全農、作物を3D化するAIを本格運用

COPLUS AI NEWS / 2026.09.15 夕

人の目と手の仕事を、AIが引き受ける

作物の生育調査、請求書の転記、Webの接客。9月15日夕のAI動向5本。

14日から15日にかけて、人の目や手に頼ってきた現場の仕事を、AIが引き受ける事例が相次ぎました。全農はカメラ映像から作物を3Dで再構成して生育を数値で取る技術の運用を始め、学校法人の中央工学校は請求書の3度の手入力をなくして経理業務を年間約600時間減らしました。業務の自動化基盤Yoomの資金調達、カーリースの接客を担うAIエージェント、AIが書いたコードの品質を問う調査もあわせて、9月15日夕のAI動向5本を整理します。

① 全農ときゅうりトマトなすび、AIで作物を3Dに再構成し生育データを取る技術の本格運用を開始

出典: 全国農業協同組合連合会・株式会社きゅうりトマトなすび(PR TIMES)/ 2026年9月14日

全国農業協同組合連合会(全農)と株式会社きゅうりトマトなすび(CTE)が9月14日、AIとデジタルツインを使って施設園芸の作物の生育データを取る技術「ノウノウビジョン」の本格運用を始めたと発表しました。カメラで撮った圃場の映像から、CTE独自のAIが茎葉や花、果実を見分け、植物を三次元のデータとして組み立て直します。Webブラウザ上で、植物の長さや太さ、花や果実の数、葉面積などを数値で取り出せるとしています。神奈川県平塚市にある全農の営農・技術センター施設園芸研究室が有償で導入しました。これまでの生育調査は人の目視に頼る部分が多く、調べられる株数や頻度に限りがあったといい、今後は生育診断や病害虫の検知、収穫予測への応用を進めるとしています。

💡 コプラスの視点:生育調査は、人が株を見て回り、数や長さを記録していく手間のかかる作業です。映像から同じ数字が取れれば、調べる株を増やし、頻度を上げられます。農業に限らず、目視の点検や検品に人手を割いている現場では、何を数値で残せば判断が速くなるのかを洗い出すところから、AIの使いどころが見えてきます。

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② 学校法人中央工学校、TOKIUMの導入で経理業務を年間約600時間削減

出典: 株式会社TOKIUM(PR TIMES)/ 2026年9月14日

TOKIUMが9月14日、1909年創立の学校法人中央工学校が「TOKIUMインボイス」と「TOKIUM経費精算」を導入し、財務課の請求書処理と経費精算にかかる時間を年間約600時間削減したと発表しました。同校は年間約4,000件の請求書処理と経費精算を紙中心で行い、証憑の内容をExcel、ネットバンキング、会計システムへと3度手入力していたため、転記の確認や修正が大きな負担になっていました。導入の決め手は、請求書の受領代行で届いた時点でデータ化され、転記そのものが不要になる点と、申請から承認までオンラインで完結する点でした。学校法人特有の会計基準や専用の会計システムに対応できる点も、選定の理由になったとしています。TOKIUMは自社のサービスを、AIと専門スタッフ、クラウドシステムが連携して経理業務を完了させるものだと説明しています。

💡 コプラスの視点:同じ数字を複数のシステムに打ち直す作業は、中小企業や学校、医療機関などのバックオフィスに、今も残っていることが少なくありません。AIの読み取りや代行サービスを検討する際は、今の業務で同じ情報を何回入力し、何回見直しているかを先に数えておくと、導入後の効果を比べる物差しになります。会計事務所にとっても、顧問先のどこに転記が残っているかは、提案の糸口になりそうです。

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③ 業務を自動で流すYoom、初の外部調達で総額7億円

出典: Yoom株式会社(PR TIMES)/ 2026年9月15日

業務自動化の基盤「Yoom」を提供するYoom株式会社が9月15日、初めての外部資金調達で総額7億円を調達したと発表しました。引受先は、DUAL BRIDGE CAPITAL、みずほキャピタル、静岡キャピタル、キヤノンマーケティングジャパンの各ファンドと、株式会社ハリズリーです。Yoomは、人とAIエージェント、システムを組み合わせ、人は最小限の判断と承認を行うだけで一連の業務が流れていく仕組みを「業務の自動運転プラットフォーム」として提供しています。データ入力や書類作成、メール送信といった定型業務や、部門をまたぐ業務の連携が対象で、750以上のサービスと連携し、毎月500万回を超えるタスクが実行されているとしています。調達した資金は、機能開発や、社内で作ったシステム・基幹システムとの連携の拡充、採用と営業体制の強化に充てるとしています。

💡 コプラスの視点:つなげるサービスが増えるほど、AIエージェントが社内のどのシステムに、誰の権限で触れているのかが見えにくくなります。人の判断と承認を残す設計は、その見えにくさへの備えでもあります。自動化を広げる前に、どの操作に人の承認を挟むのかを業務ごとに決めておくと、想定外の動きがあったときに流れを止めやすくなります。

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④ チャットプラス、カーリースのニコノリでAIエージェントが接客 成約率は約15%と発表

出典: チャットプラス株式会社(PR TIMES)/ 2026年9月15日

チャットプラスが9月15日、生成AIを使ったAIエージェントのサービス「AI AgentPlus」を、オンラインのカーリース「ニコノリ」に実装した成果を発表しました。AIエージェントは24時間365日、初めてカーリースを使う人の疑問に答え、予算や用途に合わせた車種選びを手伝い、車両の詳細確認から仮審査の申し込みまでを案内します。同社によると、AI AgentPlus経由の申し込みは審査通過率が3か月続けて30%以上、成約率は約15%で、審査を通った申し込み1件あたりの獲得単価はランディングページ経由の半額以下だったとしています。役割の異なる複数のAIエージェントが連携し、必要に応じて人の担当者に引き継ぐ仕組みも備えています。

💡 コプラスの視点:よくある質問に答えるチャットボットから、提案して申し込みまで進めるAIへと役割が変わると、AIの一言が契約の中身に直結します。料金や審査条件のように誤りが許されない情報ほど、AIが参照する元のデータを誰が更新し、どの場面で人に引き継ぐかを先に決めておく必要があります。発表された数字は同社の集計です。自社で試す際は、比べたい指標と測り方をそろえてから始めたいところです。

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⑤ AIコーディング利用者の77.5%が「困った経験」 バルテスHDが品質と信頼の実態調査

出典: バルテス・ホールディングス株式会社(PR TIMES)/ 2026年9月15日

ソフトウェアテストを主力とするバルテス・ホールディングスが9月15日、AIを使った開発の品質と信頼に関する調査結果を公表しました。調査は7月21日から31日にかけて、同社グループの顧客などを対象にインターネットで行い、有効回答は165件でした。業務でAIコーディング支援ツールを使っている71人のうち77.5%が困った経験があると答え、内容は「修正した際に別の箇所が壊れた」が36.6%、「気づかないバグが含まれていた」が35.2%、「AIの出力が正しいか確認しきれなかった」が25.4%でした。今後1〜2年で最も課題になることとして「AIの成果物を評価できる人材の不足」を選んだ割合は44.8%で、AI活用が進むほどテストや検証の重要性が高まるとの回答は86.7%でした。同社は、判断の根拠を残す仕組みと確認の体制があるかどうかが品質を分けるとしています。

💡 コプラスの視点:AIが書いたコードも、AIが作った文書も、速く大量に出てくる分だけ、確かめる側の手が足りなくなります。自社でシステムを作らない会社でも、外注先がAIを使って開発している可能性はあります。発注の段階で、AIが生成した部分のテストやレビューをどう行うのかを確認項目に入れておくと安心です。

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明日への展望

全農の技術は、病害虫の検知や収穫予測への応用が次の焦点になります。Yoomは調達資金で基幹システムとの連携を広げるとしており、AIエージェントが会社の中核の業務にどこまで入っていくかも見どころです。現場の作業をAIに移す動きが農業、経理、接客と広がるなか、明日以降は、移した後に誰がどう確かめているかまで示した事例に注目したいところです。

本日のまとめ

作物を数える目、請求書を写す手、客の質問に答える声。人が担ってきた現場の仕事が、少しずつAIに移っています。移すほどに、AIが出した数字や答えを確かめる役割は人の側に残ります。どの仕事をAIに渡し、どこで人が確かめるかを決めておくことが、効果を確かなものにする近道です。

現場の手作業、どこからAIに任せますか

コプラスは、業務の棚卸しから利用ルールの整備、社内定着までを一緒に進めています。主要4AIを国内サーバー・学習オフで使えるUPGEAR AIとあわせて、自社に合った始め方をご提案します。

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