ChatGPTのアカウント共有は規約違反。社内で使い回す会社が今日やること

ChatGPTのアカウント共有とは、1つのアカウントのログイン情報(メールアドレスとパスワード)を複数の人で使い回すことです。個人向けの利用規約も、BusinessやEnterpriseに適用される法人向けのサービス契約も、1つのログインを複数の人で使うことを認めていません。一方で、本人が自分のパソコンとスマートフォンなど複数の端末で同じアカウントを使うことは、公式ヘルプで認められています。部署で1つのPlusを回していると気づいた方は、今日から5つの手順で切り替えを始めることが出来ます。

共有を始めたきっかけが月額の節約だった場合、プランごとの月額や人数別の年額はChatGPTの料金(全プランの比較)で確認いただけます。

結論:アカウント共有は個人向けも法人向けも規約で禁止

ChatGPTのアカウントを他人と共有することは、個人向けの利用規約と、法人向けのOpenAIサービス契約の両方で禁じられています。どちらも2026年1月1日発効の版で、日本語版の原文は次のとおりとなります。

文書対象該当箇所原文(日本語版)
利用規約(2026年1月1日発効)無料版・Go・Plus・Proなど個人向け登録及びアクセスお客様は、アカウントの認証情報を他人と共有したり、アカウントを他人に利用可能にしたりしてはなりません。また、お客様はご自身のアカウントで発生するすべての活動に責任を負います。
OpenAI サービス契約(2026年1月1日発効)Business・Enterprise・APIなど法人向け3.1 顧客アカウントお客様は、アカウントアクセス認証情報または個別のログイン認証情報を複数のユーザー間で共有しないものとします。お客様は、自身のアカウントまたはいかなるエンドユーザーアカウントへのアクセス権も、再販売または貸与してはなりません。
同上同上3.2エンドユーザーアカウントは、1名のエンドユーザーに対してのみプロビジョニングおよび登録され、当該エンドユーザーによってのみ使用されるものとします。お客様は、自己のアカウントにおいて発生するすべての活動について責任を負います。

※規約の原文は2026年9月26日にOpenAIの公式サイト(日本語版)で確認したものです。規約は改定されることがあるため、社内の資料に引用する際は最新の版をご確認ください。

個人向け利用規約:アカウントを他人に利用可能にしてはならない

PlusやGo、無料版を使う方に適用されるのが個人向けの利用規約で、共有を禁じる一文は「登録及びアクセス」の章に置かれています。禁じられているのは、ログイン情報を教えることだけではありません。ログインしたままのパソコンを同僚に貸して使わせることも、文言のうえでは「アカウントを他人に利用可能に」する行為に入ると読むのが自然でしょう。

法人向けのサービス契約3.1・3.2:1つの席は1人のもの

会社で契約するBusinessやEnterprise、APIなどには、個人向けとは別のOpenAIサービス契約が適用されます。3.1では認証情報を複数のユーザー間で共有しないことと、アクセス権を再販売や貸与しないことが定められ、3.2では利用者のアカウントを1名だけに登録し、その本人だけが使うことが求められています。

法人契約に切り替えても、1つのログインを部署の全員で使ってよいことにはなりません。会社契約に移すのは、1人に1つのログインを配るためだと考えておきましょう。

公式ヘルプが挙げる、共有を認めない3つの理由

公式ヘルプのOpenAI アカウント共有ポリシーは、アカウントは作成者本人専用のもので、ほかの人が使う場合は各自でアカウントを作る必要があると説明しています。共有を認めない理由として挙げられているのは、次の3つです。

  • セキュリティリスク:ログイン認証情報を共有すると、個人データや支払い情報が漏洩する恐れがある
  • 悪用のリスク:複数のユーザーが1つのアカウントを使用すると、ポリシー違反や不正使用のリスクが高まる
  • パーソナライズされた体験:OpenAIのサービスは、個々の使用パターンや好みに合わせてカスタマイズされる

3つ目は見落とされがちな理由になります。1人の使い方に合わせて調整される前提のサービスを数人で使うと、その調整が誰に向けたものなのか分からなくなってしまいます。

共有相手がした違反の責任もアカウントの持ち主が負う

共有をしていると、ほかの人が入力した内容や規約に反する使い方も、アカウントの持ち主の責任として扱われます。個人向けの規約ではアカウントの持ち主が、法人向けの3.2では契約した会社が、アカウントで起きたすべての活動に責任を負うと定めているためです。社員が自分のカードで払っているPlusを部署で使っている場合、責任の名義はその社員個人に残る点にも気を付けてください。

これは共有に当たる?社内でよくある10の場面の判断表

迷いやすいのは、本人の複数端末や代行入力のように、1人の利用と共有の境目にある場面です。次の表は規約と公式ヘルプの原文から判断できる範囲で整理したもので、公式に明言されていない行はその旨を添えています。

社内でよくある場面判断根拠
自分のパソコンとスマートフォンで、同じアカウントを使う共有に当たらない公式ヘルプ「OpenAI アカウントは複数のデバイスでご利用いただけます」。ただし活動状況やプランに応じて使用制限がかかる場合がある
Plusを買ったアカウントで、別の端末からも有料機能を使う共有に当たらない公式ヘルプ「同じ OpenAI アカウントでログインすれば、別のデバイスでもサブスクリプションを利用できます」
部署の共用メールアドレスで登録し、数人でログインする不可利用規約「アカウントの認証情報を他人と共有したり」
上司が契約したPlusのパスワードを部下に教えて使わせる不可利用規約・アカウント共有ポリシー「作成者ご本人専用」
退職した社員のアカウントに、後任がそのままログインして使う不可利用規約・アカウント共有ポリシー。Businessなら席を後任に付け替えて対応する
Businessの1つの席を、2人が交代で同じログインを使う不可サービス契約3.1・3.2「1名のエンドユーザーに対してのみ」
上司のアカウントに秘書や部下がログインし、代わりに入力する不可と考えるのが安全規約の文言から読める範囲(他人と共有・他人に利用可能に)。公式の明言なし
本人がログインして操作する画面を、会議で皆が見る共有に当たらないと考えられる規約の文言から読める範囲(操作しているのは本人だけ)。公式の明言なし
Businessで、会話を共有リンクにして同僚に見せる可(同じワークスペースのメンバーだけ)公式ヘルプ「同じワークスペースの他のメンバーと共有することができます」
家族で1つのPlusを使い回す不可利用規約。家族向けプランの案内は公式に見当たらない(2026年9月26日時点)

表のうち、秘書の代行入力と会議での画面表示の2つは、公式ヘルプに直接の記述がない場面になります。規約は認証情報を他人と共有することと、アカウントを他人に利用可能にすることを禁じているので、他人が自分でログインして操作する代行入力は避けたほうがよいでしょう。反対に、本人がログインして操作し、その画面を会議で映すだけであれば、アカウントを使っているのは本人だけという整理が成り立ちます。

ただし、会議の画面には履歴の一覧も映り込むため、社外秘の会話名が並んでいないかを映す前に確かめておくと安心です。判断に迷う場面が出てきたら、社内のルールでは不可の側に倒しておき、必要なら利用者を1人増やす形で対応してみてください。

共有したくなる理由と、規約に沿った代わりの方法

会社でアカウントを共有してしまう理由は、たいてい月額を浮かせたいか、履歴やプロンプトを皆で見たいかのどちらかに分かれます。どちらにも、規約に沿った代わりの方法があります。

Plusの月額を割り勘にしたい:差額は会社の年間の出費で見る

5人で1つのPlusを回していた場合と、5人分の席を持つBusinessに移した場合を、会社の年間の出費で比べてみましょう。日本から表示した料金ページの円表示では、Plusが月3,000円、Businessの標準シートが1席あたり月3,050円(年額課金)または月3,850円(月額課金)となっています。

5人で1つのPlusなら年36,000円ですが、Businessの5席は年額課金で年183,000円、月額課金では年231,000円かかります。共有で浮いていたように見えた金額は、年147,000円から195,000円になります。この差額で、規約に反した状態と、誰が何を入力したか分からない状態を続けていた、と言い換えることも出来ます。

※料金は2026年9月16日時点で、日本から表示したOpenAI公式の料金ページの円表示です。税込か税別かの記載はないため、税は足していません。表示通貨は閲覧する環境で変わり、米ドル表示ではPlusが月20ドル、Businessの標準シートが月20ドル(年額課金)・月25ドル(月額課金)です。

人数が変わった場合の年額や、Business以外のプランとの比べ方はChatGPTの料金(人数別の年額)で確かめてみてください。

たまにしか使わない人のために1つを回したい:席を付け替える

月に数回しか使わない社員のために1席を買うのはもったいない、という考えから共有が始まる会社も少なくありません。Businessの席は、使う人とは別に管理される有料の利用枠で、所有者が購入してメンバーに割り当てたり、別のメンバーに付け替えたりすることが出来ます。退職や異動に合わせて席を動かせば、1つのログインを回さなくても人の入れ替わりに対応できる仕組みです。詳しくは後半の「人数分の席へ移すときの3つの注意」で紹介しています。

履歴やプロンプトを皆で見たい:共有リンクと別の置き場所を使う

上司が部下の会話を見て指導したい、よく効くプロンプトを皆で使い回したいという理由で、あえて1つのアカウントにまとめている会社もあります。会話を見せたいときは、Businessなら会話ごとの共有リンクを使い、同じワークスペースのメンバーにだけ見せることが出来ます。よく使うプロンプトは、社内の共有フォルダや手順書に文章として置いておけば、どのアカウントからでも同じものを使うことが可能です。

指示の型をそろえたい場合は、BusinessでGPT(用途に合わせた指示を組み込んだ専用のチャット)を作り、ワークスペースの中で共有する方法も取れます。プロンプトは人ではなく置き場所にひも付けて共有すると決めておきましょう。

共有を続けると会社に起きること

共有を続けた場合に会社が負うのは、アカウントが止まるおそれよりも、誰が何を入れたか分からない状態が続くことのほうが重い問題になります。起きることを順に見ていきます。

規約違反によるアカウントの利用停止(基準は公開されていない)

OpenAIは、共有を理由にした停止の基準や件数を公開していません。そのため、共有すれば必ずBANされるといった言い方には根拠がないことになります。一方で公式ヘルプは、複数の人が1つのアカウントを使うとポリシー違反や不正使用のリスクが高まることを、共有を認めない理由に挙げています。

毎日の業務で使っているアカウントが急に使えなくなれば、その日の仕事が止まり、履歴にも手が届かなくなるおそれがあります。停止されるかどうかより、規約違反の状態を会社として説明できないこと自体を問題と捉えてください。

チャット履歴が全員に見え、機密や個人情報が漏れる

共有アカウントでは、画面の左側の履歴一覧に全員の会話が並ぶため、誰かが入力した顧客名や金額、社員の個人情報を、ほかの全員が開いて読めてしまいます。メモリ(過去の会話から覚えた情報)を使っている場合は、ある人が話した内容が、別の人への応答に反映されることも考えられます。

共有アカウントに入れた情報は、同じログインを知る全員に見えると考えておきましょう。漏洩の経路をひと通り押さえたい方は、ChatGPTからの情報漏洩の経路と対策もあわせてご覧ください。

誰が入力したか追えない・退職者が使い続ける・乗っ取り

履歴には入力した人の名前が残らないため、問題のある入力が見つかっても、それが誰だったのかを後からたどることは出来ません。パスワードを知る人は、異動や退職のあとも自分のスマートフォンからログインできたままになりがちです。教えた相手がさらに別の人へ伝えたり、付せんやメモに残したりすれば、パスワードが外に出るきっかけも増えてしまいます。

公式ヘルプも、ログイン情報の共有で個人データや支払い情報が漏洩するおそれを、共有を認めない1つ目の理由に挙げています。会社が把握していないAIの使い方はシャドーAI(野良AI)と呼ばれ、共有アカウントも、名義と実際の利用者が食い違うという点で同じ問題を抱えた使い方です。

利用上限を複数人で食い合う

料金ページのFAQにあるとおり、有料プランの料金はユーザー1人あたりの月額として設定されています。公式ヘルプには、アカウントの活動状況やサブスクリプションのレベルに応じて使用制限がかかる場合があるとも書かれており、5人で1つを使えば、上限に届く時期も早まってしまいます。締め切りの前に限って使えないという事態を避けるためにも、1人1つのアカウントにしておくのが安心です。

会計事務所・士業では守秘義務の説明がつかなくなる

会計事務所や士業の事務所で顧問先の情報を共有アカウントに入れていた場合、どの職員がどの顧問先の情報を入れたのかを示すことが出来なくなってしまいます。守秘義務について顧問先から尋ねられたときに説明の材料がない状態になるため、ほかの業種より早めに切り替えることをおすすめします。事務所での使い方の線引きは士業のAI活用でも紹介しています。

誰が何を入れたか分かる形に、会社の環境をそろえる

共有アカウントをやめるなら、社員が使う環境を会社で1つに決めて配る方法もあります。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。

すでに共有している会社が今日やる5つの手順

共有に気づいたら、棚卸し、履歴の確認、会話の持ち出し、パスワードの変更、席の準備の順に進めると混乱が少なくなります。ただし、退職した方や社外の方がパスワードを知っている場合や、心当たりのない利用がある場合は、先にパスワードを変えてください。会話はパスワードを変えても消えないため、担当者が新しいパスワードで持ち出せば足ります。

手順1 ログイン情報を知っている人と契約者を棚卸しする

まずは、どのアカウントを、誰が、どの名義とカードで使っているのかを一覧にしてみてください。次の6項目を表計算ソフトに1行ずつ書き出していくと、抜けがなくなります。

  • 共有しているアカウントの登録メールアドレス個人のアドレスか、部署の共用アドレスか、会社で個人に割り当てたアドレスかを分けて書きます。手順5と「企業のドメイン」条項の扱いがここで変わります。
  • プラン名と支払い方法Plus・Goなどのプラン名、支払いに使っているカードの名義(会社か個人か)、次の更新日を控えます。
  • ログイン情報を知っている人今いる社員だけでなく、異動・退職した人、外注先や派遣の方も含めて書き出します。
  • ログインしている端末会社のパソコン、個人のスマートフォン、自宅のパソコンなど、思い当たる端末をすべて挙げます。
  • 主な使い道誰がどの業務で使っていたか。手順3で持ち出す会話を選ぶ材料になります。
  • 2要素認証の設定の有無設定されている場合は、確認コードを受け取る端末が誰の持ち物かも確かめます。

棚卸しの一覧は、共有をやめたあとも、誰にいつ新しいアカウントを渡したかの記録として使い続けることが出来ます。

手順2 履歴に顧客情報や社外秘が入っていないか確認する

次に、履歴の一覧を上から順に開き、顧客名、個人名、金額、契約書や決算資料の貼り付けなどが含まれていないかを確かめます。見つかった場合は、いつ頃の会話か、どの業務だったかを記録し、社内で情報管理を担当する方に伝えましょう。

学習に使われる設定のまま入力していたかどうかも、あわせて確認が必要です。個人向けプランでは、設定の「データ管理」にある「すべてのユーザー向けにモデルを改善する」がオンのままだと、会話がモデルの学習に使われる場合があります。今後の入力に備えてオフにし、確認した日付を棚卸しの一覧に書き添えておいてください。

※設定の名前は公式ヘルプの記事によって表記が異なり、「すべての人のためにモデルを改善する」と書かれている記事もあります(2026年9月16日確認)。オフにしても、回答に良い・良くないの評価を付けた場合は、その会話全体が学習に使われることがあると案内されています。

手順3 残す会話を持ち出す(Businessでは利用者が自分で書き出せない)

業務で使い続けたい会話は、共有をやめる前に中身を持ち出しておく必要があります。公式ヘルプのChatGPT Business でのデータ共有とプライバシーの管理では、Businessのワークスペースでは利用者が自分でデータを書き出す機能はないと案内されています。会話の持ち出しは、Businessへ移行する前に済ませてください。

個人向けのアカウントでは、「設定」の「データ管理」にある「データのエクスポート」で、会話をまとめて書き出すことが出来ます。準備ができるとメールで届き、最大7日かかる場合があるため、停止日より前に余裕を持って申し込んでおきましょう。持ち出すものは、今後も参照する手順書の下書き、よく使うプロンプト、取引先ごとの定型文など、業務で繰り返し使う情報に絞ると作業が軽くなります。書き出したデータや、コピーした会話の本文を社内の文書に保存し、誰の業務の何のための会話だったかを冒頭に書いておけば、後から探すときにも迷いません。顧客情報が含まれる会話は、持ち出す前に社内の情報管理のルールに照らして、保存してよいかを判断しましょう。

手順4 パスワード変更・2段階認証・ほかの端末からのログアウト

持ち出しが終わったら(急ぎの事情があれば持ち出しの前に)、アカウントのパスワードを、ほかのサービスで使っていない強いものに変えます。公式ヘルプも、アカウントが侵害されたおそれがあるときの対応として、強力で一意のパスワードへの変更と、2要素認証(2FA)の有効化を挙げています。2要素認証(2段階認証とも呼ばれます)は、パスワードに加えてスマートフォンのアプリなどで確認コードを入れる仕組みで、パスワードが漏れていても第三者のログインを防ぎやすくなります。

公式ヘルプでは、「設定」の「セキュリティ」にある「すべてのデバイスからログアウト」で、ほかの端末をまとめてログアウトできると案内されています。すべてのログアウトには最大30分かかる場合があるため、しばらくたってから、元の利用者がログインできないかを確かめてみてください。操作した日時は、棚卸しの一覧に書き添えておきましょう。

手順5 人数分の席を用意し、Plusの解約時期を決める

最後に、使っていた人数分のアカウントを用意し、共有していたアカウントの扱いを決めます。会社で契約するならBusinessの席を人数分用意し、各自を会社のメールアドレスで招待する形が基本です。ChatGPT Business - 概要によると、Businessのワークスペースには合計で少なくとも2席が必要で、料金ページでは従業員数2〜200名のチーム向けと案内されています。

Plusを解約するのは、全員が新しいアカウントで使い始めたのを確かめてからにしてください。解約は設定の「アカウント」からいつでも出来ると案内されていますが、切り替えが済むまでは、共有アカウントのログイン情報を持つ人を1人に絞っておくと混乱が少なくなります。スマートフォンのアプリから購入した場合は、App StoreやGoogle Playの側で解約します。請求書払いや銀行振込が必要な会社には、セルフサービスのBusinessではなく、契約ベースのサービスを使うよう公式ヘルプで案内されています。

複数人で使う正規の方法は3つ

ChatGPTを会社の複数人で使うには、法人向けプランを契約するか、社員ごとに個別のアカウントを作るか、APIを使って自社の画面から使うかの3つの道があります。どれを選んでも、1つのログインを複数の人で使い回さないという前提は変わりません。

法人向けのBusinessとEnterpriseを契約する

Businessは2025年8月29日まではTeamという名前だったプランで、1席ごとの月額で人数分を契約し、各自が自分のログインで使う形になります。公式ヘルプでは、ワークスペースのデータを学習に使用しないと案内されています。Enterpriseは料金が営業担当との個別の相談で決まるプランで、共有リンクを全面的に無効にする設定など、管理の機能が加わります。法人プランの料金と中身の違いはChatGPTの法人プランの料金で詳しく比べています。

社員ごとに個別のアカウントを作り、社内ルールで管理する

少人数で試す段階なら、社員が各自で個人向けプランに登録し、会社がルールで管理する方法もあります。この場合は、学習に使われる設定をオフにすること、入力してよい情報の範囲、退職時の解約を、社内のルールで決めておかなければなりません。個人向けプランを経費で配る方法とBusinessの違いは、ChatGPT BusinessとPlusを経費で払う場合の違いにまとめています。

APIやAzure OpenAI経由で自社の画面から使う

開発の担当者がいる会社では、OpenAIのAPIや、MicrosoftのAzure OpenAIのようなクラウドのサービスを通して、自社で用意した画面から使う方法もあります。OpenAIのAPIを使う場合も、アカウントの認証情報を複数の人で共有しないことはサービス契約3.1で定められており、APIキーもこれに準じて扱うのが安全です。自社の画面を通じて社員が使う場合は、社員の利用について会社が責任を負うと3.2に書かれている点にも気を付けてください。画面の開発や保守の手間がかかるため、社員10〜200名規模で開発の担当者がいない会社では、ほかの2つから選ぶのが現実的でしょう。

人数分の席へ移すときの3つの注意

共有アカウントから会社契約へ移るときにつまずきやすいのは、会社のメールで作ったアカウントの扱い、会話の持ち出し、席の考え方の3つです。

会社のメールで作ったアカウントは「企業のドメイン」条項の対象になる

個人向けの利用規約には「企業のドメイン」という項目があり、雇用主など組織が所有するメールアドレスで作ったアカウントは、組織のビジネスアカウントに追加される場合があると書かれています。移行されたアカウントは組織の管理者が管理できるようになり、会話の内容へのアクセスや、そのアカウントへのログインの制限・削除まで出来るようになるという内容です。

部署の共用アドレスで作った共有アカウントがこの形で取り込まれると、共有時代の全員分の会話が、1人のメンバーのものとして会社のワークスペースに残ることも考えられます。共用アドレスのアカウントは移行の対象にせず、手順3で会話を持ち出したあとに使うのをやめ、各自を個人の会社アドレスで新しく招待するほうが整理しやすいでしょう。公式ヘルプでは、個人用ワークスペースを分けたままにするか統合するかは本人が選べ、統合は元に戻せないと案内されているため、共用アドレスのアカウントは統合しないのが無難です。

Businessでは自分で書き出せない。移行の前に持ち出す

手順3でも触れたとおり、Businessのワークスペースでは、利用者自身がデータを書き出す機能はないと案内されています。共有アカウントの会話は後から移せばよいと考えて先にアカウントの整理を進めてしまうと、残したかった会話に手が届かなくなるおそれがあります。移行後も、業務で繰り返し使う会話は社内の文書として残す習慣を付けておくことをおすすめします。

Businessの席は人と別で、付け替えられる

公式ヘルプでは、シートとはワークスペース内の有料の利用枠で、それを使うメンバーとは別個のものと説明されています。所有者はシートを購入し、新しく招待するメンバーや既存のメンバーに割り当てることができ、シートの間でユーザーを入れ替えることも出来ます。たまにしか使わない人のために、1つのアカウントを回す必要はありません。

退職や異動のときは、席を後任に付け替えて対応することが出来ます。ただし年額課金では、追加した席は契約期間の終わりまで料金の対象として残るため、繁忙期だけの増員は月額課金で考えるのが安心です。標準シートと、標準の5倍の利用枠を持つプレミアムシートを組み合わせることも出来るので、使う量の多い方だけを上位の席にする形も取れるでしょう。

会社契約に移したあとの「共有してよい範囲」

Businessに移ったあとは、会話を人に見せたいときに、ログインではなく共有リンクを使う形に変わります。公式ヘルプによると、Businessでは各ユーザーが自分専用のチャット履歴を持ち、ほかのメンバーに自動的に表示されることはありません。利用状況の分析や支出の管理はチャット履歴へのアクセスとは別のもので、本人が共有を選ばない限り、会話は本人のものとして扱われると案内されています。

※OpenAIのエンタープライズプライバシーのページには、Businessのワークスペース管理者が会話履歴を閲覧・エクスポート・削除できるという記載もあり、公式の説明は揃っていません(2026年9月19日確認)。社内には、管理者から見られる可能性がある前提で使うよう伝えておくと安全です。

したいこと共有アカウントのときBusinessに移したあと(公式ヘルプ)
会話を同僚に見せる全員が同じ履歴を開けてしまう会話ごとの共有リンクで、同じワークスペースのメンバーにだけ見せる
社外の人に会話を見せるログイン情報を知っていれば誰でも見られる共有リンクを渡しても、ワークスペース外のユーザーは内容を確認できない
上司が部下の会話を確認する履歴を開けば読める公式ヘルプでは、既定で他のメンバーのチャットは自動表示されず、利用状況分析とチャット履歴へのアクセスは別とされる(上の注記も参照)
よく使う指示の型を配る同じアカウントに残しておくGPTを作ってワークスペース内で共有する
不要になった共有を片付ける仕組みがない「設定」>「データ管理」の共有リンクの「管理」から削除する
共有リンクを会社として全面的に止める止められない全面的な無効化はEnterpriseでのみ利用可能

表の3行目のとおり、上司が履歴を開いて部下の会話を確認する運用は、移行後は同じやり方では続けられないと考えておきましょう。指導や確認が必要な会話は、本人が共有リンクを作って上司に渡す、という手順を社内で決めておくと迷いません。会話の見え方の詳細はChatGPTの履歴は誰が見られるか、招待の前に済ませたい初期設定はChatGPT Businessのワークスペースを作る前にやることで確認することが出来ます。

社員への通知文のひな形

共有をやめる日を決めたら、停止日、会話の持ち出しの期限、新しいアカウントの受け取り方を、1通の通知で社員に伝えます。次のひな形の【】の部分を自社の内容に置き換えて使ってみてください。

件名:ChatGPTの共用アカウントの利用停止と、個人アカウントへの切り替えについて

【部署名】の皆さま

これまで【部署名】で使ってきたChatGPTの共用アカウント(登録メール:【アドレス】)は、OpenAIの利用規約でログイン情報の共有が認められていないため、【停止日】をもって利用を停止します。

1.残したい会話の持ち出し(期限:【持ち出しの期限】)
業務で今後も使う会話は、本文をコピーして【保存先のフォルダ】に保存してください。ファイル名の先頭に日付と業務名を付けてください。顧客名や個人情報を含む会話は、保存する前に【担当者名】へご相談ください。

2.新しいアカウントの受け取り方
【日付】までに、会社のメールアドレス宛てに招待メールが届きます。メール内のリンクから登録し、設定の「セキュリティ」にある多要素認証(2要素認証)を有効にしてください。共用アカウントのパスワードは【停止日】に変更します。

3.入力してよい情報
新しいアカウントでも、入力してよい情報は【社内ルールの名称と掲載場所】に従ってください。

4.会話を人に見せたいとき
ログイン情報は教え合わず、会話ごとの共有リンクを使ってください。共有リンクは同じワークスペースのメンバーだけが開けます。

5.禁止事項
新しいアカウントのログイン情報を、ほかの社員や社外の人に教えないでください。私用のアカウントに業務の情報を入力しないでください。

問い合わせ先:【担当部署・担当者名・内線番号】

停止日は、招待メールが全員に届いてから1〜2週間後に置くと、持ち出しの作業に余裕が生まれます。入力してよい情報のルールがまだない会社は、生成AIの社内ガイドラインの作り方を参考に、通知と同じ時期に定めておくのがおすすめです。設定の漏れを点検したいときは、AIセキュリティのチェックリストも使うことが出来ます。

1人が複数のアカウントを持つ場合と、家族での共有

1人の方が仕事用と私用で別々のアカウントを持つことは、他人とログインを分け合う共有とは別の話になります。冒頭で引用した個人向け規約の段落は他人との共有を禁じるもので、1人が複数のアカウントを持つことには触れていません。ただし、利用上限を避ける目的で複数のアカウントを使い分けることは、規約の禁止事項にある「レート制限や規制を回避」する行為に当たるおそれがあります。また、会社の業務は会社が用意したアカウントで行い、私用のアカウントには業務の情報を入れないという線引きは、社内ルールとして決めておきましょう。

家族で1つのPlusを使い回すことも、会社の場合と同じく規約で認められていない使い方です。2026年9月26日時点で、ChatGPTの家族向けプランの案内は公式には見当たりません。

社員全員に、会社が把握できるAIの環境を

UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で使える法人向けサービスです。管理者ダッシュボードで利用ログ・権限・モデルのON/OFFを管理でき、基盤はAWSの日本リージョンで稼働しています。料金は月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名・スタンダード6〜20名・プレミアム21〜50名)。初期費用100,000円(税抜)が別途かかります。

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よくある質問

ChatGPTは二人で1つのアカウントを使えますか?
使えません。個人向けの利用規約はアカウントの認証情報を他人と共有することを禁じており、公式ヘルプもアカウントは作成者本人専用で、ほかの人は各自でアカウントを作る必要があると説明しています。二人で使う場合は、それぞれがアカウントを持つか、会社であればBusinessで2席を契約する形になります。
自分のパソコンとスマートフォンで同じアカウントを使っても問題ありませんか?
本人が自分の複数の端末で使うことは、公式ヘルプで認められています。公式ヘルプには、OpenAIのアカウントは複数のデバイスで利用できると書かれており、有料プランも同じアカウントでログインすれば別のデバイスで使えます。ただし、アカウントの活動状況やプランに応じて使用制限がかかる場合があるとも案内されています。
ChatGPT Businessにすれば、1つのアカウントを部署の全員で使えますか?
使えません。法人向けのOpenAIサービス契約3.1は認証情報を複数のユーザー間で共有しないことを定め、3.2は利用者のアカウントを1名だけに登録し、その本人だけが使うことを求めています。Businessは1人に1つのログインを人数分配るための契約です。
家族でPlusを共有できますか?
個人向けの利用規約は、アカウントを他人に利用可能にすることを認めていません。2026年9月26日時点で、ChatGPTの家族向けプランの案内は公式には見当たらないため、家族それぞれがアカウントを持つ形になります。
アカウントを共有すると、OpenAIに気づかれて停止されますか?
OpenAIは、共有をどう検知するか、どの程度で停止するかといった基準を公開していません。そのため必ず停止されるとは言えませんが、共有は規約違反であり、会社としては停止されるかどうかより、誰が何を入力したか追えない状態を続けること自体を問題として扱うことをおすすめします。
1人で仕事用と私用の2つのアカウントを持ってもよいですか?
個人向け規約の共有を禁じる段落は他人との共有についての定めで、1人が複数のアカウントを持つことには触れていません。ただし、利用上限を避ける目的で複数のアカウントを使い分けることは、規約の禁止事項にある「レート制限や規制を回避」する行為に当たるおそれがあります。会社としては、業務は会社が用意したアカウントで行い、私用のアカウントに業務の情報を入れないというルールを決めておくと安全です。
共有アカウントの会話は、Businessに移せますか?
会社のメールアドレスで作ったアカウントは、規約の企業のドメイン条項により組織のビジネスアカウントに追加される場合があります。一方で、Businessのワークスペースでは利用者自身がデータを書き出す機能はないと案内されているため、残したい会話は移行の前に、個人アカウントの「データのエクスポート」や本文のコピーで社内の文書へ持ち出しておくのが確実です。

まとめ

ChatGPTのアカウント共有は、個人向けの利用規約でも、BusinessやEnterpriseに適用される法人向けのサービス契約でも認められていない使い方です。本人が自分の複数の端末で使うことは公式ヘルプで認められていますが、ほかの人とログインを分け合うことは、法人契約に切り替えても変わりません。

すでに共有している場合は、棚卸し、履歴の確認、会話の持ち出し、パスワードの変更と2段階認証、人数分の席の準備の順で進めてみてください。Businessでは利用者自身がデータを書き出す機能はないと案内されているため、会話の持ち出しは移行の前に済ませる必要があります。移行後は、会話を見せたいときは共有リンク、プロンプトは社内の置き場所で共有する形に切り替わります。

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