Copilotのプロンプトの書き方。4要素で書く業務別の例文と社内での共有

Copilotのプロンプトとは、Copilotに必要な内容を伝えるために入力する指示や質問のことです。Microsoftの公式ガイドでは、目標・コンテキスト・期待値・ソースの4つの部分で組み立てる形が示されており、欠かせないのは明確な目標だけとされています。業務の型に合わせて4要素を埋め、うまくいった文を社内で共有していけば、社員ごとの出来のばらつきを抑えることが出来ます。例文は業務別・アプリ別に、そのままコピーして使える形で載せました。

Copilotのプロンプトとは|Copilotへの指示や質問

プロンプトとは、Copilotに何をしてほしいかを伝える指示や質問の文を指します。Microsoftのサポートページでは、プロンプトは少ない量でも多い量でも入力でき、必要なのは明確な目標だと説明されています。メールの下書きを頼む一行も、資料を指定して要約の形まで決めた長い依頼も、どちらも同じプロンプトです。

同じページには、同じプロンプトを入力しても、ほとんどの場合は毎回少し違う結果が返ってくるとも書かれています。一度で正解を引き当てるものではなく、追加の指示で詰めていく前提で使うことになります。公式ガイドも、求める結果を得るまでに何度かやり取りすることを想定するよう勧めているため、最初の1回で完璧な文を目指す必要はありません。

なお、名前の似たWindowsのコマンドプロンプトは、文字を打ち込んでパソコンを操作するための画面で、Copilotのプロンプトとは別のものです。Copilotそのものの種類や全体像はCopilotとはで整理していますので、あわせてご覧ください。

※本文の仕様・上限・名称は、2026年9月25日時点でMicrosoftの公式サポートページとMicrosoft Learnに書かれている内容です。画面の名称や上限は変更されることがあります。

書き方の基本は4要素|目標・コンテキスト・期待値・ソース

Copilotのプロンプトは、公式ガイドが示す目標・コンテキスト・期待値・ソースの4要素で考えると、抜けている情報に気づきやすくなります。4つすべてを毎回書く必要はなく、まず目標をはっきりさせ、答えがずれたときに残りの要素を足していく使い方で十分でしょう。

目標:何をしてほしいか

目標は、Copilotにしてほしい作業そのものを指します。「まとめて」「考えて」だけでは作業の範囲が広すぎるため、「3行で要約して」「件名を5案出して」のように、終わりが見える動詞で書くのがコツです。

コンテキスト:なぜ・誰のために必要か

コンテキストは、その作業が必要な理由や読む相手、置かれている状況のことになります。同じ要約でも、役員に上げるのか新人に渡すのかで、残すべき情報は変わってきます。背景を一文足すだけで、答えの向きが大きく変わることも珍しくありません。

期待値:どんな形で返してほしいか

期待値は、答えの長さ・形式・口調など、受け取りたい形の指定を指します。「箇条書き5点で」「表にして」「社外向けの丁寧な文体で」と書いておくと、手直しの手間を減らすことが出来ます。

ソース:どの情報をもとにするか

ソースは、Copilotに参照させたいファイルやメール、会議などの情報源になります。Copilot Chatでは入力欄に「/」を打つと、参照したいファイルなどを選べます(ライセンスによって選べる範囲が違う点は後の節で扱います)。ソースを指定しないと、Copilotは手元にない情報を一般論で補おうとするため、社内の数字や固有の事情が絡む依頼では必ず指定したいところです。

役割の指定は4要素の補助として使う

公式の4要素には含まれていませんが、「あなたは総務担当者として」のように立場を伝える書き方もよく使われています。役割を書くと、言葉づかいや注意する観点がそろいやすくなるのが利点でしょう。ただし役割だけでは目標が伝わらないため、あくまで4要素に足す補助として使ってみてください。

業務別の例文|4要素を足す前と後で比べる

4要素の効き目は、同じ依頼を足す前と後で並べると分かりやすくなります。ここでは中小企業の管理部門で日々発生する、総務・経理・情シス・会計事務所の4つの仕事で書き分けました。

総務:社内通知の文面を作る

足す前(目標だけ)

健康診断のお知らせを書いて。

足した後(目標+コンテキスト+期待値+ソース)

全社員向けに、今年の定期健康診断のお知らせを作成してください。
【背景】昨年は受診漏れが多く、期限直前に問い合わせが集中しました。
【形式】件名1行、本文は300字以内。日程・場所・持ち物・申込期限を箇条書きで先に示し、最後に問い合わせ先を1行で。
【参照】/(健康診断の案内PDF)の日程と会場を使ってください。案内に書かれていない情報は書かず、「要確認」と残してください。

足す前の文では、Copilotは一般的な健康診断の案内を書くしかありません。足した後は、日程と会場を資料から拾い、読み手が最初に知りたい情報を上に置いた文面が返ってくるようになります。書かれていない情報を「要確認」と残させる一文は、どの業務でも使える指定です。

経理:月次の差異を説明する

足す前

先月の経費の増減をまとめて。

足した後

/(月次経費集計のExcel)をもとに、前月と比べて増減が大きい勘定科目を上位5つ挙げてください。
【背景】経営会議で社長に口頭で説明するための下準備です。
【形式】科目名・前月比の増減額・増減の理由として考えられること、の順に1行ずつ。理由は資料から読み取れる範囲にとどめ、推測の場合は「推測」と明記してください。

経理の依頼では、数字の読み違いがそのまま説明の誤りにつながってしまいます。理由を推測で埋めさせない指定を入れておくと、資料にない話が混ざったときにすぐ見分けられます。

情シス:社員からの問い合わせに答える

足す前

パスワードを忘れた人への返信を書いて。

足した後

社員からの「パスワードを忘れてログインできない」という問い合わせへの返信文を作成してください。
【背景】相手はITに詳しくない営業職で、外出先のスマートフォンから読みます。
【形式】200字以内。手順は番号付きで3ステップまで。専門用語は使わず、最後に解決しない場合の連絡先を書く欄を【】で空けておいてください。
【参照】/(社内のパスワード再設定マニュアル)の手順に沿ってください。

情シスの返信は、読む相手の状況をコンテキストに書くかどうかで使いやすさが分かれます。スマートフォンで読む営業職と書くだけで、手順の数や言葉の選び方が変わってきます。

会計事務所:顧問先への案内文を整える

足す前

年末調整の案内を作って。

足した後

顧問先の総務担当者に送る、年末調整の書類提出のお願いを作成してください。
【背景】毎年、提出期限を過ぎてから書類が届く顧問先が一定数あります。先方を責める調子は避けたいです。
【形式】メール本文として400字以内。提出期限と提出書類を冒頭に置き、書類名は箇条書きに。期限の日付は【日付】と空欄にしてください。

会計事務所の案内文は、顧問先の名前や個別の事情を入れずに型を作り、送る直前に人が埋める形にしておくと安心です。顧問先の情報をプロンプトに入れてよいかは、後半のチェックリストで確認してみてください。

アプリ別の例文|Word・Excel・PowerPoint・Outlook・Teams

アプリの中でCopilotを使うときは、開いている文書やメールが話題の前提になるため、プロンプトは目標と期待値を中心に短く書けます。どのアプリで何ができるかはライセンスの種類で変わるため、使う前に自社の契約を確かめておきましょう。

Word:報告書の下書きと要約

この文書を、忙しい役員が1分で読める長さに要約してください。結論を最初の1文に置き、そのあとに根拠を3点、箇条書きでまとめてください。
以下の箇条書きのメモをもとに、社内向けの報告書の下書きを作成してください。見出しは「目的」「実施内容」「結果」「今後の課題」の4つにしてください。

Excel:集計と傾向の読み取り

この表の月別売上から、前年同月と比べて落ち込みが大きい月を3つ挙げ、それぞれの落ち込み幅を示してください。
担当者別に件数を集計する列を追加してください。使った数式も説明してください。

Excelの操作全般の頼み方はExcelのCopilotの使い方で詳しく扱っています。

PowerPoint:構成案とスライドの作成

新入社員向けの情報セキュリティ研修の資料を10枚で作成してください。1枚目は表紙、最後の1枚は確認クイズにしてください。専門用語には短い説明を添えてください。

スライド作りでの注意点はPowerPointのCopilotで確かめられます。

Outlook:メールの下書きと要約

このメールのやり取りを要約し、相手が私に求めていることと、返信の期限があればその日付を先に示してください。
取引先に、打ち合わせの日程を1週間後ろにずらしたいとお願いするメールを作成してください。相手の都合を優先する丁寧な文面で、候補日は【候補日】と空けておいてください。

メールまわりの使い方はOutlookのCopilotでさらに詳しく紹介しています。

Teams:チャットの流れをつかむ

このチャットで決まったことと、まだ決まっていないことを分けて箇条書きにしてください。まだ決まっていないことには、誰の返事待ちかも添えてください。

会議の要約・議事録・タスク抽出のプロンプト

会議まわりのプロンプトは、議事録・決定事項・タスクの3つを別々に頼むと、抜け漏れを見つけやすくなります。一度に全部を頼むと、どれも浅いまとめになりがちなためです。

議事録を作る

この会議の議事録を作成してください。
【形式】日時・参加者・議題ごとの要点・決定事項・次回までの宿題の順に。発言者の名前は要点に含めず、決定事項だけは誰が決めたかを残してください。

決まったことを確かめる

この会議で決まったことを箇条書きにしてください。決まったように聞こえても、最終判断が保留になっているものは別の見出しに分けてください。

タスクを抜き出す

この会議で出たタスクを、担当者・内容・期限の3列の表にしてください。担当者や期限が話されていないものは空欄にし、推測で埋めないでください。

会議の録音や記録を直接参照させられるかどうかは、Copilotのライセンスによって変わってきます。ライセンスがない場合は、文字起こしやメモを貼り付けて同じ指示を出す使い方になるでしょう。どちらの場合も、議事録は参加者の誰かが目を通してから配るようにしてください。

一度に詰め込まず、分割してやり取りで直す

長い依頼を1つのプロンプトに詰め込むより、作業を分けて順に頼むほうが、狙った答えに近づけます。公式ガイドも、ほとんどの場合は別のプロンプトで結果をフォローアップすると説明しており、やり取りしながら詰める使い方が前提です。

テンプレートで固定する部分と、毎回変える部分を分ける

同じプロンプトでも毎回少し違う答えが返ってくる以上、社内で使い回す型は、変えてほしくない部分を言葉で固定しておく必要があります。形式・長さ・禁止事項のように毎回同じにしたい指定はテンプレートに書き込み、対象の資料や日付のように毎回変わる部分だけを【】で空けておくのがおすすめです。

【固定】社外向けの丁寧な文体。300字以内。資料にない数字は書かず「要確認」と残す。
【毎回変える】目的:【 】/相手:【 】/参照:/(ファイル名)

こうしておくと、答えの細部が毎回揺れても、会社として守りたい線だけは崩れにくくなります。

長い文書は、まとまりごとに区切って要約させる

Microsoftの公式ページは、大規模言語モデルがファイルの先頭と末尾にある内容を優先しやすい傾向があると説明しています。100ページ近い規程集を丸ごと要約させると、真ん中の章が薄くなってしまうことがあります。同じ公式ページは、長いファイルは分けて渡すか、まとまりごとに要約させる方法を勧めています。章ごとに区切って要約させ、最後にそれぞれの要約をまとめ直させる次の手順が、その具体的なやり方になります。

  1. 「第1章から第3章までを、章ごとに5行で要約してください」と範囲を区切って頼む
  2. 残りの章も同じ形で続けて頼む
  3. 「ここまでの章ごとの要約をもとに、全体の要点を10行にまとめてください」と締める

返ってきた答えを直すときの一言

答えがずれたときは、最初から書き直すより、ずれた点だけを指摘するほうが早く直ります。「2点目は資料のどこに書いてありますか」「もっと短く、結論だけにしてください」「社外向けの口調に変えてください」のように、1回に1つずつ直してもらうとよいでしょう。

出力は誤りを含むことがあるため、確認してから使う

Copilotの答えは、そのまま社外に出す前に、人が中身を確かめる必要があります。生成AIはもっともらしい文章を作るのが得意な一方で、資料にない数字や存在しない規程を書いてしまうことがあるためです。

確かめるときは、次の3点から見ていくと効率が上がります。数字と日付は元の資料と突き合わせ、固有名詞や制度の名前は公式の情報で確かめ、断定している箇所には根拠を尋ねてみてください。「その根拠は参照した資料のどこにありますか」と聞き返すだけでも、根拠のない部分があぶり出されてきます。

AIごとのクセは、同じプロンプトで見比べると分かる

同じプロンプトでも、入れるAIが変われば答えの傾向は変わります。社内で型を作るときは、同じ文をChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityなど複数のAIに入れ、次の観点で見比べると、そのプロンプトの弱い所とAIごとのクセが同時に見えてきます。

  • 事実の正確さ資料や公式情報と照らして、数字・日付・名称に誤りがないか
  • 出典の有無根拠を示しているか。示した出典を開くと本当にそう書いてあるか
  • 書式の守り方字数・箇条書きの数・見出しなど、期待値で指定した形を守っているか
  • 日本語の自然さ社外にそのまま出せる言葉づかいか。直訳調や不自然な敬語がないか
  • 指示の取りこぼし「推測で埋めない」「要確認と残す」などの条件を落としていないか

どのAIでも同じ所を取りこぼすなら、直すべきはプロンプトの書き方です。特定のAIだけが外すなら、その用途にはほかのAIを使う判断になります。使い分けの考え方は主要4AIの違いと使い分けで整理しています。

ただ、社員がそれぞれ個人のアカウントで複数のAIを試し始めると、どの情報がどのサービスに入力されたのかを会社が追えなくなってしまいます。プロンプトの出来も人によってばらつき、うまくいった型が個人の手元に埋もれたままになりがちです。見比べるなら、会社として用意した1つの環境で行うのが安全でしょう。

AIごとのクセは、同じ指示で比べると見えてきます

同じプロンプトを複数のAIで見比べるなら、使う環境を会社で1つにまとめる方法もあります。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。

「/」でファイルや会議を指定する|参照できる範囲はライセンスで違う

Copilot Chatでは、入力欄に「/」を打ってから名前を入れ始めると、参照したい人・ファイル・会議・メールを候補から選べます。ソースを確実に指定できるため、社内の資料をもとにした依頼では欠かせない操作です。

ただし、参照できる範囲はCopilotのライセンスの有無で変わります。公式のサポートページによると、有料のCopilotライセンスがある場合は、作業データを参照する設定(Work IQ)をオンにして、人・ファイル・会議・メールを指定できます。ライセンスを持っていない方が「/」で参照できるのはファイルだけです。会議の中身を「/」で指定する例文を配っても、ライセンスのない社員の画面では同じように動かない点に気をつけてください。

SharePointのサイトを選んだ場合は、そのサイトの中から最大10個のファイルまたはページを参照できるとされています。この手順はCopilot Chatについての説明で、WordやExcelなど各アプリの中で同じように「/」が使えるかは、同じページには書かれていません。

ライセンスで使える範囲が違う|Copilot ChatとMicrosoft 365 Copilotの対応表

同じプロンプトを入れても、Copilot Chatと有料のMicrosoft 365 Copilotでは答えが変わることがあります。いちばん大きな理由は、メール・会議・チャット・ファイルといった作業データを、Copilotが自分で参照できるかどうかの違いです。

Microsoft Learnでは、Copilot Chatは対象のMicrosoft 365サブスクリプションに含まれ、Microsoft 365 Copilotは組織が別途ライセンスするものと説明されています。Copilot Chatは無料のサービスというより、会社の契約に追加費用なしで含まれているものと捉えるのが正確でしょう。公式ページでもMicrosoft 365 CopilotをMicrosoft Copilotと表記している箇所があり、個人向けのMicrosoft Copilotと名前が重なるため注意が必要です。

項目Copilot Chat(追加費用なし)Microsoft 365 Copilot(別途ライセンス)
費用対象のMicrosoft 365の契約に含まれる組織が別途ライセンスする
作業データの推論(Work IQ)制限付き(アップロードしたファイル)完全(会議・メール・チャット・ファイルなど)
「/」で参照できるものファイルのみ人・ファイル・会議・メール(Work IQがオンの場合)
AIモデルへのアクセス標準アクセス優先アクセス
プロンプトのスケジュール実行ライセンスが必要なため使えない最大10件まで作成できる
プロンプトの共有公式の注記はライセンス保有者向け利用できる

※2026年9月25日時点でMicrosoftの公式サポートページとMicrosoft Learnに書かれている内容をまとめたものです。個人のMicrosoftアカウントで使うCopilotは、ここで扱う職場・学校向けのものとは別の製品になります。

ライセンスのある社員とない社員が混在している会社では、配る例文をどちらでも動く形にしておくと混乱を防げます。たとえば「/」で指定するのはファイルに限り、会議やメールの中身は貼り付けて渡す書き方にすれば、どちらの画面でも同じように使えます。追加費用なしのCopilot Chatと有料版の違いを費用の面から整理したい方はMicrosoft 365 Copilotの無料版と有料版の違いを、製品の全体像はMicrosoft 365 Copilotの解説をご覧ください。

プロンプト ラボ(旧プロンプトギャラリー)の使い方

プロンプトギャラリーは、現在は「Copilot プロンプト ラボ」という名前で、Copilot Chatの中から使う形に変わっています。Microsoftの案内によると、以前あった単体のアプリは2025年7月から廃止され、2025年7月15日をもってアクセスできなくなりました。

Microsoft プロンプト、あなたのプロンプト、チーム プロンプトは、いずれもCopilot Chatのプロンプト ラボにまとまっています。Microsoftが用意した例文を探すことも、自分で保存した文を呼び出すことも、ここから行えます。なお、保存や共有を説明するサポートページには旧称のプロンプトギャラリーの表記が残っており、画面の案内と名前が食い違って見えることがあります。

うまくいったプロンプトを保存する

プロンプトがうまく動いたら、そのプロンプトにカーソルを合わせるとブックマークのアイコンが表示されます。[プロンプトの保存]を選ぶと、プロンプト ラボの[プロンプト]タブに追加され、次からは打ち直さずに呼び出せます。

チームや同僚にプロンプトを共有する

保存したプロンプトは、同僚に共有することも出来ます。Teamsのチームに共有したいときは、[チームに共有]を選んでから、共有先のチームを選ぶ流れです。共有を説明するサポートページには、この機能はMicrosoft Copilot(職場または学校)ライセンスをお持ちの方が利用できると注記されています。

プロンプトのスケジュール実行|毎朝の定型業務を任せる

決まった時刻に同じプロンプトを自動で実行させたいときは、スケジュール実行が使えます。公式ページによると、Copilot Chat、TeamsのMicrosoft Copilot、Outlook(Web版とデスクトップ版)から設定でき、Copilotのライセンスが必要です。作成できるスケジュールは最大10件までとなります。

10件という枠があるため、何でも登録するより、毎日または毎週かならず発生する確認作業に絞るのが現実的でしょう。たとえば総務であれば、次のような使い方が考えられます。

毎朝8時30分:昨日の夕方以降に届いたメールのうち、社員からの問い合わせと取引先からの依頼を分けて一覧にしてください。返信期限が書かれているものは期限の早い順に並べてください。
毎週月曜9時:今週予定されている社内会議のうち、会議室や備品の手配が必要そうなものを挙げてください。

自動で動く分、答えの確認が後回しになってしまいがちです。結果を読む時間もあわせて予定に入れ、誤りがあればプロンプトを直すところまでを一連の作業と考えてみてください。

組織のプロンプトを管理者が配る|最初に公開する10本の選び方

組織のプロンプトとは、会社が社員向けに作成して公開するCopilotのプロンプトのことです。公開すると、Microsoft Copilot Chat、Microsoft Edge、Microsoft Teamsで社員に表示されるとMicrosoft Learnに書かれています。

管理者の作業と上限

組織のプロンプトを作成・編集・削除できるのは、AI管理者か検索エディターの役割、またはそれと同等の権限を持つ方になります。設定はMicrosoft 365管理センターにサインインし、[Copilot]を展開して[プロンプト]を選んだ画面から行う形です。

  • テナント(会社の契約単位)ごとに公開できるのは最大1,000個
  • 公開してからプロンプト ラボに表示されるまで、通常は約3時間かかる
  • ピン留めして目立たせられるのは最大4つ
  • CSVでの一括インポートは、ファイル5MBまで・一度に最大100個
  • プロンプト本文として送られる文は8,000文字まで

公開してすぐには表示されないため、全社への案内は反映を確かめてから出すと問い合わせを減らせます。

最初に公開する10本はこう選ぶ

1,000個まで公開できるといっても、最初から数を並べると、社員はどれを使えばよいか迷ってしまいます。中小企業であれば、最初は10本前後に絞り、使われ方を見ながら足していくほうが定着しやすいでしょう。選ぶときは次の順で考えてみてください。

  1. 全部署で週に1回以上発生する作業(メールの要約、返信の下書き、会議の決定事項の整理)から3本
  2. 問い合わせの多い部署の定型業務(総務の社内通知、情シスの一次回答、経理の差異説明)から3本
  3. 社外に出る文書の型(お詫び、日程変更のお願い、案内文)から2本
  4. 「資料にないことは書かない」「要確認と残す」を組み込んだ確認用の型を1本
  5. 長い文書を章ごとに要約させる型を1本

ピン留めできる4つには、1番目のグループから選ぶのが自然です。どの社員でも毎日使う型を目立つ場所に置くと、プロンプト ラボを開く習慣そのものが根づいていきます。

社内でプロンプトを共有するときのルール|ひな形

プロンプトを社内で共有するなら、文だけを渡すのではなく、何のための型か・なぜうまくいったのかを一緒に残すのが大切です。文だけが回っていくと、前提を知らない人が別の用途に使い、期待外れの結果に終わってしまいます。

共有するときは、次のひな形に沿って書いておくと、あとから見た人も迷わずに使えます。

【名前】部署名+作業名(例:総務|健康診断のお知らせ)
【達成したいこと】この型で何ができるか(1行)
【プロンプト本文】固定部分と【】で空けた部分
【うまくいった理由】効いた指定(例:「要確認と残す」で推測を防げた)
【入れてよい情報】ファイル名・社内の公開資料まで。個人名や顧客の情報は入れない
【使えるライセンス】ファイル参照のみ/会議・メール参照あり
【更新者・更新日】氏名(または部署)・日付

【使えるライセンス】の欄は、先ほどの対応表のとおり、社員によって参照できる範囲が違うために設けています。更新者と更新日があれば、古い型がいつまでも使われ続けることも防げます。社内ルール全体の作り方は生成AIの社内ガイドラインの作り方が参考になるはずです。

プロンプトに入れてはいけない情報のチェックリスト

会社の契約でCopilotを使っていても、プロンプトに入れてよい情報は社内で線を引いておく必要があります。仕組みで守られる部分と、使う人の判断に任される部分があるためです。

Microsoft Learnによると、Microsoft Entraアカウント(職場・学校のアカウント)でサインインしてCopilot Chatを使う場合、プロンプトと応答はエンタープライズ データ保護(EDP)の下でログに記録・保持され、監査や電子情報開示に使うことが出来ます。同じページでは、EDPの下でプロンプトと応答が基盤モデルの学習に使われないことも示されています。ただ、学習に使われないことと、何を入れてもよいことは別の話になります。ログに残る以上、入れた情報は監査などで参照される記録にもなるため、次の情報は入れない、または伏せてから入れるルールにしておきましょう。

  • 個人を特定できる情報氏名と住所・電話番号の組み合わせ、健康診断の結果、人事評価など
  • マイナンバー番号そのものはもちろん、番号が写った書類の画像も入れない
  • 顧問先・取引先の非公開情報決算前の数字、契約条件、先方から預かった資料の中身
  • 認証情報パスワード、APIキー、アクセストークン、共有フォルダーの合言葉
  • 社外秘の経営情報公表前の人事・組織変更、未発表の製品情報、M&Aの検討内容

判断に迷う情報は、名前を「A社」「担当者B」に置き換えてから入れるのが基本です。情報漏洩の経路と対策はCopilotの情報漏洩リスクと対策で、社内で点検する項目は生成AIのセキュリティ対策チェックリストで詳しく扱っています。

会社でプロンプトを安全に使い回すには

プロンプトの書き方が身についてくると、次に課題になるのは、会社として同じ型を安全に使い回せる状態を作ることです。個人のコツで終わらせず、学習させない設定・ログの管理・社員への配布・複数AIの使い分けの4点をそろえておくと、使う人が増えても管理の手間が膨らみにくくなります。

学習に使われない仕組みとログの管理は、職場アカウントでサインインしたCopilot Chatであれば、公式が説明するエンタープライズ データ保護が土台として用意されています。社員への配布は、組織のプロンプトと、共有ルールのひな形を組み合わせるのが近道でしょう。残る課題が複数AIの使い分けで、Copilotだけでは足りない用途が出てきたとき、社員が個人のアカウントでほかのAIを使い始めると、ここまで整えた管理の外に情報が出てしまいます。

複数のAIを会社で使う形は大きく分けて3つあり、それぞれの費用と管理の違いはマルチAIとはで比べています。どの形を選ぶにしても、プロンプトの型と入れてよい情報のルールは、使うAIをまたいで共通にしておくと運用が楽になります。

同じプロンプトを4つのAIで試し、会社として安全に使う

UPGEAR AIは、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で切り替えて使える法人向けサービスです。会話の途中でもモデルを切り替えられるため、同じ指示に対するAIごとのクセを見比べられます。よく使う指示と手順はカスタムプラスでBOTにして社内限定で共有でき、管理者ダッシュボードで利用ログ・権限・使うモデルのオンオフを管理できます。データは国内サーバー(AWSの日本リージョン)で管理します。月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名・スタンダード6〜20名・プレミアム21〜50名)。

UPGEAR AIの詳細を見る

よくある質問

コマンドプロンプトのCopilotとは何ですか?
Windowsのコマンドプロンプトは、文字を打ち込んでパソコンを操作するための画面で、Copilotのプロンプトとは別のものです。Copilotのプロンプトは、Copilotに必要な内容を伝えるために入力する指示や質問を指します。
追加費用なしのCopilot Chatでも、例文のプロンプトは使えますか?
ファイルをもとにした依頼や、文章を貼り付けて頼む使い方であれば、Copilot Chatでも使えます。一方で、「/」で会議やメールを指定する使い方と、プロンプトのスケジュール実行は、公式の案内ではCopilotのライセンスが必要な機能です。ライセンスがない場合、「/」で参照できるのはファイルだけになります。
同じプロンプトなのに、毎回答えが違うのはなぜですか?
Microsoftの公式ガイドでも、同じプロンプトを入力しても、ほとんどの場合は毎回少し違う結果が得られると説明されています。形式や長さ、禁止事項など変えてほしくない部分はプロンプトの中で言葉にして固定し、答えは人が確認してから使うようにしてください。
プロンプトギャラリーはなくなったのですか?
現在は「Copilot プロンプト ラボ」という名前で、Copilot Chatの中から使う形になっています。以前の単体アプリは、2025年7月15日をもってアクセスできなくなりました。Microsoftのプロンプト、自分のプロンプト、チームのプロンプトは、Copilot Chatのプロンプト ラボにまとまっています。
Copilotのおすすめのプロンプトはどこで見つけられますか?
Copilot Chatのプロンプト ラボで、Microsoftが用意したプロンプトを探せます。会社として使ってほしい型がある場合は、管理者が組織のプロンプトとして公開すると、Copilot Chat、Microsoft Edge、Microsoft Teamsで社員に表示されます。
社内で良いプロンプトを共有するには、どうすればよいですか?
個人間であれば、プロンプト ラボで保存したプロンプトを同僚やTeamsのチームに共有できます。全社に配るなら、AI管理者などの役割を持つ管理者が、Microsoft 365管理センターから組織のプロンプトとして公開する方法があります。どちらの場合も、何のための型か、うまくいった理由、入れてよい情報の範囲を一緒に残しておくと、使う人が迷いません。

まとめ

Copilotのプロンプトは、Copilotに必要な内容を伝える指示や質問で、目標・コンテキスト・期待値・ソースの4要素で組み立てると意図が伝わりやすくなります。欠かせないのは明確な目標で、答えがずれたときに残りの要素を足し、やり取りで詰めていく使い方が基本です。

「/」での参照やスケジュール実行、プロンプト ラボでの共有は、ライセンスによって使える範囲が変わってきます。社員に例文を配るときは、どのライセンスでも動く形に整え、共有ルールのひな形と入れてはいけない情報のチェックリストを添えておきましょう。

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