
Perplexity(パープレキシティ)とは、質問するたびにWebを検索し、根拠にした情報源を引用として示しながら答えるAI検索エンジンです。調べものの入口として便利な一方、会社で使うなら、個人向けプランの学習設定と利用規約を先に確認しておく必要があります。この記事では、仕組みとできること、ChatGPTや従来の検索エンジンとの違い、始め方と料金を整理したうえで、社員が業務で使う前に会社として決めておきたいことまでを解説します。
※機能・プラン・データの扱い・規約は、2026年9月16日〜17日に公式ヘルプ、日本語版利用規約、各社の発表で確認した内容です(英語のヘルプは要旨を紹介)。導入の判断前に最新の内容をご確認ください。
Perplexityとは|出典付きで答えるAI検索エンジン
Perplexityは、Webの検索結果をもとに回答を文章でまとめ、根拠にしたページを引用として添えるAI検索エンジンです。公式ヘルプ「What is Perplexity?」(2026年9月3日更新)は自らをAIを活用した検索エンジンと説明し、回答ごとに引用と元の情報源へのリンクを含めること、質問した時点でWebからリアルタイムに情報を集めることを特徴に挙げています。
回答の文章を組み立てるのは、大規模言語モデル(大量の文章から学習し、文章を生成するAI)です。同じヘルプには、OpenAIのGPTモデルやAnthropicのClaudeなど外部のモデルを組み込み、利用者が選べるとも書かれています。検索エンジンと生成AIを1つの画面にまとめたサービスと捉えると分かりやすいでしょう。
検索の種類として、ヘルプは通常の検索、より多くの情報源を調べるPro Search、長い調査レポートを作るDeep Research(画面上のモード名はResearch)、ファイルやアプリを作る機能を挙げています。
読み方はパープレキシティ
日本語では「パープレキシティ」と読みます。ソフトバンクのプレスリリース(2024年6月17日)でも、Perplexity(パープレキシティ)と読みを添えて表記されています。Google Playの日本語表示ではアプリ名が「パープレ - なんでも相談できるAI」となっています。
開発会社・創業者と、これまでの歩み
運営しているのは、米国サンフランシスコに所在地を置くPerplexity AI, Inc.です(日本語版利用規約の記載)。同社の公式ブログ(2023年3月28日)によると、創業は2022年8月で、同年12月に回答エンジンAskを公開し、2023年3月28日にiPhoneアプリの提供を始めています。
CEOはAravind Srinivas氏です(同社ブログ、2024年7月30日の記事の表記)。法人向けのページでは、5万を超える組織がPerplexity Enterpriseを利用していると掲げていますが、これは同社の発表で、第三者が確認した数字ではありません(2026年9月16日時点の表示)。
ソフトバンクとの提携
国内では、ソフトバンクが2024年6月17日にPerplexityとの戦略的提携を発表しました。同社のプレスリリースによると、ソフトバンク・ワイモバイル・LINEMOの3ブランドの利用者を対象に、有料版のPerplexity Proを1年間無料で試せるトライアルの申し込み受け付けを、2024年6月19日に始めるという内容です。
会社が契約していなくても、こうした特典などで社員が個人の有料アカウントを持っている可能性はあります。後の章で扱う個人向けプランの学習設定と規約は、会社としても確認しておきたい点です。
※トライアルの現在の受け付け状況と条件は、ソフトバンクの最新の案内でご確認ください。
従来の検索エンジンやChatGPTとの違い
違いは、検索と会話のどちらを中心に据えて作られているかにあります。
従来の検索エンジンとの違い
Perplexityの公式ヘルプ(2026年9月3日更新)は、リンクの一覧から探させる従来の検索エンジンと違い、必要な情報を1か所にまとめて示すと説明しています。日本語の公式ブログ(2024年10月1日)も、リンクではなく回答を直接示すこと、会話のように追加の質問を続けられること、回答にクリックできる引用元が付くことを違いとして挙げています。
情報の取捨選択を人ではなくAIが行うため、手間が減る代わりに、AIが選ばなかった情報は回答に出てきません。どのページのどの部分が使われたかを出典で確かめる作業は、利用者に残ります。検索エンジンの置き換えというより、全体像をつかみ、読むべき一次資料を絞り込む道具と考えると使いどころを誤りにくくなります。
ChatGPTとの違い
ChatGPTもWebを検索して答えられるため、検索の有無では両者を区別できません。OpenAIのヘルプ「ChatGPT でウェブを検索する」によると、ウェブ検索は無料版を含む各プランで利用でき、最新情報が役立つ場合には自動で、ツールメニューから検索を選べば手動で検索し、情報源へのリンクを使って回答します。
両者の違いは、作りの出発点です。Perplexityは質問のたびにWebから情報を集め、回答ごとに引用を付けることを基本の動作にしています。ChatGPTは文章の作成や相談を含む会話全般のAIで、Web検索はその中で使う機能の1つという位置づけです。また、Perplexityの有料版では、OpenAI・Anthropic・Googleなど複数社のモデルを1つのサービスの中で切り替えられます。
実務では、出典を確かめながら事実を集める工程はPerplexity、集めた材料から文章や企画を練る工程はChatGPTというように、工程で分ける方法が考えられます。どちらの回答にも誤りが含まれうる点は同じで、OpenAIのヘルプも、検索結果や引用が不完全・古い・誤っている場合があるとして、引用元を開いて確認するよう求めています。主要なAIの得意分野の違いは主要4AIの違いと使い分けで整理しています。
Perplexityでできること
中心になる機能は、最新情報の検索と、出典付きの要約です。
リアルタイムのWeb検索で最新情報に答える
Perplexityは、質問を受けた時点でWebを検索し、その結果をもとに回答します。学習済みの知識だけで答えるのではないため、制度変更や製品の更新など動きの速い話題に向いています。Pro Searchのヘルプ(2026年9月3日更新)によると、Pro Searchは記事、学術論文、フォーラム、動画などを対象にWeb上で複数回の検索を行います。比較表では、通常の検索が1〜2件の情報源、Pro Searchが数十件の情報源を調べるとされています。
回答に出典(情報源)が付く
回答には引用が付き、根拠にしたページへのリンクをたどれます。Perplexity Proのヘルプでは、有料版では回答あたりの引用が10倍になると案内されています。1つの会話(セッション)には、最初の質問、追加の質問、回答、使われた情報源がまとめて保存され、あとから見返すことができます。
ただし、出典が付いていることは回答が正しいことの保証ではありません。確かめ方は注意点の章で説明します。
検索範囲の指定(フォーカス)
検索する対象の種類を絞る機能があり、フォーカスと呼ばれています。Pro Searchのヘルプでは、Web全体、学術(Academic)、金融(Finance)、手元のファイル(Files)が対象の例として挙げられています。範囲を決めておくと、関係の薄いページが出典に混ざりにくくなります。
ファイルのアップロードと要約
PDFや画像などのファイルを検索窓にドラッグ&ドロップして、内容の要約、コードの分析、ファイル内の文章の翻訳などを頼めます(ヘルプ「Typing a question vs. uploading a file or image」、2026年9月3日更新)。Perplexity Proのヘルプでは、PDF・CSV・音声・動画・画像のアップロードに対応すると案内されています。
アップロードしたファイルは無期限には保存されず、30日間(Enterprise Proの利用者は7日間)保持されたあと自動で削除されると説明されています。保持期間中はサーバーに置かれるため、社外秘の資料を読み込ませてよいかは会社のルールで決めておきます。
複数のAIモデルを選べる(有料版)
有料版では、回答を組み立てるモデルを選べます。Pro Searchのヘルプ(2026年9月3日更新)では、選べるモデルの例として、同社のモデルSonarのほか、GPT-5、Claude Sonnet 4.6、Gemini 3.1 Proなどが挙げられています。既定のモードは、質問に応じてモデルを自動で選ぶ設定です。無料版はPerplexityがモデルを選ぶ形で、高度なモデルは対象外とされています(プラン一覧のヘルプ、2026年9月5日更新)。
※モデル名は2026年9月3日更新のヘルプの記載です。各社のモデルは短い周期で入れ替わるため、実際に選べるモデルは画面でご確認ください。
Deep Research(深掘り調査)
時間をかけて調べ、長いレポートにまとめてほしいときに使うのがDeep Researchで、画面ではResearchというモード名で選びます。Perplexityのヘルプ(2026年9月3日更新)によると、数十回の検索を行って数百の情報源を読み、内容を検討したうえで、包括的なレポートを自律的にまとめます。完成したレポートはPDFや文書として書き出せます。Researchの利用中はモデルを手動で選べないとも書かれています。
利用できる量はプランで異なり、無料版は限られた回数、Proでは拡張された回数と説明されています。ChatGPTやClaude、Geminiとの比較を含めた詳しい解説はDeep Researchとはをご覧ください。
Perplexityの始め方・使い方
業務で使う前提なら、アカウントを作り、設定画面でデータの扱いを確認してから質問を始める順番がおすすめです。
始め方・使い方の手順(アカウント作成から質問入力まで)
- サイトを開くかアプリを入れる:ブラウザでperplexity.aiを開くか、アプリを入手します。Pro Search、ファイルのアップロード、会話の保存にはサインインが必要です(ヘルプ「Account Management and Security」)。
- アカウントを作る:AppleアカウントかGoogleアカウントでログインするか、メールアドレスで登録します。メールで登録した場合は、ログイン用のリンクかワンタイムパスワードがメールで届きます。パスワードを設定する方式には対応していません。
- 設定を確認する:画面のアバターから設定(All Settings)を開き、Preferencesで表示言語と回答の言語、AI data retention(入力データの保持)を確認します。
- 質問して出典を確かめる:検索窓に質問を入力し、必要に応じてモードを選んで送信します。回答の引用から情報源を開き、足りない点は同じ会話で追加の質問を続けます。
同じヘルプには、登録したメールアドレスはあとから変更できないこと、アカウントの共有は利用規約に反することが書かれています。業務で使わせるなら、会社と私用のどちらのアドレスで登録させるかも最初に決めておきます。
スマホアプリとパソコンでの利用
スマートフォンでは、iPhone・iPad向けとAndroid向けのアプリが提供されています。日本のApp Storeでは、販売元がPerplexity AI Inc.、アプリ内購入ありの無料アプリとして掲載され、iOS 18.0以降が必要、対応言語は日本語とその他50言語と表示されています(2026年9月17日時点)。ヘルプでは、主な機能はWeb・iOS・Androidのいずれでも使え、一部の高度な機能はProかMaxの契約が必要と案内されています。
パソコン向けにはデスクトップアプリと、Perplexityのブラウザ製品であるCometも用意されています。なお、アプリ内で購入した有料プランは、Webで購入した場合と違い、別のアカウントへ移せないとヘルプに書かれています。
質問のコツ・活用のヒント
公式ヘルプ「Tips for Getting Better Answers from Perplexity」(2026年9月3日更新)が第一の原則として挙げているのは、意図をはっきり伝え、詳しく書くことです。同じページの助言を、業務の調べものに当てはめると次のようになります。
- 単語ではなく質問の形で聞く:「AI 規制」ではなく「日本の企業が生成AIを業務で使うときに参照すべき政府のガイドラインと、その公表元」のように聞く
- 背景を添える:「従業員50名の製造業で、初めて取り組む」など、前提を書く
- 出力の形を指定する:表、箇条書き、手順など、答えの形を指定する
- 最初の答えで終わらせない:追加の質問で条件を足し、範囲を絞り込む
業務では「官公庁の資料を出典にして」「発表日を併記して」のように、出典の条件を加えると確認の手間が減ります。
社員が個人のPerplexityで調べると、何を入力したかを会社から確かめられません。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。
Perplexityの活用シーン・用途
向いているのは、公開されている情報を広く集め、出典をたどりながら整理する作業です。
- 市場や競合の下調べ業界の動向、競合製品の公開情報、価格改定の発表などを集め、読むべき一次資料を絞り込む。数字は必ず出典の発表元で確かめる。
- 法令・制度の変更点の確認施行日や対象の変更を調べる入口に使う。最終的な判断は官公庁の原文と専門家の確認で行う。
- 業界ニュースの整理同じ出来事を報じた複数の記事を見比べ、共通する事実と各社の見方を分けて整理させる。
- 長い公開資料の要約白書や統計の公表資料などを読み込ませ、要点と該当ページを示させる。要約だけで判断せず、該当ページを開く。
公式ヘルプ「Practical Tips for Using Perplexity」でも、市場分析の調べもの、財務レポートの要約、コピーライティングでの事実確認などが仕事での例に挙がっています。
Perplexityの料金プラン
個人向けに無料版・Pro・Maxがあり、法人向けにはEnterprise ProとEnterprise Maxが別に用意されています。会社として押さえるべきなのは金額の差よりも、データの扱いと適用される規約が、個人向けと法人向けで分かれている点です。
個人向けの料金プラン(無料・Pro・Max)
プラン一覧のヘルプ(2026年9月5日更新)によると、個人向けの内容は次のとおりです。
- 無料版(Standard):基本の検索は実質的に無制限。Pro Searchはかなり限られた回数で、Researchも限られた回数。モデルはPerplexityが選び、高度なモデルと画像生成は対象外
- Perplexity Pro:高度なモデルを選べる、画像と動画の生成、ファイルのアップロードと分析の上限の引き上げなど
- Perplexity Max:高度なモデル群への最上位のアクセスと、新しい製品の先行利用
- Education Pro:本人確認を経た学生・教育関係者向けの割引プラン
同じ表のデータの扱いの行では、Pro・Maxは「AIの学習へのオプトアウトが可能」とされています。自分で設定を変えない限り、学習用のデータ保持はオンのままです(注意点の章で説明)。
※個人向けのProとMaxの金額は公式ヘルプの本文で確認できなかったため記載していません。購入画面(Web・App Store・Google Play)で金額と税の扱いをご確認ください。日本語版利用規約では、料金は米ドルで支払い、原則として返金されないと定められています。
法人向けプラン Enterprise Pro と Enterprise Max
法人向けの料金は、利用者1人(1席)ごとの課金です。公式ヘルプ「Enterprise Pricing and Billing FAQ」(2026年9月14日更新)によると、Enterprise Proは1席あたり月40ドルまたは年400ドル、Enterprise Maxは1席あたり月325ドルまたは年3,250ドルです。税についての記載はありません。
- Enterprise ProにもEnterprise Maxにも、無料の試用期間はない
- APIの利用料は含まれない
- 席数には30日間のコミットメント期間があり、席を減らしても請求への反映は最初の1か月が過ぎてから
- 請求書払い(振込)は年払いの契約のみ
- 250名以上は割引の対象になる可能性がある
プラン一覧のヘルプでは、利用上限をEnterprise ProがPro Search週400回・Research月50回、Enterprise MaxがPro Search週4,000回・Research月500回としています。
法人向けのデータはAIの学習に使わないと明記され、席の管理と請求を管理者がまとめて行えます。50席以上の組織か、Enterprise Maxの利用者が1人以上いる組織では、会話の保持期間を組織として設定できます。法人向けのページでは、SOC 2 Type IIの認証取得、SSOとSCIM(社員アカウントを自動で作成・削除する仕組み)、監査ログへの対応も掲げています(いずれも同社の発表)。組織でファイルを共有するOrganization File Repositoryは2026年10月1日に廃止され、残ったファイルは削除されると告知されています。
人数別の費用の試算(Enterprise Pro・Maxのドル建て)
公式ヘルプの1席あたりの単価を人数に掛けた試算です。為替で円の金額が変わるため、ドルのまま示します。
| 利用人数 | Enterprise Pro 月払いの月額 | Enterprise Pro 年払いの年額 | Enterprise Max 月払いの月額 | Enterprise Max 年払いの年額 |
|---|---|---|---|---|
| 10名 | 400ドル | 4,000ドル | 3,250ドル | 32,500ドル |
| 30名 | 1,200ドル | 12,000ドル | 9,750ドル | 97,500ドル |
| 50名 | 2,000ドル | 20,000ドル | 16,250ドル | 162,500ドル |
| 100名 | 4,000ドル | 40,000ドル | 32,500ドル | 325,000ドル |
| 200名 | 8,000ドル | 80,000ドル | 65,000ドル | 650,000ドル |
月払いを12か月続けると、Enterprise Proの10名で年4,800ドルとなり、年払いの4,000ドルより800ドル多くなります。ProもMaxも、年払いは月払いの12か月分より約17%少ない単価です。
Enterprise Maxの利用者が1人以上いる組織では、SCIM、監査ログ、データ保持期間の設定、利用状況のダッシュボードを席数の下限なく使えるとヘルプに書かれています。ProとMaxの席を組み合わせる契約も想定されていると読めます。たとえば30名のうち2名をMax、28名をProにすると、月払いで月1,770ドル(28×40ドル+2×325ドル)、年払いで年17,700ドル(28×400ドル+2×3,250ドル)になります。
※単価は2026年9月14日更新の公式ヘルプの記載です。税、割引、ProとMaxを組み合わせる場合の条件は記載がないか限られるため、見積もりで確認してください。
Perplexityを使うときの注意点
業務で使う前に確認したい注意点は6つあります。
誤情報とファクトチェック
出典が付いていても、回答が誤っている可能性は残ります。Pro Searchのヘルプは、回答にリンクされた情報源を参照して情報を検証することが欠かせないと書いており、回答エンジンについてのヘルプも、正確さを目指しているが情報源を再確認するよう勧めています。日本語版利用規約(2026年1月23日最終更新)の8.1.2は、出力が不正確・偏向・不完全な情報を含む可能性を利用者が認めること、医療・法律・投資・金融などの専門的な助言について出力に依存すべきではないことを定めています。
確認は次の順に行うと漏れにくくなります。
- 出典を開き、回答の文に対応する記述が本当にあるかを確かめる
- 発行元を確かめ、解説記事なら引用元の一次資料までたどる
- 公開日と更新日を確かめる
- 数字や固有名詞は、社外に出す前に一次資料の原文と照合する
日本語の精度と、日本語・英語で回答が変わる点への備え
Perplexityは日本語で質問し、日本語で回答を受け取れます。設定のヘルプ(2026年9月3日更新)によると、画面の表示言語とは別に、回答に使う言語を指定できます。App Storeでも対応言語に日本語が含まれています。
一方で、日本語での回答の精度を第三者が検証した結果は、確認した範囲では見つかっていません。精度の高さを前提にせず、出典で確かめる運用にします。検索でたどり着く情報源は質問の書き方に左右されるため、日本語と英語では引用されるページや結論が変わる場合があります。海外の制度や製品は英語でも同じ質問をして見比べ、国内の制度は官公庁の資料を出典に指定すると確かめやすくなります。
機密情報の入力と学習への利用
個人向けの無料版・Pro・Maxでは、入力内容をAIの学習に使うためのデータ保持が最初からオンです。公式ヘルプ「Data collection at Perplexity」(2026年9月3日更新)は、無料版・Perplexity Pro・Perplexity MaxではAI Data Retentionが既定で有効と明記しています。有料のProやMaxでも同じです。
Account settings(設定)→ Preferences → AI data retention のトグルをオフにします。同じヘルプには、次の3点も書かれています。
・オプトアウトが適用されるのは、オフにした日以降に集められたデータだけで、すでに集められた学習用データは削除できない
・この設定は利用者個人ごとに適用される
・オフにしても、サービスの運営、法令の順守、製品の改善のためにデータが処理されることはある
設定は個人ごとに適用されるため、社員が個人アカウントで使っている場合、会社がまとめて切り替える方法はヘルプに示されていません。社員一人ひとりに設定を確認してもらい、使い始める前にオフにする手順を配る必要があります。
ほかのデータの扱いとして、次のことも公式ヘルプに書かれています。
- OpenAIやAnthropicなど外部のモデル提供元との契約で、Perplexity経由のデータを提供元の学習に使うことを禁じている
- 法人向けプランのデータは学習に使わないが、無料版などに切り替えると個人向けの方針に戻り、データ保持は既定でオンになる
日本語版利用規約の6.4.2では、利用者が入力したコンテンツについて、サービスの運営や改善などのためのライセンスをPerplexityに与える形になっています。顧客情報や未公開の数字を入力してよいかは、設定の有無だけでなく、この契約の形を前提に判断します。
個人向け規約は「個人の非営利目的での利用に限り」許可
個人向けの利用規約は、サービスの利用を個人の非営利目的に限って許可すると定めています。日本語版利用規約(2026年1月23日最終更新)の5.1は、規約の順守を条件に「お客様個人の非営利目的での利用に限り」本サービスの利用を許可すると書いています。同じ規約の冒頭では、APIとPerplexity Pro for Enterpriseの利用にはこの規約は適用されず、法人向けには別のEnterprise規約が適用されると明記されています。
さらに、会社などの団体を代表して利用する場合、その団体も規約上の利用者に含まれ、利用者は団体を拘束する権限を持つ代表者であることを表明・保証するとされています。社員が個人で契約したProを経費で精算して業務に使うと、誰が契約の当事者なのかが曖昧になるおそれがあります。
個人向けの規約のもとで業務に使うことがどこまで認められるかは、この条文だけで断定できません。会社として使わせるなら、法人向けの契約と規約の内容を確認しておくのが望ましいでしょう。なお、個人向け規約の準拠法は米国カリフォルニア州法で、紛争は英語での個別仲裁で解決すると定められています(登録から30日以内の書面通知で仲裁を拒否できる規定もあります)。
国内新聞社による提訴報道と、回答の社外での利用
ITmedia AI+の2025年8月26日の記事によると、読売新聞が2025年8月7日に約21億6800万円の支払いを求めて提訴し、朝日新聞社と日本経済新聞社も同年8月26日に、それぞれ22億円の支払いを求めて東京地裁に共同で提訴しました。報道によると、新聞社側はrobots.txt(サイトの情報を収集するプログラムに対して、収集を断る意思を示す設定ファイル)で示した拒否の意思が無視されたと主張し、著作権の侵害や、誤った情報の表示による信用の毀損を訴えています。
この報道が利用者の会社に直接の責任を生むわけではありません。ただ、回答には元の記事の表現が要約の形で含まれることがあり、そのまま社外資料や自社サイトに転載すると、著作権や誤情報を広めるリスクを自社で抱えることになります。
自社サイトの記事づくりにAIを使うときの工程とGoogleの考え方、公開前の確認はSEOのAI活用にまとめています。
利用規約の1.1.2も、本サービスを明記せずに出力を公開すること、出力の出所やAIで生成された事実を偽って表示することを認めていません。社外に出す文書では、回答は調べる手がかりにとどめ、一次資料を確認して自社の言葉で書き直すことをルールにしておくとリスクを抑えやすくなります。
ブラウザ「Comet」を業務画面で使うとき
Cometは、Perplexityが提供するWebブラウザで、Comet Assistantというアシスタントが組み込まれています。ブラウザは社内システムや顧客管理の画面も開くため、データの扱いの確認が欠かせません。
公式ヘルプ「Comet Assistant privacy and data use」(2026年9月3日更新)の説明では、Comet Assistantは既定では閲覧履歴、すべてのタブ、Cookie、パスワード、ローカルファイルにアクセスしたりアップロードしたりしません。要約やメール・カレンダーの操作など、依頼に必要な文脈だけを送り、その文脈は最大30日保存後に自動で削除されるとされています。初回のエージェント起動時には許可の確認が出て、設定のPrivacy and securityから無効化やサイトごとのブロックもできます。
いずれも同社の説明です。ログイン済みの社内システムの画面で要約や操作を頼めば、その内容が処理のために送られます。業務で使わせるなら、社内システムや顧客情報を扱うサイトをブロックする、常に許可を選ばない、といった取り決めを先に決めておきます。
会社でPerplexityを安全に使うには
会社として先に決めるべきなのは、入力してよい情報の範囲と、誰のアカウントで使わせるかの2つです。
入力してよい情報を3つの区分に分ける
「機密情報は入力しない」の一文だけでは、何が機密かの判断が人によって分かれます。情報を3つに分けて、区分ごとに可否を決めておきます。
- 公開情報:官公庁の資料、公開済みのニュース、他社の公開ページ、自社サイトに掲載済みの内容。Perplexityでの検索や要約に使ってよい
- 社内限り:公開前の企画、社内の数字、会議のメモ、取引条件。法人向けに契約し、学習に使われない設定と保持期間を会社で確認できた環境でだけ入力してよい
- 顧客・個人情報:顧客名、取引先担当者の個人情報、従業員の人事情報、顧問先から預かった資料。原則として入力しない。例外を認める場合は、契約と管理の条件を個別に確認したうえで判断する
固有名詞を伏せても、ほかの情報と組み合わせて特定できるなら同じ扱いです。社内ルールへの落とし込み方は、生成AIの社内ガイドラインの作り方で詳しく解説しています。
アカウントの持ち方を決める
アカウントの持ち方は大きく3つで、会社が管理できる範囲が変わります。
- 個人アカウントでの利用を認める:会社として契約の費用はかからない(有料版を経費で精算する場合を除く)が、学習設定、利用の記録、退職時の停止を会社側で管理できず、個人向け規約の問題も残る。認める場合も入力は公開情報に限る
- Perplexityの法人向けプランを契約する:学習に使わない扱いと管理機能が得られる。費用は1席ごとに増える。Perplexityの中で他社のモデルは選べるが、ChatGPTやClaudeなど各社のアプリそのものを使う場合は、別の契約と管理が必要になる
- 複数のAIを1つの管理下でまとめて使える環境を用意する:Perplexityを含めた複数のAIの利用を、1つの契約と管理画面で扱う。対応しているAIの範囲と、各AIへの接続の条件を確認して選ぶ
禁止だけを決めても、便利な道具は個人のスマートフォンで使われ続けがちです。会社が把握していない利用は野良AI(シャドーAI)と呼ばれ、情報が社外に出ても会社が気づけません。用途を満たす環境を会社の管理下で用意するほうが、見えない利用を減らしやすくなります。
社員に使わせる前の確認チェックリスト
- 個人アカウントのAI data retentionがオフになっているか個人向けプランでは既定でオン。設定は個人ごとなので、画面の場所を示した手順を配り、本人に確認してもらう。
- 登録に使うメールアドレスを決めたか登録後にメールアドレスは変更できない。会社のアドレスか私用のアドレスかで、退職時の扱いが変わる。
- 入力してよい情報の区分を配ったか公開情報・社内限り・顧客や個人情報の3区分と、それぞれの可否を1枚にまとめておく。
- 業務での利用を個人向け規約のまま続けてよいか判断したか個人向け規約は個人の非営利目的での利用に限ると定める。法人向けの契約が必要かを確認する。
- 回答を社外に出すときの確認手順を決めたか出典の原文との照合、発行元と日付の確認、自社の言葉での書き直しを、誰が行うかまで決める。
- Cometを業務端末で使わせるかを決めたか使わせる場合は、社内システムや顧客情報を扱うサイトをブロックする設定を案内する。
このほかの点検項目は、生成AIのセキュリティ対策チェックリストにまとめています。
複数のAIを使い分ける前提で環境を整える
Perplexityは出典付きの調べものに向く一方、文章作成や長い資料の読み込みでは、ほかのAIが合う場面もあります。調べる、まとめる、書くという工程ごとに別のAIを使いたくなることは少なくありません。
サービスごとに契約、学習設定の確認、アカウントの発行と停止を繰り返すと、確認漏れが増えていきます。複数のAIを1つの環境でまとめて使う方法はマルチAIとはで、法人向けの生成AIサービスの料金と条件の横並びは法人向け生成AIサービスの比較で整理しています。検討の際は、Perplexityを含めて使いたいAIがそろっているか、学習に使わない扱いが全員に一律で適用されるか、利用の記録を会社側で確認できるかを確かめてください。
Perplexityも、会社の管理下で
UPGEAR AIは、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で切り替えて使える法人向けAI基盤です。全モデルで学習非利用を標準適用し、Perplexityには法人向けAPIのZDR(データ非保持)で接続します。管理画面では、UPGEAR AI上の誰が・いつ・どのAIを・どう使ったかを一覧でき、使わせるAIも会社が選べます。UPGEAR AIの料金は月額30,000円(税抜)からで、ユーザーごとの課金はありません(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。別途、初期費用100,000円(税抜)がかかります。
UPGEAR AIの詳細を見るよくある質問
Perplexityは無料で使えますか?
PerplexityとChatGPTはどちらを使えばよいですか?
Perplexityに入力した内容はAIの学習に使われますか?
社員が個人で契約したPerplexity Proを業務に使ってもよいですか?
Perplexityの回答をそのまま社外資料に使ってもよいですか?
まとめ
Perplexityは、質問のたびにWebを検索し、出典を示しながら答えるAI検索エンジンです。リンクの一覧を返す従来の検索エンジンと違って回答を文章でまとめ、Web検索を機能の1つとして持つChatGPTと違って、検索と引用を基本の動作に据えています。
会社で使う前には、個人向けプランでは学習用のデータ保持が既定でオンで設定が個人ごとであること、個人向け規約が個人の非営利目的での利用に限って許可していることを確認してください。回答の社外での利用やCometの扱いにも取り決めが必要です。
社員に使わせる前に、入力してよい情報の区分とアカウントの持ち方を決め、チェックリストで確認してから始めてください。法人のAI活用に関するほかの記事はAI活用コラム一覧をご覧ください。
