
税理士事務所がClaudeを業務で使うときの契約選びとは、個人向けのFree・Pro・Maxと、法人向けのTeam・Enterpriseのどれで使うかを決めることです。職員に顧問先の資料を扱わせるなら、既定で入力内容を学習に使わない法人向けのTeamを事務所として契約するのが、守秘義務の説明をつけやすい形になります。個人向けのProのまま使う場合は、学習の設定を職員全員分そろえて確かめる手間が残ってしまいます。ChatGPTとGeminiも個人向けと法人向けで扱いが分かれるため、3製品を同じ物差しで見比べてみましょう。
業務別の使い方や注意点、ツールの選び方の全体像は税理士のAI活用ガイドにまとめています。
※料金・設定名は2026年9月29日時点で各社の公式ページ・ヘルプで確認した内容です。ドルの金額は各社の公式ページの表示で、Claudeは税別、ChatGPTは税の記載がありません。
税理士事務所のClaudeは、個人向けと法人向けのどちらで契約するか
職員が顧問先の資料を扱うなら、選ぶのは法人向けのTeamになります。Claudeの料金ページでは、プランが個人向けのFree・Pro・Maxと、法人向けのTeam・Enterpriseに分かれて並んでいます。両者の違いのうち、事務所にとって大事なのは、入力した内容をモデルのトレーニング(学習)に使うかどうかの扱いです。
料金ページの比較表の「モデルのトレーニング」の行では、Free・Pro・Maxが「オプトアウト」、TeamとEnterpriseが「デフォルトではなし」と書かれています。オプトアウトとは、利用者が自分で設定を変えることで、学習への利用を断る方式を指します。Teamは、何も設定しなくても学習に使われない状態から始まることになります。
Anthropicのプライバシーの案内でも、Claude for Work(Teamなどの法人向け)やAPIのような商用の製品について、既定では入力や出力を学習に使わないと説明されています。あわせて、個人向けの消費者向け規約(Consumer Terms)はClaude for Workには適用されず、Anthropicはデータの処理を受託する立場(data processor)になるという案内もあります。
Teamの人数と料金の条件
Teamは「2〜150名のチーム向け」と案内されており、所長と事務員の2名から契約することが出来ます。料金は、スタンダードシートが年払いで1人あたり月$20、月払いで$25です。より多くの使用量が付いたプレミアムシートもあり、こちらは年払いで月$100、月払いで月$125となります。使用量については、スタンダードシートはProより多く、プレミアムシートはスタンダードシートの5倍という説明になっています。
職員全員をプレミアムにする必要はなく、長い資料を毎日のように読み込ませる方だけに割り当てれば充分でしょう。
MaxとEnterpriseを選ぶ場面
個人向けのMaxは、Proの5倍または20倍の使用量を選べる上位のプランになります。個人向けである以上、学習の扱いはProと同じオプトアウトで、事務所の管理の仕組みは付いていません。所長お一人が大量に使う場合の選択肢であって、職員に配る契約には向かないと考えてください。
Enterpriseは、シート料金に加えて、使った分を標準のAPIレートで支払う仕組みです。料金ページのFAQでは、1シートあたり月$20にAPIレートでの使用量を加算し、年払いのみという説明になっています。ヘルプでは、Enterpriseはセルフサービスで最低20シート、営業担当経由で最低50シートという案内もあります。使った量で請求額が動くため、数名から数十名の事務所であれば、まずTeamで始めて様子を見るほうが予算を組みやすくなります。
ただし、Teamにしただけで何もかも済むわけではありません。評価ボタンで送ったフィードバックの扱いや、ブラウザ拡張の既定値など、Teamでも事務所側で決めておきたい設定がいくつか残ります。その中身は後半のチェックリストにまとめましたので、契約と一緒に確かめてみてください。
Claudeの無料プランとProの料金、学習オフの設定
Claudeは無料プランでも使えて、学習を断る設定も、無料プランを含む個人向けのすべてのプランで選ぶことが出来ます。料金ページの税別の表示では、Proは年払いなら月額$17($200を一括で請求)、月払いなら$20となっています。同じページを日本から表示すると、消費税10%を含めた米ドルの金額(2026年9月16日に日本から表示した例では、Proは年払い時$18・月払い$22)で出てくることもあります。見積もりや経費の記録では、税抜と税込のどちらの金額を見たのかを書き添えておきましょう。
Proには、Freeより多い使用量に加えて、Claude Code・Research・無制限のプロジェクトなどが含まれると書かれています。無料プランでは、Claude CodeやResearchは使えません。使用量は5時間ごとにリセットされる枠と週ごとの上限で管理され、固定のメッセージ数は決まっていないと案内されています。
個人プランで学習を断るには、Model Improvementをオフにする
個人向けプランで学習を断るには、プライバシー設定のモデル改善(Model Improvement)の項目をオフにします。所内の手順書には、英語の項目名もあわせて書いておくと、職員が画面で探すときに迷いにくくなります。Anthropicの発表では、改善への利用を許可した場合はデータの保持期間が5年、許可しない場合は従来どおり30日とされています。なお、個人プランの既定値がオンかオフかは、この発表文には書かれていません。
シークレットチャット(Incognito)は、Model Improvementを有効にしていても改善には使われないと説明されています。一方で、回答に高評価・低評価を付けて送ると、関連する会話全体が最長5年保存され、ユーザーIDから切り離したうえで学習に使われることがある点には注意が必要です。職員には、顧問先の話をした会話に評価ボタンを押さないよう伝えておきましょう。
Webで購入するProの支払いはクレジットカードまたはデビットカードに限られ、個人向けプランは請求書払いの対象外となります。職員が個人で年払いを選んでいると、途中でやめても、残りの期間の料金は原則として戻りません。
Claude Codeと通常のClaudeの違いと、データの扱い
Claude Codeも、個人向けプランで使う限り、学習の設定は通常のチャットと同じ扱いになります。個人向けプランの学習の説明では、対象を「chats and coding sessions」と書いており、Claude Codeでの作業もModel Improvementの設定に含まれることが分かります。
通常のClaudeは、ブラウザやアプリの画面で会話しながら使う形になります。これに対してClaude Codeは、パソコンの中のファイルを読み、編集し、コマンドを実行するところまでClaudeに任せる道具で、ターミナルやデスクトップアプリ、ブラウザから使います。検索上位の税理士向けの記事でも、会計処理の自動化や記帳データの加工の例として取り上げられています。手元のフォルダのファイルを読めるため、顧問先の資料が入ったフォルダで動かす前に、使う契約とフォルダを決めておきましょう。料金ページでは、Claude CodeはProとMaxに含まれ、Freeでは使えないと示されています。使用量の説明でも、Claude Codeはすべての有料プランに含まれるという案内があります。
注意したいのは、法人向けのEnterpriseの請求の仕組みです。公式ヘルプでは、Enterpriseのシート料金にはClaude CodeやCoworkへのアクセスが含まれる一方、使用量は含まれず、使った分はすべて標準のAPIレートで別に請求されると書かれています。
Teamを含む有料プランでは、使用量の上限に達したときに、リセットを待つか、上位のプランに移るか、使用クレジットをオンにして標準のAPIレートで続けるかを選ぶ形になります。使用クレジットをオンにすると標準のAPIレートでの支払いが加わるため、組織とユーザーごとの支出の上限を決めておきたいところです。
Claude Codeを試すときも、使うアカウントが事務所のTeamか職員個人のProかで、学習と保持の扱いが入れ替わります。試験的に使う段階から、事務所の契約のアカウントで動かしてみてください。
同じClaudeでも、契約と設定でデータの扱いが変わる
同じClaudeという名前でも、どの契約で、どう設定して使うかによって、入力した内容の扱いは変わってきます。分かれ目は、少なくとも次の3つになります。
- 契約の種類(個人向けのFree・Pro・Maxか、法人向けのTeam・Enterpriseか)
- 個人向けの場合の設定(Model Improvementのオンとオフ、シークレットチャットを使うかどうか、評価ボタンを押すかどうか)
- 使う入口(通常のチャットか、Claude Codeか、API(プログラムからClaudeを呼び出す仕組み)か)
APIも、Anthropicの案内では商用の製品として扱われ、既定では学習に使わない側に入っています。一方で、同じ職員が自宅で個人のProを開いて顧問先の資料を貼り付ければ、それは個人向けプランの扱いになってしまいます。事務所で契約していても、職員がどのアカウントで入力したかで扱いが決まる点は見落としがちです。契約と一緒に、業務ではどのアカウントを使うかを所内のルールで決めておくようにしましょう。
保持期間も契約と設定で変わる
学習だけでなく、会話がどれだけの期間残るかも、契約と設定で変わります。個人向けのClaudeでは、改善への利用を許可すると5年、許可しないと30日という違いが出ます。Teamなどの法人向けでは、会話は製品の中に保持され、利用者が削除すると履歴からすぐ消え、30日以内にバックエンドのストレージからも削除されると案内されています。
シークレットチャットは、利用ポリシー違反と判定されない限り、30日以内に自動で削除される仕組みです。違反と判定された場合は、入力と出力が最長2年、分類のスコアが最長7年保持されることになります。
コネクターで読み込んだファイルの扱い
Google Driveなどのコネクターで接続した先の生のコンテンツは、学習に使うデータには含まれないと説明されています。ただし、会話の中に貼り付けた内容は含まれ得るとされており、この点は個人向けと法人向けのどちらの案内にも同じ趣旨の記載があります。顧問先のファイルをそのまま会話に貼り付ける使い方は、契約の種類にかかわらず、所内のルールで扱いを決めておくのが確実です。
ChatGPT・Geminiと並べた学習の既定・設定の場所・保持期間
ChatGPTとGeminiも、個人向けは利用者自身が設定を切り替え、法人向けは学習に使わないことを公式に示しているという点で、Claudeと似た構図です。3製品の個人向けと法人向けを、1つの表に並べてみました。
| 製品・プラン | 月額(公式の表示) | 学習の扱い | 設定する場所 | 保持期間の目安 |
|---|---|---|---|---|
| Claude Pro(個人) | 年払い時$17($200一括)/月払い$20(税別) | オプトアウト(料金ページの表記) | プライバシー設定のモデル改善(Model Improvement) | 改善への利用を許可すると5年、許可しないと30日 |
| Claude Team(法人) | スタンダードシート 年払い$20/月払い$25(1人あたり・税別) | デフォルトでは学習に使わない | Organization settings > Data and Privacy(評価ボタンのRate chatsなどを組織で管理) | 削除した会話は30日以内にバックエンドから削除 |
| ChatGPT Plus(個人) | $20 USD(税の記載なし) | 設定でオフにする操作が案内されている | プロフィールアイコン→設定→データコントロール→「すべての人のためにモデルを改善する」 | 一時チャットは30日後に削除され、学習にも使われない |
| ChatGPT Business(法人) | スタンダードシート 年払い$20/月払い$25(1人あたり・税の記載なし) | 業務データはデフォルトで学習に使用しない | 既定のまま(個人ごとの切り替えは不要) | メンバーを削除してもチャット等は無期限に保持され、再追加で復元 |
| Gemini(個人のアプリ) | この記事では扱わない | アクティビティの保存で切り替え | Gemini アプリ アクティビティ→アクティビティの保存 | オフでも72時間はアカウントに保持。フィードバックは最長3年 |
| Google Workspace(Business Standard) | 1ユーザー¥1,600(税別・年間プラン時) | 許可なくドメイン外で生成AIモデルのトレーニングに使用しない | 管理者がGeminiアプリへのアクセスを有効・無効に設定 | Geminiアプリの会話履歴は既定で18か月(管理者が3・18・36か月の自動削除または履歴オフを選べる) |
表の中で気をつけたいのは、Geminiの個人アプリでアクティビティの保存をオフにしても、会話が72時間はアカウントに残るという点です。ChatGPTの一時チャットは30日後にシステムから削除され、モデルのトレーニングにも使われないと案内されています。Geminiの個人アプリでフィードバックを送ると、その内容は最長3年保持されるという説明もあります。ClaudeとGeminiでは、評価やフィードバックが設定とは別の扱いで長く残る点を、職員に伝えておいてください。
法人向けのWorkspaceについては、Googleのヘルプに「お客様のコンテンツは、人間によってレビューされることも、許可なくお客様のドメイン外で生成 AI モデルのトレーニングに使用されることもありません」と記載があります。管理者は、Geminiアプリ(gemini.google.com)へのアクセスを組織として有効にするか無効にするかを選ぶことが出来ます。ChatGPTのBusinessも、料金ページで「お客様の業務データは、デフォルトではモデルの学習に使用されません」と示しています。
設定の名前が製品ごとに違うことの負担
個人向けの3製品は、学習を断る設定の名前も場所もばらばらです。ClaudeはModel Improvement、ChatGPTは「すべての人のためにモデルを改善する」、Geminiは「アクティビティの保存」と、同じ目的の設定に3つの呼び名があります。職員に口頭で「学習をオフにしておいて」と伝えただけでは、どの画面のどの項目を指すのかが伝わりにくくなってしまいます。
保持の日数も、30日・72時間・5年・3年と製品と条件によって違い、覚えておくのは現実的ではありません。所内で配る資料には、製品ごとの画面の名前と確認した日付を書いた一覧を付けてみてください。
製品ごと・職員ごとに設定を確かめる手間は、使う環境を事務所で1つにそろえると小さく出来ます。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。
税理士法第38条の守秘義務と、AI提供元のデータの扱いは別の話
AIの提供元が学習に使わないと約束していても、それで事務所の守秘義務の説明が終わるわけではありません。税理士法第38条は、次のように定めています。
税理士は、正当な理由がなくて、税理士業務に関して知り得た秘密を他に洩らし、又は窃用してはならない。税理士でなくなつた後においても、また同様とする。
(税理士法第38条/e-Gov法令検索)
守秘義務を負っているのは税理士自身で、条文は相手がAIかどうかを区別していません。さらに第59条では、第38条に違反した場合の罰則が定められています。
次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
三 第三十八条(第五十条第二項において準用する場合を含む。)又は第五十四条の規定に違反したとき。
(税理士法第59条より抜粋/e-Gov法令検索)
罰則は現行の条文で「二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金」となっており、決して軽いものではありません。顧問先の資料をAIに入力することが、条文の「他に洩らし」に当たるかどうかは、法律の解釈の問題になります。解釈に迷う場合は、顧問の弁護士など専門家に確認していただくのが確実です。ただ、どの解釈に立っても、事務所として説明出来る状態を作っておくことは出来ます。
提供元の約束と、事務所のルールを分けて考える
提供元のデータの扱いは、契約と設定で決まる提供元側の約束にとどまります。守秘義務の説明に必要なのは、それに加えて、誰がどの契約のアカウントで、何を入力してよいかという事務所側の決まりです。提供元の約束と事務所のルールは、別々にそろえる必要があります。
学習に使われない契約でも、職員が個人のアカウントに顧問先の資料を貼り付ければ、事務所の説明は成り立たなくなってしまいます。反対に、所内のルールがあっても、使っている契約が個人向けのままでは、学習の扱いを事務所として保証することは出来ません。両方がそろってはじめて、顧問先に筋の通った説明が出来るようになります。
顧問先に聞かれたときに示す3つの材料
顧問先から「AIに入れて大丈夫なのか」と聞かれたときは、契約しているプラン名、学習に使われない根拠となる公式の記載、所内の入力ルールの3点を示せるようにしておきましょう。Teamのような法人向けであれば、消費者向け規約が適用されず、提供元がデータの処理を受託する立場になるという点も、説明の材料になります。公式の記載は、この記事の表にある文言と確認した日付を控えておくと、そのまま説明に使えます。
個人契約のまま職員が使うと起きること
職員が自分で契約した個人向けプランで業務をこなしていると、設定・アカウント・経費の3つで、事務所から見えないところが生まれてしまいます。
学習の設定が職員ごとにばらつく
個人向けプランの学習の設定は、職員が自分の画面で切り替えるものです。Claude・ChatGPT・Geminiで設定の場所も名前も違うため、3製品を使っている職員であれば、3か所すべてを確かめる必要が出てきます。料金ページの比較表でも、Claudeの個人向けプランは「一元的な請求と管理」が「いいえ」となっています。設定を確かめるには、一人ずつ画面を見せてもらうほかありません。職員が増えたり、新しい製品を試したりするたびに、この確認が繰り返されることになります。
退職しても顧問先の会話がアカウントに残る
個人で契約したアカウントは、職員が退職したあとも、その人のものとして残ります。会話の履歴に顧問先の相談が残っていても、事務所の側から消したり引き継いだりすることは出来ません。Claudeでは、個人のアカウントを会社側の管理に移すドメインキャプチャという仕組みがEnterpriseだけで提供されており、Teamでは使えないと案内されています。Teamでは、職員が招待を受けるときに、個人のチャットやプロジェクトを事務所の側へ移すかどうかを本人が選べます(移すと元に戻せません)。移さなかった分は、個人のアカウントに残ったままとなります。
ChatGPTでは、Businessに参加する際に個人のワークスペースを分けたままにするか統合するかを本人が選び、管理者が統合を強制することは出来ないと案内されています。統合は取り消せず、Webで購入した個人のサブスクリプションは統合時に自動で解約され、未使用期間の分が返金される仕組みです。アプリストアで購入した分は、この返金の対象外となります。
経費が職員の立て替えになる
Claudeの個人向けプランの支払いは、Webで購入する場合はクレジットカードまたはデビットカードで、請求書払いには対応していません。職員の個人カードで払い、毎月立て替えの精算をする形になりやすく、誰が何に契約しているかを事務所が把握しづらくなります。支払いは原則として返金されないとされているため、退職の時期と更新日が重なると、使わない期間の料金が職員の負担として残ることもあります。Teamであれば一元的な請求と管理の機能があり、請求を事務所の1か所にまとめることが出来ます。
5名・10名・20名で契約をそろえた場合の総額
Claudeだけを法人向けでそろえるなら、Teamのスタンダードシートは年払いで1人月$20、月払いで$25となります。ChatGPTのBusinessもスタンダードシートは同じ金額で、Google WorkspaceのBusiness Standardは1ユーザー月¥1,600(税別・年間プラン時)です。最低人数はClaude TeamとChatGPT Businessがともに2名で、上限はClaude Teamが150名、ChatGPT Businessが200名と示されています。
| 事務所の人数 | Claude Team(スタンダード) | ChatGPT Business(スタンダード) | Google Workspace Business Standard | 3製品を年払いでそろえた月額(1ドル=150円で計算した場合) |
|---|---|---|---|---|
| 5名 | 年払い 月$100(年$1,200)/月払い 月$125 | 年払い 月$100(年$1,200)/月払い 月$125 | 月¥8,000(年¥96,000) | 月38,000円(年456,000円) |
| 10名 | 年払い 月$200(年$2,400)/月払い 月$250 | 年払い 月$200(年$2,400)/月払い 月$250 | 月¥16,000(年¥192,000) | 月76,000円(年912,000円) |
| 20名 | 年払い 月$400(年$4,800)/月払い 月$500 | 年払い 月$400(年$4,800)/月払い 月$500 | 月¥32,000(年¥384,000) | 月152,000円(年1,824,000円) |
※ドルの金額は、Claudeは公式ページの税別の表示、ChatGPTは公式ページの表示(税の記載なし)です。Workspaceは公式ページの税別・年間プラン時の月額です。Claudeは2026年4月1日から、日本の顧客に消費税10%が加算されると案内されています。円の金額は1ドル=150円で計算した場合の目安で、実際の請求額は為替と税の扱いで変わります。Workspaceの新規向けの期間限定割引は含めていません。
10名の事務所でClaudeとChatGPTの両方を年払いでそろえると、ドル建てだけで毎月$400、1ドル=150円なら毎月6万円の出費になります。月払いにすると、同じ10名で毎月$500となり、年払いより毎月$100多くかかってしまいます。製品を1つ足すたびに、人数分の契約と人数分の設定確認がそのまま増えていきます。
Workspaceの料金は、GmailやGoogleドキュメントなど業務アプリ一式を含んだ金額です。Business Starter(月¥800)でもGeminiアプリの基本的なアクセスはありますが、ドキュメントやスプレッドシートの中でGeminiを使えるのはBusiness Standard以上となっています。すでにBusiness Standard以上を契約している事務所であれば、Geminiについては追加の契約をせずに法人向けの扱いで使い始めることが出来ます。
全員に3製品を配るのではなく、Claudeは全員、ChatGPTは一部の職員だけ、という組み合わせも考えられます。ただ、配られなかった職員が個人のアカウントで使い始めると、前の節で見たばらつきがまた生まれてしまいます。配る範囲を絞るときは、配らない職員には個人のアカウントを業務に使わないよう、あわせて伝えておきましょう。
TeamやBusinessの人数別の年額をもっと細かく知りたい方は、Claude Teamの料金やChatGPTの法人プランの解説もあわせてご覧ください。法人向けの生成AIサービス全体の料金は、法人向け生成AI 38サービスの料金比較で横に並べています。
個人任せにせず、事務所単位で契約とルールをそろえる
契約をTeamにそろえたら、次は所内で共通の入力ルールと設定を決める段階に入ります。入力ルールは、どの製品を使う場合でも共通で通用する内容にしましょう。
顧問先の名前はダミーに置き換えてから入力する
学習に使われない契約であっても、顧問先の個人名や社名はダミーに置き換えてから入力するのが基本になります。たとえば「株式会社A」「代表者B」のように置き換え、マイナンバーや口座番号は入力しない決まりにしておきます。数字の傾向を相談したいだけであれば、社名を外した表でも答えを得られることが多いでしょう。置き換えの対応表は、AIに入れず事務所の中だけで管理してください。
ダミー化のルールは、例を添えて1枚の紙にまとめると職員に伝わりやすくなります。置き換える項目(個人名・社名・住所・電話番号)と、入力しない項目(マイナンバー・口座番号・パスワード)を分けて書くのがおすすめです。
Teamで事務所の管理者が決めておきたい設定
Teamでは、所長や事務長がOwner(管理者)として、組織設定から事務所全体の設定を切り替えられます。評価ボタン(Rate chats)の設定は、Organization settings > Data and Privacy から組織全体で切り替える形です。公開プロジェクト(組織内の全員が見られるプロジェクト)はTeamでは既定で有効になっており、同じ画面でオフにすると既存の公開プロジェクトはすべて非公開に切り替わります。
ブラウザ拡張のClaude in Chromeは、Teamでは既定で有効とされています。拡張はユーザーに代わってWebサイトを読み、クリックや移動まで行う機能のため、使わせるかどうかを先に決めておきましょう。Organization settings > Claude in Chrome から、事務所全体で有効・無効を切り替えることが出来ます。
メンバーの招待は、許可したメールドメインのアドレスにだけ送れる仕組みになっています。招待の有効期限は21日で、保留中の招待もシートを占有するため、使われない招待は早めに整理しておきましょう。会話データは、Primary Owner(主たる管理者)が組織データのエクスポートで取り出せるとされています。ダウンロードのリンクは届いてから24時間で切れ、削除済みの会話は含まれない点にも気をつけてください。
ChatGPTとGeminiも同じ考え方でそろえる
ChatGPTを使うならBusiness、GeminiならGoogle Workspaceの契約で使うようにそろえると、3製品とも学習に使わない側の契約になります。Workspaceでは、管理者がGeminiアプリへのアクセスを組織として有効・無効に切り替えることが出来ます。ただ、製品ごとに管理画面も請求も分かれるため、職員の入退所のたびに3か所で手続きをすることになってしまいます。手続きの漏れを防ぐために、入退所のチェック表に製品ごとの行を用意しておいてください。
会社が把握していない個人利用をどう見つけるかは、野良AI(シャドーAI)の解説でも取り上げています。
所内で配る設定チェックリスト
所内で配るときは、事務所の契約で使う場合と、やむを得ず個人向けプランを使う場合に分けて、確認項目を並べると伝わりやすくなります。
事務所の契約(Team・Business・Workspace)で使う職員向け
- 業務では事務所の契約のアカウントだけを使う個人のPro・Plus・Geminiアプリには、顧問先の情報を入れません。
- 顧問先の個人名・社名はダミーに置き換えるマイナンバー・口座番号・パスワードは入力しない決まりにします。対応表はAIに入れません。
- Claudeの評価ボタン(高評価・低評価)を押さない管理者が組織でRate chatsをオフにしていない場合は、顧問先の話をした会話では押さないようにします。
- 公開プロジェクトを作らないTeamでは既定で有効です。管理者がData and Privacyの画面でオフに出来ます。
- Claude in Chromeを使ってよいかを確認するTeamでは既定で有効です。使わせない場合は管理者が組織設定で無効にします。
- 使用クレジットの上限を決めておく(管理者)組織設定の「使用」で、組織全体とユーザーごとの月間支出制限を設定出来ます。
個人向けプラン(Pro・Plus・Geminiアプリ)を使う職員向け
- ClaudeのModel Improvementをオフにするプライバシー設定のモデル改善(Model Improvement)の項目です。許可すると保持期間は5年になります。
- ChatGPTのデータコントロールの設定をオフにするプロフィールアイコン→設定→データコントロール→「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにします。
- Geminiのアクティビティの保存をオフにするGemini アプリ アクティビティ→アクティビティの保存。オフでも72時間はアカウントに保持されます。
- 設定画面の写しを事務所に提出する確認した日付を書き添えて提出し、事務所で一覧にして保管します。
- 支払いの名義と更新日を台帳に記録する誰が何を個人で契約しているかを、事務所が把握出来る状態にします。
- 退職時に顧問先に関する会話を削除する削除した日を記録し、退職の手続きの書類とあわせて保管します。
チェックリストは、配って終わりにせず、半年に一度など日を決めて見直してみてください。各社の設定の名前や場所は変わることがあるため、一覧には確認した日付を書き添えておくと安心です。所内ルール全体の作り方は生成AIの社内ガイドラインの作り方、点検項目の全体は生成AIのセキュリティ対策チェックリストにまとめています。
製品ごとの契約と学習の設定を、事務所で1つにまとめる
UPGEAR AIは、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約・1画面で使える法人向けサービスです。全モデルで学習非利用を標準適用し、社員ごとの設定操作は不要です。職員ごとの利用ログや権限、使わせるモデルのON/OFFは事務所の管理者ダッシュボードでまとめて管理出来、データの保管とログの管理は国内サーバー(AWSの日本リージョン)で行われます。料金は月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名・スタンダード6〜20名・プレミアム21〜50名)。初期費用100,000円(税抜)が別途かかります。
UPGEAR AIの詳細を見るよくある質問
税理士事務所でClaudeを使うなら、ProとTeamのどちらを契約すればよいですか?
Claudeの無料プランでも学習をオフに出来ますか?
学習をオフにすれば、税理士法の守秘義務は守れていると言えますか?
Claude Codeを使う場合も、学習の扱いは同じですか?
職員がすでに個人のProやPlusを使っている場合、どうすればよいですか?
GeminiはGoogle Workspaceの契約で使えば、学習に使われませんか?
まとめ
税理士事務所でClaudeを使うときの契約は、職員に顧問先の資料を扱わせるなら法人向けのTeamが基本になります。個人向けのProのまま使うなら、Model Improvementの設定を職員全員分そろえ、評価ボタンの扱いまで決めておく必要があります。ChatGPTならBusiness、GeminiならGoogle Workspaceと、3製品とも同じ考え方で契約をそろえることが出来ます。
一方で、学習に使われない契約は提供元側の約束で、税理士法第38条の守秘義務の説明には、事務所の入力ルールと顧問先名のダミー化があわせて必要です。契約・設定・所内ルールの3つを、チェックリストを使って一度に見直してみてください。
税理士事務所のAI活用の全体像は税理士のAI活用ガイド、ほかのコラムはAI活用コラム一覧からご覧いただけます。
