伊賀市、黒塗り作業をAIで支援

COPLUS AI NEWS | 2026年9月26日 夕版

外に出さずに、現場の言葉で使う

三重県伊賀市とFIXERが共同開発した、情報公開文書の黒塗り作業をAIが支援するアプリの提供が始まりました。データを組織の外に出さない仕組みで、機密性の高い業務にもAIを使えるようにする動きです。教員のAI活用調査や、話し言葉で探せるM&A案件検索、文章で検知対象を決められるカメラなど、夕方のAI動向5本を整理します。

① 三重県伊賀市とFIXER、情報公開文書の黒塗り作業をAIが支援するアプリ オンプレミス型生成AIに標準搭載

FIXER発表 / 2026年9月25日

FIXERは9月25日、三重県伊賀市と共同開発した「黒塗りアプリ」を、同社のオンプレミス型生成AI「Sovereign GaiXer」の標準機能として提供を始めました。情報公開請求に応じる際、氏名・住所・電話番号などの個人情報や、法人の権利利益に関わる情報、政策形成過程の情報など、黒塗りの候補となる箇所を種別と根拠とともに一覧で示します。処理は組織内に設置した機器の中で完結し、外部の生成AIサービスには送信されないと同社は説明しています。導入済みの利用者も追加費用なしで使え、自治体向けの無料トライアル環境でも試せるようになりました。

💡 コプラスの視点

個人情報を多く含む文書ほど、外部のAIに渡せないことが導入の壁になります。データを外に出さない構成と、候補の提示にとどめて最終判断を職員に残す設計の組み合わせは、士業や医療機関など機密文書を扱う民間の現場でも参考になります。

FIXERの発表を読む →

② デジタル・ナレッジ調査、教員の約9割がAIを「有用」と評価 小中高は45.1%が「特にルールはない」

デジタル・ナレッジ発表(財経新聞掲載) / 2026年9月25日

eラーニング戦略研究所を運営するデジタル・ナレッジは9月25日、小中高と大学の教員を対象にしたAI活用調査の比較結果を公表しました。AIを教育現場にとって有用と答えた割合は、小中高で88.7%、大学で89.6%でした。一方、利用ルールについてはガイドラインがあるとの回答が小中高28.6%、大学52.2%にとどまり、「特にルールはない」は小中高で45.1%、大学で13.9%でした。今後必要な支援としては、小中高では教員向け研修の充実(63.2%)、大学では盗用・不正利用の検知機能(60.9%)が最も多く挙がっています。

💡 コプラスの視点

「役に立つ」という実感とルールづくりの間に差があるのは、企業でもよく見られる構図です。使い始めた人が増えてからルールを後追いで作ると現場の混乱を招きやすいため、最低限の利用ルールと研修を先に用意しておくことをおすすめします。

財経新聞の記事を読む →

③ バトンズ、M&A案件検索に生成AIの自然言語検索を搭載 話し言葉のような文章から条件を自動で当てはめ

PR TIMES(バトンズ発表) / 2026年9月25日

事業承継・M&Aのマッチングサービスを運営するバトンズは9月25日、買い手ユーザー向けの案件検索機能を刷新し、生成AIを使った自然言語検索とレコメンド機能の提供を始めました。「東京の下町で居抜きのカフェを、800万円以内で引き継ぎたい」のような普段の言葉で入力すると、生成AIが文章を解析し、400種類以上の業種や地域、予算などの条件に自動で当てはめます。行動履歴にもとづくおすすめや、条件が似ている他の買い手が検討している案件も表示されます。

💡 コプラスの視点

後継者不足に悩む中小企業にとって、事業承継の入口が使いやすくなる動きです。細かい条件指定をAIに任せる仕組みは、社内の文書検索や問い合わせ対応など、専門用語に慣れていない人が使う場面にも応用できます。

PR TIMESの発表を読む →

④ i-PRO、全方位ネットワークカメラ9機種を12月に発売 上位機種は「安全ベストを着用していない人」など文章で検知対象を指定

i-PRO発表(財経新聞掲載) / 2026年9月25日

監視・防犯カメラを手がけるi-PROは9月25日、全方位ネットワークカメラをフルモデルチェンジし、「Xシリーズ」4機種と「Sシリーズ」5機種の計9機種を2026年12月に発売すると発表しました。Xシリーズの上位2機種には、生成AI技術を活用した画像認識エンジンをカメラ本体に搭載しています。「安全ベストを着用していない人」「白杖を持った人」「ベビーカーを押している人」のように、検知したい対象を文章で指定できるとしています。

💡 コプラスの視点

あらかじめ決められた項目しか検知できなかったカメラが、現場ごとの言葉で設定できるようになる点が特徴です。工場や倉庫の安全管理、店舗や公共施設での見守りなど、現場の担当者が自分でAIの使い道を決められる場面が広がりそうです。

i-PRO(財経新聞掲載)の記事を読む →

⑤ 仙台市、外国人向け窓口で国民健康保険の質問に生成AIが回答する実証実験 「やさしい日本語」と母語で案内

仙台放送(Yahoo!ニュース掲載) / 2026年9月25日

仙台市は、秋の転入シーズンに合わせて設けた外国人向けの特設窓口で、国民健康保険制度についての質問に生成AIが答える実証実験を9月24日に始めたと報じられました。利用者はタブレットで言語を選んで質問を入力すると、難しい行政用語ではなく「やさしい日本語」と、選んだ言語の両方で回答を受け取れます。実証実験は9月末までで、市は今年度中にもう一度実験を行い、精度を高めていく方針です。

💡 コプラスの視点

制度の説明は、正確さと分かりやすさの両立が難しい業務の代表例です。専門用語をかみ砕いてから翻訳する手順は、顧客向けの説明資料や社内マニュアルをAIで作るときにもそのまま使える考え方です。

仙台放送(Yahoo!ニュース掲載)の記事を読む →

明日への展望

今日の5本に共通するのは、AIを「誰が、どこで、どんな言葉で」使うかを現場に合わせて設計している点です。機密文書を外に出さない構成、専門用語を使わない検索や案内、現場の言葉で設定できる機器など、使う人の側に寄せた工夫が増えています。一方で教員調査が示すように、利用が広がるほどルールと研修の整備が追いつくかが問われます。今後も、導入の事例とあわせて運用ルールの動きに注目していきます。

本日のまとめ

自治体の情報公開や外国人向けの窓口、学校、事業承継、防犯カメラまで、AIは業務ごとの事情に合わせた形で使われ始めています。自社で使うときも、扱うデータの範囲と、使う人がつまずかない言葉づかいの両方を最初に決めておくことが大切です。生成AIの社内活用や安全な使い方のご相談は、コプラスまでお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら →