
Gensparkの使い方とは、ホーム中央の入力欄に「何をしたいか」を書き、AIが仕事の順番を組んで作った成果物を、人が確かめて仕上げる進め方のことです。会社で使い始めるなら、会社のアカウントで登録してデータの設定を確かめ、議事録の整理や見積の比較表のような1つの業務を任せるところから始めるのが近道になります。出てきたものは、数字・日付・法令・社名の4点を一次情報と照らしてから社内に回しましょう。ここまでを最初の1週間で終えると、続けるかどうかを決める材料がそろいます。
Gensparkがどんなサービスで、会社の業務に使ってよいのかという前提は、親記事のGensparkとは何か・会社で使ってよいかで整理しています。ここでは、総務・情シス・経営者の方が自分で登録してから、最初の1業務を任せて検算するまでの手順に絞って進めます。
※登録画面・設定の名前・クレジット数・料金は、2026年10月13日時点のGenspark公式ページ・公式ヘルプ・公式ブログの記載です。いずれも同社の発表(自己申告)で、第三者が検証した数値ではありません。画面の表記は変わることがあります。
Gensparkとは何をする場所か:ChatGPT・Perplexityとの違い
Gensparkは、頼んだ仕事を順番に分けて道具を選び、成果物が出来上がるところまで進めてくれるAIのサービスになります。公式の使い方ガイド(2026年10月1日)は、ホーム中央の入力欄を検索窓ではなく「何をしたいか」を書く場所だと説明しています。中で動くスーパーエージェントは、計画、委任、実行、自己検証を経て成果物を渡す、というのが同社の紹介する流れです。対象として挙げられているのは、調査、資料作成、データ分析、デザイン、コーディング、コミュニケーションの6つの分野になります。社内のツールは150以上、外部との連携(MCP)は700以上あると同社は発表しています。
運営について、同社は2023年にシリコンバレーで創業し、2026年1月に日本法人を設立したと発表しました。利用規約上の運営会社はMainFunc Inc.で、Genspark Inc.はその完全子会社という位置づけになっています。
ChatGPTのような対話型のAIとの違いで迷ったら、何を受け取りたいかで考えると整理しやすいでしょう。公式ブログも、1問1答で済む調べものはAIチャットのほうが速いこともあると書いています。資料・表・文書といった形のあるものまで任せたいときに、Gensparkの入力欄を使う、という分け方がわかりやすくなります。Perplexityと比べた会社契約の条件はGensparkとPerplexityの比較で取り上げました。
登録は会社のアカウントで:手順と、私用のGoogleで入ったときに起きること
登録そのものは数分で終わりますが、どのアカウントで入るかだけは最初に決めておく必要があります。後から付け替えが利かない部分があるためです。
登録の手順
- ブラウザで genspark.ai を開く(アプリのインストールは不要で、パソコンでもスマホでも使える)
- 登録・サインインの画面で、Google・Microsoft・Apple・メールアドレス・SSOのいずれかを選ぶ(SSOはTeam・Enterpriseのみ)
- 初回はそのままアカウントが作られる。作成は無料で、請求情報を入れるのは有料プランを決済するときだけ
- ホーム画面が開けば準備は完了。表示も入力も日本語のままで使える
Googleアカウントで作った場合は、あとからパスワードを設定出来ません。次回からも同じ「Googleでログイン」を選ぶ形になります。メールアドレスで登録してパスワードを忘れたときは、ログイン画面の「パスワードを忘れた場合」から自分で再設定する流れで、サポート窓口で直接変えてもらうことは出来ないと公式ガイドに書かれています。利用規約上、使えるのは18歳以上の方です。
私用のGoogleアカウントで登録すると、資料は私用側に残る
公式ヘルプのAccount Managementには、別のGoogleアカウントなど違うメールアドレスで入ると、新しい別のアカウントになると書かれています。新しいアカウントは空の状態から始まり、プラン・クレジット・プロジェクトは元のアカウントに残る、という説明です。サインイン方法を自分で切り替える設定はなく、登録したメールアドレスの変更もアプリからは出来ません。
この仕組みを会社の目線で読むと、社員が私用のGoogleアカウントで登録して作った資料は、その私用のアカウントの中に残ることになります。業務で使うアカウントは、最初から会社のメールアドレスで作りましょう。有料プランも、支払ったときにサインインしていたアカウントのものになります。以前のプロジェクトが見当たらないという相談のほとんどは、登録時と違うアカウントやログイン方法を選んでいるケースだと、公式ガイドのFAQにもあります。
TeamやEnterpriseでは、会社のID基盤とつなぐSSOでのサインインも選べます。ただし設定を誤ったままSSOを必須にすると、管理者を含む組織の全員が入れなくなり、アプリの中に戻る手段はないと公式ヘルプは注意しています。SSOを使う場合は、情シスの方が設定を確かめてから必須に切り替えましょう。
業務の前に確認する設定:Data ControlsのAI Data Retention
業務の情報を1つでも入れる前に、入力した会話をAIの改善に使わせるかどうかの設定を確かめておきましょう。公式ヘルプでは、この設定は「設定 → Data Controls(データ管理)→ AI Data Retention」にあると案内されています。
- 画面左下の設定アイコン、またはプロフィールのメニューから設定を開く
- Data Controls(データ管理)の項目を開く
- AI Data Retention がオンになっていたらオフにする
- Personalization(パーソナライズ)は既定でオンのため、会社の方針に合わせてアプリから切り替える
公式ブログは、オプトアウトを選べば会話の内容はモデルの学習に使われないと説明しており、設定画面の切り替えだけで済むとのことです(同社発表)。無料・Plus・Proの個人プランで、この設定が最初どちらになっているかは、公式のページからははっきり読み取れません。だからこそ、登録した日に自分の画面で確かめてオフにする、という順番を社内の決まりにしてしまうのが確実でしょう。
GmailやOutlookなどを接続するコネクタ機能も、データをモデルの改善に使うかどうかはこのAI Data Retentionの設定に従う、と公式ヘルプにあります。TeamやEnterpriseの管理者は、メンバーやチームが使えるコネクタを絞ることも出来ます。TeamとEnterpriseのプランでは、アカウントが自動でモデルの学習の対象から外れると公式ヘルプに書かれています。個人プランのまま業務に使う間は、社員一人ひとりの設定に頼る形になってしまいます。
確かめた設定は、日付と一緒に記録しておく
設定を確かめた結果は、社内の一覧に残しておくと後で役に立ちます。誰が、いつ、どのメールアドレスで登録し、AI Data Retentionをオフにしたかを1行ずつ書く形で十分です。設定画面のスクリーンショットを添えておけば、異動や取引先から聞かれた場面でも説明しやすくなります。様式は凝らず、表計算ソフトの1枚に4つの列を並べるところから始めてみてください。
社員がそれぞれ個人で登録すると、何がばらばらになるか
社員が思い思いに個人のアカウントで使い始めると、資料・設定・費用の3つが人ごとに散らばってしまいます。資料は、それぞれのアカウントのプロジェクトの中にあるだけです。担当者が異動や退職をしたとき、会社の側からはどこに何が残っているのかが見えにくくなってしまいます。学習の設定も同じで、一人ひとりがAI Data Retentionをオフにしたかどうかを、会社がまとめて確かめる仕組みは、公式ヘルプには見当たりません。
費用の面でも、仮に10人がそれぞれPlusの最安の段(月10,000クレジット・月払いで24.99ドル)を契約すると、合計は月249.90ドルとなります。1ドル=155円で計算した場合は月およそ38,735円、年間ではおよそ46万円です(税抜。日本円で払うと消費税10%が加わります)。それぞれの個人カードで払われると、会社の経費として把握するだけでも手間が増えてしまいます。
退職の場面では、さらに手間が増えます。アカウントの削除は本人が設定画面から進め、登録したメールアドレスに届くリンク(1回限り・24時間で失効)を開いて確定する手順になっています。会社のメールアドレスを先に止めると、この確認のメールを受け取れなくなってしまいます。App StoreやGoogle Playのアプリ経由で買った購読は、アカウントを削除しても解約されない点にも気をつけてください。
一人ひとりの使い方を止めるより、会社として使う環境を1つ決めて、そこで使ってもらう形に寄せていくほうが、資料も設定も会社の手元に残しやすくなります。
社員ごとの登録と課金が重なる前に、会社で使う生成AIの環境を1本にそろえる方法もあります。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。
画面で覚えるのは入力欄だけ:頼み方の3ステップ
最初に覚える画面は、ホーム中央の入力欄だけで足ります。入力欄の中には、ファイルを添付する「+」、モードを切り替える「スタンダード」、音声で入力するマイクが並んでいます。モードはスタンダードとUltraの2つで、最初の成果物は標準のスタンダードで十分というのが公式ガイドの案内です。スタンダードでは、タスクに合うAIが自動で選ばれる仕組みになります。過去のプロジェクトは、左上のメニュー(タスクリスト)から開き直すことが出来ます。
頼み方の3ステップ
公式ガイドが勧める頼み方は、次の3つの段階です。
- 一言でお願いする。条件を盛り込みすぎないほうが動き出しは早い
- 聞かれたら1つ答える。資料のサイズや誰向けかの確認が出ることがある(毎回ではない)
- 出てきたものを1か所直す。「〇〇の部分をもう少し具体的にして」と頼めば、そこだけが直る
うまくいかないときは、指示を言い換えるより情報を足すほうが近道だ、とガイドは書いています。依頼文には、何のために(目的)、どんな条件で(条件)、どんな形で出してほしいか(形式)の3つを入れるのが共通のコツになります。実行中も入力欄は使えるので、途中で気づいた条件は追加の指示として送ってみてください。
日本語の入力と文字化けが気になるとき
公式ガイドのFAQでは、ページの表示も入力も日本語で使えると案内されています。書き出したファイルで文字が崩れていた場合は、崩れた場所を指して「この表の見出しが読めないので直して」と1か所ずつ頼むと、ステップ3と同じ考え方で早く片づきます。社内に回す前に、ファイルは必ず手元のパソコンで開いて中身を確かめましょう。
最初の業務で使う機能と、後回しでよい機能
入力欄に作りたいものを書けば、必要なエージェントと道具は自動で選ばれるため、機能の名前から覚える必要はありません。とはいえ、出来上がるものの形を思い浮かべやすいように、主な機能を最初の業務との関係で整理しておきます。
スーパーエージェント
スーパーエージェントは、依頼を仕事の順番に分け、道具を選んで成果物まで進める中心の機能です。ホームの入力欄に書くか、サイドバーの「New」メニューから選んで使い始めます。作業は専用のサンドボックス(実際のブラウザと独自のファイル置き場)の中で進み、うまくいった手順は「スキル」として保存できると同社は説明しています。添付できるファイルは、無料プランで500MBまで、有料プランで1つ1GBまでとなります。
AIスライド・AIシート・AIドキュメント
資料ならAIスライドとAIドキュメント、表や一覧ならAIシートが受け持つ、というのが公式ブログの任せ先の整理です。スライドの作り方と書き出しの手順はGensparkでスライドを作る方法にまとめています。無料プランでは、ブラウザで発表したりリンクで共有したりは出来ても、PDF・PPTX・Googleスライドへの書き出しには有料プランが要る点に気をつけてください。最初の1業務には、ファイルとして残しやすい表(AIシート)か文書(AIドキュメント)が向いているでしょう。
ディープリサーチとファクトチェック
ディープリサーチは調べものの担当で、ファクトチェックは回答の裏付けを「強い」「弱い」「裏付けなし」に分けて見せる機能だと同社は紹介しています。便利な目印にはなるものの、裏付けの判定もAIが出したものです。後で紹介する4点の検算は、人の目で確かめる必要があります。
Sparkpage・AIチャットなど、名前で迷う機能
解説によってはSparkpageなどの機能名が出てきますが、今の公式の使い方ガイドは、入力欄にやりたいことを書けば必要な道具が選ばれる流れを案内しています。名前を探して選ぶより、まず入力欄に頼んでみるのが早いでしょう。AIチャットは70以上のモデルを組み合わせて答える仕組み(Mixture of Agents)というのが同社の説明です。
通話代行・画像生成・AI受信トレイ・会議メモは2週目以降に
ほかにも、電話をかけてもらうAI通話代行(日本語を含む12言語)、画像や動画の生成、メールをまとめるAI受信トレイ、ZoomやGoogle Meet、Teamsに自動で参加できるAI会議メモが用意されています。動画や音声の生成は長くなるほどクレジットの消費が増え、社外の相手や社内の会議にも関わる機能なので、最初の週は触らずに置いておくのが無難です。音声で入力するSpeaklyは、無料プランでも週4,000語まで使うことが出来ます。
アプリとSuper App
パソコンにはWindows・macOS向けの「Genspark Super App」、スマホにはiOS・Androidのアプリがあり、同じアカウントでつながります。Super Appはパソコン内のファイルを直接扱い、エージェントが手元で資料を整理したり手を加えたりする仕組みと同社は説明しています。社内の共有フォルダに触れる使い方になるため、最初はブラウザ版だけで始め、Super Appを入れるかどうかは情シスの方が決めるのがよいでしょう。
職種別:最初に任せる1業務の選び方
最初の1業務は、元になる資料が手元にあり、正しいかどうかを自分で確かめられる仕事から選びましょう。答え合わせが出来ない業務を最初に選ぶと、出来の良し悪しを判断できないまま1週間が終わってしまいます。
| 職種 | 最初に任せる1業務 | 使う機能 | 検算で見る所 |
|---|---|---|---|
| 総務 | 会議の議事録から決定事項と担当・期限を抜き出す | スーパーエージェント(AIドキュメント) | 期限の日付、担当者名 |
| 経理 | ベンダー3社の見積を1枚の比較表にする | AIシート | 金額、税抜と税込、数量 |
| 情シス | 生成AIの社内利用ルールのたたき台を作る | AIドキュメント | 参照した法令や指針の名前と日付 |
| 人事・労務 | 就業規則の改定に向けて、関係法令と公開事例を集める | ディープリサーチ | 法令名、施行日、出典のURL |
| 経営者 | 先週の議事録をもとに経営会議のアジェンダを作る | スーパーエージェント | 数字、前回の決定事項 |
反対に、最初の1業務に向かないのは、正解を自分で確かめられない調べものや、外部へそのまま出す文書です。顧客名や個人名がたくさん入る資料も、線引きを決めるまでは後回しにしてください。
総務・経理・情シス向けの依頼文の例5本
依頼文は、目的・条件・形式の3つを短く書き、手元の資料を「+」から添付する形にそろえると、結果がぶれにくくなります。下の5本は、そのまま貼って【 】の中だけを書き換えれば使える形にしてあります。社名や個人名は、入れてよい情報の線引きを決めるまで「A社」「Bさん」のように伏せておきましょう。
1. 議事録から決定事項とタスクを抜き出す
総務の方が最初に試すなら、自分が出席した会議の議事録を使うのがおすすめです。
目的:【定例会議】の議事録から、決まったことと、誰がいつまでに何をするかを整理したい 条件:添付の議事録に書かれていることだけを使う。書かれていない期限や担当は推測せず「記載なし」とする 形式:表(項目/担当/期限/議事録の該当箇所)で出し、最後に確認が必要な点を3つまで挙げる
2. ベンダー3社の見積を比較表にする
経理の方は、届いている見積書3通を添付して比べてもらうと、表の出来を自分の目で確かめやすくなります。
目的:【複合機のリース】の見積3社分を比べ、稟議に添える比較表を作りたい 条件:添付の見積書の数字だけを使う。税抜と税込、月額と総額、契約期間をそろえて並べる。読み取れない数字は空欄にする 形式:AIシートで表にし、各セルに見積書の何ページから取ったかを書く。社名はA社・B社・C社で表す
3. 就業規則の改定で、関係法令と他社の事例を調べる
調べもの型の依頼は、出典のURLを必ず付けてもらうところまで書いておくのがコツです。
目的:【育児・介護休業】の規定を改定するために、関係する法令と、公開されている企業の事例を集めたい 条件:法令は厚生労働省など公的機関のページを出典にする。施行日と改正日を分けて書く。出典が見つからないものは載せない 形式:AIドキュメントで、法令の要点/施行日/出典URL/公開事例の順にまとめる
4. 稟議書の下調べをする
稟議書そのものを書かせるより、判断の材料をそろえる下調べを任せるほうが、検算の手間は少なく済みます。
目的:【勤怠管理システムの入れ替え】の稟議を出す前に、検討の材料を集めたい 条件:候補は【製品名】と【製品名】の2つ。料金は各社の公式ページに載っている金額だけを使い、確認した日付を書く 形式:比べる観点を5つ以内で表にし、最後に社内で確認すべき質問を5つ挙げる
5. 生成AIの社内利用ルール案を作る
情シスの方には、社内ルールのたたき台づくりが最初の題材として向いています。
目的:社員【50】名の会社で、生成AIを業務に使うときの社内ルールのたたき台を作りたい 条件:入力してよい情報と入れてはいけない情報、出力を確かめる人、使ってよいサービスの決め方を必ず入れる。A4で2枚以内 形式:AIドキュメントで、見出し付きの条文の形にする。最後に、自社で決める必要がある空欄を一覧にする
出来上がったたき台はそのまま配らず、生成AIの社内ガイドラインの作り方と見比べて、抜けている項目を足してから使うのが安心でしょう。
出力の検算4点:数字・日付・法令・社名を一次情報で照らす
出てきた成果物は、数字・日付・法令・社名の4点を元の資料や公式のページと照らしてから使います。どれもAIがもっともらしく書き換えてしまいやすく、間違えたまま社外に出ると困る項目です。
- 数字は、元の資料と1つずつ突き合わせる金額・数量・割合は、添付した資料の該当ページを開いて照らします。合計や税込の計算は、電卓で計算し直します。
- 日付は、施行日・期限・曜日まで確かめる施行日と公布日、改正日の取り違えや、カレンダーと合わない曜日がないかを見ます。
- 法令は、法令名と条文を公的なページで確かめるe-Gov法令検索や所管省庁のページで、名前・条番号・現在の条文を開いて照らします。
- 社名は、正式な表記を相手の公式サイトで確かめる会社名・製品名・人名の表記ゆれや、似た名前の別の会社と混ざっていないかを見ます。
出典のURLが付いていても、リンク先を開いて本当にその内容が書かれているかまで見ておきましょう。検算が終わるまでは、成果物を社外に出さないことを社内の決まりにしてください。Gensparkで作った内容を外部に公開し直すときは、出どころを示すよう利用規約が求めている、と公式ヘルプにあります。社外向けの資料に使う場合は、この点もあわせて確かめておくと安心です。検算に時間がかかりすぎる業務は、そもそも最初の1業務に向いていなかったという合図になります。
無料枠とクレジット:使い切らない頼み方
Gensparkの作業はクレジットという単位で量られ、無料プランでは1日100クレジットが補充されます。ただし無料の補充には生涯の上限があり、使い切ると毎日の補充が止まってしまいます。上限が何クレジットかは公式ヘルプに書かれていないため、試しに使う量は控えめに見積もっておくのが安全です。1日200クレジットと紹介する解説もありますが、2026年10月13日に確認した公式ヘルプの記載は100となっています。無料でどこまで出来るかはGensparkの無料プランでできることで詳しく取り上げました。
クレジットが増える頼み方・減らす頼み方
公式ヘルプのCredits Guideは、クレジットを計算の手間の量だと説明し、消費が増える要因を挙げています。
- Ultraモードを使う(スタンダードより多く消費する)
- 長い会話を続ける(送るたびに、それまでの文脈を読み直す)
- 作り直しを繰り返す(作り直しは毎回、最初と同じだけ消費する)
- 高解像度の画像や、長い動画・音声を作る
- 調査と執筆とメディアの生成を1つの依頼にまとめる
反対に、出来上がったものの一部を直す依頼は、最初から作るよりずっと少ない消費で済みます。同社の公式ブログも、要件やプロンプトをAIチャットなどで先に整理してから渡すと、消費を抑えられると勧めています。最初の週は、スタンダードで1業務ずつ頼み、直しは同じセッションの中で「ここを直して」と伝える形にしてみてください。残高は、左下のメニューの「Credits」から開くページで確かめることが出来ます。利用の記録は、反映までに数時間かかることがあります。
有料にするときの目安
個人向けのPlusとPro、会社向けのTeamとEnterpriseの金額は、Gensparkの料金とGenspark法人プラン(Team・Enterprise)の解説にまとめています。会社で検討するときに押さえておきたいのは、Teamの金額に公式ページの間で表記の揺れがある点です。公式ヘルプは1席月35ドル・月10,000クレジット、法人向けの料金ページは1席月30ドル・月12,000クレジットと書いており、申込画面に出る金額を正とするしかありません。10人で使う場合、1ドル=155円で計算すると月46,500円(30ドル)から54,250円(35ドル)、年間ではおよそ56万〜65万円の幅になります。ドル建ての請求に、消費税や通貨換算・海外取引の手数料が加わる場合もある、と公式ヘルプは注意を添えています。
スキルの保存と、作ったファイルの残し方
うまくいった頼み方はスキルとして保存し、成果物はエージェントに渡して(deliver)もらってから手元に残すのが、続けて使うときの基本になります。公式ヘルプによると、エージェントが渡したファイル(チャットに出るファイルのカード)はプロジェクトと一緒に保存され、あとからでもダウンロード出来ます。作業環境の中にあるだけのファイルについては、残したいなら渡すように頼んでほしい、とヘルプは書いています。依頼の最後に「完成したファイルをdeliverしてください」と一言添えておくと、取り違えが減るでしょう。
スキルを社内で共有する
一度教えた手順はスキルとして保存され、チーム全体に共有することも出来る、と公式ヘルプは説明しています。議事録の整理のように毎週くり返す業務は、うまくいった回の手順をスキルにして、次の担当者が同じ頼み方で使える状態にしておきましょう。ファイルはプロジェクトごと共有しなくても、1つずつ個別に共有出来ます。
アカウントを削除すると、プロジェクトと履歴は開けなくなり、残っていたクレジットも返金なしで消えてしまいます。残したい資料は、削除の前にダウンロードしておく必要があります。
入れてよい情報・入れない情報の線引き
業務で使い始める前に、入力してよい情報と、入れてはいけない情報を表にして社内で共有しておきましょう。Gensparkのプライバシーポリシーには、データはMicrosoft Azureに保管され、依頼に応えるために問い合わせがOpenAIやAnthropicのAPIへ送られることがある、と書かれています。利用規約でも、送った内容を使い、保存し、加工する権利をGensparkとその取引先に与える形になっており、書面で別の合意をしない限りこの条件が当てはまります。
| 区分 | 例 | 扱い |
|---|---|---|
| 入れてよい | 公開済みの自社サイトの文章、官公庁の公開資料、一般的な調べもの | そのまま使ってよい |
| 伏せてから入れる | 社内の議事録、見積書、社内規程の案 | 社名・人名・金額の一部を伏せる。確認する人を先に決める |
| 入れない | 顧客や社員の個人情報、取引先から預かった資料、契約書の原本、公表前の決算の数字 | 使わない |
安全性や規約の読み方はGensparkの安全性で詳しく扱っています。表の区分に迷う情報が出てきたら、その場で入れずに確認する人へ聞く流れにしておくと、線引きが少しずつ固まっていきます。
最初の1週間の進め方
最初の1週間は、1日に1つずつ進めると、無理なく続けるかどうかの判断までたどり着けます。
- 1日目は、会社のメールアドレスで登録し、Data ControlsのAI Data Retentionを確かめてオフにする
- 2日目は、職種別の表から最初の1業務を決め、元になる資料をそろえる(社名・人名は伏せる)
- 3日目は、依頼文のひな形を貼って1回目を頼み、聞かれたことに答え、1か所だけ直してもらう
- 4日目は、数字・日付・法令・社名の4点を検算し、間違いの数と直しにかかった時間をメモする
- 5日目は、成果物をdeliverしてもらい、うまくいった頼み方をスキルとして保存する
- 6日目は、使ったクレジットの量を残高のページで確かめ、同じ業務を毎週続けた場合の量を見積もる
- 7日目は、結果を上司や情シスと共有し、続けるか、会社として使う環境を用意するかを決める
4日目のメモが、続けるかどうかを決めるときの決め手になります。直しに元の作業と同じくらい時間がかかったなら、その業務は任せる先として向いていません。反対に、検算が短く済んだ業務は、2週目に同じ部署の方へ広げてみましょう。
会社で安全に使うには:個人課金を重ねる前に、使う環境を1本に
社内で使う人が増えてきたら、一人ひとりの個人課金を重ねるより、会社として使う生成AIの環境を1本にそろえることを先に考えましょう。そろえるときに決めたいのは、入力を学習させない設定、利用ログの管理、社員への配布、複数のAIの使い分けの4つになります。
Gensparkの場合、TeamとEnterpriseにすると学習の対象から自動で外れ、管理者は席ごとのクレジット使用量や利用の動きを見られる、と公式ヘルプは説明しています。一方で、管理者が社員の非公開のプロジェクトを自動で見られるわけではなく、共有されたものだけを共有の設定に沿って見られる仕組みとなります。Teamのデータの保管先は、既定で米国という記載です。クレジットは席ごとに割り当てられ、使い残しは翌月に繰り越されません。
業務によっては、ChatGPTやClaude、Gemini、Perplexityのほうが向いている場面もあり、1つのツールの席を全員分そろえるだけでは足りないこともあるでしょう。複数のAIの得意分野と分け方は主要4AIの違いと使い分けで、会社が把握していない個人利用の広がり方は野良AI(シャドーAI)の記事で取り上げています。Gensparkを試した1週間の記録は、どの業務にどのAIを使うかを決めるときの材料として、そのまま使うことが出来ます。
会社で使う生成AIを、1つの契約と管理画面にそろえる
UPGEAR AIは、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で切り替えて使える法人向けサービスです。管理者ダッシュボードで利用ログ・権限・使えるモデルのオンとオフを管理でき、基盤はAWSの日本リージョンで稼働しています。料金は月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。初期費用100,000円(税抜)が別途かかります。
UPGEAR AIの詳細を見るよくある質問
Gensparkはどこの国の会社が運営していますか?
Gensparkは無料で使えますか?
GensparkとChatGPTは何が違いますか?
アプリを入れないと使えませんか?
以前作ったプロジェクトが見当たらないのはなぜですか?
会社の業務にGensparkを使っても規約上の問題はありませんか?
まとめ
Gensparkの使い方は、入力欄に目的・条件・形式を書いて頼み、出てきたものを人が検算するところまでで1回分になります。会社で始めるなら、会社のメールアドレスで登録し、Data ControlsのAI Data Retentionを確かめてから、職種ごとに確かめやすい1業務を選ぶ順番が安全です。数字・日付・法令・社名の4点を照らし、うまくいった頼み方はスキルに、成果物はdeliverで残しておきましょう。1週間の記録がそろったら、個人の課金を重ねるのか、会社として使う環境を1本にそろえるのかを決める段階に進めます。ほかの生成AIの記事はAI活用コラム一覧にまとめています。
