
ChatGPTの文字起こしとは、会議や打ち合わせの音声をChatGPTでテキストに起こし、そのまま要約や議事録の形に整える使い方のことです。入口は「マイクの音声入力」「Record(録音モード)」「API」の3つで、会議の録音をそのまま議事録に出来るのはRecordになります。ただしRecordの対象はPlus・Pro・Business・Enterprise・Eduで、使えるのはmacOSのデスクトップアプリだけとなっています。録音ファイルの添付については、公式のファイルアップロードFAQが挙げる対応ファイルは文書・表計算・プレゼンテーションなどで、音声や動画は一覧に入っていません。
※ChatGPTの機能・プラン・データの扱いは、2026年9月25日にOpenAIの公式ヘルプ(日本語版・英語版)と開発者向けドキュメントで確認した内容です。機能・制限・料金は変更されることがあります。
ChatGPTで文字起こしはできる?入口は3つ
ChatGPTで文字起こしは出来ますが、入口によって向いている用途がはっきり分かれます。短い発言をテキストにするならマイクの音声入力、会議をまるごと記録するならRecord、大量の録音をまとめて処理するならAPIという分け方になります。どの入口を使うかで、対象のプランも、音声がどこにどれだけ残るかも変わります。
入口1:マイクの音声入力(ディクテーション)
入力欄のマイクのアイコンを押して話すと、音声がモデルに送られて文字起こしされ、送信前に編集できるテキストとして入力欄に戻ってきます。自分の話した内容を確かめてから送れるため、メモの口述や短い指示の入力に向いた機能です。OpenAIのヘルプでも、話した内容の文字起こしを確認・編集してから文章として送りたいときは音声入力を使うよう案内されています。ただ、会議をまるごと記録する手順はヘルプに示されておらず、議事録づくりの入口としては力不足となってしまいます。
入口2:Record(録音モード)
Recordは、会議やブレインストーミング、音声メモを録音して文字起こしし、要約までを作る機能になります。要約はチャット履歴にキャンバスとして保存され、あとから会話の中で読み返したり手直ししたりできます。会議の録音を議事録にする用途に合わせて作られた入口ですが、使えるのはPlus・Pro・Business・Enterprise・EduのmacOSデスクトップアプリに限られ、Goは対象外になります。
入口3:API(音声の文字起こしモデル)
APIは、開発者向けに提供されている別契約の仕組みで、録音ファイルを送ると文字起こしの結果が返ってきます。料金は1分あたりの従量制で、社内のシステムや自動処理に組み込んで大量の録音をまとめて処理したいときの選択肢となります。ChatGPTの画面から使うものではないため、情報システム部門や開発を担う方がいる会社向けの方法でしょう。
録音ファイルを添付して文字起こしできるのか
公式のファイルアップロードFAQは、対応しているファイルの種類として、テキストファイル、スプレッドシート、プレゼンテーション、ドキュメントで一般的に使われる拡張子を挙げています。この一覧に音声・動画は書かれておらず、録音ファイルを添付すれば文字起こしできるという案内も見当たりません。実際の画面での挙動は、プランやモデル、時期によって変わる可能性もあります。会社の手順書に書く方法としては、確認した範囲の公式ヘルプで手順が示されているRecordとAPI、そして別のツールで文字起こししたテキストを貼る方法の3つにとどめるのが安全です。
音声モードは会話用で、議事録には向かない
ChatGPTと声で会話する音声モードにも文字起こしが表示されますが、ヘルプはこれを逐語の記録ではなく、実際の発言と完全には一致しない場合があると説明しています。音声モードのうちLiveとAdvancedの音声クリップは、文字起こしとともに30日間保存されます(動画のクリップはAdvancedのみで、Standardでは文字起こし後に音声が削除されます)。会議の記録として残す目的には使わず、議事録は音声入力かRecord、または別ツールの文字起こしから作りましょう。
プランと端末ごとの可否|会議録音を文字起こしできるのは?
会議の録音をChatGPTの中で文字起こしから要約まで進められるのは、Plus・Pro・Business・Enterprise・EduのmacOSデスクトップアプリに限られます。Windowsのパソコン、スマートフォンのアプリ、ブラウザ版からはRecordを使えません。社用PCがWindows中心の会社では、会議録音の入口そのものが社内に無いことになってしまいます。
プラン別:Recordを使えるか
- 無料版・Go:Recordの対象外です。別のツールで文字起こししたテキストを貼って要約する使い方が中心になります。ファイルのアップロードは無料版だと1日3ファイルまでです。
- Plus・Pro:macOSアプリでRecordを使えます。設定の「すべての人のためにモデルを改善する」が有効だと、Recordの文字起こしとキャンバスが学習に使われることがあります。
- Business:Recordの対象です。ワークスペースのコンテンツは、文字起こしやキャンバスを含めて初期状態で学習の対象外になっています。Recordの初期状態のオン・オフはヘルプに記載がありません。
- Enterprise・Edu:Recordの対象ですが、初期状態では無効です。ワークスペース所有者が有効にして使います。文字起こしと要約は、管理者が決めたワークスペースの保持設定に従います。
端末別:Recordを使える環境
- Mac(ChatGPTのmacOSデスクトップアプリ):対象プランならRecordを使えます。Googleカレンダーを接続すると、Google Meetの会議に自動で参加させる設定も使えます。
- Windowsのパソコン:Recordの対象外です。
- スマートフォンのアプリ(iPhone・Android):Recordの対象外です。
- ブラウザ版(chatgpt.com):Recordの対象外です。
Macを配っていない会社で会議の録音を議事録にするなら、会議ツール側の文字起こしや別の文字起こしツールでテキストにしてから、ChatGPTに貼る流れが現実的です。
Recordを前提に社内の手順を作ると、Macを使う一部の社員しか同じ手順を踏めなくなります。社用PCの内訳を先に確かめてから、どの入口を社内の標準にするか決めてみてください。
Whisperとは?ChatGPTとの役割分担
Whisperとは、OpenAIが開発した音声認識のモデルで、音声をテキストに変換する役割を担います。開発者向けの料金ページでは、Whisperは1分あたり0.006ドルの文字起こしモデルとして掲載されています。現在はWhisperのほかに、gpt-transcribe、gpt-4o-transcribe、gpt-4o-mini-transcribe、話者を分けて書き起こすgpt-4o-transcribe-diarizeといった文字起こしモデルもAPIに並んでいます。
ChatGPTとWhisperの役割分担
Whisperや文字起こしモデルが担うのは音声を文字にするところまでで、要約や議事録の形に整えるのはChatGPTの得意な仕事です。ChatGPTのアプリの中で音声入力やRecordにどのモデルが使われているかは、公式ヘルプに明記されていません。そのため、アプリの音声入力とWhisperを同じものとして扱わず、別の入口として考えるほうが混乱を避けられます。
Google ColabやAPIでWhisperを使う方法
OpenAIはWhisperのコードとモデルの重みをMITライセンスで公開しており(GitHubのopenai/whisper)、Google Colabのような環境で動かす手順を紹介する解説もあります。ただ、会社の会議の録音を個人のColabのノートブックに上げると、どこに音声が残ったかを会社が追えなくなってしまいます。業務で使うなら、会社として契約したAPIの環境から呼び出す形にそろえましょう。APIでWhisperを使うときのモデル名はwhisper-1で、1回に送れるファイルは25MBまでとなっています。
別ツールで文字起こしして、ChatGPTで議事録にする手順
Macや有料プランがなくても出来るのが、別のツールで文字起こししたテキストをChatGPTに貼って整える方法です。会議ツールの文字起こしを使えば、音声そのものをChatGPTに渡さずに済むのも利点になります。
ステップ1:会議ツールか文字起こしツールでテキストにする
Teams、Zoom、Google Meetには、会議の文字起こしを会議ツールの中で作る機能が用意されています。設定や必要なライセンスはツールごとに違うため、詳しい手順はTeamsの議事録、Zoomの議事録、Google Meetの議事録の各記事をご覧ください。録音済みのファイルしかない場合は、文字起こしに対応したツールに読み込ませてテキストにします。
ステップ2:テキストの下処理をする
貼る前に、参加者の名前の表記、社名や製品名の誤変換、不要な雑談の部分をざっと直しておきます。話者名が「話者1」のような汎用のラベルになっている場合は、誰の発言かを先に置き換えると要約の精度が上がります。社外秘の数字や個人名を含む部分は、貼る先が会社で認めた環境かどうかを必ず確かめてください。
ステップ3:ChatGPTに貼って議事録の形にする
テキストを貼ったら、議事録の項目(会議名・日時・出席者・決定事項・宿題・保留事項・次回予定)を指定して整えてもらいます。長い会議のテキストは、前半と後半に分けて渡し、最後に全体をまとめ直すよう頼む方法も使えます。プロンプトのひな形は、後半の議事録を作るプロンプト例にまとめました。
ステップ4:原文と突き合わせてから配る
AIがまとめた議事録は、決定事項や金額、期限を原文の文字起こしと照らし合わせてから配布します。Recordのヘルプにも、文字起こしを含めて誤る場合があるため重要な情報は確認するよう書かれています。確認の項目は議事録の確認チェックリストを使ってみてください。
Record(録音モード)の使い方と対象プラン
Recordを使うには、対象プランのアカウントでmacOSのChatGPTデスクトップアプリにログインしている必要があります。対象はPlus・Pro・Business・Enterprise・Eduのワークスペースで、無料版とGoでは使えません。リリース時点では追加料金なしで含まれていますが、ヘルプには制限と価格は変更される場合があるとも書かれています。
録音から議事録メモまでの画面操作
- 任意のチャットを開き、画面下部の「録音」ボタンを押します。
- 初回はマイクとシステムオーディオの権限を求められるので許可します。うまく録れないときは、macOSの「システム設定」→「プライバシーとセキュリティ」の「マイク」と「画面収録とシステムオーディオ録音」でChatGPTを有効にします。
- 話している間はリアルタイムで文字起こしが進み、タイマーが表示されます。途中で一時停止・再開も出来ます。
- 終わったら停止アイコンを押し、「再開」か「送信」を選びます。
- 「送信」を選ぶと文字起こしがアップロードされ、生成されたメモ(キャンバス)が開きます。
- 録音をやめたいときは「X」を押し、アップロード・削除・キャンセルから選びます。
生成されたメモは、原文の文字起こしとは別に作られた要約です。配布する前に、決定事項や数字を文字起こしの本文で確かめる手順を挟みましょう。
1回の録音は4時間まで
Recordは1セッションあたり4時間(240分)までに制限されています。4時間を超えたセッションは自動的に止まり、そこまでの内容でメモが作られて非公開のキャンバスとしてアップロードされます。終日の研修や長い会議は、休憩ごとに録音を分けておくと後で探しやすくなります。
話者の区別と日本語の精度
Recordは文字起こしの中で複数の話者を区別でき、名前が分からない話者には「話者1」のような汎用のラベルが付きます。ラベルは後から名前に変更できるため、会議の直後に出席者の名前へ置き換えておきましょう。言語については、英語で最もよく機能し、他の言語の精度は改善中でばらつきがあるとヘルプに書かれています。日本語の会議では、固有名詞や数字を中心に原文を確かめる前提で使うのが無難です。
カレンダーからの自動参加はGoogle Meetだけ
Googleカレンダーを接続すると、Recordが会議に自動で参加する設定を使えます。ただし自動参加に対応しているのはGoogle Meetのリンクだけで、Zoom、Microsoft Teams、Webexなどの会議はmacOSアプリで手動で録音を始める必要があります。
管理者が録音をオン・オフする設定
ワークスペース所有者は、「設定 → ワークスペースコントロール」でRecordのオン・オフを切り替えられます。EnterpriseとEduのワークスペースでは、Recordは初期状態で無効になっています。Businessの初期状態はヘルプに記載がないため、導入したら最初に管理画面で確かめてください。過去の録音のメモや文字起こしを新しい会話で参照する「録音履歴の参照」も、同じ画面で所有者が切り替えられる設定です。
APIで録音ファイルをまとめて文字起こしする方法と料金
APIを使うと、録音ファイルをプログラムから送り、文字起こしの結果をまとめて受け取れます。ChatGPTの月額プランとは別に、開発者向けの従量課金の契約として申し込む形です。
使えるモデルと1分あたりの料金
- gpt-transcribe:1分あたり0.0045ドル
- gpt-4o-transcribe:1分あたり0.006ドル
- gpt-4o-mini-transcribe:1分あたり0.003ドル
- gpt-4o-transcribe-diarize(話者を分けて書き起こす):1分あたり0.006ドル
- Whisper:1分あたり0.006ドル
※料金は2026年9月25日時点で、OpenAIの開発者向け料金ページ(developers.openai.com)に米ドルで表示されている1分あたりの単価です。
1時間の会議ならいくらになるか
gpt-transcribeで1時間の会議を文字起こしすると、0.0045ドル×60分で0.27ドルとなります。1ドル=150円と仮定して計算した場合、1回あたり約41円の計算です。毎週1時間の定例会議を月4回起こしても1.08ドルで、同じ前提なら約162円にとどまります。話者を分けたい場合にgpt-4o-transcribe-diarizeを使うと、1時間で0.36ドル、同じ換算で約54円になります。費用そのものより、誰が契約を管理し、どの録音を送ってよいかを決める手間のほうが重くなるでしょう。
ファイルは25MBまで、形式はmp3・m4a・wavなど
APIに送れる音声ファイルは1つ25MBまでで、対応形式はmp3、mp4、mpeg、mpga、m4a、wav、webmの7つです。音声ファイルのURLを渡して読み込ませることは出来ず、ファイルそのものを送る必要があります。APIに送ったデータは、利用者が明示的に共有を選ばない限りモデルの学習や改善に使われないと、開発者向けの文書に書かれています。
議事録を作るプロンプト例
文字起こしのテキストを議事録にするときは、項目と書き方を先に決めて渡すと、毎回同じ形で仕上がります。社内でひな形を1つ決めて共有すれば、担当者によって議事録の形がばらつくのも防げます。
基本の議事録のひな形
あなたは会議の議事録を作る担当者です。 次の文字起こしをもとに、以下の形で議事録を作ってください。 【会議名】 【日時】 【出席者】 【決定事項】(誰が・何を・いつまでに、を1行ずつ) 【宿題】(担当者と期限) 【保留事項】(決まらなかったことと、その理由) 【次回の予定】 条件: ・文字起こしに書かれていないことは書かない ・金額・日付・数量は原文の表記のまま残す ・聞き取れない部分や判断できない部分は【要確認】と書く ・発言者のラベルは次の対応で名前に置き換える 話者1=(名前)、話者2=(名前) <文字起こし> (ここに貼る)
指示の中で「書かれていないことは書かない」と明記すると、AIが話の流れから推測で埋める余地を減らせます。【要確認】の印を付けさせておけば、確認する方がどこを見ればよいかもすぐに分かります。
誤字・誤変換を直すプロンプト
次の文字起こしの誤変換と言い間違いを直してください。 ・意味が変わる書き換えはしない ・直した箇所は(修正前→修正後)の形で最後に一覧にする ・次の用語は必ずこの表記にする:(社名、製品名、担当者名を並べる) ・「えー」「あの」などのつなぎ言葉は削る
用語の一覧を毎回打つのが手間なら、社内の固有名詞をまとめた表記のリストを作っておき、先頭に貼り付けて使うのがおすすめです。
目的別に使い分けるプロンプト
- 決定事項だけを知りたいとき:「次の文字起こしから、決定事項と担当者と期限だけを箇条書きで抜き出してください」
- 欠席者に共有するとき:「会議に出ていない人向けに、背景・結論・次にやることを300字以内でまとめてください」
- 商談の記録を残すとき:「顧客の要望、懸念、こちらが約束したこと、次回の提案内容に分けて整理してください」
- インタビュー記事の下書きを作るとき:「話し言葉を読みやすい書き言葉に直し、質問と回答の形で見出しを付けてください。発言の趣旨は変えないでください」
どのプロンプトでも、出てきた文章は下書きとして扱い、配る前に人が原文と照らし合わせる前提で使ってください。
文字起こしの精度を上げるコツ
文字起こしの精度は、AIの性能よりも録音の段階で決まる部分が大きくなります。OpenAIもRecordの品質が低いときの対処として、ヘッドセットを使うことと背景のノイズを減らすことを挙げています。
録音環境とマイクの位置
会議室で1台のパソコンのマイクに頼ると、マイクから遠い席の声が小さく入り、誤変換が増えてしまいます。話す人の近くに置けるマイクを用意するか、オンライン会議なら各自がヘッドセットを使う形にするのが近道です。空調や紙をめくる音、キーボードの打鍵音も拾われるため、録音する会議では雑音の元を少し減らしておきましょう。
話者を分ける・時刻を残す
誰が何を言ったかを残したい会議では、話者を区別できる入口を選ぶことが大切になります。Recordは話者を区別してラベルを付け、APIでは話者分離に対応したgpt-4o-transcribe-diarizeが用意されています。会議ツールの文字起こしを使う場合も、発言者名と時刻が残る形式で書き出しておくと、後から原文をたどりやすくなります。
固有名詞と専門用語は後から直す
社名、製品名、人名、業界の専門用語は、文字起こしで崩れやすい部分の代表です。前のプロンプト例のように、正しい表記の一覧を渡して直させると手直しの量を減らせます。数字は「15」と「50」のように聞き違えやすいため、金額や日付は必ず人の目で原文と照合してください。
学習と機密|録音と文字起こしはどこに残るか
会議の録音をChatGPTで扱うときは、入口ごとに音声・文字起こし・要約がどこに、どれだけ残るかが違います。とくに個人向けプランでは、設定次第で文字起こしやキャンバスがモデルの学習に使われることがある点に注意が必要です。
入口ごとの保存と学習の違い
- Record:録音の音声は文字起こしにだけ使われ、その後自動で削除されます。OpenAIは、この音声データをモデルのトレーニングに使うことはないと説明しています。文字起こしとキャンバス(要約)は他の会話と同じ保持設定に従い、会話を削除すると30日以内に削除されます(法的義務がある場合を除く)。
- マイクの音声入力:音声はそのチャットが履歴にある間保存され、チャットを削除すると30日以内に削除されます(例外あり)。個人ユーザーが音声の共有を選んだ場合に学習に使われることがあり、ビジネス向けのユーザーの入力と出力は初期状態で学習に使われません。
- 音声モード:LiveとAdvancedの音声クリップ(Advancedは動画も)は文字起こしとともに30日間保存され、Standardは文字起こし後に音声を削除します。Business・Enterprise・Eduでは、音声クリップを学習用に共有できません。
- API:送ったデータは、明示的に共有を選ばない限り学習や改善に使われません。
- ファイルのアップロード:ファイルは対応するチャットの保存期間中は残り、削除後30日以内に削除されます。
個人向けプランで録った会議は学習に使われることがある
Free・Plus・Proのユーザーで、設定の「すべての人のためにモデルを改善する」が有効になっている場合、Recordの文字起こしとキャンバスはモデルのトレーニングに使われることがあります。ヘルプには、OpenAIの担当チームによる確認が必要になる場合があるとも書かれています。録音そのものは消えても、会議の中身を文字にしたものは、設定によっては学習に使われる可能性が残ってしまいます。Business・Enterprise・Eduのワークスペースのコンテンツは、文字起こしやキャンバスを含めて初期状態で学習の対象外です。
個人アカウントで学習を止めるには、ウェブ版ならプロフィールアイコンから「設定」→「データコントロール」と進み、「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにします。切り替えは本人の画面で行うため、全員がオフにしているかを会社から確かめるのは難しくなります。詳しい手順はChatGPTに学習させない方法にまとめています。
学習以外にも残る、会社から見えにくい記録
学習を止めても、録音の文字起こしと要約は本人のチャット履歴に残り続けます。誰がどの会議を録音し、どんな要約を作ったかは個人のアカウントの中にしか記録がなく、会社から把握しにくい状態です。社員が退職したあと、そのアカウントに残った会議の記録を会社が回収するのも難しくなってしまいます。
社外秘の会議の録音こそ、学習に使わせずログを会社で管理できる環境で議事録にしたいところです。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。
録音前の同意の取り方と文例
会議を録音するときは、始める前に参加者へ知らせて同意を得る運用にしておくと安心です。OpenAIもRecordのヘルプで、他の人を録音する前に現地の法律を確認して適切な同意を得ること、録音モードの使用が適用法に従っているかを確かめる責任は利用者にあることを明記しています。文例を用意しておき、会議の冒頭と招待メールの両方で同じ内容を伝えるようにしましょう。
社内会議の冒頭で読み上げる文例
本日の会議は、議事録を作るために録音します。 録音はAIで文字起こしと要約を行い、議事録が確定した時点で音声は削除します。 議事録は出席者と関係部署の中だけで共有します。 録音を止めてほしい話題があるときは、その場でお知らせください。
社外の方を招く会議の招待メールに入れる文例
当日は議事録作成のため、会議を録音させていただく予定です。 録音はAIを使った文字起こしと要約に用い、議事録の作成以外には使用いたしません。 音声は議事録の確定後に削除し、議事録は(保存先)で(保存期間)保管いたします。 録音を希望されない場合は、事前にお知らせいただければ録音せずに進めます。
目的・使い道・保存期間・AIで要約することの4点を入れておけば、後から問い合わせを受けたときにも説明しやすくなります。社外の方には、会議の直前ではなく招待の時点で知らせるほうが、判断の時間を取ってもらえるでしょう。
同意しない参加者がいたとき
1人でも録音を望まない参加者がいれば、その会議は録音せず、書記役が手でメモを取る形に切り替えるのが穏当です。一部の議題だけを録音から外す場合は、録音を一時停止した時刻を議事録に書き残すと、記録の抜けを後から説明しやすくなります。発言者の名前や顧客名は個人情報に当たる場合もあるため、社外の方が参加する会議ほど慎重に扱いましょう。
会社で安全に使うには|使う環境を1つに決める
会社で会議の録音を議事録にするなら、社員それぞれの工夫に任せず、使ってよい環境を会社で1つに決めることが出発点になります。個人アカウントのままでは、学習の設定も、録音の保存先も、誰がどの会議を扱ったかも、会社から確かめにくいためです。
Windows中心の会社ではRecordが入口にならない
Recordを使えるのはmacOSのデスクトップアプリだけなので、社用PCの大半がWindowsの会社では、全員に同じ入口を用意できません。その状態でRecordを勧めると、私物のMacを持つ一部の社員だけが個人のPlusで会議を録る形になりがちです。Windows中心の会社では、会議ツールの文字起こしでテキストを作り、会社が認めたAIの環境で要約する流れを標準にするほうが揃えやすくなります。
誰がどの会議を要約したか、会社が把握しにくい問題
個人アカウントで作った議事録の要約は、その人のチャット履歴にだけ残ります。ChatGPT Businessでも、各ユーザーは自分のチャット履歴を持ち、他のメンバーからは自動では見えない仕組みになっています。議事録は会社の記録なので、どの会議の記録を誰が作り、どこに保管したかを後から追える状態にしておきたいところです。
ChatGPT Businessで全員の環境を揃える場合、料金ページの米ドル表示では標準シートが1人月20ドル(年額課金)・月25ドル(月額課金)で、日本から開くと月3,050円(年額課金)・月3,850円(月額課金)と表示されます。20人全員に標準シートを配ると、年額課金の円表示で月61,000円、1年で732,000円の出費となります。料金ページに税の記載はないため、ここでは税を加えずに計算しています。法人プランの違いはChatGPTの法人プランと料金で整理しました。
※ChatGPT Businessの料金は、2026年9月15日にOpenAIの料金ページで確認した表示です。表示通貨は閲覧する環境によって変わります。
文字起こしはなぜ禁止されているのですか?
会社が会議の録音や文字起こしを禁止する背景には、無断で録音されることへの反発、社外秘の内容の持ち出し、記録が個人のアカウントに残ること、設定によって学習に使われ得ることがあります。どれも筋の通った理由ですが、禁止だけを出すと、個人のPlusとMacでこっそり録る状態が残ってしまいます。会社が把握していないAIの使われ方はシャドーAI(野良AI)とも呼ばれ、会議の文字起こしはその入口になりやすい使い方の1つです。順番としては、会社が認めた環境を先に用意して録ってよい会議と手順を示し、そのうえで個人アカウントでの録音を止めるほうが守られやすいでしょう。
録音と文字起こしの社内ルールのひな形
社内ルールは、総務がそのまま回覧できる程度の短い条文にまとめると定着しやすくなります。
会議の録音と文字起こしに関する取扱い(ひな形) 第1条(目的) 会議の録音と、AIによる文字起こし・要約は、議事録作成の目的に限って認める。 第2条(使ってよい環境) 録音と文字起こし・要約は、会社が指定した環境(会社契約のアカウント)でのみ行う。個人のアカウントや私物の端末では行わない。 第3条(録音してはいけない会議) 次の会議は録音しない。 一 人事評価・懲戒に関する面談 二 採用面接 三 M&Aなど未公表の経営情報を扱う会議 四 個人の健康情報を扱う面談 五 その他、会議の主催者が録音不可とした会議 第4条(事前の告知と同意) 録音する会議は、招待時と冒頭で録音の目的・利用範囲・保存期間を伝え、同意を得る。同意しない参加者がいる場合は録音しない。 第5条(確認と配布) AIが作った議事録は、主催者が原文の文字起こしと照合して確定する。社外に配布する議事録は、発言者本人の確認を経る。 第6条(保存と削除) 音声ファイルは議事録の確定後に削除する。文字起こしと議事録は(保存先)に(保存期間)保管し、個人のチャット履歴に残った分は確定後に削除する。 第7条(退職・異動) 退職・異動の際は、会社契約のアカウントに残った録音の記録を本人と管理者で確認し、引き継ぎまたは削除する。
第3条の録音してはいけない会議は、会社の事情に合わせて足し引きしてください。生成AI全体のルールの作り方は生成AIの社内ガイドラインの作り方で詳しく扱っています。
議事録の確認チェックリスト
AIが作った議事録は、配る前に次の項目を原文の文字起こしと突き合わせて確かめます。Recordの要約メモも、文字起こしの本文とは別に生成されたものなので、同じ手順で確認してください。
- 決定事項が原文と一致しているか「決まった」と「検討する」が入れ替わっていないかを見ます。
- 担当者と期限が正しいか話者のラベルを名前に置き換えた後、担当の取り違えがないか確かめます。
- 金額・数量・日付が原文のままか聞き違えやすい数字は、該当する箇所の原文を読み直します。
- 固有名詞の表記がそろっているか社名・製品名・人名が社内の表記ルールどおりか確認します。
- 否定の表現が落ちていないか「やらない」「見送る」が要約で消えると、意味が逆になります。
- 発言していないことが書かれていないかAIが話の流れから補った文が混ざっていないかを見ます。
- 【要確認】が残っていないか残った箇所は出席者に聞いて埋めます。
- 配布先と保存先が決まっているか社外秘の議事録を広いチャンネルに流していないかを確かめます。
チェックを終えた議事録は、主催者が確定させたうえで配布する流れにすると、誰がOKを出したかが後から分かります。確認者を決めずに配ると、誤りが見つかったときに直す人がいなくなってしまいます。
文字起こしツールの選び方
文字起こしツールを選ぶときは、精度の比較より先に、録音と文字起こしがどこに保存され、会社がそれを管理できるかを確かめることが大切です。会議の中身は社外秘であることが多く、便利さだけで選ぶと、記録が社員個人の契約に散らばってしまいます。
選ぶときに見る観点
- 保存先:録音・文字起こし・要約が、会社の管理するアカウントや保存領域に残るか
- 学習の扱い:入力した音声やテキストがモデルの学習に使われない設定か、それが全員に一律で適用されるか
- 日本語の精度:自社の会議の録音を1本使って、固有名詞と数字の誤りを数えてみる
- 話者の区別:誰の発言かを自動で分けられるか、名前に置き換えられるか
- 要約・議事録の機能:文字起こしだけか、要約や決定事項の抜き出しまで出来るか
- 料金の形:1人ごとの月額か、録音の分数に応じた課金か、会社単位の定額か
- 出力形式:テキスト、Word、字幕のファイルなど、使いたい形で書き出せるか
- 対応言語:英語や他の言語の会議にも使うか
- 管理機能:アカウントの停止、利用ログの確認、退職者の記録の扱い
会議ツールをすでに契約しているなら、まずはその文字起こし機能で足りるかを試してみてください。会社契約のMicrosoft 365やGoogle WorkspaceでTeamsやGoogle Meetの文字起こしを使う場合は、会社のアカウントの保存領域に記録が残るため、保存先の点で整理しやすい選択肢となります。議事録ツールの具体的な比べ方はAI議事録ツールの比較で、録音ファイルをNotebookLMで文字起こしする方法はNotebookLMで文字起こしで扱っています。
文字起こしデータの活用例
文字起こしのテキストは、議事録のほかにもさまざまな文書の材料になります。元の会話を文字で持っておけば、同じ会議から用途の違う文書を何本も作ることが出来ます。
議事録と欠席者への共有
代表的な使い方は、定例会議や打ち合わせの議事録です。議事録とは別に、欠席した方向けに背景と結論と次の作業だけを短くまとめた共有文を作ると、読む側の負担が軽くなります。
インタビュー記事や社内報
社員インタビューや顧客の事例取材を録音しておけば、話し言葉を書き言葉に直した下書きをChatGPTで作れます。発言の趣旨を変えないよう指示し、公開前には話した本人に内容を確かめてもらいましょう。
動画の説明文や字幕
社内研修や製品紹介の動画は、音声を文字起こししておくと、説明文や字幕の元になる原稿を作りやすくなります。APIのgpt-4o-transcribe-diarizeのように話者を分けられるモデルを使えば、対談形式の動画でも誰の発言かを整理しやすいでしょう。
商談や面談の記録
商談の録音からは、顧客の要望、懸念、次回までの約束を抜き出して、営業の記録に残せます。ただし顧客が参加する会議は社外の方を含むため、前の節の文例で録音の同意を取ってから使ってください。
無料版でどこまで出来るか
無料版とGoのChatGPTでは、Recordを使った会議の録音と要約は出来ません。別のツールで文字起こししたテキストを貼り、要約や議事録の形に整える使い方なら無料版でも試せます。ファイルのアップロードは無料版だと1日3ファイルまでに制限されているため、長い文字起こしを何本もファイルで渡す使い方には向きません。マイクの音声入力を使えるかどうかは、お使いの画面の入力欄にマイクのアイコンがあるかで確かめるのが確実です。
ただし無料版では、設定の「すべての人のためにモデルを改善する」がオンのままだと、入力した内容が学習に使われることがある点を忘れないでください。会社の会議の内容を試すなら、学習をオフにし、回答への評価(良い回答/良くない回答)も送らないようにしたうえで、社外秘を含まない会議で試してみましょう。
長時間の会議の録音を扱うときの注意
長い会議の録音は、入口ごとの上限を知ったうえで分け方を決めておくと扱いやすくなります。Recordは1セッション4時間で自動的に止まり、APIは1ファイル25MBまでとなっているためです。
Recordは4時間で自動停止する
4時間を超える会議や研修では、途中の休憩で一度停止して送信し、再開後に新しい録音を始めると区切りが分かりやすくなります。録音を分けた場合はメモもそれぞれ別に作られるため、最後に1つの議事録にまとめ直す手順を加えてください。
APIは25MBを超える録音を分割か圧縮する
APIに送る録音が25MBを超える場合は、音声を時間で区切って複数のファイルに分けるか、ビットレートを下げた形式に変換して容量を小さくします。分割するときは、話の切れ目の無音部分で区切ると前後のつながりが崩れにくくなります。分けて文字起こしした結果は、順番を付けて1つのテキストにつなげてから議事録にまとめましょう。
長い文字起こしを貼るとき
1時間を超える会議の文字起こしは、そのまま貼ると長すぎて扱いにくい場合があります。議題ごとに区切って要約させ、最後に全体の議事録をまとめさせると、抜けや重複を見つけやすくなります。
会議の録音を、学習させずに会社の環境で議事録へ
UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で切り替えて使える法人向けAI基盤です。会議録音や動画も読み込めるため、録音をもとにした議事録づくりを会社の環境で進められます。全モデルで学習非利用を標準適用し、管理画面ではUPGEAR AI上の利用状況を利用者・日時・利用モデル単位まで把握できます。会話履歴や利用ログ、アカウントの情報は、国内サーバー(AWSの日本リージョン)で管理しています。料金は月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名・スタンダード6〜20名・プレミアム21〜50名)。
UPGEAR AIの詳細を見るよくある質問
ChatGPTの無料版で文字起こしは出来ますか?
録音したmp3ファイルをChatGPTに添付すれば文字起こしできますか?
1時間を超える長い会議も文字起こしできますか?
ChatGPTの文字起こしの精度はどの程度ですか?
Recordで録音した音声はOpenAIに残りますか?
Windowsのパソコンで会議を録音して議事録にするには?
文字起こしはなぜ禁止されているのですか?
Whisperとは何ですか?ChatGPTとは違うのですか?
まとめ
ChatGPTで文字起こしをする入口は、マイクの音声入力、Record、APIの3つです。会議の録音を議事録にするならRecordが近道になりますが、対象はPlus・Pro・Business・Enterprise・EduのmacOSデスクトップアプリに限られ、Windowsやスマートフォンでは使えません。録音ファイルを添付して文字起こしする方法は公式の対応一覧になく、Macのない会社では別ツールで起こしたテキストを貼る方法が中心となります。
個人向けプランでは、設定によって文字起こしと要約が学習に使われることがあり、記録も本人のチャット履歴に残ります。会議の録音を会社として扱うなら、使う環境を1つに決め、同意の取り方、録音してよい会議、議事録の確認者と保存期間を社内ルールにしてから始めてみてください。法人のAI活用に関する他の記事はAI活用コラム一覧にまとめています。
