を決めること、30日間の保持を前提に入力してよい情報を区分すること、添付ファイルなどでOpusに切り替わる仕組みを社員に説明しておくこと、そして6月のような停止に備えて代替の手順を1枚にしておくことが、無理なく使い始めるための順番です。ほかのAIの解説はAI活用コラムの一覧からご覧ください。