
Claude Enterpriseとは、Anthropicが提供するClaudeの法人向けプランのうち、Teamプランの機能に監査ログやSCIM、データ保持期間の設定などの管理・セキュリティ機能を加えた上位のプランです。料金は1シート月20ドル(税抜・年払い)のシート料金に、実際に使った分をAPIレートで払う使用量が加わる二本立てのため、シート料金だけで予算を組むと実際の支払いと合わなくなります。この記事では、公式の料金ページとヘルプ記事の記載(2026年9月17日に確認)をもとに、人数別のシート年額を円で試算し、最低20シートの考え方、セルフサービス型と営業支援型の違い、Teamから移行すると戻せない点、支出上限の組み方までを、社員10〜200名の会社の目線で整理します。
Claude Enterpriseとは|Teamの全機能に管理とセキュリティを加えた上位プラン
Claude Enterpriseは、会社が社員にClaudeを配るための法人プランのうち、Teamプランの上に位置づけられるプランです。公式ヘルプには、Teamプランのすべてに追加のセキュリティとコンプライアンスの機能を含むプランである、と記載されています。
Anthropicの法人向けプランは、現在TeamとEnterpriseの2つです。公式サイトのよくある質問によると、以前はClaude for Workという名前で呼ばれていたのが、今のTeamとEnterpriseにあたります。料金ページのEnterpriseのカードには「大規模に事業を展開する大企業向け」と書かれていますが、後で説明するとおりオンラインで申し込めるセルフサービス型は20シートから契約できるため、数十名規模の会社にとっても検討の対象になります。
1つのシートで使えるのは、ウェブ・デスクトップ・モバイルのClaudeに加えて、プログラミング支援のClaude Code、作業を任せるCoworkです。公式サイトのよくある質問では、Claude Design や、Microsoft 365・Chrome・Slackの中で使うClaudeも1シートに含まれると説明されています。料金ページの比較表では、Enterpriseのモデル欄はFable・Opus・Sonnet・Haikuのすべてが利用可能です。Teamでは、Fableはプレミアムシートで週次制限の50%までという扱いになっています。
| 観点 | Claude Enterpriseの要点(公式の記載) |
|---|---|
| 位置づけ | Teamプランの全機能+セキュリティとコンプライアンスの機能 |
| 料金 | 1シート月20ドル(税抜)を年払い+使用量をAPIレートで別途 |
| 最低シート数 | セルフサービス型20、営業支援型50(ヘルプ記事) |
| 契約期間 | 年間契約のみ |
| シートで使えるもの | ウェブ・デスクトップ・モバイルのClaude、Claude Code、Cowork など |
| 入力データの学習 | デフォルトでは学習に使わない |
※2026年9月17日時点で、claude.com の料金ページ、solutions/enterprise ページ、Anthropicのヘルプセンターに記載されている内容です。いずれも提供元であるAnthropicの記載で、第三者が検証したものではありません。
入力データは既定で学習に使われない
Enterpriseでは、社員が入力した内容とClaudeの回答は、既定ではモデルの学習に使われないと公式に記載されています。料金ページの比較表のモデルのトレーニングの行は、TeamとEnterpriseが「デフォルトではなし」、個人向けのFree・Pro・Maxが「オプトアウト」です。個人向けプランは利用者が自分で設定を切り替える必要があるのに対し、法人プランは最初から学習に使わない扱いになっている、という違いです。
ただし例外があります。Anthropicのプライバシーセンターには、高評価・低評価のボタンなどで明示的にフィードバックを送った場合は、その会話やコーディングのセッションを学習に使うことがあり、フィードバックは最長5年保存されると書かれています。TeamとEnterpriseのOwnerまたはPrimary Ownerは、Organization settings の Data and Privacy にあるチャットの評価の設定で、メンバーがフィードバックを送れないようにできます。機密情報を扱う会社は、契約直後にこの設定を確認しておくと、評価ボタンを通じて会話が学習に使われる経路を閉じられます。
Claude Enterpriseの料金体系|シート料金とAPIレートの使用量
Claude Enterpriseの料金は、人数分の固定のシート料金と、使った量に応じた使用量の2つを合計したものです。公式ヘルプには、シート料金は各メンバーのアクセスの料金であって使用量は含まれず、チームが消費したトークンはすべて標準のAPIレートで別に請求される、と記載されています。
| 項目 | 公式の記載 |
|---|---|
| シート料金 | 1シートあたり月20ドル(税抜)。請求は年払い |
| シートに含まれる使用枠 | なし。シートごとのトークンの割り当てはない |
| 使用量 | チャット、Claude Code、Coworkのすべての利用を標準APIレートで別途請求 |
| シート単位の使用制限 | なし。管理者が組織・個人の支出上限を設定できる |
| シートの追加 | 期中に追加すると、残り期間分を日割りで即時請求 |
| シートの削減 | セルフサービス型は期中に減らせない(更新時のみ) |
※2026年9月17日時点で claude.com/pricing とヘルプ記事「How am I billed for my Enterprise plan?」に記載されている内容です。料金ページの金額は税抜のドル表示です。
使用量はAPIの標準レートで計算される
使用量は、Claudeとのやり取りで処理した文字量をトークンという単位で数え、モデルごとの単価を掛けて計算します。トークンはAIが文章を処理するときの区切りの単位で、入力(社員が送った文章や添付資料)と出力(Claudeの回答)で単価が違います。
| モデル | 入力(100万トークンあたり) | 出力(100万トークンあたり) | 1ドル=155円で計算した場合(入力/出力) |
|---|---|---|---|
| Claude Fable 5.1 | 10ドル | 50ドル | 1,550円/7,750円 |
| Claude Opus 5 | 5ドル | 25ドル | 775円/3,875円 |
| Claude Sonnet 5 | 2ドル | 10ドル | 310円/1,550円 |
| Claude Haiku 4.5 | 1ドル | 5ドル | 155円/775円 |
※単価は2026年9月17日時点でAnthropicのAPI料金ドキュメントと料金ページのAPIタブに表示されている金額で、税の扱いは請求時に確認してください。円換算は1ドル=155円(欧州中央銀行の2026年9月16日の参照レート、1ユーロ=1.1537ドル・178.88円から算出した155.05円を丸めた値)で計算した場合の目安で。
同じ文章でも、どのモデルを使うかで金額は変わります。上の表のとおり、OpusはSonnetの2.5倍、FableはSonnetの5倍の単価です。公式ドキュメントには、Claude 4.7以降のモデルは新しいトークナイザーを使っており、同じ文章でも以前のトークナイザーと比べておよそ30%多くトークンが数えられるとも書かれています。さらに、推論を米国内に限定するオプションを有効にすると、Claude Opus 4.6やClaude Sonnet 4.6以降のモデルの使用量は標準APIレートの1.1倍で請求されると公式ヘルプに記載されています。
社員1人あたり月にいくら使うかの目安は、公式には示されていません。公式の消費ガイドは、チャットは消費の度合いが低い使い方、Claude CodeとCoworkは消費の度合いが高い使い方と分類し、初日から全員にClaude CodeとCoworkを使わせることが想定外の消費を生む近道だと注意しています。1人あたりの金額は会社ごとの使い方で大きく変わるため、他社の数字を借りず、試行期間の実績から見積もるのが確実です。
Claude Code・Coworkはシートに含まれるが、使用量は別に請求される
Claude CodeとCoworkは、追加の購入をしなくてもEnterpriseのシートで使えます。公式ヘルプには、新規契約とセルフサービス型のEnterpriseでは単一のEnterpriseシートにClaude Codeが含まれ、追加の購入は不要と記載されています。
一方で、Claude CodeやCoworkで消費したトークンも、チャットと同じくAPIレートで請求されます。含まれるのは使う権利であって、使った分の料金ではありません。社内説明で、Claude Codeは追加料金なしと伝えてしまうと、開発部門の使用量が月末にまとまって請求され、予算の説明がつかなくなります。なお、HIPAA対応の構成を使う組織では、Claude Codeはシートに含まれるもののHIPAA対応の対象外であると、公式ヘルプに書かれています。
最低シート数はセルフサービス20・営業支援50
Enterpriseの最低シート数は、申し込み方で変わります。公式ヘルプの比較表では、オンラインで申し込むセルフサービス型が20シート、Anthropicの営業担当を通す営業支援型が50シートです。
料金ページ本体には最低シート数の記載はなく、ヘルプ記事と solutions/enterprise ページ(年間契約が必要、最低20シート)に書かれています。料金ページだけを見て見積もると最低数を見落とすので、稟議の資料にはヘルプ記事の記載を出典として添えておくと安全です。
旧シート体系の契約は更新時に切り替わる
以前のEnterpriseには、スタンダードシートとプレミアムシート、チャット用とチャット+Claude Code用といった複数のシートがありました。公式ヘルプによると、これらの旧シートで契約している組織は、次回の契約更新で単一のEnterpriseシートと使用量課金の組み合わせに移行します。
インターネット上には旧シートの金額を前提にした解説がまだ残っています。すでに旧シートで契約している会社は、更新のタイミングで、シート料金と使用量(APIレート)を別々に払う料金体系に変わるため、予算の組み方も変わる点に注意が必要です。前年と同じ金額で予算を取ると、使用量の分が足りなくなるおそれがあります。
人数別のシート年額を円で試算する
シート料金だけで見ると、Enterpriseの年額は1シート240ドル(税抜)に人数を掛けた金額になり、20シートで年4,800ドル、50シートで年12,000ドルです。ここに使用量が加わるので、下の表はあくまで支払いの下限と考えてください。
| 利用人数 | 契約シート数 | 年額(税抜・ドル) | 年額(税込・ドル) | 円換算(税抜) | 円換算(税込) |
|---|---|---|---|---|---|
| 10名 | 20(最低数) | 4,800 | 5,280 | 744,000円 | 818,400円 |
| 20名 | 20 | 4,800 | 5,280 | 744,000円 | 818,400円 |
| 30名 | 30 | 7,200 | 7,920 | 1,116,000円 | 1,227,600円 |
| 50名 | 50 | 12,000 | 13,200 | 1,860,000円 | 2,046,000円 |
| 100名 | 100 | 24,000 | 26,400 | 3,720,000円 | 4,092,000円 |
| 150名 | 150 | 36,000 | 39,600 | 5,580,000円 | 6,138,000円 |
| 200名 | 200 | 48,000 | 52,800 | 7,440,000円 | 8,184,000円 |
※シート料金のみで、使用量は含みません。シート単価(月20ドル・税抜・年払い)は2026年9月17日時点で claude.com/pricing に表示されている金額です。税込は、2026年4月1日から日本の顧客のプラン料金に消費税10%を加えると公式ヘルプに記載があるため、税抜×1.1で計算しています。円換算は1ドル=155円で計算した場合の目安で、実際の請求はドル建てのため為替で変わります。
1シートあたりに直すと、税抜で月3,100円、税込で月3,410円です(1ドル=155円で計算した場合)。料金ページには税抜の金額と、日本から表示したときの消費税10%込みの金額があります。見積もりを比べるときはどちらの金額かを揃えてください。
予算の組み方:Enterpriseの予算は、上の表のシート年額に、使用量の見込みと為替の変動分を足した3段で組みます。使用量の見込みは公式の目安がないので、最初の1〜2か月は支出上限を低めに置いて実績を取り、その実績から年間の使用量を見積もる順番が現実的です。
社員10〜19名の会社は最低20シートの空席分も払う
セルフサービス型の最低は20シートなので、使う人が20名に満たない会社でも20シート分のシート料金がかかります。使わないシートの分は、そのまま空席の費用になります。
| 実際に使う人数 | 空席数 | 空席分の年額(税抜) | 空席分の円換算(税抜) | 実際に使う人1人あたりのシート料金(月・税抜) |
|---|---|---|---|---|
| 10名 | 10 | 2,400ドル | 372,000円 | 40.00ドル(約6,200円) |
| 12名 | 8 | 1,920ドル | 297,600円 | 33.33ドル(約5,167円) |
| 15名 | 5 | 1,200ドル | 186,000円 | 26.67ドル(約4,133円) |
| 19名 | 1 | 240ドル | 37,200円 | 21.05ドル(約3,263円) |
※20シート・年4,800ドル(税抜)を前提に、1ドル=155円で計算した場合の目安です。使用量は含みません。
10名で使う場合、シート料金は実質的に1人月40ドルとなり、表示上の1シート月20ドルの2倍です。しかもEnterpriseのシートには使用枠が含まれないので、この金額とは別に使用量がかかります。
比べる相手になるTeamは、公式ヘルプで2名から150シートまでの人数に対応し、スタンダードシートは年払いで1人月20ドル・月払いで月25ドル(米国向けの税抜の表示)と記載されています。Teamのシートには使用枠が含まれており、スタンダードシートはProプランの1セッションあたりの使用量の1.25倍と説明されています。つまり、同じ月20ドルでも、Teamは使用枠込み、Enterpriseは使用枠なしという違いがあります。Teamを人数別に円で計算した総額はClaude Teamの料金で解説しています。
Teamのままでよい会社の条件
次の条件にすべて当てはまるなら、10〜19名の会社がEnterpriseを急ぐ理由は小さいと考えられます。
- 監査ログ、SCIM、データ保持期間の設定、Compliance APIを、社内規程や取引先のセキュリティ審査で求められていない
- 社員の個人アカウントへのアクセスを、社内ネットワークの側で技術的に遮断する必要まではない
- Teamのシートに含まれる使用枠と、足りないときの使用クレジットで業務が回っている
- 請求書払いやドル以外の通貨での支払いが、社内の経理上どうしても必要というわけではない
- 向こう1年で利用人数が150名を超える見込みがない
逆に、取引先から監査ログの提出やデータ保持期間の証明を求められている場合は、空席分の費用を払ってでもEnterpriseを選ぶ理由になります。その場合の空席分は、機能を得るための固定費と割り切って稟議にかけると説明がしやすくなります。
最低20シートの契約では、社員が少ない会社ほど使わない席の分まで払うことになります。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。
セルフサービス型と営業支援型の違い
Enterpriseの申し込み方は、オンラインで直接購入するセルフサービス型と、営業担当と契約する営業支援型の2つで、支払い方法と使用量の請求の仕方が大きく違います。料金ページの比較表でも、Team、Enterprise(セルフサービス)、Enterprise(営業支援)の3列に分かれています。
| 項目 | セルフサービス型 | 営業支援型 |
|---|---|---|
| 申し込み方法 | オンラインで直接購入 | Anthropicの営業担当を通して契約 |
| 最低シート数 | 20 | 50 |
| 支払い方法 | クレジットカード、デビットカード、ACH | 銀行振込(ACH・wire)、少額の請求はクレジットカード、請求書払い |
| 通貨 | 米ドルのみ | 複数通貨に対応 |
| 使用量の請求 | クレジットを前払いで購入 | 月ごとの後払い(請求書) |
| HIPAA対応とBAA | 利用可能 | 利用可能 |
| AWS Marketplace | 料金ページの比較表では対象外 | 対象 |
| パートナーシップ | ― | 相談、コミット額に応じた段階的なインセンティブ、トライアル、一定の支出額以上でのカスタマーサクセス支援 |
※2026年9月17日時点で、ヘルプ記事「What is the Enterprise plan?」「How am I billed for my Enterprise plan?」と claude.com/pricing の比較表に記載されている内容です。ACHは米国の銀行間の決済の仕組みです。営業支援型のインセンティブやトライアルの具体的な条件は公式ページに記載がありません。
公式ヘルプは、請求書払い、専任のカスタマーサクセス、米ドル以外の通貨での支払いが必要な場合は営業チームに連絡するよう案内しています。セルフサービス型の申し込み先は claude.ai/create/enterprise で、ACHで支払う場合は入金が確認されるまでプランは有効にならず、入金には最長5営業日かかると記載されています。
セルフサービス型の運用上の注意点
セルフサービス型は申し込みが簡単な反面、使用量が前払いのクレジット方式であることから、運用の設計を誤ると会社全体のClaudeが止まります。公式ヘルプの記載から、特に押さえておきたい点は次の4つです。
- クレジットは組織全体で共有し、残高がゼロになると全員が止まる。クレジットはメンバーごとに分かれておらず、残高がなくなると、Ownerが追加で購入するまで組織全体の利用が止まると記載されています。
- クレジットを買えるのは限られた権限の人だけ。購入できるのは Owner、Primary Owner、または請求の権限が「Can manage」のカスタムロールです。担当者が休暇中に残高が尽きると、その間は誰も使えません。権限を持つ人を複数置くか、残高の通知を複数人で受ける体制にしておくと安心です。
- 支出上限に達すると、クレジットの残高に関係なくそれ以上は使えない。組織や個人に設定した支出上限は、クレジットの残高とは別の天井として働きます。ユーザーは個人の上限と組織の上限の低いほうを超えて使えません。
- 契約期間の途中でシートを減らせない。退職や異動で使う人が減っても、セルフサービス型ではシートを減らせるのは更新時だけです。反対にシートを追加すると、残り期間分の料金がその場で日割りで請求されます。最初の契約シート数は、年内に確実に使う人数で決めるのが無難です。
営業支援型の請求条件
営業支援型は、使用量を月ごとに後払いで請求書により精算する形です。公式ヘルプには、支払いは銀行振込(ACHまたはwire)、少額の請求であればクレジットカードでもよく、5万ドル以上の請求書は銀行振込でしか支払えないと記載されています。
後払いなので、残高切れで組織全体が止まる心配はありません。その代わり、支出上限を設定しない限り使った分はそのまま請求されます。公式ヘルプも、上限がほしい場合は支出上限を設定するよう案内しており、上限に達した場合は次の請求期間が始まるかOwnerが上限を引き上げるまで利用が止まると説明しています。Ownerは上限を無制限にもできますが、その場合も消費した分は請求され、使用量の課金そのものを無効にはできないと記載されています。
AWS Marketplace経由の購入
Claude Enterpriseは、AWS Marketplaceからも購入できると公式ヘルプに記載されています。料金ページの比較表では、AWS Marketplaceでの提供は営業支援型の列だけが対象になっています。請求のヘルプ記事によると、AWS Marketplace経由の場合、使用量は営業支援型と同じく月ごとの後払いで請求されます。
すでにAWSを使っている会社にとっては、AWSの請求にまとめられる点が検討の材料になります。国内の販売代理店の中には、AWS Marketplaceからの購入手続きの支援をサービスとして掲載している会社もあります。条件は代理店ごとに違うため、見積もりの段階で、シート単価、使用量の単価、請求の通貨を書面で確認してください。
Enterpriseで加わる管理・セキュリティ機能
Enterpriseを選ぶ理由の中心は、Teamにはない管理とセキュリティの機能です。料金ページの比較表で、Teamが対象外、Enterpriseが対象になっている行と、ヘルプ記事でEnterprise向けと書かれている機能を整理すると次のとおりです。
| 機能 | 何ができるか(公式の説明の要約) |
|---|---|
| SCIM | 社内のID管理の仕組みと連携し、アカウントの作成・削除を自動化する |
| 監査ログ | ユーザーの操作、システムのイベント、データへのアクセスの記録を書き出す |
| Compliance API | 操作の記録、チャットのデータ、ファイルの内容をプログラムから取得する |
| データ保持期間の設定 | チャットやプロジェクトを保存しておく期間を組織で決める |
| ロールベースのアクセス制御 | 役割ごとに細かく権限を割り当てる(料金ページの比較表ではTeamは対象外) |
| ドメインキャプチャ | 自社ドメインのメールで作られたアカウントを組織に取り込む |
| IP許可リスト・ネットワーク単位のアクセス制御 | 許可したIPアドレスからだけ使えるようにする |
| 暗号鍵の自社管理(CMEK) | 自社のクラウドで管理する暗号鍵を使う(対象となる組織のみ) |
| HIPAA対応の構成 | 対象となる組織は、HIPAA対応の構成を有効にしBAAを結べる |
| グループ単位の支出上限 | 部署などのグループごとに1人あたりの上限を共有させる |
| 米国内での推論 | 推論を米国内に限定する(使用量は1.1倍) |
| Claude Security(ベータ)ほか | 料金ページの比較表ではInference hooksなどもEnterpriseのみ |
※2026年9月17日時点で claude.com/pricing と各ヘルプ記事に記載されている内容です。SSO、ドメイン認証、利用状況の分析、組織と個人の支出上限、コネクタの管理は、料金ページの比較表ではTeamにも含まれています。
見落としやすいのは、SSO(会社のアカウントでまとめてログインする仕組み)はTeamでも使えるという点です。SSOだけが目的であれば、Enterpriseに上げる理由にはなりません。Enterpriseにしかないのは、アカウントの自動管理、記録の取得、データの保存期間、ネットワークの制限といった、監査や情報管理の規程に対応するための機能です。solutions/enterprise ページでは、SOC 2、ISO 27001、GDPR、CCPAへの準拠も掲げられていますが、これはAnthropic自身の記載です。
監査ログとCompliance API
監査ログはEnterpriseの組織だけが使える機能で、OwnerまたはPrimary Ownerが Organization settings の Data and Privacy から書き出せると公式ヘルプに記載されています。書き出しを実行すると、過去180日間の組織の監査ログがまとめられ、ダウンロードリンクは24時間有効です。記録される項目には、日時、操作した人、イベントの種類、IPアドレス、端末の識別子などがあります。
注意したいのは、監査ログにはチャットやプロジェクトのタイトルと本文が含まれず、識別子だけが出力されるという点です。誰が何を入力したかまで確認したい場合は、Compliance APIを使います。Compliance APIは、操作の記録、チャットのデータ、ファイルの内容をプログラムから取得できる仕組みで、Enterprise(公共部門の組織を除く)向けです。対象にはCoworkやClaude Code(CLIとデスクトップ版)も含まれますが、ウェブ版のClaude Codeなどは対象外と記載されています。有効にできるのは組織のPrimary Ownerだけです。
なお、180日は1回の書き出しでまとめられる範囲の記載であり、ログそのものの保存期間は公式ヘルプに明記されていません。社内規程でログの保存年数が決まっている会社は、定期的に書き出して自社で保管する運用を組んでおくと確実です。
データ保持期間の設定
カスタムのデータ保持はEnterpriseの機能で、OwnerまたはPrimary Ownerが Organization settings の Data and Privacy で設定すると公式ヘルプに記載されています。設定しない場合、データは無期限に保持されます。
保持期間の最短は30日で、1か月は30日として数えます。チャットは最後のメッセージから、プロジェクトは最後の更新から数え、期間を過ぎたデータは完全に削除され復元できないと書かれています。一方で、Claude Design、Claude Tag、Claude Managed Agents、ウェブ版のClaude Codeを土台にした機能などには、この保持期間の設定が適用されないと明記されています。保持期間を規程に書くときは、対象外の機能があることも併記しておく必要があります。
IP許可リストとテナント制限
IP許可リストはEnterpriseプランだけの機能で、管理画面から設定するのではなく、Anthropicの担当窓口またはサポートにCIDR形式のIPアドレスの範囲を伝えて設定すると公式ヘルプに記載されています。社外や個人の端末からのアクセスを防ぎたい会社に向く機能です。
もう1つ、社員の個人アカウントへの対策として使えるのがテナント制限です。公式ヘルプによると、社内のプロキシが通信に許可する組織のIDを付け、許可していない組織、たとえば社員が個人で作ったClaudeのアカウントへのアクセスを遮断する仕組みで、Enterpriseのメンバーが対象です。前提としてTLSインスペクション(暗号化された通信の中身を社内の機器で確認する設定)が必要で、対応例としてCloudflare Zero TrustやZscalerなどの製品名が挙がっています。会社の許可なく個人のAIアカウントが業務に使われる状態、いわゆる野良AIを技術的に防ぐ手段になりますが、ネットワーク機器の設定を伴うため、情シスの体制がある会社向けです。
暗号鍵の自社管理(CMEK)
CMEKは、Anthropicではなく自社が管理する暗号鍵でデータを暗号化する仕組みです。公式ヘルプには、Enterpriseプランの対象となる組織とClaude Platformで利用でき、自社のAWS KMS、Google Cloud KMS、Azure Key Vaultで鍵を用意すると記載されています。
ただし、どの組織が対象になるかの条件はヘルプに書かれていないため、Enterpriseなら誰でも使える機能とは言えません。必要な会社は契約前に営業担当へ確認してください。また、CMEKを使う組織では監査ログの書き出しボタンが使えず、Compliance APIで取得する形になるとされています。
HIPAA対応(BAA)
HIPAAは米国の医療情報の保護に関する法律で、BAAはその下で医療情報を扱う事業者と結ぶ契約です。公式ヘルプによると、対象となる組織はHIPAA対応の構成を有効にしてBAAを結ぶことができ、ヘルプの比較表ではセルフサービス型と営業支援型のどちらでも利用可能とされています。
日本の会社で直接関係するのは、主に米国の医療関連の取引がある場合です。前述のとおり、HIPAA対応の構成でもClaude Codeはその対象外である点に注意が必要です。
コネクタ連携(Microsoft 365・Slack・Chromeなど)
コネクタは、Claudeを社内で使っている他のツールとつなぐ仕組みです。solutions/enterprise ページのよくある質問では、1つのシートで、Microsoft 365、Chrome、Slackといった普段使っているツールの中でもClaudeを使えると説明されています。
料金ページの比較表では、リモートとローカルのコネクタを管理者が制御する機能はTeamとEnterpriseの両方に含まれています。コネクタは便利な一方で、社内の文書やメッセージをClaudeから参照できるようにする機能です。どのコネクタを許可するかは、情報の重要度に応じて管理者が決め、全社に一斉に開放しない進め方が安全です。
TeamとEnterpriseの違いと選び方
TeamとEnterpriseの違いは、機能の差よりも先に、料金の仕組みの差として理解すると判断を誤りません。Teamは使用枠を含んだ定額のシート、Enterpriseは使用枠を含まないシートに使った分の料金を足す形です。
| 比べる点 | Team | Enterprise |
|---|---|---|
| 対応する人数 | 2〜150名 | 20シートから(営業支援型は50シートから) |
| シートに含まれる使用枠 | あり(週次の制限あり)。超えたら使用クレジット | なし。すべての利用をAPIレートで課金 |
| シート単位の使用制限 | あり | なし(支出上限で管理) |
| 支払いの周期 | 月払いと年払い | 年払いのみ |
| 請求書払い | 対象外 | 営業支援型のみ |
| 監査ログ・SCIM・データ保持・Compliance API | 対象外 | 対象 |
※2026年9月17日時点で claude.com/pricing の比較表とヘルプ記事に記載されている内容です。Teamの機能の詳しい比較はClaude Teamの料金、個人向けプランを含めた全体像はClaudeの料金で解説しています。
料金の仕組みの違いは、社内の使い方の偏りによって効き方が変わります。Enterpriseでは、ほとんど使わない社員のシートには使用量がほぼかかりません。反対に、毎日長い資料を読ませる社員やClaude Codeを使う社員の使用量は、支出上限を置かなければ積み上がっていきます。Teamはシートの枠の中で使い、週次の制限に達したら待つか使用クレジットで続けるので、費用の予測はしやすい一方、ヘビーな使い方の社員は制限に当たりやすくなります。
社員10〜200名の会社が、人数と要件の2つの軸で考える場合の目安は次のとおりです。
| 使う人数 | 監査ログ・SCIMなどの管理要件がない | 管理要件がある |
|---|---|---|
| 2〜19名 | Team | Enterpriseのセルフサービス型(20シート分を払う前提で検討) |
| 20〜49名 | Team。グループ単位の支出上限が必要ならEnterpriseと比較 | Enterpriseのセルフサービス型 |
| 50〜150名 | Team、または請求書払いや米ドル以外の通貨での支払いが必要なら営業支援型を相談 | Enterprise。請求書払いや米ドル以外の通貨が必要なら営業支援型 |
| 151名以上 | Teamは150シートまでのため、Enterpriseを検討(公式ヘルプでは150シートを超える場合はEnterpriseへのアップグレードを案内) | |
表はあくまで判断の入口です。最終的には、取引先や社内規程から求められている管理の要件を先に書き出し、それがTeamで満たせるかどうかを確かめる順番で決めると、機能の多さに引っ張られずに済みます。
TeamからEnterpriseへ移行すると元に戻せない
TeamからEnterpriseへのセルフサービスでの移行は、実行すると元に戻せません。公式ヘルプ「Migrate your organization from Team to Enterprise」には、この経路での移行は元に戻せないと明記されています。
公式ヘルプは、メンバーと役割、会話、プロジェクトを引き継ぐために、新しい組織を作るのではなく同じTeamの組織のままアップグレードの手順を踏むことを勧めています。セルフサービスの手順は、claude.ai/upgrade から Enterpriseプランを選び、既存の組織のアップグレードを選ぶ流れです。手続きの中で、1人あたりの支出上限と、チーム全体で最初に購入する使用量の残高を設定します。移行時の支払いはクレジットカードのみで、後からACHなどに変更できると記載されています。Teamで購入していた使用クレジットの残りは引き継がれます。
移行後に既定でオフになる機能がある点にも注意が必要です。公式ヘルプには次の機能が挙げられています。
- Skills(作成と共有を含む)
- コードの実行とファイルの作成
- Claude Design、Claude Slides、Claude Docs
- 単体のClaude Design
- Claude in Chrome
Teamでこれらを業務に使っていた部署は、移行した直後から、管理者が有効にし直すまで同じ操作ができなくなります(作成済みの内容は有効化で戻ると記載されています)。移行の前に、管理者が有効にし直す機能と、その判断をする人を決めておくと混乱を防げます。営業支援型で移行する場合は、営業担当と切り替えの日程を決め、切り替えの際に短時間使えなくなると記載されています。
移行前に決めておくこと:元に戻せない以上、移行は試行ではなく本番の判断です。移行前に、20シート以上を1年払い続ける人数がいるか、1人あたりの支出上限と最初の残高をいくらにするか、既定でオフになる機能をどうするか、の3点を社内で決めてから手続きに入ってください。
支出上限の設計|組織・グループ・個人の3段階
Enterpriseの使用量を管理する中心の手段は支出上限で、組織全体、グループ、個人の3段階で設定できます。組織と個人の上限はセルフサービス型と営業支援型の両方で使え、設定場所は Organization settings の Usage と公式ヘルプに記載されています。
3段階の上限には、公式の消費ガイドに書かれた優先順位があります。
- 個人の上限は、グループの上限より高くても低くても、常に優先される
- 組織全体の上限は、全員に共通する最後の天井として働く
- どこにも上限を設定しなければ、上限はない
グループとグループ単位の支出上限はEnterpriseの機能で、1つの組織に最大100のグループを作れ、グループの全員が同じ1人あたりの上限を共有します。SCIMで同期したグループにも設定できると記載されています。消費ガイドは、組織全体の上限に達すると全員が同時に影響を受けるため、グループや個人の単位から始めることを勧めています。
社員数十名の会社で、部署をそのままグループにした場合の組み方の例を示します。金額は会社の使い方で変わるため、ここでは考え方だけを示します。
| グループの例 | 主な使い方 | 上限の考え方 |
|---|---|---|
| 経理・総務 | チャットでの文書の要約、規程の確認、メールの下書き | チャット中心で消費の度合いが低い。低めのグループ上限から始める |
| 営業 | 提案書の下書き、取引先の下調べ、議事録の整理 | 長い資料を読ませる人が出やすい。グループ上限は中程度にし、よく使う人は実績を見て個人上限で引き上げる |
| 情シス・開発 | Claude Codeでのプログラム作成や修正 | 消費の度合いが高い使い方。試す人を数名に絞った別グループにし、個人上限で1人ずつ管理する |
| 全社 | ― | 各グループの上限の合計に余裕を足した値を、最後の天井として置く |
※グループの分け方は例です。公式の消費ガイドは、Claude CodeとCoworkは消費の度合いが高く、初日から全員に使わせることが想定外の消費につながると説明しています。
設定した後は、Organization settings の Usage でメンバーごとの当月の支出を確認でき、上限に近づいたときに通知が届くと公式ヘルプに記載されています。最初の月は上限を低めに置き、上限に当たった人と理由を確認してから引き上げる、という順番で進めると、使い方の実態に合った上限に落ち着きます。セルフサービス型では、支出上限とは別にクレジットの残高も天井になるため、残高の補充の担当者も同時に決めておきます。生成AIの費用管理の全体的な考え方は生成AIのコスト管理で解説しています。
日本企業の論点|通貨・請求書払い・消費税・販売パートナー
日本の会社がEnterpriseを契約するときに確認が必要なのは、請求の通貨、請求書払いの可否、消費税、購入の窓口の4点です。公式の記載で確認できることと、確認できないことを分けて整理します。
| 論点 | 公式の記載で確認できること | 契約前に確認したいこと |
|---|---|---|
| 通貨 | セルフサービス型は米ドルのみ。営業支援型は複数通貨に対応 | 円での請求ができるかは公式ページで明記されていないため、営業担当に確認 |
| 請求書払い | 営業支援型のみ。5万ドル以上の請求は銀行振込のみ | 社内の支払いサイトに合うか |
| 消費税 | 2026年4月1日から、日本の顧客のプラン料金に消費税10%を加算 | 使用量の請求に対する消費税の表示 |
| 購入の窓口 | オンライン、営業担当、AWS Marketplace(営業支援型) | 国内の販売代理店を通す場合の価格と支援の範囲 |
消費税と適格請求書
公式ヘルプによると、Anthropicは2026年4月1日から日本の消費税10%を別に課しており、プランの料金に10%が加わります。Anthropicは適格請求書発行事業者として登録済みで、登録は国税庁の公表サイトで確認できると記載されています。請求の通貨は変わらず、消費税の額は適格請求書に日本円で表示され、消費税の課税事業者である法人は仕入税額控除を受けられるとされています。
経理の立場では、請求はドル建てで、消費税額だけが円で表示される形になる点を押さえておくと、支払いの処理と記帳の手順を事前に決められます。
国内の販売パートナー経由の購入
国内には、Claude Enterpriseの販売と導入支援を掲載している代理店があります。たとえばNHN テコラスのページには、12か月契約で年4,800ドル(最小20シート)に使用量ベースの追加料金、追加シートは日額で残り期間分を請求、と掲載されています。これはシート単価の月20ドル×20シート×12か月と同じ金額です。同社は、SSO・SCIM・監査ログなどの初期設定、役割ベースのアクセス制御の構成、AWS Marketplaceからの購入手続きの支援などをオプションとして掲げています。
代理店を通すと、初期設定やAWS Marketplaceでの購入手続きの支援を受けられる場合があります。一方、支援の費用やシート単価の扱いは代理店ごとに違うため、Anthropicと直接契約する場合と、同じ条件で比べてから決めてください。
※NHN テコラスの料金は、2026年9月17日時点で同社のClaude Enterprise販売ページに掲載されている内容です。
導入の進め方と定着のための運用ルール
Enterpriseの導入は、契約よりも前に、誰にどの使い方を許すかと、いくらまで使ってよいかを決めることから始めると失敗が少なくなります。使用量が青天井になりうる料金体系なので、定額のツールと同じ感覚で全社に一斉に配るのは避けたほうが安全です。
- 目的と対象の部署を決める。文書の作成、調べもの、開発など、何に使うかを部署ごとに書き出します。
- 今の利用実態を把握する。社員が個人アカウントでAIを使っていないかを確認し、会社として置き換える範囲を決めます。
- TeamかEnterpriseかを決める。前の節の表で、人数と管理の要件から判断します。
- 支出上限とグループを設計する。部署ごとのグループ、個人の上限、全社の天井を決めます。
- ログインとアカウント管理を整える。SSO、ドメインの認証、SCIMによるアカウントの自動作成と削除を設定します。
- データの設定を確認する。チャットの評価の設定、データ保持期間、許可するコネクタを決めます。
- 一部の部署で試す。チャット中心の部署から始め、Claude Codeは試す人を絞ります。
- 1か月後に見直す。メンバーごとの支出、上限に当たった人、使われていないシートを確認し、上限と配布の範囲を調整します。
定着のためには、社内ルールを短くまとめて配ることも欠かせません。入力してはいけない情報、回答をそのまま社外に出さず人が確認すること、評価ボタンの扱い、困ったときの相談先の4つは、最低限決めておきたい項目です。ルール文書の作り方は生成AIの社内ガイドラインの作り方、導入前の確認項目は生成AIのセキュリティチェックリストにまとめています。
公式サイトに掲載された導入事例の読み方
solutions/enterprise ページには、顧客の声として効果の数字が掲載されています。たとえばSlackは平均的なユーザーが週97分を節約、Moody's はエージェントにより与信メモの準備時間が40時間から2分に、といった内容です。いずれも同社サイトに掲載された顧客の自己申告の数字で、第三者が検証したものではありません。
もう1つ注意したいのは、これらの事例の製品の欄の多くがClaude Platform、つまりAPIを使った開発の事例になっている点です。社員にチャットのシートを配るEnterpriseプランの導入効果とは、そのまま同じには扱えません。稟議で事例を引用する場合は、どの製品の事例かを添えて使うと、社内の期待値を適切に保てます。
会社で安全に使うには
Claude Enterpriseを契約しても、会社としての安全な使い方が自動的に整うわけではありません。機能を使うかどうかを決め、社員に伝え、見直す運用が必要です。確認しておきたい観点を5つに分けて整理します。
| 観点 | Claude Enterpriseで使える仕組み | 会社側で決めること |
|---|---|---|
| 学習させない設定 | 既定で学習に使わない。評価ボタンの無効化 | 評価ボタンを使わせるかどうか |
| ログ管理 | 監査ログ、Compliance API | ログを誰が、どの頻度で、何年保管するか |
| 社員への配布 | SSO、SCIM、ドメインキャプチャ、テナント制限 | 誰にシートを配り、退職時にいつ止めるか |
| 複数AIの使い分け | Claudeのモデルの中での切り替え | ChatGPTやGeminiも使う場合の契約と管理の分け方 |
| 支出上限 | 組織・グループ・個人の上限、通知 | 部署ごとの上限と、上限に当たったときの手続き |
このうち見落とされやすいのが、複数AIの使い分けです。Claude Enterpriseで管理できるのはClaudeの利用だけなので、調べものはPerplexity、表計算の相談はChatGPTというように社内で複数のAIが使われている場合、それぞれに法人契約と管理画面が必要になります。サービスごとに学習の設定、ログの取り方、上限の考え方が違うため、管理する側の負担はサービスの数だけ増えます。用途ごとのAIの向き不向きは主要4AIの違いと使い分け、複数のAIを1つの環境で使う考え方はマルチAIとはで解説しています。
また、Enterpriseの部門別の管理機能は、グループの設計、ID管理との連携、ネットワークの設定など、情シスの担当者がいて初めて使いこなせるものが中心です。担当者が兼務の会社では、機能の多さよりも、管理画面で利用状況を確かめられることと、費用の上限がはっきりしていることを優先して選ぶほうが、運用が続きやすくなります。法人向けの生成AIサービスを料金で横並びにした比較は法人向け生成AIの料金比較にまとめています。
部署ごとの管理より、まず会社として使える環境を
UPGEAR AIは、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で切り替えて使える法人向けAI基盤です。全モデルで学習非利用を標準適用し、管理画面ではUPGEAR AI上の誰が・いつ・どのAIを・どう使ったかを一覧で確認でき、特定のAIモデルの利用禁止や管理者のみの利用への制限も設定できます。UPGEAR AIの料金は月額30,000円(税抜)からで、ユーザーごとの課金はありません(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。利用量は、上限に近づくと、管理者宛に複数回メールでお知らせします。上限に達した時点で利用を停止する安全設計のため、知らないうちに超過して追加の請求が発生することはありません。
UPGEAR AIの詳細を見るよくある質問
Claude Enterpriseの料金はいくらですか?
社員が20人未満でもClaude Enterpriseを契約できますか?
Claude Enterpriseで入力したデータは学習に使われますか?
Claude CodeはClaude Enterpriseの料金に含まれていますか?
TeamからEnterpriseに移行した後、Teamに戻せますか?
Claude Enterpriseは円建てや請求書払いに対応していますか?
Claude Enterpriseの使用量が想定を超えないようにするにはどうすればよいですか?
まとめ
Claude Enterpriseは、Teamプランの機能に、監査ログ、SCIM、データ保持期間の設定、Compliance API、IP許可リストなどの管理とセキュリティの機能を加えた法人プランです。料金は1シート月20ドル(税抜)の年払いに、APIレートの使用量が加わる二本立てで、シートには使用枠が含まれません。
シート料金だけでも、20シートで年4,800ドル、50シートで年12,000ドル(税抜)かかり、1ドル=155円で計算した場合の税込はそれぞれ818,400円、2,046,000円です。セルフサービス型の最低は20シートなので、10〜19名の会社は空席分も払うことになり、監査やデータ管理の要件がなければTeamのままで足りる場合があります。
契約の前には、セルフサービス型ではクレジットの残高がゼロになると組織全体が止まり、期中にシートを減らせないこと、TeamからEnterpriseへの移行は元に戻せないこと、使用量の目安は公式に示されていないことを押さえておいてください。そのうえで、支出上限を組織、グループ、個人の3段階で設計し、試行の実績から予算を固める順番で進めると、費用と管理の両方で見通しが立ちます。
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