Claudeの4モデルは仕事の重さで使い分ける

Claude の Opus と Sonnet の違いとは、Opus が複雑で長い仕事を任せる上位のモデル、Sonnet が速さと賢さの釣り合いを取った日常向けのモデルという、役割と単価の違いです。迷ったら公式の案内どおり Opus 5 から始め、量の多い日常の仕事は Sonnet 5、大量の定型処理や即答が要る仕事は Haiku 4.5、Opus 5 で足りない長時間の調査や分析だけを Fable 5.1 に回すのが基本の形です。Pro・Max・Team のようなチャットの席課金ではモデルを替えても月額は変わらず、変わるのは使用量の上限の減り方で、モデルの単価が請求に直結するのは API と Enterprise の使用量の部分です。

この記事では、2026年9月時点で Anthropic が現行モデルとして挙げている4つ(Fable 5.1・Opus 5・Sonnet 5・Haiku 4.5)を、社員10〜200名の会社が業務にどう割り当て、プランと費用で何が変わるのかという一点に絞って整理します。Claude という製品の全体像(提供会社・主な機能・個人プランのデータの扱い)は、Claudeとは?料金・ChatGPTとの違い・会社で使う前に決めることで解説しています。

※モデルの仕様・API料金・プランごとに使えるモデルは、2026年9月19日時点で Anthropic の公式ドキュメント(モデル一覧・モデルの選び方ガイド)と料金ページで確認した内容です。Claude ヘルプセンターの記載は2026年9月17〜18日に確認しました。モデルと料金は短い周期で変わるため、導入の判断の前に公式ページで最新の内容をご確認ください。

Opus・Sonnet・Haiku・Fableの役割の違い(4モデル早見表)

4つのモデルの違いは、任せられる仕事の重さと、それに比例する単価と速さの違いです。公式のモデル一覧は、Opus 5 を複雑なエージェント型のコーディングと企業の業務向け、Sonnet 5 を速さと賢さの組み合わせが最良のモデル、Haiku 4.5 を最先端に近い賢さを持つ最速のモデル、Fable 5.1 を高度な推論と長時間にわたるエージェント作業向けと説明しています(いずれも同社の説明)。4モデルとも、文字と画像の入力、多言語、ツールの利用に対応しています。

項目Fable 5.1Opus 5Sonnet 5Haiku 4.5
公式の位置づけ高度な推論・長時間のエージェント作業。Opus 5 で足りないとき複雑なエージェント型コーディングと企業の業務。迷ったらここから速さと賢さの組み合わせ最先端に近い賢さで最速
速さ(公式の相対表示)Slower(遅め)Moderate(中程度)Fast(速い)Fastest(4つの中で最速)
API単価(100万トークンあたり 入力/出力)10ドル/50ドル5ドル/25ドル2ドル/10ドル1ドル/5ドル
APIのコンテキスト長/最大出力100万/12.8万トークン100万/12.8万トークン100万/12.8万トークン20万/6.4万トークン
有料チャットで一度に扱える量100万トークン100万トークン100万トークン20万トークン
知識が確かな時点(Reliable knowledge cutoff)2026年6月2026年5月2026年1月2025年2月
思考(Thinking)適応型・常にオン適応型適応型拡張思考
APIの既定 efforthighhighhigh非対応
Claudeアプリで使えるプラン有料プラン(条件あり)Pro以上全プラン全プラン
提供終了の予定(Anthropic運用基盤)2027年9月1日より前にはならない2027年7月24日より前にはならない2027年6月30日より前にはならない2026年10月15日より前にはならない

※2026年9月19日時点で Anthropic の公式モデル一覧(platform.claude.com)と料金ページに表示されている内容です。API単価は米ドル表示で、税の扱いは請求時にご確認ください。有料チャットで扱える量は Claude ヘルプセンターの記載(2026年9月17日確認)によります。提供終了の予定は Claude API など Anthropic が運用する基盤の日付で、Amazon Bedrock・Google Cloud は各社が別に定めます。

Opus 5:迷ったときの出発点になる上位モデル

公式のモデル一覧は、どのモデルを使うか迷ったら多くの用途で Opus 5 から始めるよう案内しています。2026年7月24日の発表で、同社は Opus 5 を毎日使う前提で設計したモデルと説明し、Fable 5 に近い賢さを半分の価格で出せるとしています(同社発表)。公式ドキュメントでは、表計算の複雑な数式を含む複数シートの作成や編集、整ったスライドの作成、図表や文書の読み取り、長い文書の扱いを得意分野に挙げています。一方で、既定の回答や書き上げる成果物が以前のモデルより長くなる、と公式に注記されています。仕様の詳細はClaude Opus 5とは?料金・使えるプランと会社での注意点で解説しています。

Sonnet 5:量の多い日常業務を受け持つモデル

Sonnet 5 は2026年6月30日に発表されたモデルで、同社は Opus 4.8 に近い性能をより低い価格で出せると説明しています(同社発表)。公式の選び方ガイドでは、文章などのコンテンツ作成、データ分析、コードの生成、画像の理解、ツールを使った作業を向く用途に挙げています。API単価は Opus 5 の5分の2で、同じ量の仕事なら単価の上では2.5分の1の費用です。料金の変更の経緯や移行の注意点はClaude Sonnet 5とは?料金・Opus 5との違いと会社で使う前の注意点にまとめています。

Claude Haiku 4.5とは:大量処理と即答のための軽量モデル

Haiku 4.5 は、4つの中で応答が最も速く、単価が最も安いモデルです。公式の選び方ガイドは、即時の応答が必要な用途、大量の処理、費用を抑えたい用途、大きな仕事の一部を受け持つ補助役を Haiku 4.5 の向く用途に挙げています。ほかの3モデルと比べると、一度に扱える量が20万トークン、知識が確かな時点が2025年2月と、世代の古さがはっきり出ます。API での提供終了は早くても2026年10月15日以降と公式に示されており、業務に組み込むなら後継への移行を前提にしておく必要があります(詳しくは後述)。

Fable 5.1:Opus 5 で足りない仕事にだけ回す最上位

Fable 5.1 は2026年9月1日に公開されたモデルで、公式は数時間かかるエージェント作業、何段階もの深い調査、完成した文書・表計算・スライドまで仕上げる分析を向く用途に挙げています。同時に、多くの用途はまず Opus 5 から始め、effort を上げた Opus 5 でも足りないときに Fable 5.1 を使うよう案内しています。単価は Opus 5 の2倍で、応答も遅めです。使えるプランの条件や安全チェックの仕組みはClaude Fableとは?Fable 5.1の料金・使える席と会社で使う前に決めることで詳しく扱っています。

モデルの世代の推移:新しい下位モデルが古い上位モデルに迫る

Claude のモデルは、同じ名前の段(Opus・Sonnet・Haiku)でも世代ごとに中身が大きく変わります。公式の一覧では、Fable 5、Opus 4.8・4.7・4.6・4.5、Sonnet 4.6・4.5 が旧モデル(提供は継続)の扱いです。新しい Sonnet 5 が一つ前の Opus 4.8 に近い性能と同社が説明しているように、新しい下位モデルが古い上位モデルに迫ることがあります。Opus 4 や Sonnet 4.6 の時代に書かれた解説も多く、そこで示された性能差や価格差は現行モデルにそのまま当てはまりません。

価格の比率も変わっています。料金ページの旧モデル欄では Sonnet 4.6 が入力3ドル・出力15ドル、Opus 4.8 が入力5ドル・出力25ドルです。現行の Sonnet 5 は導入価格だった入力2ドル・出力10ドルがそのまま標準価格になり、予定されていた2026年9月1日からの値上げは行われないと公式の料金ドキュメントに記載されています。Opus 5 との比は2.5倍です。

日常はSonnet、難所だけOpusという併用は今も正しいか

併用という考え方は今も有効ですが、出発点は変わっています。旧世代を前提にした解説の多くは、日常は Sonnet、重要な案件や難しい仕事だけ Opus という結論ですが、公式のモデル一覧は現行世代では多くの用途を Opus 5 から始めるよう案内しています。どちらを基準にするかは、費用が何で決まるかによって分かれます。

  • チャットを席課金で使う場合:モデルを替えても月額は変わらないため、品質を優先して Opus 5 を基準にし、使用量の上限に余裕がなくなったら Sonnet 5 へ下ろす考え方が取りやすくなります。
  • API や使用量課金で使う場合:使った分だけ請求されるため、公式の選び方ガイドが言う組み合わせ(大半を安いモデルに任せ、難しい判断だけ上位モデルに回して、トークンの多くを安い単価で処理する)が費用に直接効きます。

公式の選び方ガイドにある2つの始め方

Anthropic のモデルの選び方ガイドは、始め方を2つ示しています。1つは効率を優先する方法で、Haiku 4.5 で作り始め、能力が足りない部分があるときだけ上位のモデルへ上げます。試作、応答の速さが求められる仕組み、費用を抑えたい用途、単純で量の多い仕事に向くとされています。もう1つは能力を優先する方法で、Opus 5 で作り、effort を下げたりモデルを下げたりして徐々に効率を上げます。effort を最大近くまで上げた Opus 5 でも足りないときに Fable 5.1 へ移ります。

モデルを替える前に試すこと:選び方ガイドには、モデルを替えるより effort(考える量の設定)を調整するほうが効くことが多い、と書かれています。Sonnet 5 の答えが物足りないときにいきなり Opus 5 へ替えるより、先に effort を上げてみる。Opus 5 で時間がかかりすぎるときは、モデルを下げる前に effort を下げてみる。この順番で試すと、使用量と品質の釣り合いを取りやすくなります。

使えるプランとモデル:無料ではOpusもFableも使えない

どのモデルを使えるかはプランで決まり、無料の Free プランでは Opus と Fable を選べません。2026年9月19日時点の料金ページの表は次のとおりです。

  • Free:Sonnet・Haiku は使える。Opus・Fable は「いいえ」
  • Pro:Opus・Sonnet・Haiku は使える。Fable は「使用クレジット」(プランの上限の外で、標準のAPIレートで支払う形)
  • Max(5x・20x):Opus・Sonnet・Haiku は使える。Fable は週の上限の50%まで
  • Team:Opus・Sonnet・Haiku は使える。Fable はプレミアムシートで週の上限の50%まで。スタンダードシートは使用クレジットを使う形
  • Enterprise:4モデルとも「はい」。ただし Claude ヘルプでは、従来の席課金型のプレミアムシートは週の上限の50%まで、スタンダードシートは組織が使用クレジットを有効にした場合、使用量課金型は標準のAPIレートでの請求と説明されています

Enterprise の「はい」は使えるという意味で、すべての席で Fable が定額に含まれるという意味ではありません。Team の人数別の年額や請求の仕組みはClaude Team の料金解説で扱っています。

社員の個人アカウントでは、既定のモデルは Sonnet 5 だった

会社がモデルを指定しなければ、個人アカウントで Claude を使っている社員の多くは、既定のモデルのまま仕事をしていると考えるのが自然です。Sonnet 5 の発表時点(2026年6月30日)では、Sonnet 5 が Free と Pro の既定モデルとされました。その後の Opus 5 の発表(2026年7月24日)では、Opus 5 が Max の新しい既定モデル、Pro で使える中で最も強いモデルと説明されています。

つまり、社員が個人の Free や Pro で使っている場合、その回答は既定のモデル(Sonnet 5 の発表時点では Sonnet 5)によるものである可能性が高く、会社が期待している上位モデルの品質とは限りません。加えて、個人プランは各自が設定をオフにしない限り会話が学習に使われうる扱いです。会社が把握していない個人アカウントの利用は野良AI(シャドーAI)の一つで、モデルの品質とデータの扱いの両方が見えないまま業務に入ります。

費用はどう変わるか:チャットの席課金とAPIの従量課金

モデルの違いが費用に出るかどうかは、使い方で正反対になります。チャットの席課金では月額は変わらず上限の減り方が変わり、API と Enterprise の使用量の部分ではモデルの単価がそのまま請求額に響きます。

チャット:モデルを替えても月額は同じ、変わるのは上限の減り方

Pro・Max・Team は1人あたりの月額料金で、モデルを Opus 5 に替えても Sonnet 5 に替えても、定額の範囲内なら請求額は同じです。料金ページ(2026年9月18日確認)の税抜表示では、Pro が年払い時の月額17ドル(月払いは20ドル)、Team のスタンダードシートが年払い時の月額20ドル(月払いは25ドル)、プレミアムシートが100ドル(月払いは125ドル)です。日本から表示すると消費税10%込みの米ドル額で表示されます。Enterprise は1シートあたり月額20ドル(年払い)に、APIレートでの使用量が加算される仕組みです。

代わりに変わるのが、使用量の上限の減り方です。料金ページのFAQによると、すべてのプランに5時間ごとに回復する使用量の上限があり、有料プランにはさらに週ごとの上限が加わります。決まったメッセージ数の上限はありません。ヘルプでは、週の上限は Opus だけの分と、それ以外のモデルの分とで、別々にリセット時期を確認できる表示になっています。上限に達したら、回復を待つ、上位プランへ移る、有料プランなら使用クレジットをオンにして標準のAPIレートで続ける、のいずれかです。

effort を上げるほど回答は丁寧になりますが、時間とトークンが増え、上限に早く届くとヘルプに書かれています。高いモデルを高い effort で使い続けると、月額は同じでも、週の途中で使えなくなる社員が出ます。

Fable は週の上限の50%まで:上限そのものは増えない

Max、Team のプレミアムシート、従来の席課金型 Enterprise のプレミアムシートでは、週の上限の50%までを追加料金なしで Fable に使えます。ただし、ヘルプはこれを上限の内側で使う枠として説明しています。Fable はプランの通常の週の上限から差し引かれ、ほかのモデルより速く上限を減らします。ほかのモデルの利用も同じ上限から引かれるため、Fable を使っても週の上限を超えて使えるわけではありません。週の上限が50%増える、という理解は誤りです。

API料金の数値比較(100万トークンあたり)

社内システムや業務ツールに Claude を組み込むときは API を使い、トークン(文章を区切った単位)の量に応じた従量課金になります。公式の料金(2026年9月19日確認・100万トークンあたり・米ドル)は、入力と出力の順に、Fable 5.1 が10ドルと50ドル、Opus 5 が5ドルと25ドル、Sonnet 5 が2ドルと10ドル、Haiku 4.5 が1ドルと5ドルです。すぐに結果が要らない処理はバッチ処理にすると入出力が50%安くなり、同じ前置きを繰り返し読ませる場合はキャッシュの読み取り単価(Opus 5 で0.50ドル、Sonnet 5 で0.20ドル、Haiku 4.5 で0.10ドル、Fable 5.1 で0.25ドル)が適用されます。

Opus 5 には、通常の2倍の料金(入力10ドル・出力50ドル)で出力速度が最大2.5倍になるファストモードがあります。公式ドキュメントでは研究段階の提供で、Claude API のみ、利用には申し込みが必要とされています。

同じ仕事を API で回したときの費用試算

単価の差が実際の金額でどのくらいになるかを、1つの例で計算します。前提は、問い合わせメールの要約を月1,000件、1件あたり入力2,000トークン・出力500トークンで処理する場合です(入力は月200万トークン、出力は月50万トークン)。

  • Haiku 4.5:入力2ドル+出力2.5ドル=月4.5ドル(約698円)
  • Sonnet 5:入力4ドル+出力5ドル=月9ドル(約1,395円)
  • Opus 5:入力10ドル+出力12.5ドル=月22.5ドル(約3,488円)
  • Fable 5.1:入力20ドル+出力25ドル=月45ドル(約6,975円)

※1ドル=155円で計算した場合の目安です(1ドル=155円は、2026年9月16日の欧州中央銀行の参照レート約155.05円を丸めた値です。税は含みません)。件数とトークン数は説明のための仮定で、実際の値は文面の長さと指示の内容で変わります。Opus 5 の公式ドキュメントにあるとおり、思考に使ったトークンは出力として課金されるため、思考が長くなるほど出力トークンは増えます。また、同じ文章でもモデルによってトークン数が変わることがあります。公式は、Sonnet 5 の新しいトークナイザーでは同じ文章が Sonnet 4.6 より約30%多いトークンになると説明しています。この試算は、4モデルで同じトークン数になったと置いた場合の比較です。

この規模なら、どのモデルでも金額そのものは大きくありません。差が効いてくるのは、件数が月数万件に増えたとき、長い文書を毎回読ませるとき、エージェントとして何往復も処理させるときです。処理量が増えるほど、どの段をどのモデルに任せるかの設計が費用を左右します。

単価だけでなく、手戻りと作業時間で費用対効果を見る

トークン単価の安さだけで選ぶと、かえって高くつくことがあります。公式の選び方ガイドは、正確さ・回答の質・例外的なケースの扱いをモデルごとに比べ、性能と費用の釣り合いを見て決めるよう勧めています。例えば、Sonnet 5 で作った規程の改定案を担当者が1時間かけて直すなら、Opus 5 で最初から直しの少ない案を得たほうが、人件費を含めた費用は下がる可能性があります。公式ドキュメントも、Opus 5 は指示されなくても自分の作業を検証すると説明しています(同社の説明)。

逆に、メールの下書きや議事録の要約のように、どのモデルでも直しがほとんど要らない仕事に上位モデルを使っても、得られる差は小さく、上限や費用だけが減ります。見るべきは1件あたりの単価ではなく、人が確認して直し終えるまでの時間を含めた1件あたりの総費用です。AI全体の費用管理の考え方は生成AIのコスト管理で解説しています。

応答速度と思考の深さ(effort)の違い

上位のモデルほど、また effort を上げるほど、回答は丁寧になる代わりに待ち時間と使用量が増えます。速さが要る仕事と深さが要る仕事を分けておくと、社員が待たされる場面を減らせます。

応答速度の差:Haiku と Sonnet は速く、Fable は遅め

公式のモデル一覧は、4モデルの相対的な速さを Fable 5.1 が Slower(遅め)、Opus 5 が Moderate(中程度)、Sonnet 5 が Fast(速い)、Haiku 4.5 が Fastest(最速)と示しています。電話対応中にその場で答えを確認したい、チャットボットで即答させたい、といった使い方では Haiku 4.5 や Sonnet 5 が向きます。Fable 5.1 のように数時間かかる作業を前提にしたモデルは、待ち時間を気にせず結果の質を求める仕事に回します。

思考の深さ(effort・思考)で品質と使用量が変わる

Claude のアプリでは、送信ボタンの横にあるモデルのメニューで、使うモデル、回答ごとにかける effort(考える量の段階)、思考(Thinking)を使うかどうかの3つを選びます。一覧にないモデルは「More models」から表示できます(Claude ヘルプ・2026年9月18日確認)。

  • Low・Medium:定型的な仕事に十分で、使用量を長持ちさせられる段階
  • High:全体の釣り合いが最もよいとされる段階
  • Extra high(xhigh)・Max:さらに時間とトークンをかける段階

ヘルプは、簡単な質問、基本的な調べもの、一般的な文章作成には、高い effort や思考は要らないと説明しています。effort のメニューは Fable 5.1・Opus 5・Sonnet 5 などで使えます。Fable 5.1 と Opus 5 は、Claude のアプリでは思考をオフにできません。Fable 5.1 の既定の effort は、Claude.ai では Medium、Claude Code では High と発表されています。Haiku 4.5 は、API では effort の設定に対応していないモデルです。

コンテキスト長:一度に読ませられる量の違い

一度に読ませられる量(コンテキスト長)は、Fable 5.1・Opus 5・Sonnet 5 が100万トークン、Haiku 4.5 が20万トークンで、長い資料を扱う仕事ではここが分かれ目になります。Claude ヘルプ(2026年9月17日確認)によると、有料プランのチャットでも Fable 5.1・Opus 5・Sonnet 5 は100万トークンを扱え、Opus 4.8・4.7・4.6 と Sonnet 4.6 は50万トークン、それ以外のモデルは20万トークンです。

公式ドキュメントは、100万トークンを現在のトークナイザーでおよそ55万5,000語(words)、または約250万文字(Unicode文字)と説明していますが、日本語での目安として示された記載ではないため、ページ数や文字数で言い切ることはできません。実務の目安としては、規程集一式や複数年分の決算資料、何本もの契約書をまとめて読ませて横断的に比べる仕事は、100万トークンを扱える3モデルに回し、Haiku 4.5 には1件ずつ区切った短い文書を渡す、という分け方が無理のない形です。

※旧世代を前提にした解説には、Opus なら100万トークンを扱えるが Sonnet は分割が必要、という記述がありますが、これは旧世代のモデルの話です。現行の Sonnet 5 は、API でも有料プランのチャットでも100万トークンを扱えると公式に記載されています。

知識カットオフ:法改正・税制の業務で気をつけること

モデルごとに知っている情報の時点が違うため、法改正や税制が絡む業務では、どのモデルでも Web 検索と出典の確認を併用するのが前提です。公式のモデル一覧が示す、知識が確かな時点(Reliable knowledge cutoff)は、Fable 5.1 が2026年6月、Opus 5 が2026年5月、Sonnet 5 が2026年1月、Haiku 4.5 が2025年2月です。

例えば Haiku 4.5 は、2025年3月以降の制度の変更を確かな知識としては持っていない前提で扱う必要があります。Sonnet 5 と Opus 5 でも数か月の差があります。社会保険料率の改定、税制改正、補助金の公募要領のように年ごとに変わる情報を扱う総務・経理の仕事では、モデルの知識に頼らず、Web 検索を有効にして公的機関の一次資料を引かせ、回答に示された出典を人が開いて確かめる運用を決めておきます。Claude のヘルプも、Claude を唯一の情報源にせず、重要な助言は慎重に確認し、示された出典を確かめるよう求めています。

業務・作業別にどのモデルを当てるか(総務・経理の割り当て例)

割り当ての基本は、量が多く正解の形が決まっている仕事ほど下位のモデルへ、判断が重く読み比べが多い仕事ほど上位のモデルへ回すことです。以下は、社員10〜200名の会社の総務・経理・情シスを想定した割り当ての例です。公式の選び方ガイドが各モデルに挙げる向く用途をもとにした想定であり、自社の資料で試して決めることをおすすめします。

  • Haiku 4.5 に回す例:大量で形の決まった処理経費明細の勘定科目の仮分類、問い合わせメールの振り分け、アンケートの自由記述の分類など。1件ずつは短く、件数が多い仕事です。知識の時点が古く提供終了の予定もあるため、制度の判断は任せず、分類や振り分けに留めます。
  • Sonnet 5 に回す例:日常の文書作業議事録の要約、社内外へのメールの下書き、社内FAQの回答案、表の集計と簡単な分析、研修資料のたたき台など。量が多く、多少の直しで済む仕事です。
  • Opus 5 に回す例:読み比べと判断が重い仕事就業規則や社内規程の改定前後の差分確認、複数の契約書の条項の読み比べ、経営会議の資料や複数シートの管理表の作成、長い報告書のレビューなど。誤りが後工程に響く仕事です。
  • Fable 5.1 に回す例:Opus 5 で足りない長時間の調査・分析複数の資料と Web 検索をまたいで何段階も調べ、報告書や表計算、スライドの形まで仕上げる仕事。使える席や上限の条件があるため、担当者を絞って使うのが現実的です。

同じ業務でも、段階によってモデルを分けられます。例えば、契約書の論点の洗い出しを Opus 5 に任せ、決まった論点に沿った取引先への連絡文の下書きは Sonnet 5 で作る、という分け方です。

コーディング・開発(Claude Code)での差

社内ツールの開発や業務の自動化で Claude Code(開発者向けのツール)を使う場合、モデルの差は作業の長さに出ます。公式の選び方ガイドは、数時間にわたって自律的に動くコーディングのエージェント、大規模な改修、複雑なシステム開発を Opus 5 の向く用途に、コードの生成を Sonnet 5 の向く用途に挙げています。Claude Code は有料プランに含まれ、Fable 5.1 の既定の effort は Claude Code では High です。Fable はどのプランでも Claude Code の既定モデルではなく、明示的に選ぶ必要があります。

注意したいのは、Fable を使用クレジットで使う場合の課金です。Claude Code の公式ドキュメントでは、対話中は課金の前に確認が表示される(組織で請求する Enterprise のメンバーには表示されない)一方、自動実行のモードや Agent SDK では確認なしで使用クレジットに課金されると説明されています。自動で動かす仕組みに Fable を指定する場合は、事前に上限の設定と担当者の承認を決めておきます。

モデルの割り当ては、管理画面のON/OFFで決める

部署ごとにモデルを割り当てても、個人契約のままでは実際にどれを使っているか見えません。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。

ベンチマークの数値より、実際に使い比べて決める

モデル選びの最終的な根拠は、公表されたベンチマークの数値ではなく、自社の実際の資料で使い比べた結果です。公式の選び方ガイドもその手順を勧めています。

ベンチマークの数値をどう読むか

各モデルの性能を示すベンチマーク(SWE-bench、Terminal-Bench、OSWorld など)について、発表記事に載っている数値は同社が実施した評価で、独立した検証を経たものではありません。発表記事の多くは、数値の表ではなく費用と性能の関係を示すグラフで比較しています。さらに、よく引用される数値の多くは Opus 4 や Sonnet 4.6 など旧世代のもので、現行モデルの比較には使えません。この記事では個別のスコアは載せず、各モデルの発表内容は各モデルの解説記事(Opus 5・Sonnet 5・Fable)で同社発表として紹介しています。

数値が高いことと、自社の業務でうまくいくことは別の話です。同社が公開した Opus 5 のシステムカードにも、確信のない答えを自信があるように述べる例が少なくなかったという記載があります。どのモデルでも、出力を人が確認する工程は省けません。

実際に使い比べて決める手順

公式の選び方ガイドは、自社の用途に合わせた評価用の課題を作り、実際のプロンプトとデータで試し、正確さ・回答の質・例外的なケースの扱いをモデルごとに比べるよう勧めています。社員10〜200名の会社なら、次の程度の小さな比較で十分です。

  1. よく使う業務を3〜5つ選び、過去の実例(個人情報や機密を除いたもの)を1業務につき5件ほど用意する
  2. 同じ指示文で Sonnet 5 と Opus 5 に処理させ、必要なら Haiku 4.5 も加える
  3. 担当者が、直しにかかった時間と、見つけた誤りの数を記録する
  4. 直しの時間の差が小さい業務は下位のモデル、差が大きい業務は上位のモデルに決める
  5. モデルの更新があったら、同じ実例で比べ直す

開発者が使い比べた所感の記事もありますが、使ったモデルの世代と業務が違えば結論も変わります。自社の実例で比べた記録は、社内ルールを決めるときの根拠としてそのまま使えます。

社内ルールとして使い分けを決める

使い分けは、個人の判断に任せず、会社のルールとして決めて共有します。決めていないと、社員は既定のモデルのまま使い続けるか、逆に何でも上位のモデルで処理して上限を使い切るかのどちらかに偏りがちです。

Enterprise は管理者がモデルと effort の上限を設定できる

Claude ヘルプ(2026年9月17日確認)によると、Enterprise プランでは、プライマリーオーナー・オーナーなどの権限を持つ管理者が、組織の設定の Models の画面で、モデルごとに使えるかどうかと、effort の上限を設定できます。ただし、Haiku は無効にできません。ヘルプはこのモデルのアクセス設定を Enterprise プランの組織向けの機能として説明しており、社員の画面で期待するモデルや effort の段階が見当たらない場合は、管理者がその社員のロールで無効にしている可能性がある、と案内しています。

こうした仕組みで制御できない環境では、使い分けは文書のルールと周知で担保することになります。ルールの作り方全体は生成AIの社内ガイドラインの作り方で解説しています。

Fable の安全チェックで Opus に自動で切り替わることがある

Fable 5.1 を使う社員には、会話の途中で別のモデルに切り替わることがあると伝えておきます。Claude ヘルプによると、Fable 5 と Fable 5.1 はすべてのリクエストに自動の安全チェックをかけ、攻撃的なサイバーセキュリティの手法や、生物学の両用途の質問などに当たると判断した場合、生物・化学・生命科学は Opus 5 に、攻撃的なサイバーセキュリティは Opus 4.8 に回します。このチェックは直前のメッセージだけでなく、メモリ、連携したサービスの内容、Web 検索の結果、ファイルなど、モデルが読むものすべてが対象で、自分が打っていない内容で止まることもあります。

自動の切り替えは既定でオンで、設定の Capabilities にある切り替えの項目でオフにできます。オフにすると、該当する場面で会話が一時停止します。入力の段階で止まった場合は Opus の料金だけがかかる、と説明されています。社員から、途中でモデルが変わった、答えが止まったという問い合わせが来たときのために、情シスで仕組みを把握しておきます。

Haiku 4.5 の提供終了予定を業務の計画に入れる

公式のモデル一覧では、Haiku 4.5 の提供終了は早くても2026年10月15日以降とされています。これは Claude API など Anthropic が運用する基盤の日付で、Amazon Bedrock・Google Cloud は各社が別に日付を定めます。Haiku 4.5 を API で社内の仕組みに組み込んでいる場合は、提供終了の告知が出てから慌てないよう、後継のモデルで同じ処理を試す日程と、モデル名を差し替える担当者を今のうちに決めておきます。

ルールに書いておく項目

  • 既定で使うモデル迷ったときにどのモデルを使うか。席課金のチャットなら Opus 5、上限が厳しい部署は Sonnet 5、のように部署ごとに決めてもかまいません。
  • 上位モデルを使う業務規程・契約・経営資料など、Opus 5 以上を使う業務の一覧。Fable 5.1 を使える担当者と、その用途。
  • effort の目安日常の文章作成は Low か Medium、判断を伴う仕事は High、のように段階の目安を決めます。
  • 制度・法令が絡む回答の扱いWeb 検索を有効にし、出典を人が開いて確認してから使う。モデルの知識の時点を前提にしない。
  • 個人アカウントの扱い業務で個人の Free・Pro を使わない。使う場合の申請の手順。
  • API で組み込んだ処理の棚卸しどの仕組みがどのモデルを使っているか、提供終了の予定日、差し替えの担当者。

Amazon Bedrock・Google Cloud経由で使う場合

Claude の4モデルは、Anthropic の Claude API のほか、Amazon Bedrock、Google Cloud、Microsoft Foundry でも提供されています。社内の仕組みにクラウド経由で組み込む場合は、同じモデル名でも、使うクラウド・リージョン・推論の方式(国内で処理するか、他の地域へ振り分けるか)の組み合わせによって、データが処理される場所が変わります。Amazon Bedrock では、モデルごとの「モデルカード」にリージョン別の対応状況が載っているので、東京(ap-northeast-1)や大阪(ap-northeast-3)で使う前に、使うモデルのカードを開いて確かめるのが確実です。

Google Cloud については、Fable 5.1 のドキュメントに東京リージョンの記載はなく、米国・欧州のマルチリージョンとグローバルのエンドポイントでの提供です。Opus 5・Sonnet 5 を使えるリージョンは、Google Cloud のモデルごとのドキュメントで事前に確認してください。データの処理場所に社内の条件がある場合は、モデル名だけでなく、使うクラウドとリージョンの組み合わせで確認する必要があります。提供終了の日付も、Bedrock と Google Cloud は各社が独自に定めています。

ChatGPT・Geminiとの比較は別の問いとして考える

Claude の中でどのモデルを使うかと、Claude・ChatGPT・Gemini のどれを使うかは、分けて考えたほうが判断が早く進みます。前者はこの記事のとおり仕事の重さと費用の問題で、後者は各サービスの得意分野、Web 検索の強さ、社内で使っているオフィスソフトとの相性、データの扱いといった別の軸の問題です。

ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexity の4つの違いと業務別の使い分けは主要4AIの違いと使い分けで、複数の生成AIを1つの契約と管理体制でまとめて使う方法はマルチAIとはで解説しています。

ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを、仕事に合わせて切り替える

UPGEAR AIは、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で切り替えて使える法人向けAI基盤です。ChatGPTで始めた会話をそのままClaudeへ引き継ぐなど会話の途中でもAIを切り替えられ、質問に応じてAIを選ぶおまかせ自動選択もあります。管理者ダッシュボードでは利用ログ・権限・使わせるAIのON/OFFを管理でき、全モデルで学習非利用を標準適用しています。月額30,000円(税抜)からで、ユーザーごとの課金はありません(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。

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よくある質問

ClaudeのOpusとSonnetは、どちらを選べばよいですか?
迷ったら Opus 5 から始めるよう公式のモデル一覧が案内しています。チャットの席課金ではモデルを替えても月額は変わらないため、品質を優先して Opus 5 を基準にし、使用量の上限が厳しくなったら Sonnet 5 に切り替える形が取りやすくなります。議事録の要約やメールの下書きのように量が多く直しの少ない仕事は Sonnet 5 で十分なことが多く、API で使う場合は単価が Opus 5 の5分の2なので費用の差がはっきり出ます。
Claude Haikuとは何ですか?
Claude Haiku は、Claude の中で応答が最も速く、単価が最も安い軽量のモデルです。現行の Haiku 4.5 は、API単価が100万トークンあたり入力1ドル・出力5ドルで、即時の応答が要る用途や大量の処理に向くと公式が説明しています。一度に扱える量は20万トークン、知識が確かな時点は2025年2月までです。API での提供終了は早くても2026年10月15日以降と示されているため、業務に組み込む場合は後継への移行を計画に入れておきます(2026年9月19日確認)。
無料プランでClaude Opusは使えますか?
使えません。2026年9月19日時点の料金ページでは、Free プランで使えるのは Sonnet と Haiku で、Opus と Fable は「いいえ」です。Opus は Pro・Max・Team・Enterprise で使えます。Fable は Pro と Team のスタンダードシートでは使用クレジット、Max と Team のプレミアムシートでは週の上限の50%までという条件つきです。
Proプランでモデルを替えると、料金は変わりますか?
定額の範囲内なら月額は変わりません。変わるのは使用量の上限の減り方で、上位のモデルや高い effort を使うほど上限に早く届きます。週の上限は Opus とそれ以外のモデルで別に表示されます。上限を超えて使用クレジットをオンにした分や、Pro で Fable を使う分は、標準のAPIレートで別に支払う形になります。
Fable 5.1は、Opus 5より常に優れているのですか?
仕事によります。公式は、多くの用途はまず Opus 5 から始め、effort を上げた Opus 5 でも足りない高度な推論や長時間の作業に Fable 5.1 を使うよう案内しています。Fable 5.1 は単価が Opus 5 の2倍で応答も遅めです。安全チェックにより会話の途中で Opus に切り替わることもあるため、日常の業務の既定にするモデルではありません。
社員が使うClaudeのモデルを、会社で制限できますか?
Enterprise プランでは、管理者が組織の設定でモデルごとに使えるかどうかと effort の上限を設定できます。ただし Haiku は無効にできません。Claude ヘルプはこの設定を Enterprise の組織向けの機能として説明しています。仕組みで制御できない場合は、既定のモデル、上位モデルを使う業務、effort の目安を社内ルールに書き、周知して運用します。

まとめ

Claude の Opus と Sonnet の違いは、任せられる仕事の重さと、単価・速さの違いです。現行の4モデルは、迷ったら Opus 5、量の多い日常の仕事は Sonnet 5、大量処理と即答は Haiku 4.5、Opus 5 で足りない長時間の調査・分析だけ Fable 5.1 という割り当てが基本になります。旧世代のモデルと旧価格を前提にした比較が多いものの、現行では Sonnet 5 の単価は Opus 5 の5分の2です。

費用の出方は使い方で正反対になります。Pro・Max・Team のチャットは席課金でモデルを替えても月額は同じで、変わるのは5時間ごとと週ごとの上限の減り方です。API と Enterprise の使用量の部分は、モデルの単価がそのまま請求に響きます。Free では Opus も Fable も使えず、個人アカウントの社員は既定の Sonnet 5 で仕事をしている可能性があります。

最後に決めるのは会社のルールです。既定のモデル、上位モデルを使う業務、effort の目安、制度が絡む回答の確認方法、Haiku 4.5 を組み込んだ仕組みの移行計画を、自社の実例で使い比べた結果をもとに文書にしておくと、モデルが更新されても判断をやり直しやすくなります。法人のAI活用に関するほかの記事はAI活用コラム一覧をご覧ください。