AIエージェント Manusとは。できること、料金、会社で使う時の注意点

Manusとは、利用者の指示を受けて、調査や資料作成などの作業を計画しながら進めるAIエージェントです。会社で使うこと自体は出来ますが、入力してよい情報と費用の上限を先に決めて、小さな範囲から試す形が前提になります。顧客情報や社外秘の資料、外部サービスへのログインまで個人の判断で扱い始めると、後から管理がとても重くなってしまいます。まずは担当の方を絞って試しながら、社内ルールを固めていきましょう。

Manusとは|自律型AIエージェントの定義

Manusは、チャットで答えを返すだけでなく、Agentモードで作業を計画して進めるAIエージェントになります。

公式ヘルプを読むと、Agentモードはタスクを自律的に計画し、最後まで仕上げるためのモードと説明されています。一方のChatモードは質問や相談に使うもので、Webサイトやスライド、動画などの作業はAgentモードが受け持つ形です。この2つを分けて見るだけでも、Manusの特徴がぐっとつかみやすくなります。

AIエージェントという言葉は、製品によって指す範囲がかなり違います。便利なチャットをそう呼ぶこともあれば、ブラウザや外部ツールまで動かすものを指す場合もあるでしょう。ほかのAIエージェントと並べて見たい方向けに、AIエージェント比較のページで全体を整理してあります。Manusについては、返答のうまさよりも、どこまで作業を任せる作りなのかを確かめてみてください。

会社で使う時に最初に見ておきたいのは、自動化の便利さではありません。どの情報を入れてよいか、誰が使うか、出来上がった物を誰が確認するか、の3つになります。AIが自分で進められる作業が増えるほど、入れた情報や外部サービスとの接続の影響も大きくなってしまいます。

Manusは便利なチャットではなく、作業を任せる前提のAIとして見ておく必要があります。

見る項目Manusで確認できていること会社で考えること
Chatモード質問や相談に使うモード。クレジットを消費しないと説明されています。普段の相談や下書きに使う範囲を決めます。
Agentモード作業を計画し、Webサイトやスライド、動画などの作業を進めるモードになります。出来上がった物を確認する方と、使ってよい情報の範囲を決めます。
ブラウザ操作普段は隔離されたクラウドブラウザを使います。Browser Operatorという、利用者自身のブラウザの既存ログインを使う拡張機能もあります。会社アカウントへの接続を許可するか、前もって決めましょう。
共有タスクは初期状態でprivateと説明されています。共有する時にTeam accessかPublic accessを選びます。Public共有を禁止するか、承認制にするかを決めてください。

社内で説明する時は、AIが全部を勝手にやってくれる道具のようには見せないほうがよいでしょう。実際には、指示を出す、接続する、確認して直す、のどこかで必ず人の判断が入ります。人の判断をどこに残すかを先に決めておけば、期待外れや使い過ぎを減らすことが出来ます。

開発元と運営の経緯|確認済みの会社情報だけで見る

Manusの運営については、同社の発表と報道を分けて読むことになります。

2025年12月29日、Manusは公式ブログでMetaへの参加を発表しました。同じ発表の中で、会社はこれからもシンガポールから運営を続けると説明しています。買収額はMetaから公表されていません。WSJが20億ドル超と報じたとAP配信などが伝えていますが、金額はあくまで報道の数字として受け取っておくのが安全です。

2026年4月27日には、中国の国家発展改革委員会が外国投資を禁止し、取引の撤回を求めたとTechCrunchが報じました。その後、Manusは2026年8月11日の公式発表で、まもなく独立した会社として運営に戻ると告知しています。同じ告知には、一部の国・地域の利用者について、2025年12月29日以降のデータをシンガポール時間の2026年8月23日から24日にかけて削除すると告知していました(確認日の時点で、この予定日はすでに過ぎたことになります)。

この経緯は、Manusが悪いという話ではありません。海外のサービスでは運営の体制やデータの扱いが途中で変わることもあるため、利用前の確認項目に入れておきたい、という話になります。契約の前に、公式発表を追いかける担当の方を一人決めておくとよいでしょう。

※確認日は2026年10月12日です。運営に関する日付は、Manusの公式発表と報道を分けて並べています。

社内で説明する時は、国名だけで良し悪しを決めずに、次の3つに分けて考えてみてください。誰が運営しているか、どの国・地域の利用者に向けた告知が出ているか、そして自社が入れるデータがどのくらい機密か、の3つです。こう分けておけば、なんとなくの不安で止めてしまう判断にも、便利だから何でも入れる判断にも寄りにくくなります。

運営の話は、同社発表、報道、自社の入力データを分けて見ましょう。

時期確認できている内容会社での読み方
2025年12月29日Manusが公式ブログでMetaへの参加を発表。会社はシンガポールから運営を続けると説明しています。同社発表として扱います。Metaとの関係は、この発表の時点の内容として読みましょう。
2026年4月27日TechCrunchが、中国の国家発展改革委員会が外国投資を禁止し、取引撤回を求めたと報じています。報道として扱います。細かな点を社内資料で言い切らないようにしましょう。
2026年8月11日Manusが、まもなく独立した会社として運営に戻ると公式に発表しています。確認日の時点で確かめられた公式発表として扱います。利用者へのデータ削除の告知も確認しておきたいところです。
2026年8月23〜24日一部の国・地域の利用者の2025年12月29日以降のデータを削除すると告知していました(予定日は確認日の時点で経過)。対象の国・地域に自社が含まれていたかを公式の告知で確かめてから、使うかどうかを決めましょう。

社内の稟議に書くなら、海外のサービスであること、運営の発表に変化があったこと、入れてよい情報を絞って試すこと、の3点で充分です。必要以上に怖がらせることはありませんが、何も確かめずに全社員へ案内してしまうと、後から説明に困ることになってしまいます。

Manusでできること|調査・資料・Web制作・動画まで

Manusでできることは、Chatモードでの相談と、Agentモードでの作業に分けると整理しやすくなります。

Agentモードは、Webサイトやスライド、動画などの作業を進めるものとして説明されています。Manus 2.0では、Cascadeというエージェント基盤、Manus Studioというデスクトップアプリのほか、Cloud Computer、Automations、Video Editorなどが並んでいます。使える環境も、Web、Mac、Windows、iOS、Androidと幅広くなっています。

ただ、会社で評価する時は、機能の名前を並べるだけでは判断がつきにくいでしょう。調査なら出典の確認が要りますし、スライドなら社内の書式や言い回しに直す手間が残ります。Web制作なら公開前のチェックが欠かせず、動画なら素材の権利や、社内で使ってよいデータかどうかも見ておく必要があります。

画像については、Manus 2.0の機能としてVideo Editorなどは挙げられていますが、画像生成や画像編集の細かな仕様までは確かめられていません。画像を作れると広く決めつけるより、自社で使いたい操作を公式の画面で一度試してから判断してみてください。

機能の名前だけでなく、出来上がった物を確認する手間まで含めて評価しましょう。

業務Manusで試しやすい使い方会社で残す確認
市場調査調査の流れをAgentモードで進め、結果をまとめる使い方になります。出典、調査の範囲、古い情報が混ざっていないかを確かめます。
資料・スライドスライド作りや資料のたたき台に使う候補になります。社内の書式、数字、表現の強さを見直します。
Web制作Webサイトの作業に使えるものとして説明されています。公開前に、権利、動作、問い合わせの導線を確かめましょう。
動画Manus 2.0の機能としてVideo Editorが挙げられています。素材の利用許諾と、社外に公開してよいかを分けて見ます。
外部サービス連携OAuthでGmailやGoogleカレンダー等に接続するコネクタがあります。個人アカウントではなく、会社が管理する範囲で使うかを決めます。

ブラウザ操作は、会社では特に気をつけたいところになります。Manus Browser Operatorは、利用者自身のブラウザにすでにあるログインを使う拡張機能です。公式ドキュメントには、パスワードは保存しないこと、セッションごとに承認が必要なこと、すべての操作がログに残ることが書かれています。普段は、利用者ごとに分かれた隔離されたクラウドブラウザが使われる仕組みです。

この説明を読む限り、危ないから使えない、という結論にはなりません。むしろ、どのログインを使わせるかを決める話になります。たとえば会計や採用、顧客管理に関わるサービスは、最初の検証からは外しておくほうがよいでしょう。ニュース集めや公開情報の調査から始めて、操作ログと出来上がった物を見ながら、少しずつ範囲を広げてみてください。

コネクタも考え方は同じです。GmailやGoogleカレンダー等にOAuthでつなぐ説明はありますが、細かな中身まで確かめられている範囲は限られています。業務メールや予定表は、個人情報や取引先の情報が混ざりやすい場所になります。つなぐのを試すなら、検証用のアカウントや限られたデータで進めましょう。

ChatGPTなどのチャット型AIとの違い

ChatGPTなどのチャット型AIとの違いは、答えを返して終わるのか、作業の実行まで任せるのかにあります。

ChatGPTやClaude、Geminiは、質問や要約、下書き、文章の直しが得意な使い方になります。もちろん、それぞれのサービスでも高度な機能は増えてきています。それでも基本は、人が質問し、人が次の操作を選ぶ流れになりやすいでしょう。

ManusのAgentモードは、調査、構成、作成、修正といった流れを、ひとまとまりのタスクとして進める前提で作られています。公式ヘルプにも、AgentモードはLLMトークン、クラウドVM、外部APIでクレジットを消費するとの説明があります。ただの会話ではなく、作業の環境ごと動かすサービスとして見たほうが自然でしょう。

この違いは、便利さだけでなく管理の面にも表れます。チャット型AIなら、社員が文章を貼って答えを受け取る流れが中心です。Manusのようにブラウザ操作や外部サービスとの接続が入ってくると、本人のログイン、接続先、共有設定、作業ログまで見る必要が出てきます。

作業を任せるAIほど、入力する情報と接続先のルールを先に決めましょう。

比較項目チャット型AIで起きやすいことManusで起きやすいこと
作業の流れ人が質問し、返答を見て次の指示を出します。Agentモードで作業の計画と実行まで進みます。
費用の見え方月額課金の席数で見やすい場合があります。クレジットの減り方と、同時に動かせるタスクの数を見ます。
リスクの場所入力する内容と、出てきた内容が中心になります。入力する内容、接続先、共有設定、操作ログまで広がります。
向く業務下書き、要約、相談、文章の直しに向きます。何工程もある調査や制作に向きます。

社内でChatGPTなどをすでに使っている場合も、Manusを足す目的は全部を置き換えることではありません。何度も画面を開いて、検索して、まとめて、資料にする、という作業の一部を任せたい時の候補になります。普段の相談はチャット型AI、何工程もある作業はAIエージェント、という分け方から試してみてください。

Manusだけで決めずに、会社契約で使うAI、ブラウザ操作型のAI、社内文書を読むAIを分けて見ると、ぐっと判断しやすくなります。

料金と無料プラン|クレジット制を会社の出費で見る

Manusの料金は、毎月の席代だけでなく、クレジット制の仕組みまで含めて見る必要があります。

公式ヘルプでは、Free、Pro、Teamの料金が示されています。Freeは$0で、毎日300クレジットが付きます。AgentモードはManus 2.0 Liteだけで、同時に動かせるタスクは1つ、スケジュール自動化は2件までとなります。触ってみる分には便利ですが、会社の本番利用をこの枠で考えると、作業の数や管理の面で足りなくなりやすいでしょう。

Proの1段目は月額$20からで、年払いなら17%割引と説明されています。クレジットは月4,000からです。AgentモードではManus 2.0 Max、Manus 2.0、Manus 2.0 Liteが使え、同時20タスク、スケジュール自動化20件まで広がります。Proの2段目は月額$40からで、7日間の無料トライアルが付き、クレジットは月8,000からとなります。

Teamは1席あたり月額$20からで、こちらも年払いで17%割引と書かれています。Proの全機能に加えて、SSO、データ学習のオプトアウト、Team Usage Analytics、社内アクセス制御、共有スライドテンプレートが付いてきます。一方で、Teamの最低席数や年額の具体的な金額、Enterpriseの有無や価格は確かめられていません。

Teamを10席で使うと、毎月$200からとなってしまいます(最低席数は契約前に確かめましょう)。

プラン公式ヘルプで確認できる料金クレジット・制限10人で使う時の出費
Free$0毎日300クレジット。AgentモードはManus 2.0 Liteのみ。同時1タスク、スケジュール自動化2件。料金は$0ですが、会社で使うには管理機能と作業数が足りるかを見ます。
Pro 1段目月額$20から。年払いは17%割引と説明されています。月4,000クレジットから。同時20タスク、スケジュール自動化20件。10人全員が契約すると、毎月$200から、12か月で$2,400からになります。
Pro 2段目月額$40から。7日間の無料トライアルがあります。月8,000クレジットから。10人全員が契約すると、毎月$400から、12か月で$4,800からになります。
Team1席あたり月額$20から。年払いは17%割引と説明されています。Proの全機能に加え、SSO、データ学習のオプトアウト、チーム分析、社内アクセス制御など。10席なら毎月$200から、50席なら毎月$1,000から、100席なら毎月$2,000からになります。

※料金は2026年10月12日時点で確認できた公式ヘルプの記載です。税込・税別の記載は確認できていません。ドル建てのため、日本円の支払額は為替や請求条件で変わります。

クレジットの減り方も、見落としやすいところです。公式ヘルプでは、LLMトークン、クラウドVM、外部APIでクレジットを消費すると説明されています。終わったタスクや、その成果物の保管・デプロイにはクレジットがかからないとの説明もあります。月ごとのクレジットは更新日にリセットされ、翌月には繰り越せません。アドオンの分は、有料契約を続けている間は繰り越せる扱いになります。

Chatモードではクレジットを消費しませんが、Agentモードでは消費します。この差は、会社の費用管理では大きく効いてきます。社員が質問や相談に使うだけなら、クレジットは減りません。けれども、調査やブラウザ操作、外部APIを使う作業が増えてくると、同じ人数でも減り方は変わってしまいます。

費用の見積もりは、席数とクレジットの2段で考えましょう。たとえば最初の検証を3人に絞るなら、Pro 1段目で毎月$60からとなります。10人全員に広げると毎月$200からです。Teamを10席で使う場合も料金だけなら毎月$200からですが、こちらは管理機能を使う前提のプランになります。20人なら毎月$400から、50人なら毎月$1,000からとなり、1年ではそれぞれ$4,800から、$12,000からかかってしまいます。

この数字は、高い安いを決めるためだけのものではありません。誰に使ってもらうかを決める材料にもなります。最初は調査や制作の担当の方だけに絞り、作業ログと出来上がった物を見てから、次の部署に広げるかを決めてください。全員に配ってから止めるほうが、費用の面でも説明の面でも重くなってしまいます。

AIエージェントの前に会社の利用環境をそろえる

個人ごとの契約が増える前に、使うAIと権限を会社でそろえましょう。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。

始め方・使い方|日本語入力とモバイルアプリも確認する

Manusを始める時は、無料枠で触ってみるより先に、検証する業務を1つ決めておくと判断しやすくなります。

ManusはWeb、Mac、Windows、iOS、Androidで使えると説明されています。日本語への対応は、実際の業務の文を日本語で入れてみて、社内で確かめるのが現実的です。英語の画面や説明が混ざる場面もあるつもりで、担当の方を絞って試してみてください。

最初は、Chatモードで相談し、Agentモードで小さな作業を任せる流れがよいでしょう。たとえば、公開情報だけを使った競合の調査や、社内で使ってよい資料をもとにしたスライドのたたき台、検証用のWebページ案などが向いています。顧客名や未公開の売上、採用候補者の情報は、最初の検証からは外しておきましょう。

初回の検証は、公開情報だけで済む業務に絞ると失敗が減ります。

  1. 使う目的を1つ決めます。市場調査、資料作成、Web案作りなど、出来上がりが目に見えるものにしましょう。
  2. 入力してよい情報を決めます。公開情報だけ、匿名化した資料だけ、などの線引きが必要になります。
  3. ChatモードとAgentモードを分けます。相談はChat、作業はAgentという使い分けから始めてください。
  4. 確認する方を置きます。作った方とは別の方が、数字、出典、言い回しを見ます。
  5. 費用とクレジットの減り方を記録します。1タスクでどのくらい減るかを見てから広げましょう。

モバイルアプリを使う場合は、便利になる分、入力する情報の管理がゆるくなりがちです。移動中に思いついたことをすぐ入れられる反面、画面のまわりに人がいることもあるでしょう。会社で許可するなら、スマートフォンで扱ってよい情報を別に決めておきましょう。

デスクトップアプリとしては、Manus StudioがManus 2.0の機能に挙げられています。部署で使う場合は、インストールの権限や端末管理のルールとあわせて見てください。情シスが管理していない端末に各自で入れてしまうと、後から棚卸しが難しくなってしまいます。

始め方の社内案内は、長いマニュアルより、最初の1タスクを決めた案内のほうが通りやすくなります。たとえば、今週は公開情報だけで競合3社の特徴をまとめる、来週はスライドのたたき台を作る、という形です。実際に使う方が迷わないよう、入口は1つに絞りましょう。

日本語で試す時は、言い回しより確認しやすさを見る

日本語で自然な文章が出てくると、そのまま使えそうに見えてしまいます。けれども、会社で見ておきたいのは読みやすさだけではありません。どの情報を根拠にしたか、数字の前提が分かるか、社外に出しても大丈夫な強さの表現か、といった確かめやすさになります。

たとえば競合調査の文章がきれいにまとまっていても、出典があいまいなら会議の資料には使いにくいでしょう。スライドの構成が整っていても、部署名や製品名が社内の呼び方と違えば、直すのに時間がかかります。日本語のうまさに引っ張られず、確かめやすさで評価してみてください。

最初の検証では、出てきた文章をその場で直すだけでなく、どこに直しが要ったかをメモしておくとよいでしょう。数字の誤りが多いのか、言い回しが強すぎるのか、見出しの粒度が合わないのかで、次の依頼文の直し方が変わってきます。担当の方がその都度感覚で直していると、社内に知見が残らなくなってしまいます。

社外向けの日本語の文章では、言い切りの強さにも気をつけたいところです。AIは分かりやすい文章にしようとして、確かめられていないことまで言い切ってしまうことがあります。営業資料や採用ページ、プレス向けの文章では、事実と見込みを分けて書いてください。迷った表現は社内の確認担当に回す、というルールも先に決めておきましょう。

モバイルアプリは便利さと入力リスクを分けて見る

iOSやAndroidで使えるのは、外出の多い方にはうれしいところです。移動中に調査を頼んだり、会議の前に資料の構成を見たりする使い方も考えられます。一方で、スマートフォンは画面が小さく、入れた内容の見落としが起きやすくなります。

モバイルでの利用を許可するなら、会社支給の端末だけにするのか、個人の端末でも使えるのかを分けて決めてください。個人の端末で使う場合は、通知や画面ロック、端末をなくした時の対応まで見ておく必要があります。これはManusだけの話ではなく、業務で外部のAIを使う時に共通する注意点になります。

最初はモバイルでは閲覧と軽い相談だけを許可し、Agentモードの実行や外部サービスとの接続はPCからに限る、というやり方もあります。現場には少し手間ですが、入力の事故はぐっと防ぎやすくなります。使われ方を見ながら、必要な範囲だけ広げていきましょう。

最初の1か月で見るべき記録

導入を決める時、使った感想だけを集めても判断はぼやけてしまいます。1か月の検証では、タスク数、使ったモード、クレジットの減り方、成果物の修正にかかった時間、使えなかった理由の5つを記録しましょう。この5つがそろっていれば、次に広げるか止めるかを話し合いやすくなります。

たとえば、10件の調査タスクを試して、7件は会議メモに使えたとします。それでも数字の確認に毎回30分かかっていたなら、調査担当の方の時間は減っていないかもしれません。反対に、たたき台作りの時間が大きく減って、確認だけで済む資料が増えたなら、対象の部署を広げる理由になります。

記録は細かすぎると続きません。タスク名、使った情報、成果物の使い道、確認した方、修正にかかった時間だけで始めてみてください。使う方の入力の負担が重すぎるとログが残らず、結局は印象で決めることになってしまいます。

プロンプトのコツ|依頼文で失敗を減らす

Manusへの依頼文は、作業の中身、使ってよい情報、成果物の形、確認のしかたを分けて書くと安定しやすくなります。

AIエージェントは、短い一言の依頼でも動いてくれます。ただ、会社で使う場合は、その短さがかえって失敗のもとになります。調べて、資料にして、いい感じにまとめて、という頼み方では、どの情報を使ってよいのか、何を出せば終わりなのかがあいまいなままです。その結果、出典の弱い文章や、社内で使いにくい資料が出来上がってしまいます。

最初の依頼では、まず目的を1文で書きます。次に使ってよい情報の範囲を入れ、最後に成果物の形を指定してください。表にするのか、スライドの構成にするのか、箇条書きのメモにするのかを分けるだけでも、確認する方の負担はずいぶん変わってきます。

依頼文には、使ってよい情報と使ってはいけない情報を必ず入れましょう。

社内で使うひな形は、次のように短くて充分です。毎回ゼロから書いてもらうより、部署ごとのひな形を用意しておけば、入れてはいけない情報を入れてしまう事故を減らすことが出来ます。

項目書く内容例
目的何のために作るかを書きます。営業会議で使う競合比較のたたき台を作ります。
利用できる情報公開情報か、社内資料かを分けます。公開Webページと添付した匿名化資料だけを使ってください。
禁止情報入れてはいけない情報をはっきり書きます。顧客名、個人名、未公開の売上、契約条件は使わないでください。
成果物表、スライド構成、文章などを指定します。3列の比較表と、5枚分のスライド構成で出してください。
確認方法人が見る場所を指定します。出典がある箇所と推測が入る箇所を分けてください。

よくない依頼文の典型は、目的と成果物が混ざっている文になります。良い感じに資料を作ってください、だけでは、見た目は整っていても中身が不正確な資料が出来てしまうかもしれません。会社で使うなら、出典を残す、推測を分けて書く、確認が必要な箇所を示す、の3つを入れてください。

期限や優先順位も書いておくと、作業の流れが見えやすくなります。今日中に使う社内メモなのか、来週の役員会に出す資料なのかで、求める精度も変わってきます。急ぎの社内メモなら粗い比較表でもよく、社外に出す資料なら人の確認を厚くしましょう。

依頼文を社内で共有する時は、うまくいった例だけを残さないほうがよいでしょう。うまくいかなかった依頼文も一緒に残しておけば、何を入れると危ないかが伝わります。新人の方や普段AIを使わない方ほど、成功例だけを見ると、同じように使えると思い込んでしまいます。

会社で複数のAIを使い分ける考え方は、複数AIの併用・マルチAIの記事も参考になります。Manusだけに寄せず、調査、長い文章の処理、社内文書の検索を分けて考えると、使いどころが決めやすいでしょう。

依頼文の前半では、背景を短く書く

Manusに限らず、AIへの依頼は背景が足りないとぶれてしまいます。かといって背景を長く書きすぎても、何を優先すればよいかが分かりにくくなります。会社で使うなら、誰が読むのか、何に使うのか、どのくらいの精度が要るのかを、2文ほどで入れる形が扱いやすいでしょう。

たとえば、営業会議で使う社内メモです、外部には公開しません、という2文があるだけで、表現の強さを抑えやすくなります。役員会に出す比較資料です、数字の根拠を優先してください、と書けば、見た目より確かめやすさを優先させることが出来ます。実際に使う場面を、そのまま書いてみてください。

背景を入れずに頼むと、AIは一般的に良さそうな成果物を作ってきます。見た目は整っていても、自社の会議では使いにくいことがあるでしょう。背景の2文は余計な説明ではなく、手戻りを減らすための条件になります。

依頼文の後半では、完了条件を書く

AIエージェントに作業を任せる時は、どこまで進めたら完了なのかを書いておきましょう。調査なら、出典付きの表までなのか、スライドの構成までなのか、本文まで作るのかで作業の量が変わります。完了の条件がないと、作業が広がりすぎたり、反対に浅いまま終わったりしてしまいます。

完了の条件は、細かい仕様書でなくてかまいません。競合3社の公開情報を出典URL付きの表にまとめる、社内向けなら5枚分のスライド構成を作る、確認が必要な箇所は最後にまとめる、という程度で充分です。これだけでも、成果物の確認がかなり楽になります。

成果物を社外に出す予定がある場合は、公開の前に人が確認することも依頼文に入れてください。AIが最終版を作るのではなく、人が見る前のたたき台を作ってもらう、という位置づけにしておけば、現場の期待もずれにくくなります。

失敗しやすい依頼文を先に共有する

社内でAIの使い方を広げる時、良い依頼文だけを配っても、失敗の理由までは伝わりません。むしろ、何が足りないと危ないのかを見せたほうが、使う方の判断が育っていきます。短すぎる依頼文、禁止する情報を書いていない依頼文、成果物の形がない依頼文を、悪い例として残しておきましょう。

悪い例を出す時は、使った方を責める書き方にならないよう気をつけてください。誰でも最初は、短く頼みたくなるものです。だからこそ会社としてひな形を用意しています、という伝え方にすると、受け入れてもらいやすくなります。AIの使い方は、個人のセンスに任せるより、会社の型に寄せていくほうが安定するでしょう。

依頼文の置き場所も決めておきましょう。チャットに流すだけでは、後から探せなくなってしまいます。社内Wikiや共有ドライブ、管理表など、普段から見に行く場所に置いてください。更新日と担当の方も書いておけば、古い依頼文がいつまでも残る失敗を減らすことが出来ます。

利用時の注意点|ファクトチェックと機密情報の線引き

Manusを会社で使う時の注意点は、事実の確認と、機密情報の線引きの2つに集まります。

AIエージェントは作業を進める力がある分、間違いも作業の中に紛れ込みます。調査の出典が古い、数字の前提が違う、Webページを読み違える、社内の用語を一般の言葉として扱う、といった失敗は実際に起こります。人が見なくてよい仕組みではなく、人が見る場所を減らしてくれる仕組みとして使いましょう。

事実の確認は、最後にまとめて見るより、成果物の種類ごとに担当を決めたほうがうまく回ります。数字は経理や事業の責任者、顧客名や契約条件は担当部署、公開前の表現は広報や管理部門、という分け方です。全部を情シスに任せてしまうと、現場の事情が分からず、確認が止まってしまいます。

AIの成果物は、そのまま使うのではなく、確認してから使う前提にしましょう。

機密情報の線引きでは、顧客データ、個人情報、社外秘の資料を分けて考えます。顧客データには、会社名だけでなく、取引の金額や契約条件、問い合わせの内容も含まれます。個人情報には、氏名、メール、電話番号、採用候補者の情報などがあります。社外秘の資料には、未公開の計画、会議資料、売上の見込み、社内の評価などが入ってきます。

情報の種類最初の検証での扱い理由
公開Webページ許可しやすい情報になります。すでに外部に公開されていて、調査をやり直して確かめることも出来るためです。
匿名化した社内資料検証に使う候補になります。個人名や顧客名を外せば、実際の業務に近い形で試せます。
顧客名・契約条件最初は入れないほうがよい情報です。外部サービスに入れた後で、説明が難しくなってしまいます。
個人情報原則として禁止に近い扱いから始めます。本人への説明や削除の対応が必要になるかもしれません。
未公開の売上や事業計画禁止から始めるのが安全です。社外に出た時の影響が大きくなります。

データの扱いについては、Teamプランがデータ学習のオプトアウトに対応すると料金ヘルプに書かれています。FreeやProの既定の設定は、公式の原文では確かめられていません。第三者評価のVerifyWise(2026年8月13日時点の評価)は、公開文書を読み取った評価として、学習への利用はアカウント設定で止められるものの、初期設定では止まっていないとしています。ここは決めつけずに、自社の契約画面と公式文書で確かめてみてください。

共有設定も見落とせないところです。公式ヘルプでは、すべてのタスクがprivateとして扱われると説明されています。ただし共有する時にはTeam accessかPublic accessを選ぶことになり、Publicは誰でも見られる状態になります。会社で使うなら、Public共有は禁止にするか、管理者が承認した時だけ許可するルールにしましょう。

Browser Operatorの扱いも、慎重に見ておきたいところになります。公式ドキュメントでは、Manusはパスワードを保存しないこと、セッションごとに承認が要ること、すべての操作がログに残ることが説明されています。それでも会社アカウントの既存のログインを使う以上、操作できる範囲はその方の権限に左右されてしまいます。権限の強いアカウントでは試さないでください。

社内のAI利用ルールをこれから作る場合は、AI利用のセキュリティチェックリストや生成AIの社内ガイドラインの作り方もあわせて見ると、整理しやすくなります。野良AIの広がりが気になる方は、シャドーAIの対策から始めてもよいでしょう。

ファクトチェックは成果物ごとに見る場所が違う

調査レポートなら、出典があるかと日付を見てください。スライドでは、数字と表現の強さを確かめましょう。Web制作なら、リンク先や問い合わせの導線、権利関係を見ます。動画では、素材、字幕、説明文の扱いを分けて確認することになります。このように見る場所が成果物ごとに違うため、同じチェックリスト1枚で全部を済ませるのは難しいでしょう。

社内では、確認の担当も成果物ごとに分けておきましょう。調査の事実は業務の担当、費用や契約の数字は管理部門、社外に出す表現は広報や責任者、という分け方です。AIを使った本人が全部を確認すると、見落としに気づきにくくなります。別の方が見る工程を、1つ置いてください。

確認の細かさも、用途ごとに決めておくと楽になります。社内メモなら、主な数字と出典だけを見れば充分です。顧客に出す資料なら全文に目を通し、公開ページではリンクや権利まで見る形になるでしょう。用途で分けておけば、軽い資料に重すぎる確認をかけずに進めることが出来ます。

機密情報は、名前を消しても残る場合がある

個人名や顧客名を消せば安全だと思われがちですが、それだけでは足りない場合があります。案件名、地域、金額、時期、担当部署が組み合わさると、誰の話か見当がついてしまうこともあるでしょう。匿名化したつもりでも、社内の方が見れば分かる情報は残りやすいものです。

匿名化した資料を使う時は、固有名詞だけでなく、特定につながる数字や条件にも目を向けてください。たとえば、特定の顧客だけに出している価格、未公開の契約期間、採用候補者の経歴などは、名前を消しても注意が要ります。迷う情報は入れない、という初めのルールにしておきましょう。

どうしても実データに近い資料で試したい場合は、検証用に作った架空のデータを使う方法があります。顧客名、金額、日付を架空にした資料で、作業の流れだけを見る形です。実データを入れないと何も分からない業務は、本格的に入れる前に法務や管理部門へ相談してみてください。

Public共有と外部サービス接続は別枠で承認する

共有設定と外部サービスとの接続は、普段のAI利用より影響が大きくなります。Public共有は誰でも見られる状態になるため、社内で完結する作業とは別の扱いにしましょう。外部サービスとの接続も、GmailやGoogleカレンダー等に触れる可能性があるので、個人の判断だけで許可しないほうが安全です。

承認の基準は、あまり難しくしすぎないでください。Public共有は原則として禁止にし、必要な時だけ管理者が承認します。外部サービスとの接続は、検証用のアカウントから始めましょう。会社アカウントへの接続は、対象のサービスと権限を確かめてから許可してください。最初はこの3つで充分回せます。

承認を厳しくしすぎると、現場は別の個人ツールを使い始めてしまいます。反対に緩すぎると、情報の出口が見えなくなります。会社で使うAIは、禁止の一覧だけでなく、許可された使い方を一緒に見せることが大切です。

会社で使う時のルール|許可表・ログ・費用管理

会社でManusを使うなら、個人が自由に試し始める前に、許可表、ログの確認、費用の上限を決めておくことになります。

まずは許可表を作りましょう。目的は、使ってよい情報を細かく縛ることではなく、迷った時の判断をそろえることです。公開情報の調査は許可、匿名化した資料は部署の承認制、顧客データや個人情報は原則禁止、という形で充分でしょう。最初から完璧に作ろうとすると、現場が使わなくなってしまいます。

次に、利用ログと成果物の確認ルールを決めます。ManusにはTeam Usage Analyticsや社内アクセス制御が使えるプランがありますが、それだけで会社としての承認が済むわけではありません。誰が、どのタスクを、何の資料に使ったかを社内の管理表にも残しておくほうが、後から説明しやすくなります。

社内の許可は、情報の種類と成果物の使い道で分けてください。

用途入れてよい情報社内での扱い
公開情報の調査公開Webページ、公開PDF、公開動画の情報部署内で許可しやすい用途になります。
社内資料のたたき台匿名化した資料、公開済みの営業資料部署の責任者が確認してから使う形がよいでしょう。
顧客向け資料顧客名を外した一般的な情報外部に出す前に、人が確認する前提にします。
採用・人事個人情報を含まない一般的な文面候補者の情報や評価の情報は入れないでください。
契約・会計公開されている条項や一般的なひな形契約条件や金額が入る資料は承認制にしましょう。

費用の管理では、部署ごとに月額の目安を持たせると見えやすくなります。10人でTeamを使うなら毎月$200からです。50人なら毎月$1,000から、100人なら毎月$2,000からになります。Pro 2段目を10人に配るなら、毎月$400からかかります。席数を増やすだけでなく、クレジットの減り方も一緒に見てください。

部署ごとの上限は、人数で割るより、用途で決めるほうが現実的でしょう。調査をよく使う部署、資料をたくさん作る部署、検証だけの部署では、減り方がかなり違ってきます。たとえば、営業企画は月$200まで、管理部は月$100まで、検証チームは月$60まで、というように小さく始めましょう。数字は契約の条件で変わるため、最初の1か月は実際の減り方を測る期間にしてください。

社内への通知文も、短いほうが読まれます。次のような文面をもとに、部署ごとに整えてみてください。

Manusの利用を一部業務で試します。入力してよい情報は公開情報と匿名化した資料に限ります。顧客名、個人情報、契約条件、未公開の売上や計画は入力しないでください。成果物はそのまま社外へ出さず、担当者が出典と数字を確認してから利用します。外部サービスへの接続やPublic共有は、事前承認がある場合だけ使います。

この通知文を出しても、全員が守れるとは限りません。だからこそ、最初は対象の方を絞ります。AIに慣れた方だけでなく、普段あまり使わない方も一人入れておくと、ルールが伝わるかどうかを確かめることが出来ます。難しい言葉が多いと、現場では読まれずに流れてしまいます。

個人アカウントでの利用も整理しておきましょう。会社が契約の中身や設定をつかめないまま、業務の情報を入れていく形はおすすめ出来ません。便利だからと個人契約が増えていくと、退職時の停止、ログの確認、費用の精算がばらばらになってしまいます。使うなら会社として契約し、対象の方と用途を決めておくほうが後々楽になるでしょう。

AIの費用管理の考え方は、生成AIのコスト管理でもまとめています。Manusを試す場合も、月額、席数、クレジット、成果物の確認にかかる手間をまとめて見てください。単価だけを見て安いと判断すると、確認や修正に思ったより時間を取られてしまうことがあります。

会社全体で生成AIの契約を整理するなら、ChatGPT法人プランの料金や法人向け生成AIサービスの料金比較も参考になります。ManusはAIエージェントとして力を発揮する場面がありますが、全社員に同じように配る前に、すでに会社で契約しているAIとの役割分担を決めておきましょう。

最後に、やめる条件も決めておいてください。1か月使っても確認の手間が減らない、出典確認の手間がかえって増える、クレジットの減り方が読めない、という場合は広げない判断も必要になります。便利そうだから続けるのではなく、どの業務で時間が減ったかを見て決めましょう。

ProとTeamの違いは、料金より管理で見る

ProとTeamは、月額の始まりだけを見ると、どちらも$20からに見えます。けれども、会社で使う時に見たい差は管理の面にあります。Teamには、SSO、データ学習のオプトアウト、Team Usage Analytics、社内アクセス制御、共有スライドテンプレートが含まれると説明されています。

少人数での検証なら、Proで動きを見てみる選び方もあるでしょう。ただ、使う社員が増えてくると、誰が何を使ったか、どの情報を入れたか、共有がどうなっているかを見たい場面が出てきます。その時に個人契約がばらばらに並んでいると、管理者が全体を見渡せません。会社で使う前提なら、管理機能があるかどうかを先に見てください。

一方で、Teamの最低席数はまだ確かめられていません。Enterpriseの有無や価格も分からない状態です。分からない数字を推測で稟議に入れると、後から直す手間が出てしまいます。契約の前に、公式の料金画面やヘルプで最新の条件を確かめましょう。

部署別の費用上限は、小さく始めて実測で直す

費用の上限は、最初から細かく作り込みすぎないほうが長続きします。営業企画、管理部、制作担当など、使い方の違う部署を2〜3つ選び、それぞれ月の上限を仮に置いてみてください。1か月使ったら、タスク数と成果物の使われ方を見て直していきましょう。

たとえば、営業企画の10人がTeamを使うなら、毎月$200からになります。制作チームの5人がPro 2段目を使う場合も、毎月$200からです。人数が少なくても、動画やWeb制作のように重い作業が多いと、クレジットの減りが早くなるかもしれません。人数と作業の重さは、別々に見ておきましょう。

1年単位での見方も欠かせません。Teamを10席で使うなら、毎月$200から、12か月で$2,400からになります。50席なら毎月$1,000からで、12か月では$12,000からです。100席なら毎月$2,000から、12か月で$24,000からとなります。ここに、確認や修正にかかる社内の時間も上乗せされてしまいます。

ドル建てのサービスは、為替で支払額が変わることがあります。ここでは日本円への換算は載せていません。稟議では、経理が使う社内レートや請求時点の条件にあわせて計算してください。数字を出す時は、何ドルで、何席で、何か月分かを分けて書きましょう。

失敗しやすい導入パターン

よくある失敗は、便利そうだからと全員に案内してしまう形です。最初は使う方が増えて盛り上がりますが、何を入れてよいかがあいまいなままだと、顧客情報や社外秘の資料が混ざりやすくなります。後から禁止すると、現場からは取り上げられたように見えてしまいます。

別の失敗は、情シスだけでルールを作ってしまう形になります。セキュリティの言葉は整いますが、現場の業務に合わないことがあるでしょう。営業資料、採用の文面、会議メモ、調査レポートでは、使う情報も確認する方も違ってきます。現場の代表の方にも入ってもらい、使い方からルールを決めましょう。

三つ目の失敗は、成果物の確認をあいまいにしてしまうことです。AIが作った資料を誰が見るのか決めないまま会議や顧客への説明に使うと、誤った数字や強すぎる表現が紛れ込んでしまいます。使う前に、確認する方と確認の範囲を決めておいてください。

四つ目の失敗は、個人契約を黙って見過ごすことです。会社が使わないでと言っても、便利なら個人で使われることはあります。完全に止めるのが難しいなら、まず許可された使い方を用意し、業務の情報を個人契約に入れないルールを伝えましょう。入口を作らずに禁止だけを出すと、見えないところでの利用が増えてしまいます。

導入前チェックリスト

  • 検証する業務を1つに絞る公開情報の調査、匿名化した資料のスライド化など、最初の用途を決めます。
  • 入力してはいけない情報を書き出す顧客名、個人情報、契約条件、未公開の売上や計画は、最初から禁止にします。
  • 共有設定を決めるPublic共有は原則禁止にし、必要な時だけ承認する形にします。
  • 外部サービスとの接続を分けるGmailやGoogleカレンダー等への接続は、検証用のアカウントから始めます。
  • 費用とクレジットを記録する席数だけでなく、Agentモードでの減り方も見ます。
  • 成果物を確認する方を置く数字、出典、社外に出す表現を、それぞれの担当の方が見ます。

このチェックリストを全部満たさないと使えない、という意味ではありません。最初の検証で最低限見ておきたい項目を並べたものになります。小さく始めて、ログを見て、社内への通知を直しながら進めるほうが、実際の現場には合うでしょう。

Manusの魅力は、AIエージェントとして作業を進めてくれるところにあります。その一方で、作業を任せられるほど、会社の権限、情報、費用の管理が必要になってきます。個人がばらばらに使い始める前に、会社としての入口を整えておきましょう。

稟議に書く時の要点

稟議では、便利な機能を長く並べるより、使う範囲と管理のしかたを短く書くほうが伝わります。たとえば、「Manusは、公開情報の調査や資料のたたき台作りなど、何工程もある作業で検証します」「入力する情報は、公開情報と匿名化した資料に限ります」「顧客データ、個人情報、契約条件、未公開の売上や事業計画は入力しません」の3文を書くだけでも、判断する方は使い道をつかみやすくなります。

費用の欄では、候補のプランの単価だけで終わらせないでください。10席なら毎月$200から、50席なら毎月$1,000から、100席なら毎月$2,000から、というように会社の出費に直して書きます。検証の段階なら、3人でPro 1段目を使う場合は毎月$60からになります。席数を増やす前に、1か月のタスク数とクレジットの減り方を見て判断する、と書き添えておけば、急に広げすぎることも防ぎやすいでしょう。

リスクの欄では、外部のAIに情報を入れること自体より、何を入れないかを書きましょう。入力禁止の情報、Public共有の扱い、外部サービスとの接続の承認、成果物を確認する方を並べてみてください。これらがまだ書けない状態なら、全社に広げる段階ではなく、小さな検証にとどめておく段階になります。

効果の見方も先に決めておきましょう。資料作りの初稿の時間が減ったか、出典確認の時間が増えすぎていないか、現場が続けられる手順か、の3点で見ていきます。AIの出力がきれいだった、という感想だけでは、続けるかどうかを決めることが出来ません。検証のあとに残しておきたい数字を、先に決めてください。

やめる判断も導入計画に入れる

新しいAIツールは、どうしても始める話ばかりになりがちです。けれども会社で扱うなら、やめる判断も最初から計画に入れておくほうが健全でしょう。たとえば、出典の確認に毎回時間がかかりすぎる、クレジットの減り方が読めない、入力禁止の情報を入れそうになる場面が多い、という場合は広げない判断になります。

やめる条件がないと、使われていないのに契約だけが残ってしまうことがあります。個人ごとの契約から始めた場合は、この状態にとくに気づきにくくなります。部署ごとに使われ方を見て、使われていない席やタスクがあれば整理しましょう。続けることも止めることも、同じように管理の仕事になります。

やめる条件を置くことは、AIの活用に後ろ向きな話ではありません。むしろ、次の検証へ進むための整理になります。Manusで合わなかった業務も、別の会社契約のAIや社内文書を検索する仕組みなら合うかもしれません。1つのサービスで全部を決めず、業務ごとに使い分ける前提で見てみてください。

よくある質問

Manusとは何ですか?
Manusとは、利用者の指示を受けて、調査や資料作成などの作業を計画しながら進めるAIエージェントです。Chatモードは質問や相談に使い、AgentモードはWebサイトやスライド、動画などの作業を進める位置づけになります。会社で使う時は、便利さだけでなく、入力してよい情報、外部サービスへの接続、成果物を確認する方を先に決めておきましょう。
Manusで何ができますか?
公式の説明では、AgentモードでWebサイトやスライド、動画などの作業を進めることが出来ます。Manus 2.0では、Cascade、Manus Studio、Cloud Computer、Automations、Video Editorなどが挙げられています。ブラウザ操作や、Gmail・Googleカレンダー等へのOAuth接続もありますが、会社では接続先と入力する情報の範囲を決めてから試すほうが安全です。
Manusの料金はいくらですか?
2026年10月12日時点の公式ヘルプでは、Freeが$0、Pro 1段目が月額$20から、Pro 2段目が月額$40から、Teamが1席あたり月額$20からとなっています。Teamを10席で使うなら毎月$200から、50席なら毎月$1,000からかかります。税込・税別の記載、日本円の価格、Teamの最低席数、Enterpriseの有無は確かめられていません。
無料プランだけで会社利用できますか?
Freeは$0で、毎日300クレジット、AgentモードはManus 2.0 Liteのみ、同時1タスク、スケジュール自動化2件と説明されています。試してみる入口にはなりますが、会社で使うには管理機能、同時に動かせるタスクの数、共有設定、成果物を確認する体制も必要になってきます。まずは公開情報だけの検証に絞り、本番の利用とは分けて考えましょう。
ChatGPTなどのチャット型AIとは何が違いますか?
ChatGPTなどは、人が質問し、返答を見て次の操作を選ぶ使い方が中心になります。ManusのAgentモードは、作業を計画し、Webサイトやスライド、動画などの作業まで進める前提です。その分、入力する情報、接続先、共有設定、操作ログまで確かめる必要が出てきます。普段の相談はチャット型AI、何工程もある作業はAIエージェント、という分け方から試すと分かりやすいでしょう。
Manusは日本語で使えますか?
会社で判断する時は、実際の業務の文を日本語で入れてみて、出てくる文章の自然さと、事実の確かめやすさを見てください。英語の画面や説明が混ざる場面もあるつもりで、最初は担当の方を絞って試すとよいでしょう。社外に出す文章は、日本語が自然でも、人が確認してから使うようにしてください。
モバイルアプリはありますか?
Manus 2.0の説明では、Web、Mac、Windows、iOS、Androidで使えることになっています。スマートフォンで使えるのは便利ですが、移動中に個人情報や社外秘をうっかり入れてしまうおそれもあります。会社で許可する場合は、スマートフォンで扱ってよい情報と、外部サービスへつないでよい範囲を別に決めておきましょう。
Manusは危険ですか?安全ですか?
危険か安全かを一言で決めるより、何を入れ、どこへつなぎ、成果物を誰が確認するかで判断するほうが現実的です。Teamはデータ学習のオプトアウトに対応すると料金ヘルプに書かれていますが、FreeやProの既定の設定は公式の原文で確かめられていません。顧客情報、個人情報、未公開の資料を入れない範囲から試し、共有設定と操作ログを確かめてみてください。
会社で使う時のプロンプトのコツはありますか?
作業の中身、使ってよい情報、使ってはいけない情報、成果物の形、確認のしかたを分けて書くのがコツになります。たとえば、公開Webページと匿名化した資料だけを使い、顧客名や個人情報は使わず、比較表とスライド構成で出す、という書き方です。依頼文が短すぎると、見た目は整っていても確かめにくい成果物になってしまいます。
個人契約で使い始めてもよいですか?
業務で使うなら、個人契約で広がる前に、会社として用途と入力する情報の線引きを決めておくほうが安全です。個人契約のままだと、退職時の停止、ログの確認、費用の精算、外部サービスとの接続の管理がばらばらになりやすくなってしまいます。まずは対象の方を絞り、公開情報だけの検証から始めてみてください。

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