Teamsで議事録を作る3つの方法。文字起こし、インテリジェント要約とCopilot、別のAIで整える方法

Teamsの議事録とは、Microsoft Teamsの会議の発言を文字起こしやAIの要約で記録し、決定事項と宿題の形に整えた文書のことです。作り方は、追加料金なしで使える文字起こし(会議ポリシーで有効になっていれば使えます)、Teams PremiumかMicrosoft Copilotのライセンスで使えるインテリジェント要約と、Copilotのライセンスで使える会議のCopilot、文字起こしを別のAIに貼って整える方法の3通りになります。どれを選ぶかは、要約の機能を使う人数とその費用、そして文字起こしをどこに預けるかで決まってきます。まずは追加料金のかからない文字起こしから始め、足りない部分だけを有料の機能や会社で決めたAIで補う順番がおすすめです。

Teamsで議事録を作る3つの方法と、選び方の決め手

Teamsで議事録を作る方法は、文字起こしを人が整える、Microsoftの有料機能に要約させる、文字起こしを別のAIに渡す、の3つに分かれます。どれも出発点はTeamsの文字起こし(トランスクリプト)で、違うのは要約を誰にさせるかと、その費用、文字起こしのファイルがどこに置かれるかになります。

3つの方法の比較(費用・手間・預け先・向いている場面)

3つの方法を、費用・手間・文字起こしの預け先・向いている場面の4つの観点で並べると次のとおりです。

  • 方法1 文字起こしを人が整える。追加の費用はかかりませんが、読み返して要点を抜き出す手間が毎回かかります。文字起こしは会社のMicrosoft 365の中に置かれたままです。向いているのは、週に数本の定例会議や、発言を正確に残したい打ち合わせです。
  • 方法2 インテリジェント要約やCopilotに要約させる。Teams Premiumは1ユーザーあたり月1,499円相当、Microsoft 365 Copilot Businessは月3,148円相当(いずれも年払い・税抜)が上乗せされ、配る人数の分だけ費用が増えます。要約は会議の後にTeamsの予定表やチャットの[要約]タブから開け、文字起こしのファイルを外へ持ち出す必要がありません。向いているのは、会議の多い管理職や営業の方に絞って配る使い方です。
  • 方法3 文字起こしを別のAIに貼る。会社で契約したAIがあれば追加の費用は小さく、議事録の形式も自由に指示できます。一方で、文字起こしのファイルがMicrosoft 365の外に出るため、どのAIに預けたかを会社で把握しておく必要があります。向いているのは、すでに法人向けのAI環境を用意している会社です。

選ぶときの決め手は2つあります。1つ目は要約の機能を使う人数で、要約の機能は1人あたりの課金なので、配る人数を先に決めることが費用を抑える近道になります。2つ目は文字起こしの預け先で、方法3を選ぶなら、社員が個人のAIアカウントに貼らない仕組みを先に決めておく必要が出てきます。

文字起こしは発言の記録で、そのままでは議事録にならない

Teamsの文字起こしは、誰がいつ何を話したかを時刻つきで並べた発言の記録です。言い直しや相づち、脱線した雑談もそのまま入るため、1時間の会議なら読み返すだけでもかなりの時間がかかってしまいます。議事録として必要なのは、決まったこと・決まらなかったこと・誰がいつまでに何をするかの3つで、ここを抜き出して整える作業が別に必要になります。AIの要約を使っても使わなくても、最後にこの3つが揃っているかを人が確かめる流れは変わりません。

議事録の型(日時・参加者・議題・決定事項・アクションアイテム・未解決事項)

議事録の型は、会社で1つに決めて全員で使い回すのがおすすめです。型が決まっていれば、人が書く場合もAIに書かせる場合も、同じ項目が同じ順番で並ぶことになります。

【会議名】◯◯定例会議
【日時】2026年◯月◯日(◯)10:00〜11:00
【場所】Teams会議(録画・文字起こし:あり/なし)
【参加者】社内:◯◯、◯◯/社外:◯◯様(◯◯株式会社)
【議題】1. ◯◯ 2. ◯◯
【決定事項】・◯◯を◯月◯日から実施する
【アクションアイテム】・◯◯を準備する(担当:◯◯、期限:◯月◯日)
【未解決事項・次回に持ち越し】・◯◯について結論が出ず、次回に再検討
【次回】◯月◯日(◯)
【作成・確認】作成:◯◯/確認:◯◯

AIに要約させるときも、この型をそのまま指示文に貼り付ければ、項目の抜けを減らすことが出来ます。

方法1:Teamsの文字起こし(トランスクリプト)を使う

Teamsの文字起こしは会議中にメニューから始められ、会議が終わるとすぐにトランスクリプト(文字起こしの記録)を開くことが出来ます。追加の料金はかかりませんが、管理者の会議ポリシーで許可されていることが前提になります。

文字起こしの開始手順と、言語を日本語に設定する

文字起こしは、会議に参加した状態で次の順に操作すると始まります。

  1. 会議画面の会議コントロールで[その他のアクション](…のボタン)を選びます。
  2. [レコーディングと文字起こし]を選び、続けて[文字起こしの開始]を選びます。
  3. 会議で話されている言語を確認する画面が出たら、日本語を選んで確定します。

文字起こしが始まると、参加者全員に文字起こしが行われていることが通知されます。言語の選択を誤ると記録の中身が大きく崩れてしまうので、開始時の確認画面で日本語になっているかを必ず見てください。会議の開催者・共同開催者・発表者は、会議の途中で文字起こしを止めたり再開したりすることが出来ます。参加者が全員退出すると、文字起こしは自動的に止まります。

録画(レコーディング)の開始と録画ファイルの扱い

録画を始めると、文字起こしも同時に自動で開始されます。録画ファイルは、通常の会議なら開催者のOneDrive、チャネル会議ならチームのSharePointに保存され、ほかのファイルと同じアクセス許可や保持の設定が当てはまります。インテリジェント要約で話者やチャプター(話題ごとの区切り)を出したい場合は録画も必要なので、要約まで使う会議では録画と文字起こしをセットで始めるとよいでしょう。反対に、映像を残したくない会議では、文字起こしだけを始めることも出来ます。

会議後にトランスクリプトを確認・ダウンロードする

会議が終わると、トランスクリプトは予定表の会議の予定からすぐに確認でき、既定では開催者と共同開催者が.docxか.vttの形式でダウンロードできる設定になっています。ダウンロードの手順は次のとおりです。

  1. Teamsの[チャット]を開き、過去の会議のチャットを選びます。
  2. [まとめ]([要約]と表示される場合もあります)を開き、[トランスクリプト]を選びます。
  3. [ダウンロード]の横にあるドロップダウンで、.docx(Word形式)か.vtt(字幕の形式)を選びます。

議事録の下書きに使うなら、Wordで開ける.docxが扱いやすいでしょう。.vttは発言ごとの時刻が細かく入る字幕用の形式で、動画に字幕を付けたいときに向いています。

トランスクリプトを見られる人・ダウンロードできる人

トランスクリプトを見られる範囲は、会議での立場によって次のように分かれます。

立場会議中の開始・停止会議中の表示会議後の表示ダウンロード
開催者できるできるできるできる
同じ組織の参加者できるできるできる既定ではできない(開催者がStreamでダウンロードできる人を設定可能)
別の組織(テナント)の参加者できないできるできないできない
匿名の参加者できないできないできないできない

社外の方は会議中の表示は見られても、会議後に記録を開くことは出来ません。電話で会議に参加した方も、トランスクリプトを表示することは出来ない仕様です。同じ組織の参加者は会議後も読めますが、ダウンロードは既定で開催者と共同開催者に限られます。社外の方に記録を渡したいときは、ダウンロードした.docxを人が確認してから、必要な部分だけを共有するようにしましょう。

文字起こしの項目が出ないときは、管理者設定を確かめる

メニューに文字起こしが出てこない場合は、Teams管理センターの会議ポリシーで止められている可能性があります。設定の場所はTeams管理センターの[会議]>[会議ポリシー]で、対象のポリシーを開いて[文字起こし]をオンにし、[保存]してからユーザーやグループに割り当てる流れになります。文字起こしは開催者ごと・ユーザーごとの設定で、会議の開催者だけでなく、文字起こしを始める方の側でも許可されている必要があります。新しく作ったポリシーでは既定でオンになっているため、見えない場合は古いポリシーが割り当てられていないかを確かめてみてください。PowerShellで設定する場合は、Set-CsTeamsMeetingPolicyの-AllowTranscriptionという項目が対応しています。なお、録画だけを許可して文字起こしをオフにしていると、録画の横にトランスクリプトのファイルは保存されません。

文字起こしと録画の保存場所と、120日の有効期限

Teamsの文字起こしと録画は開催者のOneDrive for Business(チャネル会議はチームのSharePoint)に保存され、既定では120日で有効期限を迎えます。トランスクリプトは、開催者が削除するか有効期限が来るまでは会議のチャットからたどって開くことが出来ます。削除できるのは、会議の開催者と共同開催者になります。

有効期限が来ると、OneDriveやSharePointが自動でファイルをごみ箱に移します。職場のアカウントのごみ箱に入ったファイルは、既定では93日後に自動的に削除されてしまいます。議事録として残したい内容は、120日のうちに議事録の本文へ書き移しておく必要があります。期限の日数は、管理者が会議ポリシーで変更することも出来ます(変更は、その後に作られる録画と文字起こしにだけ適用されます)。期限を延ばせば記録は長く残りますが、そのぶん不要な発言の記録もOneDriveに残り続ける点には注意が必要です。退職や異動で開催者のアカウントを止める前に、残すべき記録を誰に引き継ぐかも決めておきましょう。

方法2:インテリジェント要約とCopilotで要約・議事録化する

インテリジェント要約を使うには、Teams PremiumかMicrosoft Copilotのライセンスが必要です。Copilotのライセンスがあれば、さらに会議中や会議後にAIへ質問することが出来ます。

インテリジェント要約とCopilotの違い

インテリジェント要約は、会議が終わるとAIの会議メモや推奨タスクをまとめて出してくれる機能になります。使えるようにするには、ユーザーにTeams PremiumかMicrosoft Copilotのライセンスを割り当てたうえで、文字起こしをオンにしておく必要があります。要約の画面には、主に次のような内容が並びます。

  • AI会議メモ(話し合われた内容の要点)
  • AIが推奨するタスク
  • 自分の名前が出た場面・画面共有・入退室の時刻を示すタイムラインの目印
  • 発表者ごとのタイムラインの目印と、会議のチャプター
  • ビデオの要約(10分以上の会議で、録画がある場合)
  • オーディオの要約(Microsoft Copilotのライセンスが必要・パブリックプレビュー)

録画をオフにしている会議では、録画・話者・トピック・チャプターのない要約になります。Copilotは要約に加えて、決定事項だけを並べ直す、ある方の発言だけを拾うといった指示にも、会議の内容をもとに答えてくれる点が違います。

Copilotで議事録を作る手順とプロンプト例

Copilotで議事録を作るときは、会議中に文字起こしをオンにしておくのが出発点です。管理者のポリシーで[会議中のみ]が選べる場合は、会議でCopilotを動かすだけなら文字起こしは要りませんが、会議後にCopilotへ質問したり会話の履歴を見返したりするには、会議中の文字起こしが必要になります。

  1. 会議が始まったら文字起こしを開始します(映像も残すなら録画を開始)。
  2. 会議が終わったら、その会議の要約の画面でCopilotを開き、下のような指示を送ります。
  3. 回答を読み、数値・固有名詞・担当者を文字起こしと照らし合わせてから、議事録の型に貼り付けます。

Copilotの回答が1,300文字を超えるときは、Wordで開いて続きを編集することが出来ます。会議の開始から5分以上たって途中参加したときも、Copilotが有効なら、それまでの流れを確認するよう通知が届きます。プロンプト(AIへの指示文)は、次のように項目と形式を具体的に指定すると、議事録に使いやすい形で返ってきやすくなります。

この会議の議事録を、次の形式で作成してください。
・決定事項:決まったことだけを箇条書きで。結論が出ていないものは書かない
・アクションアイテム:担当者/やること/期限を1行ずつ。期限の発言がなければ「期限未定」と書く
・未解決事項:結論が出ずに持ち越した論点
・数値と固有名詞:会議で出た金額・日付・社名・製品名を一覧にし、誰の発言かを添える
文字起こしにない内容は推測で補わないでください。

続けて、特定の方が引き受けたタスクだけを抜き出すよう頼めば、担当者ごとの宿題の確認にも使えます。

Copilotの会議ポリシー:4つの値と既定値

管理者はTeams管理センターの[会議]>[会議ポリシー]の[記録 & 文字起こし](ページによっては[レコーディング & 文字起こし]と表記)にあるCopilotの設定で、会議でのCopilotの扱いを4つの値から選べます。

  • オン(PowerShellの値はEnabled)
  • オンで、トランスクリプトの保存が必須(EnabledWithTranscript)。これが既定値
  • オンで、トランスクリプトを既定で保存(EnabledWithTranscriptDefaultOn)
  • オフ(Disabled)

管理センターのドロップダウンでは、2つ目と3つ目は[トランスクリプトの保存が必要でオン][デフォルトでトランスクリプトが保存されている状態でオン]と表示されます。既定値のままだと、開催者は次の見出しで説明する[会議中のみ]を選べず、Copilotを使う会議では文字起こしが残る形になります。開催者が会議のCopilotをオフにすると、録画と文字起こしも一緒にオフになる点も覚えておきたいところです。ポリシーで変更が許されていれば、ライセンスを持っていない方でも、自分が開催する会議のCopilotの扱いは決めることが出来ます。また、Copilotは参加者の組織の外で開催された会議では動きません。取引先が主催するTeams会議では、自社のCopilotで要約することは出来ないと考えておきましょう。

記録を残さずに使う[会議中のみ]

管理者のポリシーが[オン]か[オンで、トランスクリプトを既定で保存]になっていれば、開催者は会議のオプションで、Copilotを[会議中および会議後][会議中のみ][オフ]の3つから選べます。[会議中および会議後]は文字起こしが必要で、途中で文字起こしを止めるとCopilotも止まります。[会議中のみ]を選ぶと、Copilotは一時的な音声テキスト変換データで動き、会議が終わると文字起こしされなかった部分とCopilotとのやりとりは使えなくなってしまいます。人事や条件交渉など記録を残したくない会議では、管理者に[会議中のみ]を選べるポリシーにしてもらったうえで[会議中のみ]を選んでください。誰も録画や文字起こしを始めなければ、会議後に文字起こしは残りません。ただし、組織で保持ポリシーを設定している場合はCopilotへの質問と回答が保持されることがあるため、何も残らないわけではない点にご注意ください。[オフ]を選んだ場合は、機密の情報にCopilotが触れないよう、録画と文字起こしも無効になります。

Copilot Chat(追加料金なし)で要約できるかは、自社の画面で確かめる

Microsoft 365の対象プランには追加料金なしのCopilot Chatが含まれていますが、Teamsの会議要約がそこでどこまで使えるかは、公式の説明がページによって分かれています。Microsoft 365 Copilotの概要ページは基本の区分の機能に会議の要約を挙げている一方で、無料版との違いを説明したサポート記事は、会議の要約をアドオンの特典として書いているためです。購入を決める前に、実際に自社のTeamsで会議の要約がどこまで表示されるかを確かめてみてください。無料版と有料版の区分は、Microsoft 365 Copilotの無料版でできることで詳しくまとめています。

Copilotは有料アドオン:10人・30人の年間費用

Teams PremiumもMicrosoft 365 Copilotも1ユーザーあたりの課金なので、要約の機能を配る人数がそのまま年間の出費になります。公式の料金ページで確認できる価格は、Teams Premiumが月1,499円相当、Microsoft 365 Copilot Business(アドオン)が通常の年払いで月3,148円相当で、どちらも税抜の金額です。Copilotには、2026年7月1日から12月31日まで提供される割引キャンペーンがあり、初年度だけ月2,698円相当になります。月払いを選ぶ場合、Copilotは月3,778円で契約することが出来ます。年払いで10人・30人に配った場合の年間費用は次のとおりです。

  • Teams Premium:10人で年179,880円(月14,990円)、30人で年539,640円(月44,970円)
  • Microsoft 365 Copilot Business(通常の年払い):10人で年377,760円(月31,480円)、30人で年1,133,280円(月94,440円)
  • Microsoft 365 Copilot Business(割引・初年度のみ):10人で年323,760円、30人で年971,280円

いずれもMicrosoft 365本体のプラン料金は別で、Copilotを買うには対象となるMicrosoft 365のプランを契約していることが前提になります。30人全員にCopilotを配ると、通常価格で年113万円を超える上乗せとなってしまいます。Copilotの割引は初年度だけなので、2年目からは通常の3,148円で予算を組んでおくのが安全です。Teams Premiumには1か月の無料試用がありますが、試用が終わると自動的に12か月の有料契約へ切り替わり、申し込みにはクレジットカードが必要になります。要約を毎日使う管理職や営業の方にだけ配り、ほかの方は文字起こしと会議のメモで回す分け方も検討してみましょう。Copilotが自社に必要かどうかの判断は、Copilotは必要かで整理しています。

※料金・仕様は2026年9月25日時点で Microsoft の公式ページに表示されている内容です(税抜)。Microsoft 365 Copilot Business の割引キャンペーンは2026年7月1日〜12月31日に提供されるもので、年間契約が必要、割引価格は初年度のみに適用されます。Microsoft 365 Copilot の購入には対象となる Microsoft 365 プランのライセンスが別途必要で、最大300ユーザーまでと表示されています。年間費用は、単価×人数×12か月で計算しています。

無料でできる範囲

Teams PremiumやCopilotを足さずに使えるのは、文字起こしと会議のメモ、そして文字起こしを人が整える作業までになります。録画は、会議ポリシーで許可されていれば使うことが出来ます。会議の要約をAIに任せる部分は、Teams PremiumかCopilotのライセンスがなければ使えない前提で考えておくのが無難です。個人向けの無料のAIに文字起こしを貼れば費用はかかりませんが、預け先が会社の外の個人アカウントになってしまう点は、後の節で詳しく見ていきます。

方法3:文字起こしを別のAIに貼って議事録にする

3つ目の方法は、ダウンロードした文字起こしをChatGPTやClaude、Geminiなどの生成AIに読み込ませて、議事録の形に整えるやり方です。Microsoftの有料機能を買わずに始められ、議事録の型や言葉づかいも自由に指示できる点が強みになります。手順は次のとおりで、どのAIでも大きくは変わりません。

  1. Teamsの[チャット]から過去の会議のチャットを開き、[まとめ]の[トランスクリプト]から.docxをダウンロードします。
  2. 社外の方の氏名や、会議で出た個人情報・金額などをAIに渡してよいかを、社内ルールで確かめます。
  3. 会社で決めたAIの環境を開き、.docxを添付するか本文を貼り付けて、議事録の型と指示を送ります。
  4. 出てきた下書きを文字起こしと照らし合わせ、数値・固有名詞・担当者を人が直します。
  5. 確定した議事録を社内の決まった場所に保存し、元の.docxを個人のパソコンに残さないようにします。

指示文は、前の節で紹介したCopilot向けのプロンプトをほぼそのまま使うことが出来ます。長い会議の文字起こしはAIによっては一度に読み込める量を超えることがあるため、前半と後半に分けて要約させ、最後に1つにまとめさせる方法も有効でしょう。会議の録音や録画そのものを読み込めるAIなら、Teamsの文字起こしを使わない会議でも同じ流れで議事録を作れます。ほかの会議ツールでの作り方は、Zoomの議事録、Google Meetの議事録、Geminiで議事録を作る方法でそれぞれ紹介しています。

AIの要約は下書き。数値・固有名詞・担当者は人が確認する

どの方法でも、AIの要約はあくまで下書きとして扱うのが基本になります。文字起こしの段階で、社名や製品名、人の名前、金額の桁が聞き違えられていることは珍しくありません。AIはその誤りを正しい前提として要約するため、決定事項の数字や担当者が違ったまま議事録に載ってしまうことがあります。金額・日付・担当者・期限の4つだけは、必ず文字起こしの原文と照らし合わせてください。確認した方の名前を議事録の末尾に残せば、後から誰が確かめたのかをたどることが出来ます。

外部AIに入力するときの情報管理(学習利用・オプトアウト・社内ルール)

文字起こしを外部のAIに入力するときに確かめたいのは、入力した内容が学習に使われない設定か、会社がその利用を把握できるか、社内ルールで許されているかの3点です。個人向けのAIサービスは、学習に使わない設定(オプトアウト)が本人の操作任せになっていることがあり、会社からは設定の状態も入力された中身も見えません。会議の文字起こしには取引先の名前や未公表の数字、人事の話まで入りやすいため、ほかの業務の文章よりも一段慎重に扱う必要があります。社員が会社の把握していないAIを業務に使う状態は、野良AI(シャドーAI)と呼ばれています。

文字起こしを預けるAIを、会社で1つに決めておく

会議の記録を個人のAIアカウントに散らさないためには、使うAIの環境を会社で1つに決めることが近道です。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。

話者識別と、精度を上げる会議の進め方

文字起こしの精度は、AIの性能よりも、会議の音の入り方で大きく変わります。Teamsのトランスクリプトには各話者の名前とタイムスタンプが入ります。ただし会議室の1台のパソコンから複数の方が話すと、その発言が同じ参加者の名前でまとめて記録されることがあり、誰の発言かが分からなくなってしまいます。話者を分けて残したいなら、できるだけ1人1台で参加し、会議室ではマイクを話す人の近くに置くようにしましょう。そのほか、次のような進め方で記録の質は上がります。

  • 冒頭で会議名・日付・議題を読み上げ、文字起こしの頭に残す
  • 決まったことは、その場で「決定事項は◯◯です」と言葉にする
  • 担当者と期限は、名前と日付をはっきり口に出す
  • 同時に話さず、会議室から複数人で参加するときは発言の前に名乗る
  • 社名・製品名・専門用語は会議の案内に書いておき、議事録の確認で照らし合わせる

決定事項と担当者を声に出して確かめる進め方は、AIの要約の精度を上げるだけでなく、会議そのものを締まったものにしてくれます。インテリジェント要約で話者やチャプターを出したい場合は、録画もオンにしておくことが条件になります。

Teams標準の会議のメモで議事録を共同編集する

Teamsには、議題・メモ・タスクを会議の前から書き込める会議のメモの機能があり、議事録の共同編集に使えます。会議のメモは自動で保存され、会議の後も表示と編集ができ、加えた変更は会議に招待された全員に自動で表示されます。議題やタスクにタグを付けて、特定の方に割り当てることも出来ます。会議後は、予定表から過去の会議を開き、[要約]([まとめ])の[メモ]から確認できる仕組みです。会議中は決定事項とタスクだけをメモに書き、細かな発言は文字起こしに任せると、まとめる手間が減っていきます。社外の出席者は会議のメモを開けないため、社外に共有するときは別の文書に書き出してください。

AI議事録専用ツールとの併用

取引先が主催する会議や、ZoomやGoogle Meetと混在する会社では、会議に参加して録音するAI議事録専用ツールを併用する選択肢もあります。専用ツールには話者の聞き分けや社外への共有に力を入れたものがある一方で、Teamsの外に録音と文字起こしを預けることになる点は方法3と同じです。Teamsの中で完結させる会議と専用ツールに任せる会議を分けて決めれば、預け先を増やしすぎずに管理できるでしょう。ツールの選び方は、AI議事録ツールの選び方で比べています。

会社で安全に使うには:文字起こしの預け先を1つに決める

Teamsの議事録づくりを会社で安全に回すには、文字起こしのファイルを入れてよいAIの環境を会社で1つに決めることが出発点になります。トランスクリプトの.docxや.vttは、ダウンロードした時点でTeamsの権限の外に出るファイルです。社員がそれを個人のAIアカウントに貼ると、どの会議の記録がどのサービスに預けられたのかを、会社では把握できなくなってしまいます。退職した方の個人アカウントに、取引先との会議の記録が残り続けることも起こり得ます。禁止するより、迷わず使える会社公認のAIを1つ用意するほうが、個人アカウントへの貼り付けは減らせます。会社で選ぶAIの環境では、次の3点を確かめてください。

  • 入力した内容をAIの学習に使わない設定が、社員ごとの操作ではなく会社側で一律にかかっていること
  • 誰がいつどのAIを使ったかの利用ログを、管理者が確認できること
  • 使える人や使えるAIを、管理者が権限で絞れること

この3点がそろっていれば、会議の文字起こしを入れてよい場所を、社員に1つの名前で案内することが出来ます。実際の進め方は、公認の環境を用意する、社内に告知する、個人アカウントでの利用をやめてもらう、の3段階が現実的です。いきなり個人アカウントの利用を止めると議事録づくりそのものが滞ってしまうため、公認の環境が使えるようになってから切り替えましょう。ルールの文書としての整え方は、生成AIの社内ガイドラインの作り方にまとめています。

会議の種類ごとの使い分けの目安

録画・文字起こし・AIの要約をどこまで使うかは、会議の種類ごとに決めておくと現場が迷いません。目安としては、次のような分け方になります。

  • 社内の定例会議:文字起こしを使い、要約はAIに任せて、決定事項と担当者だけを人が確認する
  • 顧客・取引先との打ち合わせ:冒頭で了承を得てから文字起こしを始め、社外に渡すのは確認済みの議事録だけにする
  • 研修・説明会:録画と文字起こしの両方を残し、欠席した方が見返せるようにする
  • 人事・評価・条件交渉:録画と文字起こしはオフにし、Copilotを使うなら、ポリシーで選べる場合に限り[会議中のみ]にする
  • 取引先が主催するTeams会議:自社のCopilotは動かないため、会議のメモや手元のメモで記録する

社内への告知文と、ルールに足す条文のひな形

録画や文字起こしを始める前に参加者へひと言伝えることは礼儀であり、後のトラブルを防ぐ手立てにもなります。Teamsも文字起こしの開始を全員に通知しますが、画面の表示だけでは気づかない方もいるため、声でも伝えるようにしてください。

会議の冒頭で読み上げる告知(社内会議)

本日の会議は、議事録を作るために録画と文字起こしを行います。記録は議事録の作成に使い、確定した議事録は社内の◯◯に保存します。録画と文字起こしのデータは、会社の設定に従って一定期間の後に自動で削除されます。記録を止めてほしい話題があれば、その場でお知らせください。

会議の冒頭で読み上げる告知(社外の方が参加する会議)

本日は議事録を作成するため、Teamsで文字起こしを行ってもよろしいでしょうか。記録は議事録の作成のためだけに社内で使い、社外へお送りするのは内容を確認した議事録のみとします。記録を残してほしくないお話がある場合は、その間だけ文字起こしを止めますので、お気軽にお申し付けください。

社外の方から断られた場合は文字起こしを使わず、会議のメモと手元のメモで記録する形に切り替えましょう。

社員向けの通知文

件名:会議の文字起こし・議事録にAIを使うときのお願い

社員各位

Teams会議の文字起こし(.docx・.vtt)や録画には、社外の方の発言や未公表の情報が含まれます。議事録づくりにAIを使う場合は、会社が指定した◯◯(AIの環境の名前)だけを使ってください。個人で登録したAIのアカウントや、無料のAIサービスに貼り付けることはお控えください。ダウンロードした文字起こしは、議事録を確定した後に個人のパソコンから削除してください。不明な点は◯◯(総務・情報システムの窓口)までお問い合わせください。

生成AIの利用ルールに足す条文の例

第◯条(会議の録画・文字起こしの扱い)
1. 会議の録画・文字起こしを行うときは、会議の冒頭で参加者に知らせる。社外の参加者がいる会議では、事前に了承を得る。
2. 文字起こしの記録を生成AIに入力するときは、会社が指定したAIの環境だけを使う。
3. 人事・評価・条件交渉など機密性の高い会議では、文字起こしの記録を残さない設定で行う。
4. 文字起こしの記録は、Teamsの自動の有効期限に従って削除する。議事録として残す内容は、期限までに議事録へ書き移す。
5. 議事録の最終確認は会議の開催者が行い、確認した者の名前を議事録に記す。

条文の番号や窓口の名前は、自社の実態に合わせて書き換えて使ってみてください。

文字起こしを外部AIに貼る前の確認項目

文字起こしのファイルをAIに貼る前に、次の7つを確かめてみてください。

  • 貼り付け先は会社が指定したAIの環境か個人で登録したアカウントや、無料のサービスになっていないかを確かめます。
  • 入力した内容が学習に使われない設定か設定が社員ごとの操作任せではなく、会社側で一律にかかっているかを見ます。
  • 社外の参加者から文字起こしの了承を得たか会議の冒頭で伝えたことが、議事録か招待のメモに残っているかも確認します。
  • 人事・評価・個人情報に触れる発言が入っていないか入っている場合は、その部分を消してから貼るか、AIを使わずに人が要約します。
  • 取引先の未公表の情報が入っていないか秘密保持契約の対象になる数字や計画は、契約の範囲でAIに入力してよいかを確かめます。
  • ダウンロードした.docx・.vttの置き場所個人のパソコンのダウンロードフォルダーに残したままにせず、議事録の確定後に削除します。
  • 要約の確認者は決まっているか金額・日付・担当者・期限を、文字起こしの原文と照らし合わせる方を決めておきます。

この7つは社員向けの通知文と一緒に配っておけば、迷ったときの確認表として使ってもらえます。

会議の文字起こしを預けるAIを、会社で1つに

UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです。会議の録音や動画の読み込みに対応し、管理者ダッシュボードで利用ログ・権限・モデルのON/OFFを管理できます。月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。初期費用100,000円(税抜)が別途かかります。

UPGEAR AIの詳細を見る

よくある質問

Teamsの議事録は無料で作れますか?
文字起こしは追加料金なしで使えるため、文字起こしを人が整える方法なら追加の費用はかかりません。インテリジェント要約を使うには、Teams PremiumかMicrosoft Copilotのライセンスが必要です。追加料金なしのCopilot Chatで会議の要約がどこまで使えるかは公式の説明が分かれているため、自社のTeamsの画面で確かめてください。
Teamsの文字起こしが表示されないのはなぜですか?
Teams管理センターの会議ポリシーで、文字起こしがオフになっている可能性があります。文字起こしは、会議の開催者と、文字起こしを始めるユーザーの両方で許可されている必要があります。管理者に、[会議]>[会議ポリシー]の[文字起こし]の設定を確認してもらってください。
文字起こしのデータはいつまで残りますか?
録画と文字起こしの有効期限は既定で120日です。期限が来るとごみ箱に移り、職場のアカウントでは既定で93日後に自動で削除されます。議事録として残す内容は、期限までに議事録の本文へ書き移しておいてください。
社外の参加者は文字起こしを見られますか?
別の組織(テナント)の参加者は、会議中の表示は見られますが、会議後にトランスクリプトを開いたりダウンロードしたりすることは出来ません。匿名の参加者と電話で参加した方は、表示もできません。社外の方には、内容を確認した議事録を共有してください。
Copilotと専用のAI議事録ツールはどちらがよいですか?
会議の大半が自社主催のTeams会議なら、文字起こしを外へ持ち出さずにTeamsの中で要約まで済むCopilotやインテリジェント要約が扱いやすいでしょう。取引先が主催する会議や、ZoomやGoogle Meetが混ざる場合は、Copilotが使えない会議があるため、専用ツールや会社で決めたAIの環境との併用を検討してください。
議事録づくりを完全に自動化できますか?
文字起こしから要約の下書きまでは自動で出来ますが、金額・日付・担当者・期限の確認は人が行う必要があります。聞き違いがそのまま要約に入ることがあるため、確認する方を決めてから最終版にする流れをおすすめします。

まとめ

Teamsの議事録は、追加料金なしの文字起こしを出発点に、要約をTeams PremiumやCopilotに任せるか、別のAIで整えるかの3通りで作れます。Teams PremiumとCopilotは1人あたりの課金で、10人に配るとTeams Premiumで年179,880円、Copilotの通常価格で年377,760円(いずれも税抜)の追加となります。文字起こしは開催者のOneDriveに保存され、既定では120日で期限を迎えるので、残すべき内容は早めに議事録へ移しておきましょう。別のAIを使う場合は、文字起こしを入れてよい環境を会社で1つに決め、社員への告知と確認表をセットで配るのが安全な進め方です。会議ツールを問わない議事録の作り方は、AI議事録ツールの選び方もあわせてご覧ください。