
Claude Teamの「学習させない」とは、会社で契約したClaudeに入力した内容を、Anthropicがモデルの学習に使わない状態を指す言葉です。Anthropicの説明では、Teamは既定で入力と出力を学習に使わないとされており、管理者が学習を止める手続きをする必要はありません。ただし、社員が評価ボタンや/feedbackで明示的に送った会話は例外となり、学習に使われることがあると案内されています。管理者が確かめておきたいのは、評価ボタンを組織で止めるRate chatsの設定と、同じ仕事用メールで残っている個人アカウントの2つになります。
Teamで情報が社外や社内の別の部署に届いてしまう経路の全体像は、Claude Teamのセキュリティで4つの穴として整理しています。料金と席の考え方はClaude Teamの料金をご覧ください。こちらのページでは、学習に使われるかどうかという1つの問いに絞り、管理者が自分の目で確かめる場所と、その根拠になる公式の記載を順にたどっていきます。
※本文の記載は、2026年10月2日時点でAnthropicのプライバシーセンター・ヘルプセンター・料金ページ・Claude Codeの公式ドキュメントを確認した内容です。いずれもAnthropic自身の説明(自己申告)で、第三者が検証した結果ではありません。画面名・トグル名は英語の原文のまま書いています。
Claude Teamは学習に使われる?既定では使われない
Claude Teamに入力した内容は、既定ではモデルの学習に使われないとAnthropicは説明しています。プライバシーセンターの商用製品向けの記事には、Claude for Work(TeamとEnterpriseを含む法人向けの総称)やAnthropic APIなどの商用製品について、既定では入力と出力を学習に使わないと書かれており、管理者が初期設定のまま使っても学習の対象には入らない扱いとなります。ここで言う学習とは、会話の内容をAIモデルの訓練に加えることを指し、会話の履歴が製品の中に残ることとは別の話です。
プラン別の既定:個人プランはオプトアウト、Teamは既定でなし
出発点は、個人向けのプランと会社向けのプランで逆になっています。公式の料金ページの比較表では、Model trainingの行が、Free・Pro・Maxなどの個人向けの列で「Opt-out」、TeamとEnterpriseの列で「None by default」と表示されているのを確かめることが出来ます。個人向けは本人が設定で外す(オプトアウトする)前提の扱いで、Teamは何もしなくても学習の対象外という違いになります。個人プランの既定がオンかオフかについては、Anthropicの発表文に明記がないため、社員には自分の設定画面で確かめてもらうのが確実でしょう。
2025年の規約改定はTeamには適用されない
2025年8月28日、Anthropicは個人向けの利用規約を改め、Free・Pro・Maxの利用者に、会話を改善に使うかどうかの選択を求めると発表しました。既存の利用者の選択の期限は2025年10月8日で、改善への利用を許可すると保持期間が5年に延び、許可しなければ従来の30日のままと説明されています。同じ発表の中で、この改定はClaude for Work(Team・Enterprise)やAPIには適用されないと明記されているため、Teamの会話の扱いはこの改定では変わりません。ニュースで規約改定を知った経営層の方から問われたときは、Teamは対象外だと答えて差し支えないでしょう。
「学習されない」を3層で整理する|既定・例外・残るもの
Teamの「学習されない」は、既定の扱い・例外・学習とは別に残るものの3層に分けると、社内への説明がぶれにくくなります。1つ目の層だけを切り取って「Teamなら安全」と伝えてしまうと、例外の操作をした社員や、保持期間を気にする取引先への説明で行き詰まってしまいます。
- 層1(既定):Teamの入力と出力は、既定で学習の対象外
- 層2(例外):評価ボタン・Claude Codeの/feedback・Development Partner Programで、明示的に送ったデータは学習に使われ得る
- 層3(残るもの):学習に使われなくても、削除後30日・違反判定時の2年と7年・シークレットチャットの30日のように、一定期間は残る
層1:既定で学習の対象外
1つ目の層は、前の節で見た既定の扱いです。管理者が何も設定しなくても、Teamの入力と出力は学習に使わないとAnthropicは説明しています。
層2:例外になる評価ボタン・/feedback・Development Partner Program
2つ目の層は、社員や管理者が明示的にデータを送ったときの例外になります。プライバシーセンターには、評価ボタン(高評価・低評価)などでフィードバックやバグを明示的に報告した場合や、データの利用を自ら許可した場合には、チャットやコーディングのセッションを学習に使うことがあると書かれています。評価ボタンを1回押すだけで、その会話全体が最長5年保存の対象となってしまいます。保存されるのはカスタムスタイルや会話の設定も含めた関連する会話全体で、ユーザーIDや顧客IDからは切り離し、ほかの会話とは結び付けないと説明されています。Google DriveやMCPなどのコネクタから読み込んだ元のデータは含まれませんが、会話に直接貼り付けた文章は含まれ得る点に気を付けてください。Claude Codeの/feedbackも同じ例外に入り、Development Partner Programへの参加も、データの利用を許可する手続きに当たります。
層3:学習とは別に残るもの|データ保持期間
3つ目の層は、学習には使われなくても、一定の期間Anthropicの側に残るデータです。Claude for Workの会話は、利用者が削除するまで製品の中に保持され、削除するとチャット履歴からはすぐに消え、バックエンドの保存領域からは30日以内に削除されると説明されています。利用ポリシーへの違反と判定された会話は扱いが変わり、入力と出力は最長2年、安全性の分類スコアは最長7年保持されることがあります。安全対策の一環として、一部のモデルでは限られた範囲のデータ保持と確認を行うとも書かれています。個人プランで改善への利用を許可した場合の5年という数字は、Teamの通常の会話には当てはまらないため、社内の説明では混ぜないように気を付けましょう。このほか、法令で必要な場合などは保持が延びることがあるとも書かれています。
※保持期間は、プライバシーセンターの記事「How long do you store my organization's data?」(2026年7月1日表示)と「Is my data used for model training?」(2026年8月18日表示)の記載です。
管理者が確かめる場所|Data and PrivacyのRate chats
Teamの管理者が学習の観点で確かめる設定は、Organization settings > Data and PrivacyにあるRate chatsのトグルになります。Primary OwnerかOwnerの権限を持つ方は、このトグルで、組織のメンバーが高評価・低評価のボタンでAnthropicにフィードバックを送れるかどうかを、組織全体で切り替えることが出来ます。既定値はヘルプセンターの記事に書かれていないため、契約後に一度画面を開いて現在の状態を確かめてみてください。オフにすれば、層2の例外のうち評価ボタンからの経路を組織として閉じることになります。Claude Codeの/feedbackがこのトグルで止まるかどうかは公式の記事に書かれていないため、後で触れる環境変数でも止めておくと安心です。社員の個人アカウントでの利用は、このトグルの外になってしまいます。
個人プランのオプトアウト手順とは見る場所が違う
個人プランで紹介されることの多いオプトアウトの手順は、Teamの管理者が触る場所とは別物です。個人アカウントでは、本人のPrivacy Settings(プライバシー設定)にある、Claudeの改善に会話を使うかどうかの項目(英語の案内ではModel Improvement)で選ぶ仕組みになっています。Teamのメンバーの画面でこの項目を探しても組織の学習の扱いは変わらないため、社員から設定の場所を聞かれたら、会社のアカウントでは操作は要らないと伝えましょう。手順を調べた社員が、仕事用メールの個人アカウントのほうを開いている場合もあり、その見分け方は後の節で取り上げます。
管理者の一括統制:学習の設定とは別に考えること
管理者が一括で統制できる範囲は、学習の設定とは別の話になります。認証やアカウントの管理の機能はプランごとに違うため、契約前に料金ページの比較表で確かめておきましょう。Teamで学習の心配が小さくても、誰がいつ何を入れたかを後から追う仕組みは別に考える必要があり、点検の項目は生成AIのセキュリティ対策チェックリストにまとめています。
個人アカウントが混ざらないよう、社員が使うAIを会社の契約1つにそろえる方法があります。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。
Development Partner Programは管理者が参加したときだけ
Development Partner Programは、管理者が自分で参加の手続きをしない限り、組織のデータが提供されることはない仕組みです。Anthropicのヘルプでは、組織が任意で、透明な形でデータを提供するための制度と説明されています。参加の手続きはClaude Consoleのアカウントから行い、組織を代表して契約を結ぶ権限を持つ管理者が対象とされます。提供されるのは一次のClaude APIを通じたClaude Codeの入力と出力のトークンだけで、Claude appsや、Claude Codeと関係のないAPIの呼び出しには適用されないと書かれています。Teamのclaude.aiでのチャットは、この制度の対象外という扱いになります。
参加すると設定は組織の全メンバーに適用され、全員に参加したことが知らされます。ZDR(ゼロデータ保持)の契約を結んでいる組織は対象外です。提供されたデータは最長2年保管され、参加をやめても、それまでに提供した分は最長2年保持されると案内されています。Teamの席で使うClaude Codeがこの制度の対象になるかどうかは、原文に明記がありません。社内でAPIの契約を別に持っている会社は、Consoleで参加の状態になっていないかを一度確かめてみてください。参加すれば全員に通知が届く仕組みのため、知らないうちに参加していたという事態は起きにくいでしょう。
Claude Codeを使う社員がいる場合の確認
Claude Codeを使う社員がいる会社は、チャットとは別に、フィードバックの送信とPCの中に残る記録の2つを確かめておきたいところです。Claude Codeの公式ドキュメントでは、TeamやEnterprise、APIなど商用の規約の下にあるユーザーについて、顧客がモデル改善のためにデータを提供することを選ばない限り、Claude Codeに送ったコードやプロンプトを生成モデルの学習に使わないと説明されています。サーバー側の標準の保持期間は、商用の場合30日です。ただし/feedbackのほか、同じ経路で送られる/bugや/shareで共有した記録は5年保持されるとされます。セッションの評価のアンケートのあとに表示される確認で「Yes」を選ぶと会話の記録が送られ、最長6か月保持されますが、こちらは学習には使えないと書かれています。社員の手で送られる経路を止めたい場合は、次の環境変数で個別に止めることが出来ます。
DISABLE_FEEDBACK_COMMAND=1 # /feedback(/bug・/share)の送信を止める CLAUDE_CODE_DISABLE_FEEDBACK_SURVEY=1 # セッション評価のアンケートを止める DISABLE_TELEMETRY=1 # 利用状況の計測データの送信を止める DISABLE_ERROR_REPORTING=1 # エラー報告の送信を止める CLAUDE_CODE_DISABLE_NONESSENTIAL_TRAFFIC=1 # 必須でない通信をまとめて止める
環境変数の名前と効き目は、Claude Codeの公式ドキュメントのデータ利用のページに書かれているものです。利用状況の計測データには、コードやプロンプト、ファイルのパスは含まれないと案内されています。WebFetchの安全確認などはこれらの変数では止まらない仕組みで、DISABLE_TELEMETRYを入れるとRemote Controlが使えなくなる場合もあります。
PCの中に30日残る会話の記録
Claude Codeは、会話を再開できるようにするため、PCの~/.claude/projects/の下に会話の記録を既定で30日、平文で保存します。保存の期間はcleanupPeriodDaysという設定で変えることが出来ます。Anthropicの側で学習に使われなくても、社員のPCの中には顧客の名前や数字がそのまま残るため、PCの紛失や共有の端末には気を配りたいところです。なお、Claude DesktopやCoworkで始めたセッションの記録は、既定ではこの30日の削除の対象外とされています。Claude Codeの使い方の社内ルールを作るときは、この保存期間も一緒に決めておきましょう。
同じ仕事用メールで個人アカウントが残っていないか
Teamを契約しても、社員が以前から同じ仕事用メールで使っている個人アカウントは、別のアカウントとして残り続けることがあります。ヘルプセンターの記事では、仕事用メールに結び付いたFree・Pro・Maxの個人アカウントを使っている場合、そのアカウントを組織のTeamに移せる場合があると案内されています。移さずに両方を残す選び方もあり、そのときは個人アカウントも有効なまま、アカウントメニューから組織のアカウントと切り替えて使う形になります。同じメールアドレスでログインしているため、社員自身がどちらに入っているかを意識していないこともあるでしょう。個人アカウントで入力した内容は、Teamの既定ではなく本人の個人向けの設定に従う扱いとなってしまいます。
社員に確かめてもらう手順
見分け方は、画面の左下にある自分の名前(またはイニシャル)を押すだけで済みます。アカウントが2つある方には切り替えの一覧が表示され、いま使っているアカウントには青いチェックマークが付きます。
- Claudeを開き、画面の左下にある自分の名前かイニシャルを押す
- 表示された一覧で、青いチェックマークが組織(会社)の名前に付いているかを見る
- 個人アカウントに付いていたら、組織の名前を押して切り替える
- 個人アカウントで業務の会話をしていた方は、管理者に一言知らせる
チェックが組織の名前に付いていれば、Teamの扱いで使えていることになります。個人アカウントの側に付いていた方には、業務の会話は組織のアカウントへ切り替えてから行うよう、改めて伝えてみてください。
個人アカウントをTeamへ移すときの注意
個人アカウントの会話をTeamへ移す手続きは、社員が自分で始められ、Teamでも使えると案内されています。管理者がドメインのアカウントをまとめて引き取る方法はEnterpriseだけの機能で、Teamでは社員ひとりひとりの手続きに頼ることになります。移した内容は個人アカウントへ戻せない一方通行のため、私用の会話が混ざっている方には、移す前に中身を整理してもらいましょう。管理画面から社員の個人アカウントの利用を見つけ出せるとは、公式の記事には書かれていません。社員への呼びかけと本人の確認で回収していくのが、Teamでの現実的な進め方でしょう。会社が把握していないAIの利用全般への向き合い方は、野良AI(シャドーAI)の対策で整理しています。
個人プラン(Free・Pro・Max)で学習させない設定手順
社員が個人アカウントを使い続ける場合や、自宅で個人契約のClaudeを使う場合は、本人の操作で学習への利用を止めることになります。料金ページの比較表では、個人向けのプランのModel trainingは「Opt-out」(自分で外す方式)と表示されており、Teamの「None by default」とは考え方が逆です。手順はAnthropicのプライバシーセンターの記事に、パソコンとスマホの両方が載っています。
パソコン(ブラウザ・デスクトップアプリ)の手順
- 自分の名前を押し、メニューを開く
- 「Settings」(設定)を選ぶ
- 「Privacy」(プライバシー)を選ぶ
- 「Help Improve our AI models」の見出しの下にあるスイッチをオフにする
項目の名前は公式記事の英語の表記で、日本語の画面では訳された名前で表示されることもあります。切り替えたら、もう一度同じ画面を開いてスイッチがオフのままかを見ておくと安心です。
スマホアプリの手順
- アプリのメニューから自分の名前を選ぶ
- 「Settings」(設定)を選ぶ
- 「Privacy」(プライバシー)を選ぶ
- 「Help Improve our AI models」の下にあるスイッチをオフにする
たどる順番はパソコンと同じで、名前、設定、プライバシーの順に開いていけば見つかります。
オフにしたあと、過去の会話はどうなるか
プライバシーセンターの記事では、オフにすると、それ以降の新しいチャットとClaude Codeのセッションは今後の学習に使わないと説明されています。保存済みの過去の会話も、次からの学習の回には使うのをやめるという扱いです。ただし、すでに始まっている学習と、学習を終えたモデルには含まれたままと書かれていて、過去にさかのぼって取り消せるわけではありません。安全のための判定で問題ありとされた会話は、オフでも安全対策のモデルの改善などに使われることがあると注記されています。
オフにしても学習に回る経路と、残る期間
スイッチの設定とは別に、評価ボタン(高評価・低評価)を押すと、関連する会話全体が最長5年保存され、ユーザーIDから切り離したうえで学習に使われることがあります。保存期間(最長5年)はTeamの評価ボタンと同じです。反対に、シークレットチャットはスイッチがオンのままでも改善には使われないと案内されています。会話を削除すると履歴からすぐに消え、保存先からも30日以内に削除され、今後の学習には使われません。学習を許可していると、許可したあとの会話は識別できない形で最長5年、学習用に保持されることがあります。
会社としては、業務の会話が社員個人の設定に左右される状態そのものを減らしたいところです。組織のアカウントへ切り替えてもらうことと、個人アカウントを使う社員にはこのスイッチをオフにしてもらうことの2つを、社員への案内に入れておきましょう。
※手順と保持期間は、Anthropicのプライバシーセンターの記事(2026年10月16日に確認)によります。
会話の削除とシークレットチャットで残るもの
会話を削除しても、シークレットチャットを使っても、Anthropicの側からすぐにデータが消えるわけではない点を押さえておきましょう。Teamで会話を削除すると、チャット履歴からはすぐに消え、バックエンドからは30日以内に削除されると説明されています。
シークレットチャットは学習されないが30日保持される
シークレットチャット(Incognito chats)は、Teamを含むすべてのプランで使え、学習には使われない扱いです。保持期間は既定で30日で、Enterpriseでは組織の独自の保持期間の設定に従って長くなる場合もあると書かれています。利用ポリシー違反と判定されない限り、30日以内に自動で削除される仕組みになります。見落としやすいのは、シークレットチャットも、Primary Owner(最上位の管理者)が実行できる組織のデータのエクスポートに含まれるという点です。エクスポートには会話のデータが含まれるとされます。社員の中には、シークレットにすれば会社からも見えないと受け取る方もいるため、社内への説明では誤解のないように伝えてください。
※シークレットチャットの記載は、ヘルプセンターの記事(2026年10月2日に確認)によります。管理画面で他のメンバーの会話本文を直接閲覧できるかどうかは、公式の記事に記載がありません。
API・Amazon Bedrock経由やZDRはTeamとどう違うか
APIや他社のクラウド経由でClaudeを使う場合も、商用の規約の下にあるため、既定で学習に使われない扱いはTeamと同じです。2025年8月の発表では、Amazon BedrockやGoogle CloudのVertex AIなど第三者を経由したAPIの利用も、個人向けの規約改定の対象外と明記されています。
APIとAmazon Bedrock・Vertex AI経由で使う場合
Teamの管理者がAPIの話で気を付けたいのは、開発の担当者がClaude CodeをAPIの経路で使っている場合でしょう。Development Partner Programは一次のAnthropic APIだけが対象で、Amazon BedrockやGoogle CloudのAgent Platform(2025年の発表ではVertex AIと表記)の利用者には提供されないと案内されています。Claude Codeの公式ドキュメントでは、Amazon BedrockやGoogle CloudのAgent Platformなどを使う場合、エラーの報告やテレメトリ、/bugによる報告は既定で無効とされ、送信の経路を減らしたい開発部門には1つの選択肢となります。ただし、セッション評価のアンケートなどは経路を問わず既定でオンのため、CLAUDE_CODE_DISABLE_FEEDBACK_SURVEY=1は別に設定が必要です。開発の担当者がどの経路でClaude Codeを使っているかは、一度聞き取っておくとよいでしょう。
ZDR(ゼロデータ保持)とカスタムデータ保持はEnterprise側の項目
ZDR(ゼロデータ保持)は、データを保持しない形の契約になります。Claude Codeについては、ZDRはClaude for Enterpriseの条件を満たすアカウントに限られると公式ドキュメントに書かれており、Teamでは使うことが出来ない扱いです。料金ページでも、保持期間を会社で決めるカスタムデータ保持の項目はEnterprise側に置かれ、Teamの列にはありません。Teamでは、削除後30日という期間を前提に社内のルールを組み立てることになります。Claude for Workには個人向けの利用規約(Consumer Terms)は適用されず、Anthropicはデータの処理者(data processor)という立場になると案内されています。取締役会や取引先への説明に使う場合は、この立場の違いも添えると伝わりやすいでしょう。
ChatGPT・Geminiと比べるときの見方|法人プラン同士で並べる
他社のAIと比べるときは、個人向けのプラン同士、法人向けのプラン同士で並べないと、学習の扱いの違いを見誤ってしまいます。OpenAIは、ChatGPT BusinessやChatGPT Enterprise、APIプラットフォームについて、既定ではユーザーのデータをモデルの学習に使わないと案内しています。個人向けのChatGPTでは学習への利用を利用者が無効にでき、無効にしても良い回答・良くない回答のフィードバックを送ると、その会話全体が学習に使われることがあると説明されており、Claudeの評価ボタンとよく似た構造です。GoogleもGeminiアプリのプライバシーの案内で、仕事用や学校用のGoogleアカウントで使う場合は、データの取り扱いに別の規約が適用される場合があるとしています。どのサービスも法人プランは既定で学習に使わないと案内している一方、例外の経路はサービスごとに異なるため、比べる軸は、管理者が例外の経路を止められるかどうかに置くとよいでしょう。複数のAIを会社で使い分ける考え方は、マルチAIの解説にまとめています。
※OpenAI・Googleの記載は、2026年9月16日時点で各社の公式ページ(OpenAIのエンタープライズプライバシー・ヘルプセンター、Geminiアプリのプライバシー ハブ)を確認した内容で、いずれも各社の自己申告です。
入力してはいけない情報と、社員へ送る通知文
学習に使われない設定がそろっていても、何を入れてよいかの線引きは会社が決めて社員に伝える必要があります。保持期間の30日や、評価ボタンを押したときの5年保存を考えると、顧客の個人情報や未公開の数字は、必要な部分だけに絞って入力するのが基本となります。氏名を「A社」「担当者B」のように置き換えて入れるマスキングも、手軽に始められる工夫でしょう。社内ルールの全体の作り方は、生成AIの社内ガイドラインの作り方で扱っています。
社員へ送る通知文のひな形
Teamを配るときは、学習の扱いと例外を、社員が読んですぐ分かる短い文で伝えてみてください。
件名:Claude(会社のアカウント)を使うときのお願い 〔部署名〕の皆さま 会社で契約したClaude Teamの利用を始めます。使う前に、次の4点をご確認ください。 1. 会社のアカウントで使ってください 画面の左下にある自分の名前を押し、青いチェックマークが〔組織名〕に付いていることを確かめてください。 個人のアカウント(Free・Pro・Max)で業務の会話をしていた方は、〔窓口〕までお知らせください。 2. 会社のアカウントでは、学習を止める設定の操作は要りません 会社で契約したTeamは、入力した内容を既定で学習に使わないとAnthropicは説明しています。 3. 評価ボタン(高評価・低評価)は押さないでください 押すと、その会話全体が最長5年保存され、学習に使われることがあります。〔管理画面で止めている場合はその旨〕 4. シークレットチャットも会社のデータに含まれます シークレットチャットも30日保持され、会社のデータの書き出しに含まれます。顧客の個人情報は必要な部分だけに絞って入力してください。 Claude Codeを使う方は、/feedbackでの送信を控え、別途お知らせする設定を入れてください。 問い合わせ先:〔窓口・連絡先〕
ひな形の〔 〕の部分は、自社の設定と窓口に合わせて書き換えて使うことが出来ます。
稟議や取引先への説明に使う根拠の残し方
学習されないと社外に説明するときは、根拠にした公式ページと確かめた日付を一緒に残しておくと安心です。次のページの題名と表示されている更新日を、社内の記録に書き写しておくと説明の裏付けになります。
- プライバシーセンター「Is my data used for model training?」(商用製品は既定で学習に使わない、評価ボタンの例外)
- プライバシーセンター「How long do you store my organization's data?」(削除後30日、違反判定時の2年と7年)
- ヘルプセンター「Manage user feedback settings on Team and Enterprise plans」(Rate chatsの場所と権限)
- ヘルプセンターのシークレットチャットの記事(30日保持、エクスポートに含まれる)
- ヘルプセンターのDevelopment Partner Programの記事(Claude appsには適用されない)
- 料金ページの比較表(Model trainingの行)とClaude Codeの公式ドキュメントのデータ利用のページ
公式の記事には更新日が表示され、内容が改められることもあるため、半年に1回など時期を決めて読み直し、記録の日付を新しくしていきましょう。
管理者の確認チェックリスト
ここまでの内容を、管理者が契約後に順に確かめる項目としてまとめます。
- Rate chatsの現在の状態を画面で確かめたOrganization settings > Data and Privacy。Primary OwnerかOwnerだけが切り替えられます。既定値は公式の記事に書かれていません。
- 評価ボタンを使わせるかどうかを決め、社員に伝えた使わせる場合も、顧客の情報を含む会話では押さないという線引きを添えます。
- Development Partner Programに参加していないかを確かめたAPIの契約を別に持っている会社は、Claude Consoleで確認します。参加すると全員に通知されます。
- Claude Codeを使う社員に環境変数を案内したDISABLE_FEEDBACK_COMMAND=1など。PCの~/.claude/projects/に既定30日、平文で残る点も伝えます(DesktopやCoworkの記録は対象外)。
- 社員に青いチェックマークで使用中のアカウントを確かめてもらった同じ仕事用メールの個人アカウントが残っていないか。移す場合は一方通行であることも伝えます。
- シークレットチャットの扱いを社員に説明した学習には使われないものの、30日保持され、Primary Ownerが実行する組織のデータのエクスポートに含まれます。
- 入力してよい情報の線引きと、通知文を配った個人情報や未公開の数字は必要な部分だけに絞る、という基本を文書にします。
- 根拠にした公式ページの題名と確認日を記録した稟議や取引先への説明に使えるよう、半年ごとなど読み直す時期も決めておきます。
すべてに印が付いたら、確かめた日付を記録に残し、社員への通知文を送ってみてください。項目の多くは一度確かめれば片付きますが、個人アカウントの残り具合だけは、入社や異動のたびに見直していくのがよいでしょう。
学習させない設定とログの管理を、1つの環境にそろえる
UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で使える法人向けサービスです。全モデルで学習非利用を標準適用し、全社一律で適用するため社員ごとの設定操作は不要です。管理者ダッシュボードで利用ログ・権限・モデルのON/OFFを管理でき、会話履歴・利用ログ・アカウントは国内サーバー(AWSの日本リージョン)で管理します。月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。
UPGEAR AIの詳細を見るよくある質問
Claude Teamに入力した内容は、学習に使われますか?
Claude Teamでも、学習させない設定(オプトアウト)は必要ですか?
個人プラン(Free・Pro・Max)のClaudeで学習させないには、どうすればよいですか?
Rate chatsの既定値はオンですか、オフですか?
シークレットチャットなら、会社にもAnthropicにも残りませんか?
社員が個人アカウントで使っているかどうか、管理者は確かめられますか?
まとめ
Claude Teamに入力した内容は、既定ではモデルの学習に使われないとAnthropicは説明しており、2025年の個人向けの規約改定もTeamには適用されません。管理者がオプトアウトの手続きをする必要はなく、確かめる対象は例外の経路のほうになります。
会社でClaudeを使う場合の契約の選び方は、Claudeの法人契約にまとめています。情報漏洩を防ぐために会社が確かめる条件は、AI・生成AIの情報漏洩対策で整理しました。
例外は、評価ボタン、Claude Codeの/feedback、Development Partner Programの3つです。評価ボタンはOrganization settings > Data and PrivacyのRate chatsで組織として切り替えられ、Claude Codeは環境変数で送信を止めることが出来ます。学習とは別に、削除後30日の保持や、シークレットチャットがエクスポートに含まれる点も、社員への説明に入れておきましょう。
設定の外に残ってしまうのは、同じ仕事用メールで使い続けている個人アカウントです。左下の名前と青いチェックマークで社員に確かめてもらい、通知文とチェックリストで回収していく流れになります。法人のAI活用に関するほかの記事は、AI活用コラム一覧をご覧ください。
